満願/米澤穂信 ★★★☆☆
亡霊ふたり/詠坂雄二 ★★☆☆☆
偽りのシスター/横関大 ★★☆☆☆
リカーシブル/米澤穂信 ★★★★☆
この町はどこかおかしい。父が失踪し、母の故郷に引越してきた姉ハルカと弟サトル。弟は急に予知能力を発揮し始め、姉は「タマナヒメ」なる伝説上の女がこの町に実在することを知る―。血の繋がらない姉と弟が、ほろ苦い家族の過去を乗り越えて田舎町のミステリーに迫る。 <生きるってたいへん> 読書中、ざわざわとした感覚がずっと続くのです。 不安を煽られながらも先が気になり、ぐんぐんと引き込まれました。 町や住人の秘密や「タマナヒメ」の真相も、伏線がしっかり張られていて、予想以上にミステリでした。クールな結末も好みです。 終盤で心がスッと冷えるような展開になりますが、『ボトルネック』ほど非情ではありません。 (やや初野作品のキャラっぽい)サトルの占いや寝言に救われました。 |
逃走/薬丸岳 ★★☆☆☆
早期解決を確実視された殺人事件。 容疑者の若者は何のために逃げ続けるのか? う~ん。『死命』でも感じたけれど、何のヒネリもない情報を引っ張りすぎることでガッカリさせられるといいますか。 普通のタイミングで「母の過去にまつわる出来事」が書かれていれば、すぐに真相に辿り着けてしまうプロットなのですよね。 あと一転くらいしてほしかったなぁ。 逃走の理由も、過去の事件の真相も、とっても不自然。 これからはエンタメの路線でいくのかなぁ。 |
64/横山秀夫 ★★★★☆
幽霊もしらない/山田彩人 ★★☆☆☆
エムブリヲ奇譚/山白朝子 ★★★☆☆
死命/薬丸岳 ★★★☆☆
チェインギャングは忘れない/横関大 ★★★☆☆
眼鏡屋は消えた/山田彩人 ★★★☆☆
ハードラック/薬丸岳 ★★★☆☆
刑事のまなざし/薬丸岳 ★★★☆☆
『オムライス』…内縁の夫が焼け死んだ台所の流しの「オムライスの皿」、『黒い履歴』…クレーンゲームのぬいぐるみ「ももちゃん」、『ハートレス』…ホームレスに夏目が振舞った手料理「ひっつみ」、『傷痕』…自傷行為を重ねる女子高生が遭っていた「痴漢被害」、『プライド』…ボクシングジムでの「スパーリング」真剣勝負、『休日』…尾行した中学生がコンビニ前でかけた「公衆電話」、『刑事のまなざし』…夏目の愛娘を十年前に襲った「通り魔事件」、過去と闘う男だから見抜ける真実がある。 <刑務所に行くことが罪を償うことではありません> 刑事・夏目が関わる事件を通して、彼が法務技官から警察官へ転職をした理由が明らかになっていく。 「オムライス」「黒い履歴」「ハートレス」は既読。 「傷痕」・・・犯人が不憫だとしか思えない。 「プライド」・・・真相は想像できたけど、「カイくん」のネーミングも含め、被害者が変。 「休日」・・・いい話だけれど印象が薄い。 「刑事のまなざし」・・・犯人の思考回路が理解できない。これは短編では無理じゃないかな。 どれも、結末にもの足りなさを感じます。 この中だと、やっぱり「オムライス」の真相が一番インパクトが強いかなぁ。 |
最後の証人/柚月裕子 ★★☆☆☆
以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
【てっきり、最後の証人は直樹かと。
実は卓の方にも過失があったとか証言して、なんかもう「ええ~っ」みたいな結末を期待したんだけれど。
丸山は登場の少なさから個性が掴みきれてなかったので、証言にも心が動かされず。
真生については、もうちょっとしっかり調べなよ~というヤジしか思いつかない。】
【てっきり、最後の証人は直樹かと。
実は卓の方にも過失があったとか証言して、なんかもう「ええ~っ」みたいな結末を期待したんだけれど。
丸山は登場の少なさから個性が掴みきれてなかったので、証言にも心が動かされず。
真生については、もうちょっとしっかり調べなよ~というヤジしか思いつかない。】