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Arknoah 1 僕のつくった怪物/乙一 ★★☆☆☆

父親を亡くした兄弟・アールとグレイ。2人は不思議な世界『アークノア』に迷いこんでしまう。そこで2人は出会う、自らの心の影から生まれた恐ろしい『怪物』と…。

必死に世界観を説明しようとする印象を受けるのか、どうにも惹きこまれにくいというか、ある意味「映像化してほしい」と思いました。読むのがしんどいファンタジー。
また、グレイの口の悪さで読みにくさ倍増。あの翻訳口調はないわー。

展開は王道だし、説明臭くてスピード感に欠けるし、謎にも深みがない。
「アークノア」で暮らす人々のルールや、怪物視点のストーリーは乙一らしさ全開で面白いのになぁ。
シリーズなのに、続きが全然気にならない。これで終わりにしよう。

箱庭図書館/乙一 ★★★☆☆


少年が小説家になった理由。コンビニ強盗との奇妙な共同作業。ふたりぼっちの文芸部員の青くてイタいやりとり。謎の鍵にあう鍵穴をさがす冒険。ふと迷いこんだ子どもたちだけの夜の王国。雪の上の靴跡からはじまる不思議な出会い。集英社WEB文芸「RENZ ABURO」の人気企画「オツイチ小説再生工場」から生まれた6つの物語。

<キャッチコピーは【物語を紡ぐ町】>

集英社の「読者のボツ原稿を乙一がリメイクする企画」で出来上がった作品集。
久しぶりの新作のため、乙一の作風を忘れかけてる私としては他人のアイディアにも不満はありません。
登場人物たちの特徴的な会話が好きなんですよね。
青春に怯える高校生が一歩踏み出すまでを描いた「青春絶縁体」やミステリ仕立ての「ワンダーランド」も楽しめましたが、中でも「透明人間の足跡?」を見つけた男女の「ホワイト・ステップ」はストーリーも展開も異常にクオリティが高いです。
ドラマ化したら映えるだろうなぁ。なかなかの余韻なのです。
(足跡ってことで、台湾映画の『ラブゴーゴー』を思い出したり。)
正直、潮音さんはいてもいなくても構わないのですが、オチは気に入りました。

なみだめネズミ イグナートのぼうけん/作・乙一 絵・小松田大全 ★★★☆☆

ぼくのなまえはイグナート。ちっぽけなネズミのぼくは、いつも涙目、ひとりぼっち。そんなぼくにも、生まれてはじめて友だちができた。ナタリア。口は悪いけど、ぼくにパンを分けてくれたやさしい人だ。でも、ナタリアはいなくなった。いやがるナタリアを、兵隊がつれさった。ちっぽけなぼくだって、たまにはでっかいことをおもいつく!ナタリアに会いにいこう。旅に出るんだ。(「BOOK」データベースより)

<だから めいれいだ こっちにこい>

絵本というよりも、漫画のような感覚で楽しめる作品です。
ストーリーは王道ですが、文章やキャラクターは完全に「乙一」で、愛らしいだけでなくスピード感のあるイラストもとても好みでした。
読後感は温かいです。

GOTH モリノヨル/乙一 ★★★☆☆

12月のある土曜日、森野夜は人気のない森に入っていく。
そこは7年前に少女の死体が遺棄された現場だった。
「死体をふりをして記念写真を撮る」つもりだった彼女は、誰もいないはずのそこで、ある男に出会う―。(Amazon内容紹介より)


<出会って間もない、黒髪の少女だった>

う~ん・・・あの2人に再会できたのはとても嬉しいのですが、ストーリーは小粒で物足りなかったです。
もう少し読みたかったなぁ。

写真は全く意味が解らなくて、パラパラ漫画のようにナナメ見ました。
当然、「最後の一枚だけ乙一扮する森野夜」など、ミドリカワ書房的な遊び心はみられませんでした。

The Book/乙一 ★★★☆☆

「ジョジョ」20周年を記念して、乙一渾身の小説化。
「週刊少年ジャンプ」「ウルトラジャンプ」誌上で絶大な人気を誇る荒木飛呂彦氏の長期連載『ジョジョの奇妙な冒険』を稀代の若手作家乙一氏が構想・執筆に2000日以上をかけ、渾身の小説化を実現。(7&Y本の内容より)


<きみは感じたことないか、ストーリーの力を>

面白かったです!
普通に乙一の作品でした。

「ジョジョ」を未読なので、どのあたりがオリジナルなのか分からないのですよね。
もっと近未来的なイメージがあったので、こんな普通の町が舞台なの?と、とても意外でした。

コロコロと変わる視点、少しずつ繋がっていくストーリーにドキドキの連続。
やっぱり、ひらがなが多いけれど、先が気になって一気読みです。
終盤のスタンドを使っての戦いは、漫画の方が迫力があるのかも・・・。
ラストも救いがあるのかないのか・・・なんとも言えない後味が残りました。

装丁も素敵だし、飛び出すイラストはお洒落。
漫画も読んでみたくなりました。

とるこ日記/定金伸治・乙一・松原真琴 ★★★★☆


j-BOOKSのサイトで2005年2月~6月に連載された、自称・ダメ人間3人のトルコ旅行記。
web連載時から読んでいたのですが、あまり画面を長時間見るのが苦手なので書籍化を待っていました。
しかし、web上ではクリックして読めたコメントが次ページにずらっと書かれてあるので、とても読みにくくて残念。
本文はほぼそのままですが、時々定金さんの妄想小説が挟まれていて嬉しいです。

3人の中で作品を読んだことのある作家は乙一だけなのですが、他の2人のブログは2年ほど前からチェックしていました。
定金さんの自虐性や妄想癖は乙一に輪をかけて凄まじく、今回、彼が主な文章を担当しているため、もう笑いの連続。
先輩作家たちの手前か、マツバラさんが大人しすぎて少し物足りなかったかな。

乙一曰く、この作品は「引きこもりが海外に連れて行かれたらどんなふうに引きこもりが悪化するのかという興味深い実験の結果発表」とのこと。
そんな3人なので、移動の間も会話は一切なく、ゲームをしたり本を読んだり、それぞれの殻に閉じこもっている様子がリアルです。
そして、トルコ旅行の失敗談、またはどうかしている会話が満載。
なにしろ、「お金をぼられた」「デジカメを掏られた」・・・「タモリさんのこと」「パンツのこと」・・・と、脱線すること甚だしいのです。

帰国直後、「今から打ち上げでも?」と誘うと「たまっているビデオを見ないといけないので」というものすごい理由で去っていったマツバラさん。
その夜、「トリビアの泉」で素晴らしいトリビアを知り、「この旅行の中で間違いなく一番感動した!」と会話する定金&乙一。
よく3人とも無事に帰ってこれたものです・・・。

巻末の乙一書き下ろし小説『毒殺天使』は必読です。
たった数ページに黒い切なさがぎっしり詰まってます。やっぱりすごいよ・・・。

銃とチョコレート/乙一 ★★★★☆


<たしかにあいつはいやなやつだ。
       でも死んでいいってほどじゃない>


イラストがとても綺麗なのですが、かなり不気味です。
一番ゾッとしたのが、主人公の(可愛らしいとされている)母親のイラストというのが何とも・・・。

少年・リンツが見つけた古い地図。
これはもしかして、怪盗ゴディバが隠した宝の地図なのでは?
リンツはみんなの憧れの名探偵・ロイズに相談するのだが・・・。

大絶賛とまではいきませんが、とても楽しませてもらいました。
正義とは?友情とは?
いろんな意味で勧善懲悪にならないところが『鬼神伝』と似ていますが、悪意が明確な分、こちらの方が何倍も残酷。
リンツが移民の混血児という設定からして、最初から不穏な予感があったのですよね。彼がある裏切りに遭うシーンは衝撃的でした。
やはり乙一は疎外感を描くのが抜群に上手です。

しかし、そんなリンツの相棒がまさかあの人物だとは!
これは全く予想外の展開で、心をわし掴みにされました。
強引なようで、無理を感じさせないストーリー展開は乙一ならでは。
このあたりからスピードが増し、グンと面白くなっていきます。
子供向けを意識したのか、乙一作品には珍しく危機迫るシーンもあり、見所が満載。(逆に、本領を発揮するならここは絶対残酷な展開にしただろうなぁと感じたポイントも。)
『おもいでサファイア』や『ろくでなしティアラ』のような、宝石類の名前もユニークです。ドラえもんの道具みたい。
結構早めにメインとなる真相がよめてしまうので、ほぼ終盤までの評価は星3つだったのですが、ラスト数ページで仰天。大急ぎで星を1つ追加したのでした。
作品の色付けにしか見えなかったエピソードも全て必然性があったのですね。
さすがだなぁ!

あとがきは乙一らしさ全開。
お得意のフィクションかもしれないけど、彼だったら有り得るかもと思っちゃいます。

むかし夕日の公園で/乙一 ★★★★☆

*「otsuichi official web site」上での作品です。

<思い出す子供の頃の思い出。あの不思議な体験は一体・・・>

こっ、こっ、怖かった・・・!
個人的に、この恐怖感は乙一作品の中でぶっちぎりのトップです。
念のため、サウンドOFFで読んだのですが、それでも十分震えました。
ショートショートストーリーなのに・・・。
イラストにも迫力があります。

これは「怪談」ですね。
日常にふと異空間、違和感を感じるテーマとしては、『小生物語』に出てくるエピソードに似てるかもしれません。
ただ恐がらせるだけでなく、公園やその周辺の描写も秀逸です。
子供の頃を思い出して懐かしい気分になりました。
深夜に読んだので効果倍増でした。
やっぱり乙一、すごいです。
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 2005年8月~

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