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空耳の森/七河迦南 ★★★★☆

思い出の山を登るひと組の男女。だが女は途中で足を挫き、別行動をとった男を突然の吹雪が襲う。そして、山小屋でひとり動けない女に忍び寄る黒い影―山岳を舞台にした緊迫のサスペンス「冷たいホットライン」。孤島に置き去りにされた幼い姉弟の運命を描く「アイランド」。ある不良少女にかけられた強盗の冤罪をはらすため、幼なじみの少年探偵が奔走する「さよならシンデレラ」。居酒屋で男が安楽椅子探偵に遭遇する「晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)」

<それは皆一つだけの想い>

”この著者の作品が好きな人”なら、絶対読むべきですね。

一話目の「冷たいホットライン」から、私好みのトリッキーな作品。
「It's only love」の真相にも、見事に翻弄されました。
「さよならシンデレラ」の余韻がとっても好みだったので、その次の「桜前線」で少しがっかりといいますか、いや、こちらも傑作なのですが。
「アイランド」といい、このまま完結してもいいのになと思うほど余韻が深いのです。

そして、表題作で軽く混乱。
前作は最終話で満足感が得られましたが、今作は短編のクオリティが高い上に、さらにパンチを喰らってしまいましたよ。
これまでより伏線の張り方が絶妙です。参りました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモ。真相に触れているので、OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
さて、気づいた伏線を拾ってみよう。
これ、順番がいいのよねー。
第一話でノンシリーズの短編集だと思い込ませるのが巧すぎる。
まぁ、書き下ろしではないからか、全体からみると少し浮いている印象なのは仕方ないとして。
今回の主人公の正体にも驚いたけれど(デビュー作では2ページ目に登場していたのにもビックリ)、ほとんどの作品に少しずつ登場する人物が「あのヒト」だったなんてねぇ。
表題作を読むまで全然気づかなかった。
特に、祝電とトリちゃんには驚いたかも。
結婚式のメンバーも、なんだか違和感があったんだけど。そんなまさか。
チコは道子かな?ミュウは解らなかったなぁ。
時系列でいくと、「It's only love」のこれから呑みに行くという「幼なじみ」はリコよね。再会できたのね。
そして、明だったかー。
カイエが刺されたときに助けてくれた男の子ってところがドラマチックで好み。
「晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)」のラストの「尚子と名前が似ている友達」は直=佳音よね。
今と昔で名前が違うので、マスターは「全然・・・」となったのね。
細かいなぁ。
でも、「発音されない文字」はさすがに唐突な印象が。
前作の真相を解明した翌日の話ね。
なるほど、この後、霧の先で待っている海王さんに出会って泣いたのね。

アルバトロスは羽ばたかない/七河迦南 ★★★★☆

児童養護施設・七海学園に勤める保育士・北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。そんな日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭で起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。これは単なる不慮の事故なのか?だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手掛かりが隠されていた。(本書あらすじより)

<真っ暗な闇の中にもちっちゃな光はあったのかもしれない>

春の章はモヤモヤが残ってそこまで感動できず。
夏の章はもう少し少年たちの背景を描き込んで欲しかったかな。
晩秋の章はコミカルでオチが綺麗にまとまっていてお気に入り。
前作と同様、どの作品も丁寧に伏線が張られていて、好感度が高いです。
何よりも、冬の章の真相には久しぶりの衝撃を味わいました。満足!

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
冬の章は少し違和感(やっぱり「七海」学園が伏線になってしまった?)があったので、探偵役は別の人(もしや小泉さん?)と疑っていたのよね。
でも、そこまで予想していたのに、転落した人物には本当に驚いた。
73ページが巧すぎるのよ!
・・・しかも、最後まで目覚めないなんて。
ほんと、サプライズといい、読後感といい、若竹作品っぽいわぁ。

春の章はちょっと不満。
元旦那が無一文とかだったら、母親の行動に素直に感動できたかもしれないけどさ。
こんな状況になるなら、せめて最低限の生活費は貰おうよ。
本当に子供のことを一番に考えているのか?と思った。

七つの海を照らす星/七河迦南 ★★★★☆

様々な事情の子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」では、「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。孤独な少女の心を支える“死から蘇った先輩”、非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生、女の子が六人揃うと、いるはずのない“七人目”が囁く暗闇のトンネル・・・七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる。

<皆何かの希望を掴もうとしているんだ>

とても読み心地のいい文章でした。

各章の謎は小粒ですぐに解けてしまうものもあるけれど、中には驚きの展開を見せるストーリーもあり、気が抜けません。
お気に入りは「滅びの指輪」
あのラストはなかなかスゴイ。

最後の真相も途中で大体予想がついたけれど、こういった試みは大好きです。
巧妙に隠された伏線に驚きました。
(細かすぎて不発に終わっているような気も。)
読後感は爽快です。

巻末の選考経過にもありますが、若竹さんの『ぼくのミステリな日常』を再読したくなりました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
いつものんびり屋の佳音が、春菜を七海の面接に必死に間に合わせようと車を飛ばした、その真意にじ~んときた。
まさかブラウンの制服も伏線だったとは。
あと俊樹の視線の意味も。
短冊のエピソードだけちょっと強引に感じたけどさ。
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 2005年8月~

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