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絶叫城殺人事件/有栖川有栖 ★★★☆☆


長編だと思いきや、短編集でした。

6つの建物で起こる事件に、火村とアリスが挑む!
この館が、黒鳥亭、壺中庵、月宮殿、雪花楼、紅雨荘、など素敵な名前ばかり。
でも「館ミステリといえば、館の形状を利用したトリック」だと期待していたので、わざわざこの館の設定は必要なのかしら?と疑問に思う作品がいくつかありました。
「黒鳥亭~」で火村さんが子供に優しいことと、<20の扉>という遊びを発見。
この遊び、とても面白そうだけど、大人相手でも難しいだろうなぁ。
綺麗にまとめたラストでした。
「絶叫城~」でアリスが語った「火村は犯人が拠り所としたものを見抜いてしまう」論ですが、まさにその通りだと感じました。
火村さんが犯罪心理を読み取ってしまうため、それ以上の反論ができなくなるのですね。
(犯人に抗弁する余地があるということは、推理としてはどうかと思いますが。)
短編なので、少し物足りない気もしますが、それぞれしっかりした論理で謎が解明されていて、とても満足でした。

双頭の悪魔/有栖川有栖 ★★★★☆

心に深い傷を負ったマリアは、四国にある隠れ里、木更村に入ったまま、連絡が途絶えてしまう。江神、有栖、織田、望月らは、彼女を連れ戻すため四国へ向かう。木更村の館では、芸術家たちが自給自足で生活しており、マリアとの面会をことごとく拒否された一行は、強行に館へ突入する。結果、江神のみ木更村に留まることができ、残りの3人は、橋を挟んで向かいの村に滞在することになる。その後、二つの村で殺人事件が起こり・・・。

当分、ちょっとした「有栖川祭り」を開催できるほど、図書館で大量に借りてきました。有栖川作品は短編集しか読んだことがなく、この際どっぷりと浸ってみます。
アリスとマリアの交互の視点で語られるのですが、江神さんのキャラが最高にツボです。どうも「クールなのにお茶目」という設定に弱くて・・・。
その効果もあり、次々と頁が進みました。
アリスの場面になると、テンションがやや低めになりましたが。
文体が読みやすいため、細かい描写も、しっかりと頭に叩き込めるのが嬉しいです。プワァ~と読んでしまいがちな私には珍しく、真相で伏線の箇所がわかっても、読み返す必要がありませんでした。
よく、「あれが伏線なんて気付かなかった!」という驚きが評価される作品が多いですが、推理するには、本作のように丁寧に提示されている方が断然良いですね。
「フェアの精神」へのこだわりが伝わってきました。
また「読者への挑戦」が魅力的!それも3回も!
トリックや動機など、幾分の隙もないロジックが繰り広げられます。
一冊で、こんなに何度も驚かされた作品は久しぶりでした。

死神の精度/伊坂幸太郎 ★★★★★


まず、目次の試聴機の周りに置いてあるCDのタイトルにニヤリ。う~ん、凝ってるなぁ。

表題の「死神の精度」は、以前アンソロジーで読んでました。
まさか、死神シリーズになってるとは思わなくてびっくり。
でも確かに魅力的なキャラかも。千葉さん。

どのストーリーも、大好きです。
千葉のポリシーは、「律儀に仕事をすること」。
時にはやくざの殴り込みを手伝ったり、殺人者の逃避行に付き合ったり。
たいした調査もせずに、結果を報告する死神もいる中、彼が担当した人々は幸せだったのかもしれません。
千葉が持っているラジオを、他の死神が羨ましそうに指をさすシーンがとても愛らしい。
CDショップにぞろぞろ集まってる姿も、想像すると面白いなぁ。
千葉の純粋な探究心と大真面目な発言に、相手がペースを乱されるシーンは、度々吹き出しそうになりました。
あと、「死神」が蔑称であることに驚きました。
「神様には違いない」って開き直ってるあたり、彼らにとっては不本意なのね。
それぞれの結末についての予想が、良い意味で裏切られました。
まるで、突然ラジカセの電源をOFFにしたかのような、潔い結末。
その後、どうなったのかは、読み手の想像次第。
ハッピーエンドでも、そうでなくても、強い余韻が残ります。

繭の夏/佐々木俊介 ★★★★☆

育ての親である伯父の事業の行き詰まりにより、カナリア荘で2人で暮らすことになった姉弟、祥子と敬太郎。引越し当日、部屋の掃除をしていた祥子は、天井裏から古ぼけた人形を見つけるが、その中の手紙の内容に姉弟は驚く。<ゆきちゃんはじさつしたんじゃない。まおうのばつでしんだんだ>
その部屋は以前、8年前に自殺した伯父の娘・咲江が使っていた・・・。


<ねえ、新しい生活のスタートに難事件を解決なんて、
                胸がドキドキするとは思わないの?>


第六回鮎川哲也賞、佳作受賞作品。

「スリーピング・マーダー」ものです。
ずっと昔に起こったはずの殺人事件を、時間を遡って推理していく、「回想の殺人」のこと。
8年前に「自殺」で片付けられた2人の死に疑いをもち、夏休みオンリーの探偵となった、祥子と敬太郎。
この2人が交互に語り手となるので、とても読みやすいし、退屈しません。
「模像~」では本格風でしたが、今回はとても優しい文体です。

感想は、面白い!の一言。
謎がどれも私好みで、終始、ワクワクしながら読みました。
真相はそんな驚くモノではないですが。
でも、「ああ、だからあのときの手紙で、あんなこと書いてあったんだ~」など、納得する箇所がいくつも。
「そんなご都合主義な」とツッコミたくなる部分もあるのですが、ちゃんと伏線があるのですよね。
読み返すと、とても緻密な計算がされていることがわかります。感心するほど。
動機は一般的に考えると弱いですが、伏線がある故、この作品の中では許せました。
なにより、トリックとそれに付随する謎の解明のくだりが巧い!
関係者が協力的すぎることや、通常、初めに確認すべきことを放っておく彼らの行動など、不自然な点もいくつかあるのですが。
天井裏に人形を隠した理由が判明したとき、とても切なくなりました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、内容に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
「後味が悪い」との批評を読みましたが、そうかなぁ?
だって、あの場面は○の○のことでしょう。

模像殺人事件/佐々木俊介 ★★★★☆


人里離れた山奥にある木乃家は、周囲から忌避されている一族だったある日、8年間音信不通だった長男、秋人が2人帰ってくる。
大怪我を負ったというその顔は包帯で覆われており、どちらも「自分が秋人だ」と主張し譲らない。
そして、唯一の通行手段である橋が爆破され、陸の孤島となった館で殺人事件が起こる。


文体がまさしく横溝風で、雰囲気は抜群です。

ネットの評判もすこぶる良いし、私自身、久しぶりの本格とあって、「絶対、真相を見破る!」と意気込んでの挑戦でした。
なにしろ、「誰が殺したか?いかに殺したか?」は問題じゃないんですよ。
・・・逆に返せば、犯人と殺人方法には、目新しい手法は使っていませんよ、との大胆発言にもとれたりするのですが。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、内容に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
実際、このホワットダニットの真相には仰天しました。
私は、かなり早い段階で、謎の(ものすごく自信のある)解明をしていまして。
ラスト付近で、探偵役が自分の推理を語るのですが、それがほぼ私の予想通りだったので、もうがっかり!
「な~んだ~。やっぱり期待して読むとこうなるんだよね~。」なんて、偉そうな態度で肩をすくめた私が悪うございました!
全てを覆すような、もっと大きな真相が隠されていたのです・・・!
そのトリック自体は、どこかで読んだことがあるものなんだけれど、この作品の仕掛けに使われているとは、これっぽっちも気付きませんでした。
見事です。

解説で、同じ横溝作品風として比較されている、殊能将之『美濃牛』と、小川勝己『撓田村事件』は、どちらも読んだことがあります。
キャラクターや読みやすさを比べると、上の2作品の方が好みなのですが、ミステリとしての驚きは、本作品がはるかに上でした。
いや~久々に驚きました~。

クレオパトラの夢/恩田陸 ★★★☆☆


『MAZE』に続くシリーズ第二弾。

『MAZE』は、とても壮大な謎がテーマだったので、今回は舞台が国内だということが意外でした。
でも、すぐにそんなことを気にならなくさせてくれる、インパクト大の恵弥。
ある意味、恩田作品の中で一番好きなキャラかも(笑)。

不倫を続けるため出て行った妹を説得するため、H市へやってきた恵弥。着いたその日に、不倫の相手である博士の葬式に出ることになる。
博士が調べていたという「クレオパトラ」の謎とは?

うんうん。なんだかトントン拍子に事が進んで、私好み。
恵弥の妹がこれまた変わった雰囲気で。
彼が妹に振り回されたり裏切られたりする度、「放って帰っちゃえっ」と思う薄情な私。最後にはその悲しい事情を知ることになるのですが・・・。
主人公がさり気ない風を装って、ズバッと真相を言い当てるシーンは恩田作品ではおなじみなのですが、完全に油断している私は、いつもかなりの衝撃を受けます。
その真相も二転三転してしまうし・・・。
今回も誰が敵で味方なのか、さっぱりわからないままラストへ。
地図から導き出される「クレオパトラ」の、夢のように儚い真実。
恵弥の辿り着いた結論には、ちゃんと納得することができました。
H山のシーンは、あの美しい夜景を思い出しながら、しみじみとなりました。

ラインの虜囚/田中芳樹 ★★★☆☆


ミステリーランドです。
今のところ、未読は高田崇史さんのみ。

外国が舞台で、かつ歴史が絡んでくる作品は久しぶりだったのですが、子供向けだったことが幸いして、かなり楽しめました。(イラストが綺麗なのも助かった!)

剣士と海賊と作家、そしてパリへやってきた女の子。
三人の年長者がコリンヌを見る目に温かさを感じます。
「大人だから」を言い訳に、度々どぎまぎする彼らが、とっても可愛らしい。
子どもに対しての「素敵な大人」、私たち大人に対しての「子どもへの接し方」が、しっかり描かれていると感じました。
気になった点は、彼らとの最初の出会いから旅の出発に至るまでが、トントン拍子だったので、途中がちょっと間延びしたような気がしました。
もう少し、敵の攻撃方法に工夫が欲しかったかな。
それでも、海賊王のラフィットや剣士のモントラシェが戦う場面は、ナイフや剣の動きがとても細かく描かれているので、想像すると結構ハラハラします。
最後は、爽やかだけれど、しんみりとした余韻が残ります。
もう少し、彼らの冒険を読んでみたい気持ちになりました。
ミステリーランドの大半の作品が、「小学生の夏休みの出来事」の設定が多い中、とても新鮮で大満足でした。

I LOVE YOU/伊坂幸太郎・他 ★★★☆☆


愛についての6つのアンソロジーです。

『透明ポーラーベア』 伊坂幸太郎
まず、ポーラーベアとは何か。
それは「シロクマ」。
僕の姉はシロクマ好き。
そして、彼氏と破局するごとに旅に出る。
僕には来月から遠距離恋愛になってしまう彼女がいて、二人とも、絶えず不安になっている。
ある日、彼女と行った動物園で、姉の最後の恋人だった富樫さんと5年ぶりに再会する。富樫さんは女の人を連れていた・・・。

う~ん、すごく良い!
「チルドレン」と同様、伏線の使い方にニヤリとさせられます。
宇宙人のエピソードも、いい味を出していて。ラストの花火も効果的。
やっぱりシュール、でも、とても素敵。
『魔法のボタン』 石田衣良
石田さんの作品を読むのは初めて。
コメンテーターとしてはよく拝見するのだけど。
萌枝のことを「きみ」と呼びかける文体が新鮮でした。とても詩的で。
いつもジャージとすっぴんで、ぼくの前に現れる萌枝が、「女装」した様子がとても可愛らしいです。
『卒業写真』市川拓司
「いま、会いにゆきます」の著者だということは知っているのですが、これまた未読。
この本の中で一番コミカルな作品でした。
女性心理を描くのがとても上手で、思わず吹き出したり。
焦ったり、喜んだり、主人公に感情移入しまくりです。
ラストもとても爽やかです。
『百瀬、こっちを向いて』 中田永一
暗いっ。暗すぎ。少しミステリ的な要素もあるのですが、全体的に重い話なので疲れました。希望が持てるラストで救われます。
『突き抜けろ』 中村航
なんだか変な話。登場人物の誰にも共感することができず、ただ淡々と読んでました。これはいまいちだったかな~。
『Sidewalk Talk』 本多孝好
「MISSING」しか読んだことのない作家さん。この作品は良かった。
彼女との思い出がとてもロマンチック。
そして、店を出る時に思い出す、あの日の彼女の約束。
こんなじーんと胸にくる文章を書く人だったんだなぁ。
他の作品も読んでみよう。

正直、伊坂さん目当てで読んでみたのですが、他に追いかけてみようと思える作家さんを見つけることができてラッキーでした。

天の前庭/ほしおさなえ ★★★☆☆

中里柚乃、白萩尚、有島秀人、神林徹は高校の仲良しグループ。ある日、柚乃が自動車事故に遭い、同乗していた父親は死亡、柚乃は昏睡状態に。9年後、奇跡的に目覚めた柚乃は全ての記憶を失っていた。パソコンに残された日記に、自分とうり二つな少女の存在を示す記述を見つけるが、仲間にそれを否定される。4人しか持っていないはずのボールペンと一緒に埋められていた白骨死体との関係は?柚乃の母の失踪、秀人の両親の死、柚乃に酷似する少女の影、いくつもの謎の真相は?

初、ほしおさなえさんです。
文体がとても軟らかくて、スラスラ読めました。

ミステリというよりもSFですかね。
時々、いくつかの文章が挿入されるのですが、どういう意図なのかは真相で明かされます。
このあたりで頭がこんがらがってしまいました。
でも、予想以上に二転三転する展開は、とても面白かった!
読んでいる間、早く先が知りたくてウズウズしました。
新興宗教、ドッペルゲンガー、タイムスリップなど、もう大サービスで、全く飽きることがなかったです。
私はかなり楽しめたのですが、ミステリとしてのはっきりした結末を望む人には物足りないかもしれませんね。
結構、疑問が残るかも。

SPEED/金城一紀 ★★★★☆


女子高生佳奈子の憧れる家庭教師の彩子が、大学の校舎から飛び降りて死亡する。
生前に『ある約束』をしていた佳奈子は、彼女の自殺が信じられない。
死の原因とみられる不倫の証拠を持っていた佳奈子は、暴漢に襲われそうなところを、4人の『救世主』たちに助けられる。


ゾンビーズ、第3弾です。
今回の主人公は、オジサンではなく女子高生。
冒頭、なぜ舜臣はノビてるのっ!?との驚きから、それこそものすごいSPEEDで読み進めました。

佳奈子は彩子の悩みを聞いてあげられなかったこと、そして南方たちは大切な仲間を助けられなかったことを悔やんでいる。
<もともと俺たちはトラブルに巻き込まれるのが好きなんだけど、誰かの死を哀しんでる人の思いを利用してまで、トラブルを楽しもうとは思わないよ>
この台詞は同じ経験をしている彼らだからこそ重く、そして温かく心に沁みました。
事件そのものは、思ったとおりに着地したのですが、やっぱり大暴れする前には、南方の掛け声が欲しいなぁ。「ギョーザ」のような何かを。
ラストで、戒律の厳しい学校に通う佳奈子が、仲間と共に少しずつ自由を見つけ出していく姿に、彼らの世界まで飛んでいける日は近いと感じました。
このぶんだと、翌年の聖女の学園祭は容易に忍び込めるのでは?
南方たちは卒業してるけれど(笑)。

絶海/恩田陸・他 ★★★☆☆


「絶海の密室」に挑んだ4つのアンソロジー。

『puzzle』 恩田陸
無人島にある廃墟での三人の異様な死因。
関根ファミリーの長男、春が主人公です。
冒頭の、何のつながりもない新聞記事が並べられているだけで、なんだかワクワク感が。
春の荒唐無稽な連想から、少しずつ真相に近づいていくあたりは、細かな伏線に「なるほど~」とうなされました。
何といっても、無人島に集まる理由に一番驚かされました。
虚無感が漂ってます。
でも、てっきり死体が発見された「場所」も謎の一部だと思っていたので、少し拍子抜けかな。映画館は。
『生存者、一名』 歌野晶午
この中で一番「本格」していたのではないでしょうか。
でも、登場人物全員が性格に問題があり、読んでいてイライラしてしまいました。
時々挿入される新聞記事が、話をとても面白くしています。
最後まで謎を残しておく手法も巧いと感じました。
『なつこ、孤島に囚われ。』 西澤保彦
西澤さんはこういうR指定まがいの作品は、俄然力の入れようが違います。
男性が書いてると知ってるから、余計に気持ち悪いのかしら。
完全なナナメ読みだったので、内容が頭に入りませんでした。
「神のロジック・人間のマジック」はすごく好きなのに・・・。
『この島でいちばん高いところ』 近藤史恵 
一番読み易かったです。ミステリではないのですが。
不条理に殺人鬼に襲われるストーリーは、岡嶋二人さんの「クリスマス・イブ」に似てます。
高校生の女の子たちの、相手に対する感情や思いやる気持ちが痛いほど伝わってきました。特にユンジャ。
韓国籍である自分の名前を「響きが良い」と言ってくれた友達のために、一人戦いに行く姿は感動的でした。

夏の名残りの薔薇/恩田陸 ★★★☆☆

その年、不吉な前兆とともに、次々と変死事件が起こった。果たして犯人は・・・。
巧妙な仕掛けで読者に挑戦する渾身の一作。
この殺人事件は真実か幻か!?(帯より)


上の帯の惹句で「ああ、きっと夢と現実が入り乱れる話なんだろうなぁ」との構えが。
今回もミステリは頭から追いやって、耽美な雰囲気にどっぷりと浸りました。
なんだかもう美麗な男女が大集合ですし。
特に、女性の目から見ても、桜子さんにはもう惚れ込んでしまいます。
美しく聡明で、気が強いけれど、どこか儚げで。
周りの人が彼女の一挙一動に目を奪われる度に、私までうっとり。
たとえ不道徳な関係でも、美男美女だと美しく映るのだなぁ・・・と妙に納得したりして。
各章ごとに殺人が起こり、次の章ではその被害者が生きている。
こういう不思議なストーリー展開も大好きなのです。
ラストは多少強引な気がしますが、もうどうでもいいです。
オチを気にすると恩田作品は読めないと思うので。

誰のための綾織/飛鳥部勝則 ☆☆☆☆☆

孤島に拉致された女子高生と教師たち。
彼女たちを待っていたのは「蛭女(ひるおんな)」の復讐だった。
日本間の密室、窓から羽ばたく影、相次ぐ死、そして訪れる不可解な結末と・・・。
これは、反則、なのか?(帯より)


ミステリー・リーグの作品です。
飛鳥部さんは、あまり好みではなかった『レオナルドの沈黙』に続いて2冊目です。
この作品はネットで評判が良かったので、読むことにしたのですが・・・。
私はこれダメでした~!
大半、女子高生の作中作が占めているのですが、これが何ていうか・・・キモチ悪いっ!
読みにくいのは素人が書いたという設定上、仕方ないのかもしれませんが・・・。
蛭女って・・・やめてェ~!
残念なのが、中盤で真相がわかってしまったこと。
「違ってて欲しい」との希望も空しく、まさにその通りだったので。
完読するのが辛かった~。

黄昏の百合の骨/恩田陸 ★★★☆☆

「自分が死んでも、水野理瀬が半年以上ここに住まない限り家は処分してはならない」
亡き祖母の奇妙な遺言により、白百合荘へと移り住むことになった理瀬。
白百合荘には義理の叔母、梨南子と梨耶子が住んでいて、亡き祖母が理瀬に託したとされる秘密を探ろうとする。その館周辺で起こる小動物の変死、祖母の死因の謎、館にまつわる秘密とは?


『麦の海に沈む果実』の続編です。
『麦の~』はかなり以前に読んだのですが、つい最近アンソロジーで「水晶の夜、翡翠の朝」を読んだおかげで、設定を思い出すことができました。
またそれとは別に、睡蓮が出てくる話で従兄弟も登場していたような気が。しかし曖昧。
何より理瀬はこんなキャラだったっけ?と、また記憶を遡ったり。
あの学園内ではその設定も自然に受け入れられた父親も、この作品で「変態、変態」と連呼されることに虚しさを感じたり。

恩田作品では、常に幻想的で詩的な表現を楽しんでいるので、あまりミステリを重視してはいません。
展開が全く予想できないストーリーは、他の本格ミステリ以上に面白く、どんどん読み進めてしまいます。
いくつもの謎と理瀬の淡い恋心。
自分の宿命の重さのあまり、周りと距離をとってしまう理瀬。
理瀬や稔のいる「側」に行くことができない亘のもどかしさ。
とても感情移入できる設定ではないはずなのに、強い魅力に吸い込まれそうになります。
終盤にはとてもエキセントリックな人物により、嫌~な気持ちにさせられました。
彼らはあのままでもいいの?

ミステリだと思っていないぶん、謎解き云々はかなり甘い目で見るようにしています。
でも、今回は他の作品に比べて、意外に納得できるような真相だったのでは。
あのどんでん返し(先にイラストに目がいってしまったので、思いっきりネタバレでした)は、とってつけた感がありますが。
冒頭の「ある独白」の語り手が判明するラストはとても綺麗でした。

赤に捧げる殺意/有栖川有栖・他 ★★★☆☆


「青に捧げる悪夢」に続くアンソロジーです。

『砕けた叫び』 有栖川有栖
とても斬新なアイディアです。あの有名なムンクの『叫び』を、同じく有名な○○に見立てるなんて!
犯人を導き出すには少し弱いですが、この発想には驚きました。
『トロイの密室』 折原一
途中までは「呪い」の仕業と見せかけて・・・と、面白い展開になることを期待したのですが。どうも不完全燃焼でした。
『神影荘奇談』 太田忠司
「僕の殺人」の狩野俊介シリーズです。
森の中の洋館や登場人物がとても幻想的でした。
このキャラクターで長編が作れそうなほど。
トリックは大体予想がつきましたが、せつないお話でした。
『命の恩人』 赤川次郎
赤川作品によく見られる、平凡な主婦が事件に巻き込まれて強くなっていくストーリーは大好きです。
赤川さんの作品は十数年ぶりに読んだのですが、昔と全く変わらず魅力的だと思いました。
『時計じかけの小鳥』 西澤保彦
面白かったです!
本屋で買った文庫本に自分の母親のサインを見つけたら・・・。
このテーマだけでもう興味津々です。
ラストの主人公の決意がせつないです。
『タワーに死す』 霞流一
「呪い亀」がとっても楽しかった霞さん。
トリックは相変わらず実現可能なのか首を傾げますが。
今回のキャラクターも最高!
ラストは一緒に笑ってしまいそうに。
是非、シリーズ化を希望します。
『Aは安楽椅子のA』 鯨統一郎
この作家さんの本は初めてです。
何だか中盤で話がトンデモな方向へ。
大体、結末は予想できたのですが、こんなコミカルな文章を書く作家さんだとは思わなかったので驚きました。
『氷山の一角』 麻耶雄嵩
まず、メルカトルと美袋くんの試みにびっくり。
でも最初から違和感があったのですよね。
メルはあまり好きなキャラではないのですが、この作品ではいい感じ。
いつも以上に美袋くんの見せ場ナシです(笑)。
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 2005年8月~

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