スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

下戸は勘定に入れません/西澤保彦 ★★★☆☆

大学で教鞭をとる50歳の古徳は自殺願望があり、ウイスキー片手に夜道を歩いたところ、かつて古徳の恋人を奪って結婚した旧友・早稲本と出会う。早稲本の誘いを断り切れず、豪邸のホームバーで杯を傾け、やがて酔った2人は28年前の晩へとタイムスリップする。条件が揃うと、酒の相手を道連れに時間をさかのぼってしまう古徳。はたして失った恋の秘密を解き明かせるのか?

<あなた、単に飲みたいだけでしょ?>

「あるいは妻の不貞を疑いたい夫の謎」はミステリとして楽しめましたが、他の作品は少し真相に不満が残るかなぁ。
どれも謎や展開が斬新で面白いのでハードルを上げてしまうのですよね。
最終話のビールのラベルのくだりなんて、もっと話が転がるのかと期待したのに。(もしかして周りのみんなも同じ体験を?など。)
ハッピーエンドですが、少し複雑といいますか(よく平気だな両親)スッキリしない後味でした。

ぬいぐるみ警部の帰還/西澤保彦 ★★★☆☆

殺人現場にぽつんと遺されていたぬいぐるみ。ぬいぐるみは、何を語る?イケメン警部・音無の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。遺されたぬいぐるみから優れた洞察力で事件解決の手がかりを発見する―。そしてその音無にぞっこんの則竹女史。さらにミステリオタクの江角刑事や若手の桂島刑事など、個性派キャラが脇を固める、連作短編集。

「お弁当ぐるぐる」のあのコンビがやっとシリーズ化しました。
ミステリ色が強いし、ロジックの強引さもそれほど気にならないし、後味も苦くて好みなのですよ。
でも、別にこのコンビでなくてもいいような。
ぬいぐるみの存在もいらないような。
何だか思ってたのと違うー、という読後感。

瞬間移動死体/西澤保彦 ★★★☆☆

妻の殺害を企むヒモも同然の婿養子。妻はロスの別荘、夫は東京の自宅。夫がある能力を使えば、完璧なアリバイが成立するはずだった。しかし、計画を実行しようとしたその時、事態は予想外の展開に。やがて別荘で見知らぬ男の死体が発見される。その驚愕の真相とは?

一風変わった夫婦関係の説明が長々と続くので序盤は少し退屈しましたが、超能力の説明に入ってからはグイッと引き込まれました。
まったくの下戸なのにお酒を飲まないと移動できない、服を含め何かを持ったまま移動することができない、自分の移動先のポイントに存在するモノが代わりに転送されてくる、などの「致命的な欠陥」が面白いなぁと。
西澤ミステリなのでご都合主義な点は多いですが、真相は予想したよりも複雑で楽しめました。
「彼女」の何でもないような発言が、ちゃんと伏線になっていたのにはビックリ。
15年前の作品ですが、ミステリとしての古さを感じさせないのがスゴイです。

幻想即興曲 響季姉妹探偵 ショパン篇/西澤保彦 ★★★☆☆

ピアノ教師の野田美奈子が、夫の刺殺容疑で逮捕された。しかし、小学生の古結麻里は、事件当時に別の場所でピアノを弾く美奈子を目撃していたのだ。成長した麻里は事件をモデルとした小説を書き上げるが…。事件から40年後にその原稿を受け取った編集者の姉・響季智香子は、新進ピアニストの妹・永依子とともに真相を推理する。あのとき「幻想即興曲」を弾いていたのは誰だったのか。真犯人は?

西澤作品だし、表紙イラストもこんなだし、まさか姉妹で・・・?とか心配しながらの読書ですよ。
まぁ、あのテイストは軽めでしたね。別に要らないけど。
ストーリーはほぼ麻里の作中作の形式で進むので、この姉妹すら必要ないような。
いつもの通りロジックが乱暴ですが、真相はなかなか意外性があって楽しめました。

彼女はもういない/西澤保彦 ★★★☆☆

母校の高校事務局から届いた一冊の同窓会名簿。資産家の両親を亡くし、莫大な遺産を受け継いだ鳴沢文彦は、すぐさま同学年の比奈岡奏絵の項を開いた。10年前、札幌在住だった彼女の連絡先が、今回は空欄であることを見て取ったその瞬間、彼は連続殺人鬼へと変貌した。誘拐、拉致、凌辱ビデオの撮影そして殺害。冷酷のかぎりを尽くした完全殺人の計画は何のためだったのか―。青春の淡い想いが、取り返しのつかないグロテスクな愛の暴走へと変わるR‐18ミステリ。

<おれはいったいなにがそれほどショックなのだ?>
 
今回は西澤色が邪魔に思ってしまいました。
いろいろとやりすぎ感が強く、結果、盛大に肩透かしですよ。
主人公が歪んでいるので、動機の説得力の有無はいいとして、せめて目新しさが欲しかったです。
ラストも伏線が足りなくて切なくなれない。すごく好みの真相なのに。
タイトルと装丁は完璧なのになぁ。

赤い糸の呻き/西澤保彦 ★★★☆☆

結婚式場へ向かうエレベータ内で、指名手配犯を監視していたふたりの刑事。突然の停電後に、なんと乗客のひとりが殺害されていた。もっとも怪しいのは、手や服を血で汚した指名手配の男だが…。表題作「赤い糸の呻き」をはじめ、犯人当てミステリ「お弁当ぐるぐる」、都筑道夫の“物部太郎シリーズ”のパスティーシュ「墓標の庭」など、全五編を収録。

<それを言っちゃ、なんでもありなような気が>

「お弁当ぐるぐる」
既読。6年前にも思ったけれど、これシリーズ化してもいいのになぁ。
「墓標の庭」
物部太郎のひらく心理現象専門の探偵事務所に訪れた女性。
彼女の庭に女の幽霊が出るので調査してほしいと言うのだが・・・。

パスティーシュだからか真面目な展開で、これはこれで西澤作品っぽくないなぁと思っていたら、依頼人の趣味でやっぱり・・・。
でも、一番説得力のあるロジックでした。
「カモはネギと鍋のなか」
高校生のぼくは、憧れの美幸先輩からの手紙によって、待ち合わせの公園へ行ってみることに。
次に、その近くのマンションの一室に呼び出されたぼくは、そこで美幸先輩の死体を発見する。

ストーリーはとっつきやすいのですが、やっぱり強引。
「対の住処」
殺害された男性が不倫の目的で通っていた分譲マンションで聞き込みをしていた刑事は、過去に起きた別の事件との類似点を発見する。

とても好みの真相。これは面白かった。
「赤い糸の呻き」
指名手配犯と彼を追う男女の刑事が乗り込んだ結婚式場のエレベーター内で、殺人事件が発生。
犯人は指名手配犯だと思われたが、その後、独自で捜査をしていた男性刑事が死亡する。

これも、突飛なロジック(というより、指名手配犯の思考回路が「?」)ですが、そこから伏線を巧く回収、収まりのよいラストへ。
何となく納得させられた印象。

今回もロジックの飛躍は目を瞠るものがありましたが、読みやすいのですよね~。

必然という名の偶然/西澤保彦 ★★★☆☆


この街は、なんかおかしい!今日は倉橋譲の結婚式。この男、とにかく女運が悪い。婚約しては逃げられ、結納しては逃げられ、挙式中に逃げられ…。八年前には、控室から消えた花嫁が別の男と無理心中。そんな中、今日の花嫁が心中した男の交際相手だったと発覚。これを単なる偶然と言えるのか?(「エスケープ・ブライダル」より)。殺人街・櫃洗市で起きる奇妙・珍妙な6つの事件を描いた連作ミステリー。


う~ん、連作といっても共通するのは舞台が櫃洗市という点だけだったのですね。
「エスケープ・ブライダル」の真相はとても気に入ったのですが、犯人の供述が曖昧だったことから、これにはきっと裏があって、連作で解き明かしていくのかとばかり。
それでも、最終話の「エスケープ・リユニオン」に賭けていたのですが・・・肩透かしでした。
大富豪探偵にもっと活躍してほしかったなぁ。
「偸盗の家」の仕掛けも好みですが、後の4作品には意外性が足りなかったかも。

幻視時代/西澤保彦 ★★☆☆☆

文芸評論家の矢渡利悠人、彼の高校の後輩にして小説家のオークラ、編集者の長廻の三人は、立ち寄った写真展で、ある一枚の写真の前に釘付けとなった。18年前の大地震直後のその画面には、瀕死の恩師・白州先生と大学生の悠人、そして一人の少女・風祭飛鳥が写っていた。しかし、彼女は大地震の4年前に起きた「女子高生作家怪死事件」の被害者で、この時すでに死亡していたはず―!?(amazon内容紹介より)

<なーんだか、ご都合主義的だなぁ>

プロローグにグッと引き込まれましたが、その後は青春小説っぽいのんびりとしたストーリーでした。
ロジックも甘めかなぁ。
あらすじからSFをイメージしていたので、まっとうな真相だったことに少し物足りなさを感じたり。(何となく『私家版』を思い出した。)
3つの時代を描く必要性があるんだかないんだか。

からくりがたり/西澤保彦 ★★☆☆☆

高校三年の冬、自死した青年が遺していた、みだらな空想を綴った奇怪な日記。日記にまつわる人間が、つぎつぎと酸鼻な事件に巻き込まれていく。毎年、大晦日から元旦への一夜に起こる殺人、被害者はすべて女性―。事件の現場に必ず姿を現す謎の男“計測機”とはいったい何者なのか。 (帯より)

<もてもてになりたかったんだね、お兄ちゃん・・・>

「浅敷がたり」はアンソロジーで既読。
各短編は意外性もあって完成度は高いと思うのですが、連作となるととても物足りないです。
あらすじから、てっきり日記がメインだと想像していたからかなぁ。
“計測機”という表現も巧いんだかそうでないのか・・・。

私は西澤ミステリに出てくるミッシングリンクが好みなので、真相には期待していたのですが、今回は脱力です。
まったくスッキリしない。一体、何だったのか。

こぼれおちる刻の汀/西澤保彦 ★★★☆☆

「時間が止まっている!?」
不条理な出来事に遭遇する女性宇宙パトロール隊員のSF「カデンツァ」
「一つの出来事に記憶が二つ!?」
世界の揺らぎに翻弄される女性科学者のSF「オブリガート」
「殺されては幾度も中学時代へ!?」
<時間の環>に嵌っていく老女のミステリ「コーダ」


<もしかして、揺らいでいる?世界が。宇宙が>

西澤さんが20年以上前に書いた短編を基に全面的な加筆修正を施した作品。
今回も相変わらずの西澤的「Lの世界」な設定です。
SFの舞台設定も会話が中心なのでそれほど説明臭くはなく、すんなり受け入れることができましたが、やっぱり殺人を繰り返す老女を描いた「コーダ」の章が一番魅力的でした。
殺人事件の動機については釈然としない気持ちも若干・・・。
でも、西澤ミステリだからこれもアリということで。
3つの物語を結びつける手法は、予想以上に巧くいってると感じました。
強引だしややこしいですが、モヤモヤした気分は残りませんでした。

身代わり/西澤保彦 ★★☆☆☆

高校2年生・鯉登あかりが自宅で殺害された。おかしなことに彼女の遺体のすぐ脇に、巡回中の明瀬巡査の遺体があった。その5日前、辺見祐輔の後輩・曾根崎が女性を襲ったものの、反撃され死亡するという事件があり・・・。(bk1内容説明より)

タック&タカチシリーズです。
『依存』から9年も経ったのですね。
9年前に『依存』からこのシリーズに入ってしまった私としては、全ての作品を読んだのが3年前なので、そこまで待望感はなかったのですが。
ボアン先輩やウサコも少しシリアスな面を見せながらも、飲むわ語るわの楽しい雰囲気はそのままでした。
このシリーズは、自分も学生時代に戻ったような懐かしい気持ちになれるので好きだなぁ。

でも私は、彼らに再会できたからそれだけで満足!とまでは思えませんでした。
謎はとても魅力的なのに、ロジックがイマイチしっくりこなくて・・・。
終盤の怪しい展開から、「それはないわ~」な読後感。
う~ん・・・残念。

動機、そして沈黙/西澤保彦 ★★★☆☆

絶対、「あとがき」から読まないで下さい!
西澤的、殺意のスイッチ。
エロティシズム、フェティシズム、ロジック―ミステリ界の奇才の「すべて」を凝縮した作品集。
特別書き下ろし中篇「動機、そして沈黙」収録。(帯より)


<静かに、なにも語らず>

思ったよりミステリしていて驚きました!

お気に入りは「迷い込んだ死神」と表題作。
「迷い込んだ~」のオチは全く想像がつきませんでした。
表題作は伏線が見事。ラストシーンも好みです。

もちろん、エグイ描写もたっぷり。
帯にあるように「西澤保彦的な灰汁」は十分堪能しましたが、今回は「灰汁」さえなければいろんな人にオススメできるのになぁともったいなく感じました。

スナッチ/西澤保彦 ★★☆☆☆

22歳だった。次の日、ぼくは53歳になっていた・・・。
1977年1月15日、恋人の両親に会うため東京から高知に向かった奈路充生は、そこで銀色の雨にうたれる。
奈路が気がついたのは、31年後。
彼は53歳になっていた。
その間、彼の肉体は別の人格に支配されていた。


<ぼくは多くを望みすぎているだろうか?>

想像していたストーリーではなかったかな・・・。
『スナッチ』といえば、大好きなガイ・リッチーの映画ですが。

個人的に、西澤さんのSFで印象深いのは『複製症候群』なのですが、それと比べると、えらく落ち着いた仕上がりでした。
ミステリとしては、意外にも満足。
でも世界観がどうにも受け入れられませんでした。
とにかく、説明臭くてたまらない。
もっと、スマートに表現して欲しかったなぁ。

夢は枯れ野をかけめぐる/西澤保彦 ★★★★☆


勤務先を早期退職し、ひとり静かに暮らす中年男・羽村祐太。だが、彼のもとになぜか、数々の不思議な事件の相談が持ち込まれ・・・。ミステリ界の雄! 西澤保彦ワールド全開!! (amazonより)

<あなたにも見据えて欲しいのよ、この現実を>

「高齢者の介護問題」を中心とした6つの短編集です。
ミステリではない・・・かな。

主人公・羽村は穏やかなキャラだし、のほほんとした雰囲気なので日常の謎系かと軽く読み始めたら、非常に重いテーマに打ちのめされてしまいました。
作中で浮き彫りにされる状況は決して目新しいものではありません。
でも、自分も決して他人事ではないという意識があるので、どっぷり感情移入してしまい、改めて考えさせられました。
主婦や娘の心理描写が抜群に巧いのですよね。

最終章ではあんまりな展開に涙がこぼれそうに。
もの悲しくもささやかな救いが感じられたラストでした。

腕貫探偵、残業中/西澤保彦 ★★★★☆


立て篭もり?偽装殺人?詐欺?轢き逃げ?など奇怪に思える事件も人間関係を解きほぐしていくと、意外にも・・・。日常の暗部に恐ろしい罠が待ち受けてるのが人生だって!?あっけらかんと他人の秘密に迫る、嫌味なまでに冷静沈着な腕貫男は、神出鬼没で杓子定規な市民サーヴィス課苦情係。西澤ワールド炸裂の傑作ミステリー。

<個人的なお悩みもお気軽にどうぞ>

今回はタイトルの「残業中」の通り、市役所の業務終了後、腕貫探偵がプライベートで推理しまくるという設定です。
プライベートなので、腕貫はしていないだろうから、もはや「腕貫探偵」ではないと思うんだけど・・・。
推理時にシャキーンと腕貫を装着するとかだと納得できるんだけど・・・まぁいいか。
各話に登場するユリエと真緒のコンビが楽しい。
ユリエと腕貫探偵の共通の趣味が「美味しいモノを食べること」なので、美味しそうな料理がこれでもかと登場。
そこも見所となっています。

洋食屋で起こった立て篭もり事件の真相とは?「体験の後」
写真に写った車の状況は、ある殺人事件の証言と食い違っていた・・・。「雪のなかの、ひとりとふたり」
偶然発見した、憧れの少女との約20年前のツーショット写真。でもその記憶が全くないのはなぜ?「夢の通い路」
元教師の女性の死後、自ら通帳から5千万円を引き出していたことが発覚。その理由とは?「青い空が落ちる」
家が隣り同士の中学生の男女は、毎晩、窓を開けて会話をしていた。その後、殺人事件が起きて・・・。「流血ロミオ」
恋人の殺害計画が意外な展開へ。「人生、いろいろ。」

「青い空が落ちる」が一番好みかな。
女性の心情が伝わってくるので真相にも説得力があり、物語としても綺麗だった。
「体験の後」「流血ロミオ」は、事件も謎もとても面白かったのに、真相部分が粗くて残念。
「人生、いろいろ。」のオチはとても楽しかった。後味良し。

相変わらず、腕貫探偵の推理はほぼ妄想で強引なモノが多いけれど、何となくスッキリするから不思議。
このシリーズ、好きだなぁ。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
「体験の後」犯人グループにオーナーの前の奥さんと息子がいるのは不自然では?
バックグラウンドが貧弱すぎて、みんなが志乃さんのために一肌脱ぐことの説得力が感じられなかったなぁ。
「雪のなかの、ひとりとふたり」A子さん、監禁から脱出できたなら、自宅より先に警察に行くでしょう。本能的に。
「流血ロミオ」車好きの中学生という伏線には気付かなかったなぁ。
でも、叔父さんの行動は理解不能。
最新記事
検索フォーム
記事一覧

 2005年8月~

カテゴリ
プロフィール

Author:めみ
FC2ブログへようこそ!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。