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絶叫/葉真中顕 ★★★☆☆

平凡な女、鈴木陽子が死んだ。誰にも知られずに何カ月も経って……。猫に喰われた死体となって見つかった女は、どんな人生を辿ってきたのだろうか?社会から棄てられた女が、凶悪な犯罪に手を染め堕ちていく生き地獄、魂の叫びを描く!

<この沼には底がない>

先が気になって一気読み。
『イノセント・デイズ』と同じく「誰かに必要とされたいと願う女」が主人公。
タイトルやあらすじから、理不尽な目に遭い続けるストーリーなのかしらと不安でしたが、早い段階で陽子の強かな生き様が見えてきたので、淡々と読み進めることが出来ました。
伏線が張られた瞬間、オチに気づいてしまったのが残念。
語り手の真相は意外だったけれど、なんだか唐突なような。
題材はどれも現実的だし、プロットもよく練られていて読み応えのある作品なのに、陽子に魅力が乏しいため余韻は浅く、ミステリとしては前作の衝撃の方が上かな、という印象。

イノセント・デイズ/早見和真 ★★★☆☆

放火によって奪われたのは、元恋人の妻とまだ1歳の双子の命。確定死刑囚、田中幸乃の人生は、「不運」と「悪意」が支配していた。「暴力」と「裏切り」も加勢する。だから、なのか?ひとりの男だけが、味方であり続ける。なぜ彼は、彼女を最後まで信じようとしたのか?「整形シンデレラ」とよばれた鬼女。彼女が犯した「罪」、その死刑囚が犯した最大の罪とは。

<私にはあなたが必要なの>

各章タイトルと内容が判決文とリンクしているので読みやすく、先が知りたくてどんどんページが進みました。
ミステリ仕立てですが、特に意外性はないです。
田中幸乃という人間があまり理解できないままだったので、結末の衝撃もなかったなぁ。
ラストで刑務官の願った状況が、伏線が効いていて巧いと感じました。

神様の裏の顔/藤崎翔 ★★★☆☆

神様のような清廉潔白な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみに包まれ、誰もが涙した―と思いきや、年齢も職業も多様な参列者たちが彼を思い返すうち、とんでもない犯罪者であった疑惑が持ち上がり…。聖職者か、それとも稀代の犯罪者か―。

<腹ん中じゃ何考えてるか分からないだろ?>

新人さんにしてはとても読みやすかったです。
本当にすらすらと読めます。
予想していたものよりさらに複雑な真相に驚きましたが、ネタばらしが長い割に新情報が少なかったので、ラスト2、3ページでどんでん返した方がインパクトがあったような。

虹の歯ブラシ/早坂吝 ★★★★☆

上木らいちは様々な客と援交している高校生で、名探偵でもある。殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、密室内で腕を切断され殺された教祖、隣人のストーカーによる盲点をつく手口――数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。その驚くべき秘密が明かされる時、本格ミステリはまた新たな扉を開く!

<みんな平等、五万円>

面白い!
前作ほどの衝撃はない、との感想が多いですが、私はこれを読んで「あ。本物かも」と感じました。
ブッ飛んでいる終盤の2作品も含め、全体的なクオリティの高さと挑戦的な趣向にとても満足しました。
ド直球のエロシーンだらけなのにまったく気にならないどころか、「藍は世界中のジーンズを染めている色」のラストは粋に感じてしまったほど。
前作よりもらいちがめちゃめちゃ魅力的になっていて、好感度が上がりました。
次も絶対読まないと。

GIVER/日野草 ★★★☆☆

家に女が訪ねてきた。俺は混乱する――彼女は今、浴室で俺に解体されたのではなかったか? 負い目を抱えた者達に、思いもよらない方法で迫る正体不明の復讐代行業者。新感覚リベンジ・エンタテイメント!

今となっては特に斬新な設定ではないのですが、文章がとても安定していて読みやすく、スタイリッシュな展開に惹きこまれました。
1章ごとに物語が遡っていく構成なので、最後はなにか捻りがあるのかと思ったのですが、特に意外性のない結末に物足りなさが残りました。

ロスト・ケア/葉真中顕 ★★★★☆

社会の中でもがき苦しむ人々の絶望を抉り出す、魂を揺さぶるミステリー小説の傑作に、驚きと感嘆の声。人間の尊厳、真の善と悪を、今をいきるあなたに問う。第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

<こうして、自分の家族の者が敵となる>

介護問題がテーマ。
認知症の実母の世話をする羽田洋子の章は、読んでいて苦しくなるほどでした。
裁判シーンの彼女の胸中、犯人逮捕後に検事に告げた被害者の娘としての言葉がとても印象深いです。
一方、終盤の検事の発言があまりに綺麗事だったので、少し拍子抜け。
ミステリとしてはあまり高く評価されていないイメージですが、私は満足しました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れています。下の方へどうぞ。


























いやー、すっかり騙された。
謎めいた構成なので最初はミスリードだろうなと疑っていたけれど、露骨すぎる描写に「あれ?やっぱりそのままあの人が犯人なの?」と思っちゃったのよね。
もしかして「隠された動機」の方に意外性があるのかなと。
でも、途中の予期せぬ事件で「何やかんやで斯波くんの人物像がぼんやりしたまま退場」という強烈な物足りなさを感じたので、この真相には少しホッとした。】

全員少年探偵団/藤谷治 ★★★☆☆

灰色の紳士カクイ。呪われた美しい首飾り。われらの少年探偵団。藤谷治が描く江戸川乱歩生誕120年記念オマージュ第二弾登場!

<読者諸君には、もうおわかりでしょう>

初めての作家さんだし、乱歩ワールドの雰囲気を楽しめたらいいかなーくらいの気持ちで手に取りましたが、いやいや、なかなかの満足感でした!
二十面相ってこんな(情けない)キャラだったかしら?など記憶が飛んでる部分もありましたが、事件の真相は凝っていますし、何より「現代っぽい」ところが面白かったです。
おどろおどろしい雰囲気はそのままで、少年探偵団がパソコンやスマホを駆使するというギャップに笑いました。
懐かしさでいっぱいの表紙イラストですが、挿絵のタッチが怖くてページを捲るたびにギョッとなりましたよ。

探偵少女アリサの事件簿/東川篤哉 ★★★☆☆

誤発注した大量のオイルサーディンとともに、勤め先のスーパーをクビになり、地元で『なんでも屋タチバナ』を始めた、俺、橘良太。すこぶる平凡な俺が、なんと殺人鬼の濡れ衣を着せられてしまう!そんな折、俺の前にわずか十歳にして自らを探偵と信じる無垢で無謀な美少女・綾羅木有紗が現れた―。殺人鬼の疑いを晴らすため、俺はしぶしぶ有紗と事件を調べはじめるが…。

<この泥棒ワトソンめえ!>

副題「溝ノ口より愛をこめて」とあるように、地域ネタをフルに活用したストーリーなので、詳しくない私としては常に距離を感じながらの読書でした。
有紗のパパママの格差など、楽しいキャラクターでユーモア満載なのはいいけれど、ミステリとしてはどれも平凡なトリックで物足りなかったです。
一つくらい「おっ」と感じる真相が欲しかったなぁ。

その女、アレックス/ピエール ルメートル ★★★☆☆

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。

<要するにこれがアレックス。
        これが自分のすべてだ>


ラストに意外な真相が用意されているのではなく、衝撃の事実が少しずつ明らかになり、その度に読者の感情を翻弄するタイプの作品。
あらすじほどの慟哭と驚愕はありませんでしたが、予想を超える展開に久しぶりに一気読みするほど夢中になりました。
捜査陣とアレックスの視点が頻繁に切り替わるのが効果的で、どんどん謎が増えていき、先が知りたくて仕方がなくなるのです。
斬新なストーリーにしては、「またかー」と思ってしまう真相だったのが残念。
警察側のキャラクターがそれぞれ個性的でいい味を出しています。
ラストの絵画のエピソードには胸が暖かくなりました。
思わず眉をひそめてしまう描写(真相もかなりエグい)が大量に出てきますが、映画化するのかしら。

純喫茶「一服堂」の四季/東川篤哉 ★★☆☆☆

古都・鎌倉でひっそりと営業する古民家風喫茶「一服堂」。エプロンドレス姿の美人店主は、恥ずかしがり屋で人見知り。しかし、事件となるとガラリと人が変わってしまう。動機には一切興味がない安楽椅子型の名探偵が「春」「夏」「秋」「冬」の4つの事件を鮮やかに解く、連作シリーズ!

うーん。これは退屈でした。
既読の『春の十字架』はトリックが冴えていましたが、他の短編はまったく印象に残っていません。
ユーモアも薄味だし、なにより美人店主が魅力不足。
メインの真相は気づかなかったけれど、もうどうでもいいレベル。

○○○○○○○○殺人事件/早坂吝 ★★★★☆

公務員・沖らは、ライター・成瀬のブログで知り合い、仮面の男・黒沼が所有する孤島でオフ会を行っていた。沖は今年こそ大学院生・渚と両想いになりたいと思っていたが、成瀬が若い恋人を勝手に連れてくるなど波乱の予感。孤島に着いた翌朝、参加者の二人が失踪、続いて殺人事件が! さらには意図不明の密室が連続し…。果たして犯人は?そしてこの作品のタイトルとは?

<んなモン分かるかボケッ!>

何から何まで挑戦的で、でも決してハッタリではない。そんな作品。
真相は丸っきり解らなかったくせに、タイトル当ては数ページでピンときて少し嬉しかったり。
下品だ下品だと評判ですが、私の中ではギリギリ「意外性」が勝っているといいますか、終盤の強烈なロジックの連続にもなんとか耐えることができました。
なによりメインの真相は本当に好み。
次、どんなの書くんだろう。興味あるわー。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れています。下の方へどうぞ。




















タイトルに気づいたのは、まず表紙の(尻!てカンジの)イラストが気になっていて、「読者への挑戦状」でことわざだと知った瞬間、ピンときたのよね。それだけ~。
以下、伏線メモ。
ラーメンの汁をかぶったのに着替えずに乾かそうとする違和感をずっと引きずっていたから、真相でスッキリしてよかったー。
そして、桟橋のシーンのエロ雑誌、新品の女性用下着も上手い。
P23「僕は今まで~」ストレート。
P39「内容が内容だからか~」そりゃあねぇ。
P58「なぜか彼女だけ~」彼女だけ・・・。
P83「みんなの肉体をチェック」ストレート。
P88「成瀬さんのだけは敢えて消さなかった」男だし別に写真くらいで大げさな、と思ってた。
盗撮の船に向かって泳いで乗り込んできた「俺」にはそりゃビビるでしょうよ。なんて迫力。

そして、最初の「挿話」がまさかそんな真相だったとは!】

魔法使いと刑事たちの夏/東川篤哉 ★★★★☆

八王子署のエース、小山田刑事の秘密。それは―自宅に魔法使いが棲んでいること。目指せ逮捕!今回の愉快な犯人たち。タレントの密会写真をもみ消そうとする、芸能事務所社長、手抜き工事された恨みを晴らしたい建築士、生活苦にあえぎ、親戚の遺産を狙う推理作家、テナントビルから追い出された、紳士洋品店の店主。

<いつ殺るの?今でしょ!>

あー笑った笑った。
あまり期待してなかったけれど、キャラクターが馴染んできたのか、一作目よりずっと楽しめました。
マリィの魔法が笑い所にしかなっていない点も、なんだか面白い。
お気に入りは『魔法使いと死者からの伝言』
ダイイング・メッセージのアイディアがそれは見事で。
当分忘れられないくらいのインパクトのある謎解きでした。

股旅探偵 上州呪い村/幡大介 ★★★☆☆

渡世人三次郎が宿で看取った男が、村の災厄と名主屋敷の三姉妹の死を予言して果てる。ねじれたシダしか生えぬ土地、滝壺に吊された女の死体、底なしの井戸、棺から消えた死体がモウリョウとなり村人を襲う・・・上州の山奥、火嘗村に足を踏み入れた三次郎は「あっしには関わりのねえ」事件に次々巻き込まれてゆく。

<壁本ならぬ壁村だ>

あーやっぱり面白いわー。
読者やマニアの反応を気にしたり、続編やシリーズ化の企みもちょいちょい示唆したり、今回もメタ展開で笑わせていただきました。
でも、前作は全体的にユーモアが散りばめられていたのに、今回の笑い所はメタ部分のみで少し寂しかったかなぁ。その分、メタも多めですが。
名作ミステリや時代劇へのオマージュに徹底しているためか、作中で突っ込まれている通りページ数も多くなり、真相が弱くなっちゃってます。
でも、このトリックは嫌いじゃないので楽しめました。次も期待。

探偵部への挑戦状/東川篤哉 ★★★☆☆

鯉ケ窪学園、秋の学園祭。探偵部員と久しぶり(?)に、お好み焼き屋台へ興じる涼のもとへ「ミスコン」への誘いが。だがそれは、探偵部のライバル、ミステリ研究会から「ミステリ・コンテスト」への招待だった。挑戦者の名は大金うるる。やはりエアコンの名を持つ美少女が、霧ケ峰涼へ推理ゲームを持ちかけて来た。架空に設定された密室事件を挑まれた涼。エアコン探偵同士の推理合戦は―(『霧ケ峰涼への挑戦』)。

<生まれたときから宿命付けられた関係なのよ!>

最近の作品と比べると全体的にユーモアがあって楽しめました。
お気に入りは「霧ヶ峰涼への挑戦」
涼と同じ宿命を背負った新キャラがいい味出してます。
密室の真相も意外で「鯉ミス」部員たちの頑張る姿にも笑いました。
それにしても、探偵部シリーズが1つに集結したのにはびっくり。
辻褄を合わせようとしないところが東川さんらしいわ。

川口春奈主演で、またドラマ化してほしいなぁ。
コミカルな動きといい表情といい、東川作品の世界観にピッタリなんですよね。

オーブランの少女/深緑野分 ★★★★☆

美しい庭園オーブランで、ある日、異様な風体の老婆に庭の女管理人が惨殺され、その妹も後に自ら命を絶つという事件が起きる。作家の私は、後日管理人の妹が所有していた、オーブランの恐るべき過去が綴られた日記を手に入れる。かつて重度の病や障害を持つ少女がオーブランの館に集められたこと。彼女たちが完全に外界から隔絶されて謎めいた規則に縛られていたこと。ある日を境に、何者かによって次々と殺されていったこと。なぜオーブランは少女を集めたのか?

<互いの痛みがわたしたちの絆だった>

何と言っても、やっぱり表題作のインパクトが強かったです。
予想を裏切る展開に驚き、最初は取っ付きにくく感じた文章にもどんどん魅了されていきました。
美しいものも残酷なものも表現がとても豊富で、「片想い」なんて、どうってことのないストーリーなのですが、心理描写だけで読めてしまいました。
ミステリとしてみると、「仮面」は最初から真相が透けて見えるほど平凡な仕上がりでしたが、「大雨とトマト」は短いけれどキレイに纏まっていました。
「氷の皇国」のオチはもう少し何とかならなかったかなぁ、と。あと一押しで切なくなれたのに。
「仮面」「氷の皇国」は丁寧な描写が裏目に出て、ラスト付近がダラダラとした印象なのですよね。
一話ごとにいろんな作風が楽しめるだけに、最終話が表題作と同じ構成なのが残念な気もしますが、物語の力を感じる一冊でした。次も読みます。
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 2005年8月~

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Author:めみ
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