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彼女は存在しない/浦賀和弘 ★★★★☆

香奈子は駅前で見知らぬ女の子にいきなり「失礼ですけど、アヤコさんではないですか?」と話しかけられる。彼女は由子と名乗り、子供の頃仲良しだった亜矢子という友達に、香奈子がよく似ていたのだと語る。一方、大学生の根元有希は、母親が亡くなって以来、以前にもまして部屋に引きこもっている妹の亜矢子に頭を悩ませていた。ある日、突然朝帰りした亜矢子に理由を聞くが、本人にもその間の記憶がないらしい。亜矢子の部屋には多重人格に関する書物が積まれていた。

安藤シリーズを『リンクがあるから順番に読んだ方が良い』という情報通りに、一気読みしたところ、徹底的にダメージを受けてしまい、それ以来苦手な浦賀作品です。
この作品はシリーズ外で、なかなか評判が良く『森博嗣氏激賞!!!』という帯の惹句にも興味が沸いたので、手に取ってみました。

香奈子の彼氏、貴治のキャラが、今までの作品ではお目にかかれないタイプだったので、とても新鮮。
浦賀作品特有の、じめじめどんよりな雰囲気が緩和されるかと思いきや・・・彼が主人公ではなかったのね。
中盤からは、いつもの浦賀作品でした。

テーマは『解離性同一性障害』。
このテーマを、とても軽く扱っていることには目をつぶるとして・・・。
結論で「実は多重人格だった」という真相が明らかになる手法は、ミステリにはよくあること。
ただ、この作品では初期の段階から、その事実を明らかにしています。
これで一体、どうやって驚かされるのか・・・?興味はそちらの方へ。

いや~見事に騙されました。
早い段階で疑いはあったのですが、いろんなエピソードが入り込むにつれ、曖昧なまま放っていたのです。
なので、他の人なら気付いたかもしれません。
終盤までは、人物の描写などで不満があって、「この著者、こんな下手だったっけ?」と訝しげに感じていたのも、すべてみんな伏線でした!
とてもよく練られた構成です。

今までの浦賀作品は、たとえどんな驚きの真相でも、読み返す気力は残っていませんでした。
でも本書は再読すると、とてもせつないお話が浮かび上がってくるのです。
ラスト一行は、ベタながら印象深いです。

毎度おなじみ、思わず顔をしかめてしまうエピソードや、破滅に向かっていくストーリー展開も考慮して、評価は星一つ減点。
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 2005年8月~

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Author:めみ
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