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あぶない叔父さん/麻耶雄嵩 ★★★☆☆

犯人はまさか、あの人!? 常識破りの結末に絶句する「探偵のいない」本格ミステリ! 四方を山と海に囲まれ、因習が残る霧ヶ町で次々と発生する奇妙な殺人事件。その謎に挑む高校生の俺は、寺の離れで何でも屋を営む人畜無害な叔父さんに相談する。毎度名推理を働かせ、穏やかに真相を解き明かす叔父さんが最後に口にする「ありえない」犯人とは!

<叔父さんはとことん運が悪いようだ>

「失くした御守」は既読。
これは出オチ感がスゴイといいますか。
一番衝撃的な(というか気持ち悪さが炸裂する)第一話が叔父さんの自己紹介になっていて、その後似たようなオチ(まぁ変化もあるけれど)が続くので、麻耶作品には珍しく退屈に感じました。
これなら連作じゃない方が良かったような。
甥っ子の三角関係や将来の苦悩という青春模様を楽しめばいいのか、おじさんの愛らしい(?)言動に甥っ子が萌えまくる様子を楽しめばいいのか、なんだか中途半端な読後感。
想像していたのと違った。

化石少女/麻耶雄嵩 ★★★☆☆

学園の一角に建つ壁には日暮れると生徒たちの影が映った。そしてある宵、壁は映し出した、恐ろしい場面を……。京の名門高校に次々起こる凶悪事件。古生物部の部長にして化石オタクのまりあが、たった一人の男子部員をお供に繰り出す、奇天烈な推理の数々とは?

<先輩の推理は
  俺が必ずここで聴いてあげますから>


独特のゆがんだミステリを楽しむことができました。
舞台が小学校でも殺人事件を起こすタイプの作家だということをすっかり忘れていたのか、最初の事件には少し動揺してしまいましたよ。
どの短編も、潔いほど偶然に頼りまくりなトリックですが、発想が面白いし、何より解りやすかったです。
特に「自動車墓場」の真相が鮮やかで好みでした。
そして、どの事件も結局背景や動機が見えないまま終了するモヤモヤした感覚が堪らない。
毎回の彰の全否定っぷりがやりすぎに感じてしまったのは残念だし、インパクトにもやや欠けますが、2人の関係性を巧く生かしたオチは麻耶作品っぽくて好みです。
あと、化石から得られるヒントがささやかすぎて、これならリリヤン部だったとしても何とか捻り出せたのでは?とか思ったけれど、化石と同じくらい彰の失恋のエピソードは要らない気がするのです。

さよなら神様/麻耶雄嵩 ★★★★☆

隣の小学校の先生が殺された。容疑者のひとりが担任の美旗先生と知った俺、桑町淳は、クラスメイトの鈴木太郎に真犯人は誰かと尋ねてみた。鈴木の情報は絶対に正しい。鈴木は神様なのだから―(「少年探偵団と神様」)。衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させた神様探偵が帰ってきた。他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに。

<全知全能というのを知っているかい?>

今回も小学生たちを相手に、手加減なしの真っ黒な展開を見せてくれました。
毎回、冒頭で鈴木が犯人を名指しするってのも斬新ですが、その犯人の選択も絶妙なんですよね。
どの話も完璧なロジックで犯人を確定するというのではなく、足りないロジックを「鈴木=神様」という事実により、推測で補うという流れになっているのが面白いです。
前半2話の街灯やTV の電源オフの謎はともかく、3話以降の「推測」はとんでもなく悪魔的で背筋がざわつきます。
なかでも「バレンタイン昔語り」は秀逸で、真相に愕然となり、伏線に痺れました。
ラストの真相は予想できるだけにどういう結末になるのか興味があったけれど、まさかこんなハイな感じで終わるとは・・・!
さすが麻耶さん、一筋縄ではいきません。
めでたしめでたし!?

貴族探偵対女探偵/麻耶雄嵩 ★★★★☆

「貴族探偵」を名乗る謎の男が活躍する、本格ミステリーシリーズ第2弾! 今回は新米女探偵・高徳愛香が、すべてにおいて型破りな「貴族探偵」と対決! 期待を裏切らない傑作トリックの5編収録。

<君はどうしても私を犯人にしたいようだね>

「白きを見れば」は既読。
麻耶作品というとすべてのキャラクターが無機質な印象でしたが、だんだん血が通ってきたのかしら、今回も楽しく読めました。
貴族探偵のライバル(?)女探偵・愛香が登場するのですが、この2人の対立する関係がとっても良くて。
苦手だった貴族探偵も愛香のおかげで好感度が上がりましたよ。
貴族探偵を「髭」呼ばわりなんて、最高でした。

真相はシンプルで大体予想がつきますが、やっぱりロジックは独特。
お気に入りは最終話の「なほあまりある」
このオチは、なるほど!でした。
「幣もとりあへず」もおおっと思ったのですが、「あの作品」と比べると短編ならではのモヤモヤが残るかなぁと。
愛香が失敗から少しずつ学んだり、過去の情報もロジックに組み込まれているのが面白いです。
紗知に同情されたり、依子の「またか」という表情にも笑った~。

メルカトルかく語りき/麻耶雄嵩 ★★★★☆

ある高校で殺人事件が発生。被害者は物理教師、硬質ガラスで頭部を5度強打され、死因は脳挫傷だった。現場は鍵がかかったままの密室状態の理科室で、容疑者とされた生徒はなんと20人!銘探偵メルカトルが導き出した意外すぎる犯人とは―「答えのない絵本」他、全5編収録。麻耶ワールド全開の問題作。

<私は不可謬だからね>

面白かったっ!
昔はどうしようかと思うほど理解不能なメルでしたが、少し親しみやすい(?)キャラになったのでは。
「メルは不可謬なんだから仕方がない」と思えばスッキリする、そんな短編集です。
クオリティの高い作品ばかりの中でも、お気に入りは「九州旅行」
だんだんと明らかになる状況の斬新さと鬼のメル、そしてなんといってもあのラストシーン!最高です。

いつも麻耶作品とはユーモアの相性が良くないのですが、今回は大満足。
メルと美袋くんの寸劇が意外にもちゃんと成立していたり。
美袋くん、エアとはいえなんだか気持ちがよかったり。
美袋くんの見る夢が何気に大胆だったり。
本当に楽しかったです。初期の作品、再読しようかと少し考えてやめました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
「死人を起こす」第一の事件の死因はすぐに解ったんだけど、なぜ2つある窓の「西側」からなんだろう?とそこに注目してしまった。深い意味はなかったのね。
第二の事件は、メルの「普通なら第一の事件の真相の発覚を恐れての犯行と考えるだろう」とは考えずに、「被害者が第一の事件の犯人だと勘違いした人物による復讐」という見方をしていたので「ん?」と思った。まぁ真相に影響ナシ。
それにしても「青倉ゴ*ブリ」はひどいわ~。すごく解りやすい例だけど(笑)。
「収束」「後に連続射殺事件として~」という記述から、内野から順に事件を起こすのかと思ったわ。
真相はどれか一つなのね。本当に見せ方が巧い。

隻眼の少女/麻耶雄嵩 ★★★★☆


古式ゆかしき装束を身にまとい、美少女探偵・御陵みかげ降臨!
因習深き寒村で発生した連続殺人。
名探偵だった母の跡を継ぎ、みかげは事件の捜査に乗り出した―。(帯より)


<私の左眼は、真実を見抜きます>

素晴らしい本格ミステリ。堪能しました。

二転三転する真相、そして「履物」と「本棚」と「ライター」のロジックにため息。
思わず「そんなぁ・・・」と呟いてしまう動機も含め、とっても好みなのでした。さすが麻耶さん!
相変わらず、キャラクターにまったく愛着が沸かないことがとても残念なのですが・・・。(どこかぎこちないのですよね・・・。)
すべての伏線を回収した!という満足度が低いのは、舞台が舞台だけに三津田作品と比べてしまうからなのか、それともまだ別の真相が隠されているからなのか・・・。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
P399の「わざと」発言はミステリとしては不満。
まぁ、趣旨を考えると仕方ないけれど・・・。
逆に、P414には笑った!
たびたび「紛らわしいなぁ~」と思ってたから。

静馬の境遇と記憶喪失という要素がやけに浮いてるように感じた。
すっごく深読みしちゃったよ。
ところで、行方不明のカレはそのまま放ったらかし?
紗菜子の「スズメ蜂」のエピソードも印象的だったのだけど・・・?
ラストの「今度こそ逃がさない」も何だか意味深だよなぁ。

貴族探偵/麻耶雄嵩 ★★★★☆

自らは推理をしない「貴族」探偵、登場。
推理などという〈雑事〉はすべて、使用人任せ…。
「趣味」探偵の謎の青年が、生真面目な執事や可愛いメイド、巨漢の運転手などを使い、難事件を解決する。知的スリルに満ちた本格ミステリー!


<あなたが解決するんじゃないの?>

「貴族探偵」ではなく「使用人探偵」ですよね。

「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「加速度円舞曲」は、アンソロジーにて既読だったので、自然と(貴族探偵のキャラに)期待せずに読むことができました。
「ウィーンの森の物語」「春の声」の丁寧なロジックにも満足ですが、やっぱり一番素晴らしかったのは「こうもり」でしょう!
やっぱり麻耶さん、こういうの巧い!フェアでした!

それにしても、メルや木更津のようなキャラに「女好き」が加わったことで、逆に貴族探偵の方が下品に思えてくるから不思議。
もちろん、それも狙い通りなのでしょうけれど。

神様ゲーム/麻耶雄嵩 ★★★★★

ぼく、黒沢芳雄は小学4年生。同じ町内同士の仲間で結成されている探偵団のメンバーだ。最近、ぼくの住んでいる神降市で野良猫連続殺害事件が発生。クラスメイトのミチルちゃんが可愛がっていた猫が被害に遭ってしまう。そんな時、転校生の鈴木君から「自分は神様で猫殺しの犯人も知っている」と聞かされる。半信半疑のまま、ぼくは鈴木君の<神様ごっこ>に付き合うことになるのだが・・・。

麻耶さんは初期の作品で一旦沈んだ気持ちにさせられて、その後『鴉』や『蛍』で惚れ直してしまった作家さんです。
この作品は手に取る前に「すこぶる後味が悪い」とか「子どもは絶対トラウマになる」など評判を聞いていました。
心積もりはしていたので、そんなにも憂鬱にはならなかったです。
子ども向けの作品でも、麻耶さんが書くとこうなってしまうでしょう。

主人公の男の子は親友と探偵団との板挟みになっても、それぞれの「掟」を守るようなとても芯の通った良い子です。
だからこそ<神様>の告げる「事実」にショックを受け、それを最後まで引きずってしまう姿がとても痛々しい。
そのくらい<神様>の言葉は残酷です。
猫殺しの犯人を罠にかける作戦を考えついた次の日、秘密基地で新たな事件が起きます。
そして一つ目の「天誅」。
これはさすがに絶句しました。
何もそんな目に遭わさなくったって・・・。
そしてラストでは座ってたバランスボールごとひっくり返りそうになりました。
さすが、麻耶さん!
完読後、また読み返す作業が必要です。

真相がわかると、主人公と両親との関係の設定(または必然性)や、事件のトリックに納得することができ、やはり計算されているなぁと感心しました。
(私なりの解釈なので、正しいかどうかは別なのですが。)

ふと気が付いたのですが、目次が「死」を中心に回文?のようになってます。
何かの暗示なのかしら・・・?
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 2005年8月~

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