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嘘/北國浩二 ★★★☆☆

これから少年に嘘をつく―。かつて幼い息子を水難事故でなくした絵本作家の千紗子は、長いあいだ絶縁状態にあった父・孝蔵が認知症になったため、田舎に戻ってしぶしぶ介護をはじめることになった。ところが、久しぶりに再会した旧友と町で飲んだ帰り道、旧友がひとりの少年を車ではねてしまう。幸い大きなケガはなかったものの、少年は記憶を失ってしまっていた。ただ彼の身体に虐待の跡を見つけた千紗子は、少年を自分の子供として育てることを決意する。

<ぼくはずーっとお母さんの子だよ>

帯の「二度読み必至!!」って一体?
最後の一ページまでドキドキしながら読んだのに、衝撃も何もない、普通の感動ストーリーでした。

いや、本当にいい話なんですよ。帯でミステリを期待した分、ガクッときてしまっただけで。
認知症の父親、父親と確執のある娘、記憶を失った少年の歪な関係が、どんどん本当の家族へと近づいていく様子には心底癒されました。
一方、飲酒運転とか、消防団員が気の毒だなぁとか、読み辛いと感じる部分もあり。
う~ん。『夏の魔法』レベルの衝撃を求めて追い続けていましたが、もう、北國作品はいいかなぁ。

アンリアル/北國浩二 ★★★☆☆

命の恩人である兄に負い目を感じて生きてきた高校生・サトル。夢中になれることもなく、だらだらした日々を送るなか、ある日兄が申し込んだ体感型オンラインゲーム“アンリアル”に一緒にログインすることに。ある村でサトルはノンプレイヤーキャラクターでありながら「心」を持ってしまった少女・イーヴと出逢う。彼女は「ハートホルダー」と呼ばれる存在だった。「イーヴ狩り」を目論む兄たちから、サトルは彼女を守ろうと決意するが…。

<もうゲームなんて言ってられなくなるかもしれないぞ>

「アンリアル」の世界が残酷すぎてキツイ・・・。
ゴシック文字の部分はほとんど飛ばし読みでした。
ライトノベルですが、現実の日常もやり切れない雰囲気が漂っているのですよね。
ゲームにハマっていくサトルの兄の変化と、「ハートホルダー」の存在はなかなか興味深かったなぁ。
ラストはドラマチックでとても好みです。映像が浮かびました。続編は不要。

あとがきの最初の数行で北國さんに好印象。
道尾さんのエッセイを読んでから過敏になってるかも。

サニーサイド・スーサイド/北國浩二 ★★★☆☆


「この中の誰かが自殺する」高校のカウンセリング室を訪れた生徒たち。そのなかにいるという。誰が自殺してもおかしくない傷と壊れかけた心の生徒たち。懸命に話しかけきっかけを探し求める。そして「その日」がやって来た。気づくことはできるのか―。(本書あらすじより)

<わたしひとり、涙が溢れ 止まらない>

ストーリーがオーストラリアのアノ映画に似ているので、早い段階で真相が解ってしまったのが何とも残念。
終章でトントン拍子にみんなの悩みが解決したのには唖然ですよ。
特に野球部の彼、さすがにその解釈は無理があるんじゃ・・・。

それにしても、『リバース』の超能力少女が登場したのには驚きました。続編だったなんて。
『リバース』では主人公の行動ももちろんだけど、予言の信憑性にもモヤッとしたので、こちらの作品を先に出した方が良かったんじゃないのかなぁ。

リバース/北國浩二 ★★★☆☆


誰もが振り向くような自慢の恋人をエリート医師に奪われてしまった省吾。あることからこの医師が彼女を殺してしまうと「知った」彼は、全てをなげうって奔走する。そんな省吾の「執着」に、周囲の人間はあきれ、次第に離れていってしまうのだが・・・。やがて、事態は思いも寄らない方向へ転じていく。痛々しいほど真っ直ぐな気持ちだからこそ、つかむことのできた「真実」とは。

<きみにとっては最高の恋だったんでしょ?>

前作『夏の魔法』から3年ぶりの新刊です。
こちらもなかなか切ない物語でした。

普通、事情を知っている読者としてはどんどん軽蔑されていく省吾が気の毒になるはずなのに、省吾も自覚している通り彼の行動に嫉妬や執着という不純さを感じるため、これっぽっちも同情できないんですよね。
この心理描写は巧いなぁと感じました。理不尽さゼロなんですから。

しばらく読んでいると、いくつかのキーワードからややぼんやりと全体図が見えてきたので、仕掛けにはそこまで驚けず。
SFの要素や伏線が、少し浮いているようにも感じました。
でも、真相はなかなか深いんです。
私としてはP282のアノ台詞がもう衝撃的でして。
「うわぁ・・・これって・・・」とやり切れない気持ちで一杯に。
もうなんかタイトルの意味なんていいから、アノ台詞でスパッと終わって欲しかったほど。

案の定、最後まで省吾の好感度は上がることなく、少し冷めた気持ちで読み終わりました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
「どかす」=「ほかす」とピンときたので、そういえば関西人が登場したよなぁ~と前のページを捲っていると募金のお母さんだった。
そこで、ああ、なにか関係があるのねと推測。
血液採取ということで若菜のために適合する人間を探しているんだなぁとまでは想像できたけれど、なんで「ヒメちゃんスタイル」の女性ばかりなのかは分からなかった・・・心臓の大きさかぁ・・・。
それに、てっきり恋愛感情なんだと思ってたんだけど・・・妹だったのね。
その事実が判明したときは「あれ?想像と違ってたわ。でも分からんよね普通」って軽い気持ちだったんだけど、実は妙子を「心から愛していた」というあの台詞に「うわぁぁぁぁ・・・」と胸を衝かれてしまった。

「彼女の命を守るために、きみは一生を投げうつ覚悟があるのか?」
篠塚の行為が正しいなんて思わないけれど、その質問に答えられないくせにまだストーカー(っぽい)行為を止めない省吾の中途半端さにますます嫌気が差した。

夏の魔法/北國浩二 ★★★★☆

9年前に早老症の一種である「ケルトナー症候群」と診断された夏希。22歳の今、外見はすっかり老婆となり末期がんと診断された。これが最後の夏になるなら、中学の夏、初恋の男の子と過ごしたあの懐かしい島で死期を迎えたい。そこで偶然再会した初恋の相手・ヒロ。彼は目の前の相手が本人だと気づかないまま、彼女に夏希がどれほど大切な存在だったかを語る。夏希は彼のその記憶を壊したくないため、自分の正体を明かせない。そして、ヒロの隣には活発で明るい美女・沙耶がいた。

<コレガワタシ、コレガワタシ、コレガワタシ・・・>

すごい作品です。

島の美しさやイルカとのふれ合い、その日々の中で何度も胸によぎる嫉妬や羨望。
かつての自分が持っていた若さ、明るさ、美しさ。
10年かけて諦めたものを、まざまざと見せつけられる辛さ。
この夏希の心理描写が抜群で、つい感情移入してしまいます。
とても苦しいのに、読むのをやめられない。
グイグイ引っ張られてしまう。すごい。
真相はある程度予想していたのですが、全く違う方向からガツンときました。
仕方のないこととはいえ、とても残酷な結末です。

ほぼ満足なのですが、おそらく著者の狙いとは別なところで、不快に感じる点が多かったのが残念。
評価は星4.5です。
これは、再読すると本当にキツイ。
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 2005年8月~

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