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夜の欧羅巴/井上雅彦 ★★★☆☆

宮島レイ、12歳。吸血鬼画家の母親・ミラルカとふたりで仲良く幸せに暮らしていた。ところが、ミラルカは彼の前から忽然と姿を消してしまい、3人の刑事が彼女の消息を尋ねにやってくる。なんと、国際的な陰謀に捲きこまれたかも知れない!レイに残されたのは、たった一冊の幻の画集。鍵を握るのは、不思議な少女。異国への旅に踏み切るレイを、追ってくるのは国際警察?それとも闇の異形たち?

<夜が、どんどん濃くなっていく>

多くの作家さんが手加減しながら書いている印象のミステリーランドですが、これは久しぶりに読み応えのある作品でした。
商店街とヨーロッパがつながっているという発想といい、細やかな伏線といい、子供のころに読んだら完全にツボな要素が満載で嬉しくなりました。
全体的にみると、放りっぱなしの謎や腑に落ちない点もあるのですが、細かいことがどうでもよくなるほどの迫力があるのです。
レイが次から次へと怪奇現象に巻き込まれていく様子は本当にワクワクさせられました。

ぼくが探偵だった夏/内田康夫 ★★★☆☆


光彦・小学校五年生。待ちに待った夏休み、光彦は今年も恒例の軽井沢の別荘へ・・・。そこで、怪しげな「緑の館」の庭で大きな穴を掘り、何かを埋めようとしている男の姿を発見することに!その直後から不穏な空気が光彦の周囲に漂いはじめる。埋められた物は何だったのか?平和な軽井沢でいったい何が起こっているのだろうか!?

<光彦はつまらないことだけ、妙に知っているのね>

意外にも、浅見光彦ミステリーでした。
小学生の光彦がひと夏の冒険を通して少し大人へと成長するという、いかにもミステリーランドっぽいストーリー。
ミステリとしてはとっても物足りないですが、まぁ仕方がないかなぁ~。
シリーズのファンには嬉しい作品でしょうね。
私は途中で登場する内田康夫さんがどうにも苦手でした。

野球の国のアリス/北村薫 ★★★☆☆

野球が大好きな少女アリス。彼女は、ただ野球を見て応援するだけではなく、少年野球チーム「ジャガーズ」の頼れるピッチャー、つまりエースだった。桜の花が満開となったある日のこと。半年前、野球の物語を書くために「ジャガーズ」を取材しに来た小説家が、アリスに偶然再会する。アリスは小学校卒業と同時に野球をやめてしまったようだ。しかしアリスは、顔を輝かせながら、不思議な話を語りはじめた。「作日までわたし、おかしなところで投げていたんですよ。」

<・・・投げられるから、しあわせ>

ひょんなことから、鏡の世界へ入り込んでしまったアリス。
そこでは、新聞の字が逆だったり、右利きが左利きになっちゃったりするんだけど、アリスにとって一番の問題は、負けたチーム同士で試合をし、テレビ中継でエラーやミスを笑いものにするという悪趣味なイベントが行われていること。
野球を心から愛するアリスは立ち上がるのだが・・・。

アリスがとてもしっかりした女の子なんですよね。
ある失敗をするんですが、落ち込むよりも周りに迷惑をかけたことを反省したり、自分が逃げ出したらもう1人のアリスに迷惑がかかるのを気にしたり・・・。
お母さんも良い味出してるんですよね。
アリスとの接し方は、ほっこりと温かい気持ちになります。

アリスの成長や友情や恋愛(?)を絡めたストーリーはもちろん、読後感も爽やかでなかなか楽しめました。
セクハラ五堂の「ほれろよ」に、ニヤリ。

ぐるぐる猿と歌う鳥/加納朋子 ★★★☆☆

森は父親の転勤で東京から北九州へ転校することになった。わんぱくで怪我は絶えないし、物は壊すし、友だちは泣かせるしで、いじめっ子の乱暴者というレッテルをはられていた森の転校を聞いても、先生どころかクラスメイトのほとんど誰も残念がってはくれなかった。そんな森だったが、引越し先の社宅の子どもたちは不思議に気があい、彼らは森をまるごと受け入れてくれた。しかし森は次第に感じていた。この社宅には何か秘密がある。もしくは謎が…。

<まるで大型台風みたいな嫌われっぷりだ>

加納作品は『ななつのこ』『ガラスの麒麟』『螺旋階段のアリス』を読んだことがあります。
が、北村薫作品(まだ覆面作家だった頃?)と、内容が混乱気味。
雰囲気が似てるように感じるのですよね。

さて感想。
森の父親の性格からして、これは結構シビアなストーリーになるのでは?という予感がありましたが、想像以上でした。
『子どもの王様』と同じくらいの生々しさかも。

全体的にストーリーが散漫としている印象がありますが、子供たちの復讐は面白かったし、ラストのサプライズにはびっくり!
読んでいる間はそうでもなかったけれど、読後はとても懐かしいような微笑ましい気分になりました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
途中まで、パックは子供だけにしか見えない妖精だと思っていたので、その境遇に心が重くなりました。
子供たちの気持ちだけが救いです。

そして「あや」の正体に驚きました。
もしかして、ココちゃんは女の子なのでは?と、少し疑いましたが、まさか「あや」の方が男の子だったとは。
でも、最初から伏線張りまくりでしたね。
戦隊ごっこでレッドの取り合いとか。
ココちゃんは意外と身が軽いとか。
こういう仕掛けは大好きです。

酸素は鏡に映らない/上遠野浩平 ☆☆☆☆☆

ちょっと寂しい姉弟と、ヒーローくずれの男が巡り会い“ゴーシュ”の秘宝を探し求めて不思議な冒険をする。
これは鏡に映った姿のように、あるけれどもなくて、ないけれどもある、どうでもいいけど大切ななにかについての物語です。
あなたは、鏡をどういう風に見ていますか? (出版社による内容紹介より)


とてもメッセージ性の強い作品。
でも、この物語世界には全く引き込まれなかった。
キャラもストーリーも、何一つ魅力的に思えず、最後までパラパラとページを捲るのみでした。
こんな掴みどころのない小説は久しぶりかも。

それもそのはず、他のシリーズが未読だと楽しめないといいますか、特に終盤の展開がさっぱり理解できません。
「あ、これは著者のファンしか対象にしてないんだな」と気付いた瞬間、脱力。
この著者の作品が初めての私は大いに不満でした。
ミステリーランドなんだし、せめて綾辻さんのような配慮が欲しかったです。

ステーションの奥の奥/山口雅也 ★★★☆☆

小学6年生の陽太は、同居している叔父・夜之介の影響でミステリや怪奇小説が大好き。「将来の夢」という作文で「吸血鬼になりたい」と書いてしまい、学校でカウンセリングを受けることに。カウンセリングを何とかクリアした後、2人は夏休みの自由研究のために、取り壊し寸前の東京駅の取材に出かける。そこで殺人事件に巻き込まれ、おまけに夜之介が失踪してしまった!陽太はガールフレンドで将来は名探偵志望の留美花と一緒に、事件の真相を推理するのだが・・・。

ミステリーランド第11回配本。

山口さんの作品で既読なのは『ミステリーズ』のみ。
この作品、本格ミステリファンには非常に厳しい評価を受けているので、
あまり期待しないで読みました。
文章は「子供は理解できるのかな?」と思う箇所がいくつか。
最近の少年犯罪傾向を匂わせる記述にはドキッとしました。
東京駅が舞台なんですよね。
私にはあまり馴染みのない場所なので、延々説明されても全く想像できないのです。
身近な場所に隠された部分がある、というワクワク感が重要なのでしょうが・・・。
事件が起こるまでがひたすら退屈に感じました。

「死体の切断理由」と「密室トリック」の2つが主な謎で、
陽太と留美花が一生懸命論理的な推理を展開するのですが甘い甘い。
終盤で「バカミス」やら「脱力系トリック」とか言われている理由が判明。
私は「あはははは~!」と声に出して笑っちゃいました。
ミステリとしてはさすがにどうかと思うけれど、こういうの結構好き。
いいんじゃないですか?
あとがきの「わたしが子どもだったころ」を読んで、陽太と夜之介の関係をより微笑ましく感じました。

鬼神伝/高田崇史 ★★★☆☆


例外はあれども、「読者対象は子ども」を前提とした作品が多いミステリーランド。
本書も、普通に鬼を退治してハッピーエンド、な作品だと思っていたのですが、もう少し奥が深かったようです。


「鬼は悪者とは限らない」という視点でのアプローチは、子どもにはとても新鮮ではないでしょうか。
実際の話と教科書等で読むことの違いについての純の質問に、
「戦に勝ったものだけが言葉を残せる」
「誰でも、自分たちのしてきた悪いことや恥ずかしいことなど、後世に残そうとしやしない」
との海神の言葉。
「歴史教科書問題」がふと頭をよぎりました。
このあたり、子どもが読んだ感想がぜひ知りたいです。

普通の中学生が実はヒーローだった、という設定も良いですね。
純がオロチを操って戦う姿も、とてもワクワクしました。
(何となく「まんが日本昔話」のオープニングをイメージしながら。)
1冊目では殺人の謎、2冊目ではスパイ探し、など小ネタも楽しめました。
ラストは少しバタバタしてましたが、私好みの救いがあります。

しかし、私は1冊目を格闘シーンに使うも、2冊目は和解するという流れになると勝手に思っていました。
純も最初は「話し合い」を主張してたのに、いつの間にかそんな葛藤はどこへやら。
あっさりしてるなぁ・・・。
あと不満なのは、私の好きな「友情」がテーマでは無かったこと。
頼光・・・登場シーンから友情を予感したのに・・・。
その割には、純と水葉のシーンが多すぎる気が。

あとがきの暗号は面白いです。
『黄金蝶ひとり』の暗号より分かりやすいし、よくこんな手間をかけたなぁ。
目次もヒネってますね。
こういう試みは大好きです。

ラインの虜囚/田中芳樹 ★★★☆☆


ミステリーランドです。
今のところ、未読は高田崇史さんのみ。

外国が舞台で、かつ歴史が絡んでくる作品は久しぶりだったのですが、子供向けだったことが幸いして、かなり楽しめました。(イラストが綺麗なのも助かった!)

剣士と海賊と作家、そしてパリへやってきた女の子。
三人の年長者がコリンヌを見る目に温かさを感じます。
「大人だから」を言い訳に、度々どぎまぎする彼らが、とっても可愛らしい。
子どもに対しての「素敵な大人」、私たち大人に対しての「子どもへの接し方」が、しっかり描かれていると感じました。
気になった点は、彼らとの最初の出会いから旅の出発に至るまでが、トントン拍子だったので、途中がちょっと間延びしたような気がしました。
もう少し、敵の攻撃方法に工夫が欲しかったかな。
それでも、海賊王のラフィットや剣士のモントラシェが戦う場面は、ナイフや剣の動きがとても細かく描かれているので、想像すると結構ハラハラします。
最後は、爽やかだけれど、しんみりとした余韻が残ります。
もう少し、彼らの冒険を読んでみたい気持ちになりました。
ミステリーランドの大半の作品が、「小学生の夏休みの出来事」の設定が多い中、とても新鮮で大満足でした。
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 2005年8月~

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Author:めみ
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