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望郷/湊かなえ ★★★☆☆

島に生まれ育った人々の、島を愛し島を憎む複雑な心模様が生み出すさまざまな事件。

<我が故郷よ、永久にあれ!>

どれも主人公の心理描写は見事ですが、読後は島の閉塞感しか印象に残らないといいますか。
長編ならともかく、短編でこんなにも湿っぽい話が続くと気が滅入るといいますか。
既読の「海の星」がよかったので、この短篇集も読んでみたけれど、しばらく湊かなえはいいかな。

白ゆき姫殺人事件/湊かなえ ★★★☆☆


美人会社員が惨殺された不可解な殺人事件を巡り、一人の女に疑惑の目が集まった。同僚、同級生、家族、故郷の人々。彼女の関係者たちがそれぞれ証言した驚くべき内容とは。「噂」が恐怖を増幅する。果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも―。


<私が話したことこそがあの子の本性なんだから>

ストーリーには引き込まれたのに、読み終わるとなんとも印象の薄い。
確かに嫌~な気分にはなりますが、似た設定の小説なんて他にたくさんあるので、もっとドロドロじゃないとパンチ不足です。

これまた、終盤の関連資料が退屈で。
あの名前が文章じゃなくて、ドーンと記事で発表されていたら、インパクトがあったかも。
そして、なぜ惨殺?
社内泥棒の真相には期待してたんだけどなぁ。

サファイア/湊かなえ ★★★☆☆

宝石に願いを込めて。
7つの宝石に込められたそれぞれの想い。
想いはきっと届く。
あなたに返し忘れたもの。それは・・・。


<宝石が人生を輝かせるなんて、笑わせる>

「真珠」
あまりヒネリはなく、もの足りない結末。
「ルビー」
なんだか少し泣けてくるような。家族がいい味出しています。
「ダイヤモンド」
まさかのSF。そしてまさかのオチ。
「猫目石」
赤川次郎風の展開。嫌いじゃないわぁ。
「ムーンストーン」
これには、やられた、というより、一瞬「?」となった。抜群にドラマチック。
「サファイア」
切ない切ないストーリー。
「ガーネット」
結末としてはキレイだけれど、なぜこれだけ連作?という不自然さと、「サファイア」の切なさで終わらせてほしかったなぁという残念な気持ちが残った。

お気に入りは「ルビー」「ムーンストーン」
全体的にイヤミス風味ですが、読後感は悪くないです。
それにしても、相変わらず女性の容姿に対する毒舌がたっぷりで、グサグサ突き刺さりましたよ。

境遇/湊かなえ ★★☆☆☆

政治家の夫と幸せな家庭を築き、さらに絵本作家としても注目を浴びる主婦の陽子。
家族のいない天涯孤独な新聞記者の晴美。親友同士のふたりは共に生まれてすぐ親に捨てられた過去を持つ。ある日、「世間に真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状と共に、陽子の5歳になる息子が誘拐された。真実とは一体……。晴美と共に「真実」を求め奔走する陽子。すると、陽子の絵本のファンだという一人の女性の存在が浮上する。


<きれいな青空なのに、汚れちゃったね>

なんとも印象の薄い作品でした。
陽子と晴美の「境遇」を強調したいのは分かりますが、キャラクターが弱すぎるため読み応えがないのです。
(絵本の内容が平凡すぎて、これがベストセラー?という違和感も。)
ミステリとしては真相が見えやすいし、サスペンスの面でも緊張感がなく、後にはなにも残りませんでした。

花の鎖/湊かなえ ★★★★☆



元英語講師の梨花、結婚後、子供ができずに悩む美雪、絵画講師の紗月。3人の女性の人生に影を落とす謎の男「K」。感動のミステリ。

<繋がっているとは、
   そういうことなのだと思いたい>


『告白』より後はあまり印象の残らない作品が多かったですが、今回は満足。
何の疑いも持たず読み進めて、第五章に入ってやっと真相がわかりました。
(そのあとの梨花へのネタばらしはくどく感じたかも。)
最後まで夏美の性格が変わらないというところがポイントが高いなぁ。
湊作品の特徴はないかもしれないけれど、これまでよりずっと読み心地がよかったです。

往復書簡/湊かなえ ★★★☆☆


あれは本当に事故だったのだと、私に納得させてください。高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。女子四人のうち一人だけ欠けた千秋は、行方不明だという。そこには五年前の「事故」が影を落としていた。真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る―(「十年後の卒業文集」)。(帯より)

<毎回手書きでこれだけ書いてくるって大変でしょ>

決してつまらない訳ではないのですが、どの作品もどこかで読んだようなストーリーなんですよね。
それでも「十五年後の補習」のラストにはじ~んときましたが。
毒が薄れるのはいいとして、もっと謎が魅力的だったらなぁ・・・。
物足りなさが残りました。

夜行観覧車/湊かなえ ★★★☆☆


父親が被害者で母親が加害者―。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。(帯より)

<あんなところに家など建てなければよかったのだ>

う~ん。今回はフツーでした。
クセのある登場人物ばかりで描写も抜群に巧いのですが、せっかく視点を変えるのなら、それぞれの人物の印象もガラリと変えて欲しかったかな。
彩花なんてどの角度から見ても好感が持てなかったから。
高橋・母の存在感がイマイチのため、あのラストもすごい違和感が残りました。
湊さんの作品は、オチはともかく先の読めない展開は好みだったので、今回は肩透かし。
何か新しいことをやってくれそう、という期待がまだ捨てられない・・・。

Nのために /湊かなえ ★★★☆☆


「N」と出会う時、悲劇は起こる―。
大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。(あらすじより)


<なあ、そろそろ本当のことを教えてくれよ>

う~ん。登場人物の視点を変えながら、それぞれの過去や事件の概要を綴っていく手法はとても好みでワクワクしたのですが・・・。
引っ張った割には、平凡な真相でした。
心理描写がしっかりしているようで掴み切れないのも残念。
切なさまであと一歩。

贖罪/湊かなえ ★★★☆☆


取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる。
―これで約束は、果たせたことになるのでしょうか?


<恐ろしい、罪の連鎖が始まってしまった>

4人のエピソードはとても丁寧に描かれているし、それぞれの展開もとても好みなのですが、少女たちのキャラが薄いのか、前作と同じく無難な印象を受けました。
キーパーソンとなる人物の登場など過去の事件との繋がり方も強引だし、各章のオチにも読後に残るほどの悪意や陰湿さが感じられず、ただの「イジワルな展開」という見方しかできなかったのが残念。
唯一、「ある女性」だけはものすごい個性的で、彼女の真意に「それはないわ!」と、ドッと疲れが・・・。

少女/湊かなえ ★★★☆☆

高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?(本書あらすじより)

<それじゃあ、死を悟れない>

普通、かな。
面白くないわけではないけど、全体的に意外性が足りないのですよね。
伏線の回収は無難。ラストはパンチ不足。
「後味が悪い」と思うほど登場人物に感情移入ができず、サラッと読み流してしまいました。

告白/湊かなえ ★★★★☆


我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。
ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。(amazon内容紹介より)


<なかなか、聖職者っぽい発言だと思いませんか?>

久しぶりの一気読み。強烈でした。

とにかく、第一章が素晴らしい。
女性教師の語り口から、淡々と進む、静かなストーリーだと思ってたら大間違い。
このとんでもないオチには、ゾワーッときながら拍手しそうになりました。

伏線の回収の見事さもあり、第一章が一番緻密でインパクトが大きいです。
第二章からはリアリティに重点をおいて、教室内の不穏な空気や、加害者やその関係者の心情が描かれているのですが・・・これほどサプライズ尽くしの作品は久しぶり。
感情移入できそうな人物を見つけたと思ったら、その後の章であっさり裏切られてしまうのにも愕然となります。

帯で引っ張り出されてますが、少なくとも宮部作品ほどの悪意が感じられなかったのは良かったです。
少し距離をおいた気分で読んだのもありますが、リアリティとミステリのバランスがとっても好みでした。
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 2005年8月~

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