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出版禁止/長江俊和 ★★★☆☆

社会の暗部を暴き続ける、カリスマ・ドキュメンタリー作家の「心中事件」。相手は、有名女優の妻ではなく、不倫中の女だった。そして、女だけが生き残る。本当は、誰かに殺されたのではないか?「心中」の一部始終を記録したビデオが存在する。不穏な噂があったが、女は一切の取材に応じなかった。7年が経った。ひとりのルポライターが彼女のインタビューに成功し、記事を書き上げる。月刊誌での掲載予告。タイトルは「カミュの刺客」。しかし、そのルポは封印された―。いったい、なぜ?

ラスト一行は予想外でしたし、隠された謎も検索して納得しましたが、ストーリーがそれほど面白くないといいますか、惹きつけられませんでした。
スラスラと短時間で読み終えることができたのは良かったかな。
アンソロジーでいくつか読んだことのある作家さんですが、短編の方がキレがあって好みかも。

群青のタンデム/長岡弘樹 ★★★☆☆

警察学校での成績が同点で一位だった、戸柏耕史と陶山史香。彼らは卒配後も手柄を争い出世をしていくが―。なぜ二人は張り合い続けるのか?異色の連作短篇警察小説。

真相で突然現実感が吹っ飛ぶことの多い長岡作品ですが、ライトミステリの感覚で読むとなかなか楽しめることに気づきました。
「張り合い続ける2人の警察官」という設定なのでもっとギスギスした雰囲気なのかと思ったら、小競合うくらいのライバル関係という点も読みやすくていいですね。
エピソードの詰め込みすぎや、数十年経過したというストーリーに深みが感じられなかったのが残念かな。
お気に入りは「予兆」。この真相は予想外でした。

武蔵野アンダーワールド・セブン―多重迷宮―/長沢樹 ★★★☆☆

可憐な美貌を持つ財閥令嬢から依頼された“鱗雲荘”の調査。有力政治家として名を轟かせた彼女の祖父が遺したその建物の地下には、鍾乳洞を利用して建造された巨大なシェルターが存在していた。そこで七ツ森神子都をはじめとする地下世界研究会のメンバーが屍蝋化した遺体を発見した瞬間、恐るべき連続殺人の幕が開く!

前作と違って、ストーリーは途中から一気に面白くなります。
堅苦しい舞台設定には困惑しましたが、この作家さんには珍しく、シェルターの説明や人物の動きが解りやすかったです。
ただ、めちゃめちゃ早い段階で真相にピンときてしまったのが残念。
動機は好みなのですが。弱いなぁ。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れているので、OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
不自然なくらいツグミや澤野の容姿がイメージできない&違和感のある文章なので、「そう見せかけて実は・・・」というテクニックなのかもしれないと思っていたら、まさかの「まんま真相」だったときの衝撃。
地下シェルターと神子都の事情を重ね合わせている点が、あの「2003年製作のアメリカ映画」と似ているせいで、余計に勘が働いたのかも。
摩耶に気づかれた時点で完全にネタばらし状態なので、そこからの展開を期待したんだけどなぁ。
唯一、アヴリルもそうだったのは意外だけれど・・・まぁどうでも。
せめて犯人が澤野だったら驚いた気がする。

リップステイン/長沢樹 ★★☆☆☆

ここ渋谷で“悪意"と戦っている――行人が出会った制服の少女はそう言った。少女は、世間を震撼させる連続事件の現場に現れることから、ある刑事に追われていた。“悪意"とは何なのか。少女はなぜ犯行時刻に現場の防犯カメラに写るのか。少女を通じて事件を追う学生の行人と、事件を通じて少女を追う刑事。二つの追跡行はやがて交錯し、衝撃の結末へと至る。

うーん。これは合わなかったなぁ。
キャラクターの抱えている悩みが理解しにくい上、青春小説にしては湿度が高すぎるといいますか。
明るい女子キャラも登場しますが、まったく弾まない、重苦しいストーリーなのです。
おまけに、刑事・永瀬優子のパートは気持ち悪いし。
香砂の能力もそれほど斬新じゃないし。
ラストの仕掛けは意外ですが、そんなのどうでもいいくらい、とにかく苦行の一冊でした。

下戸は勘定に入れません/西澤保彦 ★★★☆☆

大学で教鞭をとる50歳の古徳は自殺願望があり、ウイスキー片手に夜道を歩いたところ、かつて古徳の恋人を奪って結婚した旧友・早稲本と出会う。早稲本の誘いを断り切れず、豪邸のホームバーで杯を傾け、やがて酔った2人は28年前の晩へとタイムスリップする。条件が揃うと、酒の相手を道連れに時間をさかのぼってしまう古徳。はたして失った恋の秘密を解き明かせるのか?

<あなた、単に飲みたいだけでしょ?>

「あるいは妻の不貞を疑いたい夫の謎」はミステリとして楽しめましたが、他の作品は少し真相に不満が残るかなぁ。
どれも謎や展開が斬新で面白いのでハードルを上げてしまうのですよね。
最終話のビールのラベルのくだりなんて、もっと話が転がるのかと期待したのに。(もしかして周りのみんなも同じ体験を?など。)
ハッピーエンドですが、少し複雑といいますか(よく平気だな両親)スッキリしない後味でした。

波形の声/長岡弘樹 ★★☆☆☆

補助教員の谷村梢小学校四年生の中尾文吾が自宅で襲われた。補助教員の谷村梢は文吾から、スーパーで教師の万引きを目撃したと聞いていた。だが襲われる直前、梢の名前を呼ぶ声を近所の人が聞いていたという。疑惑の目を向けられた梢は……。「日常の謎」を描く珠玉のミステリー集。

うーん。ストンと腑に落ちるオチはほとんどありませんでした。
キャラクターに深みがないので、描かれている悪意も幼稚に感じてしまったり。短編では少し厳しかったかなぁ。
短編なら「オンブタイ」のようなバカミス寄りのジャンルの方が、違和感が目立たないような気がします。

向日葵は見ていた/西本秋 ★★★☆☆

住人すべてが何らかの事情を抱えるひまわり荘に、ある夜、東京から来た父娘とみられる2人が入居する。小学生のコウは同い年の少女・有羽に興味を持つが・・・。15年後、図書館で見つけたひまわり荘の写真により記憶が蘇った「私」は、自分の罪と向き合うために過去を調べ始める。
15年前の夏休み。ある村の下宿で、住人が一夜にして姿を消した。後には、呪われた館と、ひまわりと、ひとつの死体が残った―。


<待っていた。ずっとずっと待っていた>

魅力的なあらすじから想像するよりも、かなりゆっくり進むストーリー。
ひまわり荘に暮らす謎めいた住人たちの様子や、15年後の「私」に起こるフラッシュバックなど、魅力的な展開もあるのですが、全体としては「牧歌的な夏の思い出」という印象でした。
ミステリとしてみると、切なさとサプライズが同時にくるタイプの真相でとても好みでした。
コウと有羽にあとほんの少しの可愛気があれば、もっとガツンときたかも。
コウの心情が丁寧に描かれているのに、大切なトコロが伝えきれていないような物足りなさが残りました。
ひまわり荘の住人たちの「その後」も詳しく知りたかったです。

上石神井さよならレボリューション/長沢樹 ★★★☆☆

成績不振の写真部員設楽洋輔は、眉目秀麗で天才で変態の岡江和馬の勉強指導と引換えに、鳥好きの美少女愛香の盗撮を請け負う。
そんな中、人が不可解に消える事件に巻きこまれ・・・。必笑の青春ミステリ。


美少女なのにド天然で走りまくる愛香のキャラクターが、とても楽しい。
話が進むと、どんどん存在が薄くなりますが。
いろいろと美形の男女が登場するのも、愛香のインパクトが弱くなったり。

ミステリとしては、平凡、かな。
それよりも、肝心の消失現場の状況が掴みづらいったらない。
プロレスの章なんて、さっぱりでしたわ。
図解でギリギリ理解できるレベルかも。

軽い感じで読めるストーリーなので、個人的には、岡江も盗撮もフェティシズムも邪魔でしかなかったです。

教場/長岡弘樹 ★★★☆☆

君には、警察学校を辞めてもらう。
この教官に睨まれたら、終わりだ。
全部見抜かれる。
誰も逃げられない。
前代未聞の警察小説!


警察小説だし、横山秀夫っぽい作風だし・・・と期待すると肩透かしかもしれません。
さすがに第1話では「えっこんな(幼稚な)事件!?」と驚きましたが、第2話からは気軽に楽しむことができました。
長岡作品はトリッキーでとても好みなのですが、意外な真相に持っていこうとして、やりすぎに感じるところがあるのですよね。
(例えば「牢問」のあの状態で質問するってのも、絶対深い意味なんてないと思った。)
だから、私は『傍聞き』よりも『陽だまりの偽り』の方が好きなんですが。
今回はそういうクセがほとんど出てこなかったし、それぞれの展開がドラマチックで面白かったです。
ベストは「蟻穴」
終盤まではぼんやり読んでいたのにホラー風のオチにやられました。

ぬいぐるみ警部の帰還/西澤保彦 ★★★☆☆

殺人現場にぽつんと遺されていたぬいぐるみ。ぬいぐるみは、何を語る?イケメン警部・音無の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。遺されたぬいぐるみから優れた洞察力で事件解決の手がかりを発見する―。そしてその音無にぞっこんの則竹女史。さらにミステリオタクの江角刑事や若手の桂島刑事など、個性派キャラが脇を固める、連作短編集。

「お弁当ぐるぐる」のあのコンビがやっとシリーズ化しました。
ミステリ色が強いし、ロジックの強引さもそれほど気にならないし、後味も苦くて好みなのですよ。
でも、別にこのコンビでなくてもいいような。
ぬいぐるみの存在もいらないような。
何だか思ってたのと違うー、という読後感。

犯罪ホロスコープ2/法月綸太郎 ★★★☆☆

十年前に解散した女性三人組アイドル・トライスター。彼女たちが所属していた事務所の元社長・折野が他殺死体で見つかった。犯人と目されたのは、元ファンクラブ会長の安田。安田は自身のブログに折野殺害をほのめかす声明文をアップした直後、服毒自殺していた。しかし捜査を進めるうち、安田の共犯者がトライスターのメンバー内にいたことがわかる。モッチ、メグ、アズミン、三人の女神のうち、いったい誰が犯人なのか―(表題作)。

「三人の女神の問題」は既読。
前作はとっても楽しめたのになぁ。
今回は読むのに時間がかかったかも。
真相もロジックも意外性があって面白いのですが、本当にその真相しかない?と少しモヤモヤが残ったり。

空耳の森/七河迦南 ★★★★☆

思い出の山を登るひと組の男女。だが女は途中で足を挫き、別行動をとった男を突然の吹雪が襲う。そして、山小屋でひとり動けない女に忍び寄る黒い影―山岳を舞台にした緊迫のサスペンス「冷たいホットライン」。孤島に置き去りにされた幼い姉弟の運命を描く「アイランド」。ある不良少女にかけられた強盗の冤罪をはらすため、幼なじみの少年探偵が奔走する「さよならシンデレラ」。居酒屋で男が安楽椅子探偵に遭遇する「晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)」

<それは皆一つだけの想い>

”この著者の作品が好きな人”なら、絶対読むべきですね。

一話目の「冷たいホットライン」から、私好みのトリッキーな作品。
「It's only love」の真相にも、見事に翻弄されました。
「さよならシンデレラ」の余韻がとっても好みだったので、その次の「桜前線」で少しがっかりといいますか、いや、こちらも傑作なのですが。
「アイランド」といい、このまま完結してもいいのになと思うほど余韻が深いのです。

そして、表題作で軽く混乱。
前作は最終話で満足感が得られましたが、今作は短編のクオリティが高い上に、さらにパンチを喰らってしまいましたよ。
これまでより伏線の張り方が絶妙です。参りました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモ。真相に触れているので、OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
さて、気づいた伏線を拾ってみよう。
これ、順番がいいのよねー。
第一話でノンシリーズの短編集だと思い込ませるのが巧すぎる。
まぁ、書き下ろしではないからか、全体からみると少し浮いている印象なのは仕方ないとして。
今回の主人公の正体にも驚いたけれど(デビュー作では2ページ目に登場していたのにもビックリ)、ほとんどの作品に少しずつ登場する人物が「あのヒト」だったなんてねぇ。
表題作を読むまで全然気づかなかった。
特に、祝電とトリちゃんには驚いたかも。
結婚式のメンバーも、なんだか違和感があったんだけど。そんなまさか。
チコは道子かな?ミュウは解らなかったなぁ。
時系列でいくと、「It's only love」のこれから呑みに行くという「幼なじみ」はリコよね。再会できたのね。
そして、明だったかー。
カイエが刺されたときに助けてくれた男の子ってところがドラマチックで好み。
「晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)」のラストの「尚子と名前が似ている友達」は直=佳音よね。
今と昔で名前が違うので、マスターは「全然・・・」となったのね。
細かいなぁ。
でも、「発音されない文字」はさすがに唐突な印象が。
前作の真相を解明した翌日の話ね。
なるほど、この後、霧の先で待っている海王さんに出会って泣いたのね。

夏服パースペクティヴ/長沢樹 ★★★☆☆

私立都筑台高校2年生・映研部長の遊佐渉は、新進気鋭の女性映像作家・真壁梓が行うビデオクリップ制作のための撮影合宿に参加することに。美貌の1年生・樋口真由も誘い、廃校の中学校を改装した山の中のスタジオでの撮影中、キャストの女性が突如倒れる。その女性の胸には、クロスボウの矢が突き刺さっていた!?

<ここに傍観者はいない>

うーん。
セミドキュメントの趣向も面白いし、ストーリーも真相も好みなのですが、途中で集中力が途切れました。いろいろと長すぎるなぁ。
見取図があるのに、現場の状況がなかなかイメージしづらいのですよ。
あと、語り手を変えることで、どんどん真相が予想できてしまったのも残念。
真由のドジっ娘(?)っぷりが魅力的だったのと、部長とのやや複雑なラブストーリーも楽しめたので、次も読みますが。

瞬間移動死体/西澤保彦 ★★★☆☆

妻の殺害を企むヒモも同然の婿養子。妻はロスの別荘、夫は東京の自宅。夫がある能力を使えば、完璧なアリバイが成立するはずだった。しかし、計画を実行しようとしたその時、事態は予想外の展開に。やがて別荘で見知らぬ男の死体が発見される。その驚愕の真相とは?

一風変わった夫婦関係の説明が長々と続くので序盤は少し退屈しましたが、超能力の説明に入ってからはグイッと引き込まれました。
まったくの下戸なのにお酒を飲まないと移動できない、服を含め何かを持ったまま移動することができない、自分の移動先のポイントに存在するモノが代わりに転送されてくる、などの「致命的な欠陥」が面白いなぁと。
西澤ミステリなのでご都合主義な点は多いですが、真相は予想したよりも複雑で楽しめました。
「彼女」の何でもないような発言が、ちゃんと伏線になっていたのにはビックリ。
15年前の作品ですが、ミステリとしての古さを感じさせないのがスゴイです。

静おばあちゃんにおまかせ/中山七里 ★★☆☆☆

神奈川県内で発生した警官射殺事件。被害者も、容疑者も同じ神奈川県警捜査四課所属。警視庁捜査一課の葛城が頼りにしたのは、女子大生の高遠寺円。円は中学生時代に両親を交通事故で亡くし、元裁判官だった祖母の静とふたり暮らしをしている。静はいつも円相手に法律談義や社会の正義と矛盾を説いており、円の葛城へのアドバイスも実は静の推理だったのだが、葛城はそのことを知らない。


とてもやさしい気持ちで読まないと、結構なストレスを感じてしまう作品でした。
帯にあるように、ミステリよりも社会派テーマの部分に重点が置かれているのでしょうが・・・それにしても・・・。
「静おばあちゃんの童心」の読後感は好み。
静おばあちゃんの主張は、もちろんとっても正論なのですが、目新しさがないからか、まったく心に沁みないのが残念。
すべての中山作品に共通する印象ですが、説教臭さだけが残るのです。
警察の円に対する扱いといい、全体的に「そんなアホな」と冷めた気持ちで読んでいたので、ラストもすんなり受け止められました。
どうやら中山作品は合わなくなってしまいました。卒業。
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 2005年8月~

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Author:めみ
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