スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

フライプレイ!監棺館殺人事件/霞流一 ★★☆☆☆

目前に横たわる女。それを見下ろす銅像のようなふたり。「さて、この死体をどうする?」「どうせなら本格ミステリ作家の名にふさわしい殺人にするべきでしょ!」切羽詰まった売れない作家と編集者による「禁じ手」に、彩りの探偵を据えての推理合戦、すべては怒涛の結末のために!名探偵メントのために!

長かった・・・。
再読して伏線を確認する気が起きないのでフェアなんだかどうなのかがよく解っていませんが(!)、終盤のドンデン返しの連続は確かに意外性もあって面白いのですよ。
ただ、そこまで引っ張っていけるほど魅力のあるストーリーではないといいますか。
名作ミステリにまつわるオブジェは興味深いし、結構なドタバタ展開なんですがねぇ。
帯にある『探偵スルース』で、ストーリーの流れが読めてしまって、面白さが半減したのもあるかも。

落日のコンドル/霞流一 ★★☆☆☆

プロの暗殺者[影ジェント]瀬見塚は豪華客船のオーナーを暗殺するため洋上の船に潜入した。船員はみな薬物で眠らせたはずだったが、なぜか暗殺チームの一人が殺される。しかも船は自動操縦で数時間後に座礁の危機。暗殺任務に加え、どこからともなく飛来したコンドル三兄弟の襲撃をかわし、仲間殺しの犯人を見つけなければならない。本格パズル・ロワイヤルの幕が開く!

<まず、殺し屋としては犯人でありたい>

ターゲットを倒すだけでなく、その証拠の「手首」をめぐって仲間同士も対決するという状況だということで、影ジェントたちの心理に基づいたロジックは面白いのですがねぇ。
キャラクターや設定が特殊すぎて、メインの真相がどうしても地味に感じてしまうのが残念。
前作よりも戦闘シーンが辛く感じて、ほとんど読み飛ばしてしまったのが失敗だったのか・・・でも、しっかり読んでいてもそれほどの効果はなかったような・・・。
2つ目の真相は好みなのですがね。
何よりも、霞作品にはもっとユーモアが欲しいのですよ。

スパイダーZ/霞流一 ★★★☆☆

東京で発生した美容整形クリニック院長惨殺事件。被害者は体中に傷を刻まれ、全裸で吊るされていた―。謎多き犯行に困惑する捜査員たちの中で、ただ一人、若手刑事の唐雲蓮斗だけは事件解決への覇気をたぎらせる。さらに密室殺人や死体アートなど、不可解な猟奇事件の迷宮へと連鎖するなか、本庁の敏腕女性刑事とコンビを組んだ唐雲は、独自で極秘裏に捜査を展開していくが!?

<警察の、警察による、警察のための、刑殺!>

どんな気分で読めばいいのか、困惑してしまうストーリーでした。
「エリア51」で行われるトレーニングの内容や雄叫びなど、笑える部分もあるのですが、全体的にユーモアは控えめなのが残念。
唐雲の「操査」は、画が浮かびにくくて苦労しました。
「真相の三重構造」もよく考えられているとは思うのですが、ミステリ部分がこういう構造だと、唐雲の行く末にしか興味が持てないのですよね。
オチは驚きました。ここまでのゾーンに達していたとは。う~ん。

ロング・ドッグ・バイ/霞流一 ★★★☆☆

俺は犬。名はアロー。このところ、人間たちと俺たち飼い犬の間で話題になっているのは、犬の銅像の前に突然出現したゴボウの謎だ。幼い柴犬・ボンタから依頼を受け、俺は渋々調査に乗り出した。犬の鋭い嗅覚と観察眼をもってしか気づけない「不可能犯罪」。プロフェッショナルな技術を持つ犬たちが、リードから放たれ、深夜の町を疾走する!クールでスタイリッシュ、笑いと涙満載のドギー・ハードボイルド。(本書あらすじより)

<犬と散歩することを、この夫婦は、ワン歩と呼んでいる>

わ・・・ワン歩・・・っ!!ステキ。

作品全体に犬たちへの愛が溢れています。
可愛いイラストですが、あくまでハードボイルドの探偵小説。
些細な謎にも伏線はバッチリです。
人間には気づかない「不可能状況」を犬たちが発見、冒険を交えながら真相を解明していくという、なかなか飽きさせない展開で楽しめました。
(さすがに8匹の脱走シーンは単調に感じましたが。)
犬同士の会話はボイスならぬ「バウス」だったり、言葉遊びも見逃せません。
チャウチャウ犬のシンチーでチャウシンチーにはハマりましたよ。私は。

霞さんのサイトの常連さん「番犬ハチ君」が、あとがきに登場(・・・ってか書いてる?)。
この作品を心底楽しんで書き上げた様子が伝わってきて、こちらまでニンマリしてしまいました。
特に、他人に「貴方は一日にどれくらい犬のことを考えています?」と突然質問しちゃう霞さんが良いなぁ(伊坂作品のキャラみたい)。

裏表紙のお尻のイラストもGOOD。

死写室/霞流一 ★★★☆☆

どの事件にも、映画の匂いがする・・・。
映画館、試写室、ロケ先、セットの撮影現場etc.で発生する、奇怪な事件の数々。
不可能犯罪としか思えない状況を、酩探偵・紅門福助が、アクロバティックな論理で次々と解決に導いていく。
読めば映画製作の裏事情がすべて分かる、かもしれない?!
軽妙なユーモアで描く連作ミステリー。(新潮社より)


<私立探偵が映画を観ちゃいけない?>

私立探偵・紅門福助シリーズです。

全て映画にまつわる短編集。
霞さんは作家として独立するまで、20年間映画会社に勤務していたそうで、映画の裏側やスタッフの悲哀がコミカルに描かれています。
薀蓄が控えめなのが好印象かな。

今回も霞さんらしい発想に笑い、驚かされました。
お気に入りは、被害者はどうやって倉庫に入ったのか?という謎に迫る「モンタージュ」。
鮮やかなトリックにため息が出ました。
そして、紅門の推理により犯人がアッサリ罪を認めて終了というパターンが多い中、「霧の巨塔」は良い話で好みでした。

霞トリック、ぜひ映像化してほしいなぁ。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
表題作の「死写室」では、トリック云々よりも、白いハンカチに映画を写して踏みつけるという行為にインパクトがあったなぁ。
でも、ドアに隠れるってどうなの。

夕陽はかえる/霞流一 ★★★★☆

プロの暗殺組織<影ジェンシー>で実務を手掛ける<影ジェント>の一人、<カエル>が不可能状況で殺された。明らかに同業者の手口。
同僚の瀬見塚は、<カエル>の遺族の依頼で真相を追う。だが、<カエル>の後釜を狙う<影ジェント>たちが瀬見塚に刃を向け、彼らの怪奇を尽くした決闘の応酬は<東京戦争>と呼ばれるほどに発展していく。殺し屋による殺し屋殺しと推理の行方は? 背徳のSin本格誕生!



<だから、殺し屋だらけの殺人事件はイヤだって言うんだよ>

装丁のイラストが素敵です。

殺し屋にも、普通の企業と同じく、影業(営業)、刑裏(経理)、掃務(総務)という役割がある設定が、個人的にツボでした。
「討ち合わせ」シーンはそれぞれ個性的で楽しいのですが、少し多すぎるかな。
天気予報を叫びながら攻撃、パン作りに使う麺棒で攻撃、ダンスしながら攻撃・・・とにかくハチャメチャなのです。
映像化すると「キル・ビル」みたいなイメージかな。
おかげで、不可能殺人や密室殺人が、小粒な印象を受けました。

でも、真相には驚いた。
多すぎて鬱陶しいと感じていた「討ち合わせ」シーンにも、しっかり伏線が張られていました。
ショッキングなトリックも、このノリだから許されるのでしょうね。満足です。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
ルカが最初から奇天烈なキャラだったので、まさか途中で精神のバランスを崩した母親の蓉子と入れ替わっていたとは思わなかった。
こういうサプライズは好き。

フォックスの死劇/霞流一 ★★★☆☆

怪奇映画の巨匠・故大高誠二監督の墓が散歩した!?
だがそれは奇妙キテレツな連続事件のほんの発端に過ぎなかった。
大高監督と関わりの深かった映画人たちの首や腕や足が持ち去られた死体がゴロゴロ、しかも殺人現場にはキツネの面、油揚げ、赤い鳥居などのお飾りが。
犯人は一体何を考えているのか?
事件に巻き込まれた探偵・紅門福助が謎に迫る!



<老人とは存在そのものがサスペンスである>

自他認めるバカミス作家、霞隆一さんです。
霞作品の長編は「呪い亀」に続いて2作目。
「呪い亀」がもうとんでもないバカミスで、いまだに忘れがたい衝撃が残っているのですが、それと比べると今回は少し地味ですね。
やはり順番通りに読まないと・・・後悔。

でも全編に散りばめられているギャグの数々にはニヤニヤし通しでした。
すべてが成功しているとは言いませんが、私は大満足です。
とにかく、紅門の「つい出来心で口に出す一言」が最高!
それを切り返すオババの腕も見事。

しかし、ギャグにごまかされている場合ではない。
描写を細かくチェックすると、伏線が巧妙に張られています。
そして、最後の謎解きでは立派な「本格ミステリ」に変化しているのです。
もちろん、論理に強引さを感じるのですが納得させられてしまうのですよね・・・。

映画関係の薀蓄などはあまり興味がなかったのですが、事件の導入が手早いのと、次々謎が出てくる展開はなかなか飽きさせません。
これは追いかけなくては・・・!
最新記事
検索フォーム
記事一覧

 2005年8月~

カテゴリ
プロフィール

Author:めみ
FC2ブログへようこそ!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。