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さよならの手口/若竹七海 ★★★★☆

探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。当時娘を調査した探偵は失踪していた。

<あんた、今も探偵だってこった>

一見関係のなさそうな事件がつながっていくというパターンが多い若竹作品。
今回はどの謎も魅力的でどの真相も印象に残る、とても贅沢で上質なミステリでした。
13年ぶりの復活ということで、さすがの葉村晶も加齢を強調していますが、相変わらず満身創痍で何度も病院送りになったり、珍しく心を許せる友人ができそうな展開があったりと、ストーリーはまったく落ち着いてません。
文章も面白くて、葉村の冷めた観察力や富山さんの冴えた毒舌に何度も笑ってしまいました。
今回も悪意が仕掛けられていますが、やっぱりトラブルメイカー系はムカムカしますねぇ。
タイトルにつながるオチが絶妙。
オススメの『キルトとお茶と殺人と』が読みたいなぁ。

御子柴くんの甘味と捜査/若竹七海 ★★★☆☆

長野県警から警視庁捜査共助課へ出向した御子柴刑事。甘党の上司や同僚からなにかしらスイーツを要求されるが、日々起こる事件は、ビターなものばかり。上田市の山中で不審死体が発見されると身元を探り(「哀愁のくるみ餅事件」)、軽井沢の教会で逃亡犯を待ち受ける(「不審なプリン事件」)。

<さすがだ。これはうまいわ>

好きすぎて何度も読み返しているミステリ短編集『プレゼント』のスピンオフ作品。
小林警部補はともかく、御子柴くんはまったく記憶にありませんでしたよ。
展開は意外性があるのですが、ミステリとしてはゆるい感じの、解決したのかどうなのかスッキリしない後味です。
毎回「小林警部補の遠慮がちな推理で複数の事件をまとめちゃう」というパターンなので、謎解きは比較的簡単なのですが、「不審なプリン事件」のつながりはなぜか予想外でした。
(事件とまったく絡んでいない)甘味の情報が、とても興味深かったです。
あとがきも嬉しいなぁ。

暗い越流/若竹七海 ★★★☆☆

5年前、犬を散歩中の飼い主と口論の末、逆上し車で暴走、多数の死者、重軽傷者を出した死刑囚・磯崎保にファンレターが届いた。その差出人・山本優子の素性を調べるよう依頼された「私」は、彼女が5年前に失踪したことをつきとめる。優子の家を訪ねた「私」は、山本家と磯崎家が目と鼻の先であることに気づく(「暗い越流」)。

<まったく、葉村ってやつは>

「暗い越流」「幸せの家」は既読。
最初と最終話だけが葉山晶シリーズなのですが、どの作品も一人称で進むので少し紛らわしいかも。
「狂酔」のオチは一歩手前で気付くものの、どういう状況下のストーリーなのかが解るシーンが巧いなぁ。
「道楽者の金庫」のミステリ専門書店は、あの店がモデルかな?と思っていたらアタリ。「蠅男」といい、犯人役のチョイスが意外すぎて一瞬「?」となっちゃうところが、若竹ミステリの妙。
あとがきも嬉しいです。

ポリス猫DCの事件簿/若竹七海 ★★★★☆


島に一人の駐在は、今日もてんてこまい。神奈川県の盲腸と呼ばれる葉崎半島の先、30人ほどの人間と100匹を超える猫が暮らす猫の楽園、通称、猫島。厄介ごとは次々起こるものの、対処するのは島にある派出所に勤務する七瀬晃巡査ただ一人。そして目つきの悪い巨大なドラ猫こそ、七瀬唯一の同僚、ポリス猫DC。DCの推理は今回も冴えるのか?

<猫は不愉快な記憶をとっとと忘れる>

ほのぼのとしていて好きです、このシリーズ。
ポリス猫・DCが三毛猫ホームズ並に活躍します。
(ホームズより愛嬌があって好きかも。)
DCに頼ってばかりではなく、七瀬巡査も実に勘が働くのですよね。
トラブルの連続であたふたしながらも、さらっと推理を披露する姿勢は魅力的でした。

ミステリとしては甘めです。
のんびりした雰囲気の中でも殺人事件を扱うってのがさすがですが、真相はあっさりしてます。あと、最終章で各章の伏線をもっと綺麗に回収してくれると思っていたので、少し残念。
「~多忙な相棒」の仕掛けと結末が一番好みかな。

前作の内容をすっかり忘れていましたが、感想を確認すると七瀬巡査のことにもちゃんと触れていました。
やっぱり再読してれば良かったと後悔。

みんなのふこう/若竹七海 ★★★☆☆

田舎町のラジオ局・葉崎FMで、毎週土曜夜に放送される読者参加型番組「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が評判の人気コーナー。そこに届いた一通の投書。「聞いてください。わたしの友だち、こんなにも不幸なんです…」。海辺の町・葉崎を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、いつでも前向きな17歳のココロちゃんと、彼女を見守る同い年の女子高生ペンペン草ちゃんの泣き笑い必至な青春物語。(amazon)

<あの、これって、けっこうひどい話・・・ですよね?>

今回もシニカルな作風。ユーモアの陰で悪意が光ります。
いろんな視点からココロちゃんの不幸話が語られるのですが、これがなかなか笑えるのです。
犯罪とは知らずに加担したり、溺れかけたり、ひき逃げされたり、各トラブルの直後に真相が明らかになるのがシンプルでいいですね。
でも、キャラクターとしては、ココロちゃんよりも『プラスマイナスゼロ』のテンコの方がスキかな~。

もしかして大オチで嫌~な読後感になるのかも、と予想していたので、意外と爽やかな幕切れに少し肩透かし。
そろそろ葉崎シリーズ読み返さなければ。
角田港大センセしか記憶になかった・・・。

遺品/若竹七海 ★★★☆☆

金沢市郊外、銀鱗荘ホテルに眠っていた今は亡き女優・曾根繭子にまつわるコレクション。その公開作業が進められる中、明らかになったのは、コレクションを収集した大林一郎の繭子への異様なまでの執着。繭子の使った割り箸、繭子の下着、繭子の…狂気的な品々に誘われ、やがてホテルには、繭子が書き残した戯曲を実演するかのような奇怪な出来事が次々と起こる。それは確実に終幕に向かって―。書き下ろし本格長編ホラー。

<また笑えるなんて、思わなかった>

堪能しました。
ホラーではなく、ラブストーリーとして!
じわじわと忍び寄る恐怖・・・っぽい流れなのですが、全体的に若竹節が冴えているのでまったく怖くないのですよね。
主人公の学芸員として奮闘する様子がとても興味深かったです。
トラブルメーカーの描写が巧くて、(あまり期待していなかった)真相にもヒネリがあって驚きました。
なによりも、ラブストーリーにきゅんとさせられるので、ラストは本当に切なかったです。
表紙の印象からして、光文社文庫で読んだ方が余韻が強く残るかも。

プラスマイナスゼロ/若竹七海 ★★★☆☆

「プラスとマイナスとゼロが歩いてら」
はじまりは、落ちてきた一匹の蛇だった――。
なんか最近、アタシら死体に縁がねーか?
凸凹女子高生トリオが、海辺の町・葉崎を駆け抜ける!
ドタバタ×学園×青春ミステリー。 (帯より)


<一緒にいるのが理解できない、ヘンな三人組>

ラノベ感覚で楽しめました。あ~笑った。
葉崎シリーズの中でも、かなり好きな作品です。

成績優秀品行方正のテンコ、成績最低品行下劣のユーリ、そして歩く平均値・ミサキ。
よくあるキャラ設定なんだけど、面白いのですよ。特にテンコが。
容姿端麗なお嬢様なのに、運の悪さがハンパない。
階段から転げ落ちたり、ガス爆発を起こしたり、毎日(!)とんでもない災いに見舞われるけれど、そのたび「これらは神様からの試練なのですわ」と舞い上がるのです。
ほんと、これだけ徹底的に不運だと笑ってしまいますよ。

ミステリとしてはかな~りゆるめ。
「悪い予感はよくあたる」は若竹さんらしい仕掛けがあって驚きましたが、他の真相は大体予想がつきます。
角田港大センセの名前にはニヤリ。

最終話では少し様子が変わります。
それまで3人のマイノリティっぽさは感じられなかったので、ややびっくり。
多分狙ったんだろうけど、この意外性は少し暗くなるなぁ。
そして、あれほど「中くらい」の学校だと強調しているのに、なぜ生徒会だけが進学校並みにイキっているのか、不自然だったり。

ミステリとしては弱いし、キャラだけで押すにはマンネリになりそうだから、シリーズ化は無理かもしれないけれど面白かったです。
何度も声を出して笑いました。

親切なおばけ/若竹七海、杉田比呂美 ★★★☆☆

近所の人に「おばけやしき」と呼ばれる古い家に暮らしているノノコちゃん。
同じ年代の子どもたちにも「おばけ」呼ばわりされ、いつも一人ぼっち。
そんなノノコちゃんに、おじいさんは
「親切なおばけになったら、きっと良いことが起きるよ」
と教えてくれる。
ノノコちゃんは親切なおばけになるため、奮闘するのですが・・・。


今回は絵本ですね。
若竹作品や宮部作品でおなじみの杉田比呂美さんが、イラストをぎっしり描いてくれています。
これが、ものすっごい可愛くてたまらんのです。

とても短いお話ですが、若竹さんらしいユーモアたっぷりの文章とスピーディーな展開。
本当に、おいおいおい、どこに転がるんだ?と心配になるくらい先がよめない。
めいっぱいのドタバタ劇で笑わせた後、しんみりとせつない余韻が残るのはさすがですね。
とにかく眺めているだけで微笑ましくて、部屋に飾っておきたい一冊です。

猫島ハウスの騒動/若竹七海 ★★★☆☆

葉崎半島の先、30人ほどの人間と100匹を超える猫が暮らす通称・猫島。
民宿・猫島ハウスの娘・響子は夏休みを控え、家業の手伝いに精を出す日々を送っている。
そんなある日、響子の幼なじみ・虎鉄がナイフが刺さった猫の剥製を発見。
その3日後には、マリンバイクで海を暴走中の男に人間が降ってきて衝突するという出来事が!
のどかな「猫の楽園」でいったい何が!?


コージー・ミステリの新作です。
しかし、『ヴィラ』や『アゼリア』の内容をすっかり忘れているのですよね~。
かなりたくさんのリンクがあるそうです。再読せねば。

<もっとも、ペルシャ猫はたいてい、
         うんざりしたような顔をしているものだが>


こりゃ猫好きにはたまらないだろうなぁ。
どこもかしこも、猫!猫!猫!
猫に限らず動物好きの私もテンションUP!
各タイトルも猫に関係しているし、イラストもめちゃめちゃカワイイ♪
猫たちの名前の8割は、小説や映画に出てくる猫の名前からとってあるそうですが、全然解らなかったなぁ。

この猫島もとても魅力的なのですよね。
冒頭に全体図があるのですが、それを見ながら読むとワクワク感が高まります。
まるでそこの住人になった気持ちで楽しめました。
「猫の楽園」なんて架空の島ながら、その経済状況やゴミ出しや食料の配達手段などリアルな生活臭が漂うところもイイ。
より一層、住んでみたいと思っちゃうのです。

そして、全体的に若竹さんのユーモアが炸裂しています。
特に、七瀬巡査の活躍(?)は見逃せません。
嫌~な悪意を持った人物が出てこないのでインパクトは弱いですが、読後感は最高でした。
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 2005年8月~

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