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the SIX/井上夢人 ★★☆☆☆

ひとりの少女との出会いから、全ては始まった―。誰にも心を開かず、部屋で絵ばかり描いている女の子。絵の中の魚が白いのは「おぼれて、死んだの。あした」だから。明日の出来事が見える。他人の心の声が聞こえる。虫を呼び寄せる…。不思議な能力が彼らと周囲を切り裂く。小さく弱い、選ばれし者たち。でも、一つになればきっと強くなる。

いい話ばかりで安心して読めますが、印象が薄いです。
(チーム名はある意味印象に残りましたが。)
せめて、最終話では盛り上がってくれるかと期待したのですがねぇ。
文学に寄ってしまった道尾作品のように「この内容ならこの作家でなくていい」という読後感。

ラバー・ソウル/井上夢人 ★★☆☆☆

洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里を座らせる。

<ぼくを真っ直ぐに見るのは、厭ですか?>

だって井上夢人ですもの。
もっと「奇想」を期待しちゃったのですよ。

誠のイメージには『殺人!ザ・東京ドーム』の主人公を思い出すなど、読み始めは懐かしんだりする余裕があったのですがねぇ。
ストーカー行為の描写が延々続くのにも気が滅入るのですが、被害に遭っている女性の視点も内容が重なってたりするので、ものすごくストーリーのテンポの悪さを感じました。
不要な証言も多いような。

こういうタイプの作品に触れすぎたのか、真相にもまったく心を揺さぶられず。
その後のフォローの軽さが気になったなぁ。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモ。真相に触れているので、OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
誠の取調べ風の文章は、人見知りなはずの誠が流暢に喋りすぎていて、最初から違和感があったのよね。
絵里の昔のストーカーのエピソードがしつこかったので、そのストーカーが事故に遭って顔を怪我して「鈴木誠」に成ってしまったのかと考えたり。(誠の境遇も「金山」も空想で。)

一緒の車に乗ってくれた感動ってのも、「そんなことでここまでしてあげる?」と冷めた目線になってしまうのが残念。
「そんなこと」が誠にとっては重要だった、というポイントも受け入れがたく感じるほど、絵里の性格が酷すぎるのよ。
絵里の殺人の動機もどうよ。

真相でまったく感動できなかった私としては、どうせ嘘でひっくり返すなら恋愛の部分も嘘だったら良かったのになぁ、なんて。
恋愛とは別の理由で協力しているとか。
恋愛だとしても、病気で顔が変形する前に親しかった女の子だとか。(年齢差に問題があるけれど。)

魔法使いの弟子たち/井上夢人 ★★★☆☆

山梨県内で発生した致死率百パーセント近い新興感染症。生還者のウィルスから有効なワクチンが作られ拡大を防ぐが、発生当初の“竜脳炎”感染者で意識が戻ったのは、三名だけだった。病院内での隔離生活を続ける彼ら三名は、「後遺症」として不思議な能力を身につけていることに気づき始める。

<我々はドラゴンウィルスの申し子なのだ>

これはパニックSFというジャンルでいいのかしら。
見事なリーダビリティで一気読みでしたが、なんだか漫画のようなノリで、展開が派手になればなるほど、どんどん気分が冷めていきました。
また、このヒロインが空気を読まないというか、彼女の明るさと事の重大さがチグハグで・・・もっと色々と悩んで欲しかったなぁ。
『クラインの壺』のような魅力的な謎や、『ダレカガナカニイル・・・』のような胸が締め付けられるような余韻がないのも残念。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
木幡が興津を何かの実験台にして失敗→ウィルスが漏れたと思っていたので、興津の中身は木幡じゃないかと予想してたのよね。
木幡が目を覚まさないままずーっと登場しないのも不自然だったし。
途中、京介が「特殊能力を持っているのはこの3人だけ」とか言い出したときは、おいおい木幡の存在完全に忘れ去られてるよ!と本気で心配になったわ。
「かすたし」が「カスター将軍」だったのには驚いた。
何で急にサルが出てくるの?と思ったけれど、ヒントはあったのね。
あのラストは別に気にならなかったなぁ。すでに冷めていたから。

あわせ鏡に飛び込んで/井上夢人 ★★★☆☆


幻の名作「あわせ鏡に飛び込んで」をはじめ、瞬間接着剤で男をつなぎとめようとする女が出てくる「あなたをはなさない」、全篇、悩み相談の手紙だけで構成されたクライムミステリー「書かれなかった手紙」など、選りすぐりの10篇を収録。
精緻に仕掛けられた“おとしあな”の恐怖と快感。(本書あらすじより)


<嘘だ。私は、まだ死んでいない>

岡嶋二人解散後の1990年から1995年の間に書かれた短編とのことで、『あなたをはなさない』『私は死なない』『書かれなかった手紙』はずいぶん前に既読でした。

岡嶋時代の短編集『開けっ放しの密室』や『記憶された殺人』に載っていてもおかしくないミステリもあれば、ホラー色の強い作品もあり。
どれもほんのり後味の悪い終わり方で好みなのですが、どうしても古さは感じます。
後半からは大体先が読めてしまいますから。
各作品の最初に井上さんのコメント(愚痴?)が書いてあるのが嬉しかったです。

お気に入りは安易なオチを絶妙に避けた『ノックを待ちながら』
でも、一番キレが良いのはやっぱり『あなたをはなさない』かな。
初めて読んだときのインパクトは凄かった・・・。
幻の名作と呼ばれる表題作は、ちょっと期待ハズレでした。

巻末に大沢在昌さんとの対談が写真付きで載っているのですが、井上さんがすっごくふっくらしていて誰か分かりませんでした。
昔よりも若くみえることに驚きです。

the TEAM/井上夢人 ★★★☆☆


能城あや子は、その的中率が高いことから、TVでも高視聴率を稼ぐ人気霊能者。
しかし、本当は霊視なんて全くのウソ。
彼女のマネージャー・鳴滝を含めた調査員たちが、依頼人の部屋に忍び込んだり、パソコンから情報を引き出したり、事前に綿密な調査を行っているのだ。
彼ら「チーム」の活躍を描いた連作短編集。


なんと、前作『クリスマスの4人』から丸4年ぶりの新刊です!
正直、待ちくたびれました。

イラストがカワイイです~!
「招霊」「金縛」「目隠鬼」「隠蓑」「雨虎」「宿生木」「潮合」「陽炎」の8つの章で構成されてます。
この第一章の「招霊」(「妹のいた部屋」改題)は、かなり以前にアンソロジーで読んだことがありました。
あれからやっと1冊の本になったのかと考えると・・・遅っ。
でも、シリーズ化を希望していたので、結果的にはとても嬉しいです。

チームの調査手段は完全に違法だし、あや子の霊視も立派な詐欺。
しかし、その調査は、時に犯罪を暴いたり、依頼者を悩みから解き放ったり、物事をすべて良い方向へと導くのです。
それでも、最初は「詐欺」という行為に抵抗が残っていたのですが、「潮合」の章であや子の過去が明らかになるにつれ、モヤモヤ感が払拭されました。
一番好きなお話です。

あや子を筆頭とするこのチームの活動は、岡嶋二人著『眠れぬ夜』シリーズの捜査ゼロ課を思い出しました。
そう、今回は全体的に岡嶋作品っぽいような・・・。
でも、岡嶋作品のような凝ったトリックも無いし、従来の井上作品のように展開に意外性があるわけでもないし・・・。
その点では、ちょっとパンチ不足かなぁ。

あや子の霊視に疑いを持つ輩も現れるのですが、チームが完璧すぎて緊張感が無いのですよね・・・。
最後まで、安心して読めてしまいました。

う~ん、ファンだからこそ少し物足りなかったかな?
全体的には、面白かったです。
今年、発売予定(かも?)のミステリーランドも楽しみです。
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 2005年8月~

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Author:めみ
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