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家族シアター/辻村深月 ★★★☆☆

同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。こんな風には絶対になりたくない――だけど、気にせずにはいられなかった。 (「妹」という祝福)息子が小学校六年生になった年、父親中心の保護者会「親父会」に入った、大学准教授の私。熱心な担任教師に恵まれて、順調に思われた日々の裏には、とんでもない秘密が隠されていて……? (タイムカプセルの八年)

どんなに仲の良くないきょうだいでも他人に悪く言われると不愉快になったり、「孫と誕生会」のエピソードには胸が痛くなったり。
家族がテーマということで、それぞれ少しずつ共感できる短編集でした。
・・・でも、そろそろミステリが読みたいなぁ。

ハケンアニメ!/辻村深月 ★★☆☆☆

伝説の天才アニメ監督王子千晴が、9年ぶりに挑む『運命戦線リデルライト』。プロデューサー有科香屋子が渾身の願いを込めて口説いた作品だ。同じクールには、期待の新人監督・斎藤瞳と人気プロデューサー行城理が組む『サウンドバック 奏の石』もオンエアされる。ネットで話題のアニメーター、舞台探訪で観光の活性化を期待する公務員…。誰かの熱意が、各人の思惑が、次から次へと謎を呼び、新たな事件を起こす!

うーん、辻村深月だったらミステリじゃなくても大丈夫だろうと思ったのですが、やっぱり少しは「謎」が絡まないと楽しめませんね。
アニメ制作現場の状況が大体想像できる範囲だったのも新鮮味が足りず、最終話はともかく、他の短編は別の職業でもありがちなトラブルだなぁと感じました。
アニメ関係に限らず、働く女性を応援する作品として読むのが正しいのかしら。

盲目的な恋と友情/辻村深月 ★★☆☆☆

これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への――。一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。彼らは親密になるほどに、肥大した自意識に縛られ、嫉妬に狂わされていく。そう、女の美醜は女が決めるから――。恋に堕ちる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書下し長編。

うーん。これまでと似たテーマで、ずっと平凡。
特に「恋」の章は、蘭花の陥る「地獄」が新鮮味ゼロで退屈でした。
「友情」の留利絵もなかなか面倒臭いキャラクターですが、ファミレスで待つ留利絵に連絡せずに他の友だちに電話する蘭花への苛立ちや、「自分にもっと感謝してほしい」という気持ちは理解できるので、「盲目的」と表現するほどではないかな、と。
ラストで解る仕掛けは少し意外でしたが、どこにも刺さらないストーリーでした。

島はぼくらと/辻村深月 ★★★☆☆

母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。

ミステリではないし時間はかかったけれど、読んでよかったと思える作品でした。
あれだけ伏線があったのに「彼」の正体にはまったく気づかず。
終盤で明らかになる衣花の想いも少し意外性があってよかった。
エピローグにもじーんときます。

ヨシノの島への貢献が過去のエピソードとして書かれているだけなので、朱里たちほど彼女に対する感情が沸かなかったのが残念かな。
ヨシノと蕗子の友情も同じく少し冷めた気分で。
あと、修学旅行のシーンが、なんだかドタバタしていて浮いているような。
「彼女」の登場には驚きましたが。

途中で「もしや島のモデルは家島?」と思ってたらアタリでした。
西上ありささんは「NPO法人いえしま」の活動をされている方。
めっちゃ近くまで来てたのですねぇ。びっくり。
もう少し方言に力を入れて欲しかったけれど。
冴島・・・さえじま・・・えじま・・・家島・・・かぁ。

鍵のない夢を見る/辻村深月★★★★☆

望むことは、罪ですか?願いが転落を呼び込む。ささやかな夢を叶える鍵を求めて5人の女は岐路に立たされる。

<仕方ないじゃないか、人間なんだから>

一話読み終わるごとに、深くため息をつきたくなる短編集。
これまでの作品の雰囲気を少しずつ混ぜ合わせながらも、ストーリーで直球勝負しているような迫力を感じました。

「仁志野町の泥棒」
設定が斬新。なんともいえない虚しさ漂うラストにやられた。
「石蕗南地区の放火」
主人公の感じるストレスにも、打算に揺れる気持ちにも、一番共感できたなぁ。
「美弥谷団地の逃亡者」
どんどん雲行きが怪しくなる展開に惹き込まれる。
ラストの台詞には、衝撃と「やっぱりなぁ」という想いが同時にきた。
「君本家の誘拐」
救いはあるけれど、これが一番後味が悪かったりする。

実際に起きた事件を題材にしている作品もあり、その背景が見えるようで興味深かったです。
やっぱり、既読の「芹葉大学の夢と殺人」が秀逸。
描かれている女性心理のすべてに共感することはないですが、一つひとつの表現に胸が騒ぐのです。
久しぶりに、辻村深月の筆力に圧倒されました。

サクラ咲く/辻村深月 ★★★☆☆

若美谷中学1年5組の塚原マチは、自分の意見を主張できない、頼み事を断れない、そんな性格を直したいと思っている。ある日、図書室で本をめくっていると、一枚の紙が滑り落ちた。そこには、丁寧な文字で『サクラチル』と書かれていた。その後も何度か同じようなメッセージを見つけたマチは、勇気を振り絞って、返事を書いた。困っているはずの誰かのために―(「サクラ咲く」他2編収録)。

<本当に、あの子はなんて自分とは違うのだろう>

まず、表紙イラストに戸惑いましたよ。進研ゼミで連載されたとのことで納得。

「約束の場所、約束の時間」「サクラ咲く」はお得意の筆致でいつも通りに胸中を落ち着かなくさせるのですが、中学生向けということで、甘めの展開にもの足りなさを感じたり。
最終話の「世界で一番美しい宝石」(これは小説宝石に掲載)がお気に入りです。
「学校は誰のものなのか」というテーマがいい。
解決策が鮮やか。読後感も爽やか。
リンクもしっかり張られていて、連作としての結末も綺麗に決まっていました。

ネオカル日和/辻村深月 ★★★☆☆

新鋭作家・辻村深月の興味の赴くままに、人気アニメから伝統芸能まで日本の新(ネオ)カルチャーの現場を歩く初のルポ&エッセイ集。各紙誌へのコラムも満載、ショートショート・短編小説を特別収録。

一つひとつのエッセイが短いのでサラサラと読めるのですが、なんだかとっても味気ない印象。
楽しみだった短編小説も一編(「さくら日和」)は既読だったのが残念。好きな話だからいいけれど、物足りないなぁ。
ちなみに「ミステリ好きの子供で、ルパンとホームズの洗礼を受けていない子供はいない」との一文を読んで、受けてないよ!とショックだったり。(私は乱歩派)
これまでの作品に影響を及ぼした「ネオカルチャー」は興味深かったですが、それ以外に「発見」はあまりなかったかなぁ。
あ!出産には驚きました!読後はこちらも幸せな気持ちに。

水底フェスタ/辻村深月 ★★★☆☆


村も母親も捨てて東京でモデルとなった由貴美。突如帰郷してきた彼女に魅了された広海は、村長選挙を巡る不正を暴き“村を売る”ため協力する。だが、由貴美が本当に欲しいものは別にあった―。辻村深月が描く一生に一度の恋。

<フェスの夜の魔法は等しくかかる>

読後感は悪くないのですが、読書中、ずっと嫌な気分でした。

山奥の村が舞台ということで、村の不正がショボく思えて仕方がなく、「そんな大げさな」という感情が最後まで拭えなかったのが残念。
その不正が村独特のモノなら面白いのに。一般的なんだもの。
そして、達哉のキャラ設定は凝りすぎだと思う。
広海と由貴美の恋の結末は好み。
直前にストーリーが失速していなければ、もっと切なくなったのになぁ。

オーダーメイド殺人クラブ/辻村深月 ★★★☆☆


中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方。
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。


<私は、徳川に殺してもらえる>

装画が素敵。
でも、タイトルは『オーダーメイド』だけで良かったような。
『本日は大安なり』がポップな雰囲気だっただけに、本書も和気あいあいとしたクラブ活動のようなノリを想像しながら読み始めてしまって、落差に凹んでしまいました。
確かに思春期少女の心理描写は抜群に巧いのですが、さすがにこういうテーマは食傷気味ですよ。

昆虫系男子の徳川がどんどん格好よく見えてきて、ラスト一行で「よし!」とか思ったりもしたけれど、やっぱりストーリーにもう一捻り欲しいなぁ。

本日は大安なり/辻村深月 ★★★★☆


一世一代のたくらみを胸に秘める美人双子姉妹、クレーマー新婦に振り回されっぱなしのウェディングプランナー、大好きな叔母の結婚にフクザツな心境の男子小学生、誰にも言えない重大な秘密を抱えたまま当日を迎えてしまった新郎。憧れの高級結婚式場で、同日に行われる4つの結婚式。それぞれの思惑と事情が臨界点に達した、そのとき―。

<勘弁してよ>

とても面白かったです。
もともと別々だった5つのストーリーを互い違いに縫い合わせた構成が大正解!
途中でそれぞれの人物がどういう状況下にあるのかが判明するのですが、これがなかなかの衝撃なのです。

ウェディングプランナーの山井さんの一生懸命さに感動。一番読み応えがありました。
双子の心情や真相は完全に想定内。でも新郎が格好良い。
真空も可愛いし、ある疑惑にはドキッとしたけれど、終盤になるにつれグダグダに。
ダメ男の鈴木に関しては辻村さん自身も手探り状態で描いたそうですが、それにしてもあの結末は納得できません。甘すぎる!

リンクは別として、これまで苦手だった辻村作品のクセが薄まっているような気がします。
それでいて、伏線が絶妙なんですよね。満足!

ツナグ/辻村深月 ★★★☆☆

突然死したアイドルに。癌で逝った母に。喧嘩したまま亡くなった親友に。失踪した婚約者に。死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。間違いかもしれない。でも―喪ったものを取り戻し、生きるために会いにいく。―4つの再会が繋いだ、ある真実。新たな一歩を踏み出す連作長編小説。(帯より)

<あんなに、幸せな時間はなかったよ>

連作短編集。
辻村作品にしてはあまりヒネリのないオチだったりするんだけれど、しっかりと読ませます。
2話目まで読んで「最後までこのパターンだったら飽きるかも」と思っていたら、ちゃんと変化をみせるところが巧いなぁ。
お気に入りは『親友の心得』『待ち人の心得』
どのストーリーも、もう少し長めでも良かったかな。

光待つ場所へ/辻村深月 ★★★☆☆

「しあわせのこみち」
T大学文学部二年生、清水あやめ。「感性」を武器に絵を描いてきたという自負がある。しかし、授業で男子学生・田辺が作った美しい映像作品を見て、生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わい……。
「チハラトーコの物語」(「『嘘』という美学」を改題)
美人でスタイル抜群、ガチに博識でオタク。チハラトーコは、言葉に嘘を交ぜて自らを飾る「嘘のプロ」。恩師、モデル仲間、強気な脚本家との出会いが彼女にもたらすものとは?
「樹氷の街」
中学校最後の合唱コンクール。指揮を振る天木だったが、本番一ヶ月前になっても伴奏のピアノは途中で止まり、歌声もバラバラ。同級生の松永郁也が天才的なピアノの腕を持つことを知った彼は……。(amazon内容説明より)

<光はきちんと届いただろうか>

とっても評判が良いし、『凍りのくじら』が好きな人は大満足だと思います。
正直、私にはあまり印象に残らない短編集でした。
どこまでも上から目線の登場人物についていけず、最後までやや空虚なキモチで読み進めてしまいました。
ほんと、辻村作品ってこういうキャラクター、多いわ~。
描写が巧いから余計にウンザリしてしまうのですよね。
その苦手意識が薄らぐほどの感動的なサプライズも、今回はナシ。
スピンオフなのにほとんど登場人物を忘れているのもダメなのかしら。

V.T.R./辻村深月 ★★☆☆☆


怠惰な生活を送るティーのもとに、三年前に別れた恋人、極上の美女アールからかかってきた一本の電話。「アタシの酷い噂話や嘘をたくさん聞くことになると思う。ティーにだけは知っておいて欲しいと思って。アタシは変わっていない」街に出たティーが友人たちから聞くアールの姿は、まるで別人のように痛々しく、荒んだものだった―。彼女が自らを貶め、危険を恐れずに求めたものとは・・・。

<一人ぼっちにならないで>

読後に「これっぽっちのサプライズでは割に合わない」と思ってしまうほど、疲れる読書でした。
ティーのフェミニストな態度とオネエ系な心の声、そして限りなく古臭い比喩に鳥肌ゾワゾワ状態でした。
数ページ進んだところで「これはあくまでチヨダ・コーキの作品だから」と気持ちを切り替えましたが、アールが辻村作品定番のキャラクターなため、結局微妙な読後感になってしまいました。
真相も珍しく予想が当たってしまい、残念。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。/辻村深月 ★★★☆☆


“30歳”という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。少しずつ隔たってきた互いの人生が、重なることはもうないと思っていた。
あの“殺人事件”が起こるまでは・・・。


<みずほちゃんのせいだった>

とっても切ない読後感。そしてタイトルが秀逸。

『太陽の坐る場所』と同じく、女性同士のドロドロとした心理描写がリアルです。
確かにあの頃は面倒臭かったなぁ~とか思い出しながら読んでました。
主人公を含め、あまり好感を持てないタイプの人物が多く登場しますが、ラスト1ページでそれまで理解できなかったチエミの気持ちにハッとさせられました。
人の心は本当に複雑。

私は今回も何ひとつ真相が見抜けませんでした。
やっぱり辻村深月のサプライズは好みです。
でも、もう少し短くてもいいよね。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
茶化すわけでも何でもなく、普通に疑問。
母親って、あの状況で「逃げなさい」って言うのかなぁ。
私がその立場だったら、何としてでも「ジコです」とか書きたいけどなぁ。血で。
娘のことを考えても、逃げないほうが無事出産できそうだし。

チエミの母親の共依存の様子をもう少し描いて欲しかったな。
みずほの母親の方があんな目に合ってもおかしくないように感じたわ。

小説でしか成立しない仕掛けには満足だけれど、まずは検査薬を試してから報告しようよ、チエミ・・・。
読後はさすがにホロリときたけれど、よぉく考えるとかなり間の抜けた事件に思えるよ・・・。

ふちなしのかがみ/辻村深月 ★★★☆☆


ひややかな恐怖が胸に迫る――青春ミステリの気鋭が初めて封印を破った現代の怪談!
おまじないや占い、だれもが知っていた「花子さん」。
夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。
やくそくをやぶったひとは、だぁれ?
その向こう側は、決して覗いてはいけない―。(帯より)


<私は、ここですよ>

何が怖いって、表紙のイラストが一番怖いです。

ホラーやシュールな物語に油断していたら、いつの間にかミステリな仕掛けに騙されていたりして、いろんな感覚で楽しめました。
全ての作品が印象深いのですが、お気に入りは、伏線が絶妙な『踊り場の花子』とトリッキーな『ふちなしのかがみ』
どちらも、オチや後味が今邑彩さんの短編を思い出させて、とても好みでした。
『八月の天変地異』は『ロードムービー』に感動した私には、少し物足りなかったかな。
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 2005年8月~

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Author:めみ
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