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水底の棘/川瀬七緒 ★★★☆☆

東京湾の荒川河口で法医昆虫学者の赤堀涼子が見つけた遺体は、虫や動物による損傷が激しく、身元特定は困難を極めた。絞殺後に川に捨てられたものと解剖医と鑑識は推定。が、赤堀はまったく別の見解を打ち出す。岩楯警部補はじめ、捜査本部は被害者の所持品から、赤堀はウジと微物からそれぞれの捜査が開始された!

<ハエの伝道師、昆虫学者です!>

あー面白かった!
活き活きとしたキャラクターが魅力のシリーズですが、今回はさらにユーモアが炸裂していて、何度も吹き出してしまいました。
結構バカバカしい言動を繰り返しているのに、チープさを感じさせないところが凄いです。
まぁ、これまでと同様、ミステリとしては物足りないのですが。
何せ、被害者の身元の特定が9割を占めていて、事件の真相はパパッと片付けられてしまうのです。
虫だけでなく海関係や刺青の薀蓄も語られていて、さすがに詰め込みすぎなのかなぁと。
川瀬さんの薀蓄は馴染みやすいのですが、それよりもストーリー展開を!と今回は思ってしまいました。
でも、次も楽しみ。

桃ノ木坂互助会/川瀬七緒 ★★★☆☆

移り住んできたよそ者たちの度重なるトラブルに頭を抱えていた桃ノ木坂互助会会長の光太郎。元海自曹長でもある彼は、悪い芽は早く摘まねばと、町に害を及ぼす人物を仲間たちとともに次々と町から追放することに。次なるターゲットは、大家とトラブルを起こしていた男、武藤。しかし、男を狙っていたのは光太郎たちだけではなかった。とある事件を機に、互いの思惑は狂い始め…。

<自分たちは間違っていない>

明るい表紙イラストから、ほのぼの系のストーリーをイメージしたのですが・・・よく見たら表紙にも物騒なアイテムありましたね。
生活態度の悪い居住者を追い出そうと画策する老人たち、ストーカーを懲らしめる目的でその町に引っ越してきた女・沙月。
沙月の登場でテンポが良くなったのは事実なのですが、どうも2つのストーリーが最後まで噛み合っていないような印象を受けました。
沙月と出会ったことで老人たちが突然邪悪に変貌するのも、私の思っていた方向ではなくて戸惑ってしまったり。
どちらの話も読み足りないし、シリーズ物に比べて魅力的なキャラクターがいないのですよね。
終盤で予想がついてしまったけれど、黒幕の存在はいい感じでした。
光太郎が「その決断をしなかった理由」が絶妙。

シンクロニシティ/川瀬七緒 ★★★☆☆

東京・葛西のトランクルームから女性の腐乱死体が発見された。捜査一課の岩楯警部補は、若手刑事の月縞を指名して捜査に乗り出した。発見現場に蠅とウジが蝟集していたことから、捜査本部は法医昆虫学者の赤堀涼子の起用を決定する。

<虫が赤堀を全面的にバックアップしていた>

ウジの数を「お茶碗何杯分?」と訪ねたりする赤堀のキャラは、相変わらず楽しいです。
もう少し岩楯サンとの仲が進展してもいいと思うのですが。このくらいがいいのかな。
藪木のストーリーでは、おばあちゃんとのやり取りに癒されますが、犯人側の描写が足りないかも。トランクルームに運んだ動機も弱いかなぁ。
でも、謎やストーリー展開は文句なしに面白いので、このシリーズは好きです。

147ヘルツの警鐘/川瀬七緒 ★★★★☆

全焼したアパートから1体の焼死体が発見され、放火殺人事件として捜査が開始された。遺体は焼け焦げ炭化して、解剖に回されることに。その過程で、意外な事実が判明する。被害者の腹腔から大量の蠅の幼虫が発見されたのだ。しかも一部は生きた状態で。手がかりに「虫」が発見されたせいか、法医昆虫学が捜査に導入されることになる。赤堀涼子という学者が早速紹介され、一課の岩楯警部補と鰐川は昆虫学の力を存分に知らされるのだった。

<全部虫たちが教えてくれることなの>

前作の「呪術」よりも、もっと取っつきにくいはずの「虫」がテーマなのですが・・・何なんでしょう、この入り込みやすさは。
腐乱した遺体やその臭いやら(蠢く虫やら!)が事細かく書かれていても、グロさを必要以上に煽らない描写だからか、とっても読みやすいのです。
サプライズを狙ったタイプのミステリではなく、真相解明となると途端に失速するのですが、そこまでのリーダビリティが抜群なので十分満足。
登場人物もいい味を出していて楽しいです。
最近は漫画っぽい大げさなキャラクターに白けることが多いですが、赤堀はまったく鼻につかないという不思議。
そして、恋愛の要素が好みなんですよ。
なんだかガッツいてない感じが好感度高いです。
前作と同じく、本当に「読み終わるのがもったいない作品」でした。
絶対、シリーズ化して欲しい。

よろずのことに気をつけよ/川瀬七緒 ★★★★☆

第57回江戸川乱歩賞受賞作。呪いで人が殺せるか。
変死体のそばで見つかった「呪術符」を手がかりに、呪術の研究を専門にする文化人類学者・仲澤大輔が殺人事件の真相に迫る、長編ミステリー。


<師走の月に雪なくば、
        よろずのことに気をつけよ>


面白かった。
読み終わるのがもったいなく感じるくらい、この雰囲気に惹きこまれてしまいました。
気になる点といえば、執念を感じさせる呪いで散々盛り上げた割には、2時間サスペンスのような真相が少し残念だったり。
仲澤のトラウマは必要だったのかとか、真由にもう少し若さがほしいなぁ、などなど。
でも、終盤まで失速せずにストーリーを引っ張っていく筆力と構成力は本当にスゴイと感じました。
私の場合、桐野さんの選評とは逆で、会話で薀蓄を語っているところが良かったなぁ。
まったく興味がなかった呪術符や神事の説明が頭にスッと入ってきました。
次の作品も期待します。
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 2005年8月~

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