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使命と魂のリミット/東野圭吾 ★★★☆☆

心臓外科医を目指す研修医・夕紀の目的は、父親の死の真相を突き止めることだった。大動脈瘤の手術中に、命を落とした父親。担当医だった西園と母親の親密な関係から、夕紀は、西園が故意に手術を失敗したのでは?と疑っていたのだ。そんなある日、病院に「手術ミスを公表しなければ、病院を破壊する」という脅迫状が届く。

<人間というのは、その人にしか果たせない使命というものを持っているものなんだ>

面白かった。一気読みです。
都合の良い展開といい、雑な動機といい、無難にまとめてるような印象を受けましたが、まぁここは東野さんの筆力勝ちってところでしょうか。
終盤での、懸命な望の姿や、西園の台詞にうるっときました。
でも、感動を呼ぶはずの締めの台詞は、個人的に少々狙いすぎのような・・・。
ラスト一行でぶわっと泣かされた『トキオ』と比べてしまったかな。

スロウハイツの神様/辻村深月 ★★★★☆

ある大学生が起こした大量殺人事件。それは、若年層に人気の作家チヨダ・コーキのファンだった彼が、作品を模倣した結果だった。10年後、売れっ子脚本家・赤羽環は、譲り受けた家を『スロウハイツ』と名付け、コーキを含めた男女7人での共同生活を始める。ある日、コーキのファンだと名乗る新たな入居者がやってきた。

<ある快晴の日。
  人気作家チヨダ・コーキの小説のせいで、人が死んだ>


キャラの濃さにイラッときたり、真相に至るまでがどれだけ退屈でも、巧妙な伏線とその見事な回収に、必ずラストでカタルシスが味わえる辻村作品。
今回も完全にそのパターンでした。

上巻はスロウハイツ住人のそれぞれの友情や恋愛模様が描かれていますが、展開に何の起伏もないまま延々と続くのが疲れました。
青春小説で、誰一人感情移入できる人物がいないのはツライ。
個性を強調したいのは解るけど、そろそろ普通の女の子を描いてほしいなぁ。
雰囲気や文体はとてもふわふわしているのに、キャラがうるさい。
ヒロイン・環は強烈でした。

他、個人的に苦手な点。
登場人物全てが誰かを指すときに、「彼」「彼女」ではなく、「あの子」と呼ぶこと。何か嫌。
あと、「あなた(私)は○○な個性」という言い回しが繰り返されてくどい。
その個性が気に障るのでなおさら。
『凍りのくじら』の「SF(スコシ・フシギ)」などの表現は大丈夫だったのですが。
辻村節の居心地の悪さは、なかなか慣れないです。

多分、上巻だけ読んで感想を書いたら、もっと文句が出てきたでしょう。
でも、下巻の癒しと救いのパートが素晴らしかったのだ・・・!
正直、この最終章を読むために我慢したと言っていいくらい。
『子どもたちは夜と遊ぶ』レベルではないけど、やっぱり泣かされた。
最終章に星1個追加。
だからやめられないんだよなぁ。辻村作品。

ハンプティ・ダンプティは堀の中/蒼井上鷹 ★★★☆☆


事故を起こして逮捕され、第一留置室の新入りとなった和井(ワイ)。
そこにはデンさん、ノブさん、ハセモトさん、マサカさんの4人の先客がいた。
留置場で繰り広げられる謎解き合戦。
必ず最後に真相に辿り着くのは、誰よりも胡散臭いマサカさん!?


<これがマサカさん・・・
 堀の中のハンプティ・ダンプティとのファーストコンタクトだった>


あまり期待せずに読んだのですが、それでもイマイチの読後感。
思ったとおり、キレがないんですよ。

ハセモトさんが逮捕されたことを近所に言いふらしたのは誰か?
毎日、アイドルのコスプレで留置場の外に座る少女の目的とは?
新入りトマベさんの会社の先輩を殺害したのは誰か?
ワイが以前バイトしていたバーのママの死因は事故か?他殺か?
マサカさん宛てに届いた殺害予告状の差出人は?

最終話に近づくにつれ、内容も面白くなるのですが、『九杯目~』や『二枚舌~』などの短編集では素直に驚けた真相も、今回は強引さが気になりました。
スッキリできないんですよね~。
第一留置室の仲間も、なんだか中途半端に個性的。
こういう限定された状況での連作だと、キャラクターに魅力がないと厳しいです。
う~ん。明日にはどんな内容だったか忘れてそう・・・。

密室殺人ゲーム王手飛車取り/歌野晶午 ★★★☆☆


「頭狂人」「044APD」「aXe」「伴道全教授」という奇妙なネームを持つ5人。
彼らはネット上の仲間で、当番制で殺人を実行し、他の4人がその事件の謎を解くという「探偵ごっこ」に興じているのだ。
その謎は、密室やアリバイ崩し、ダイイングメッセージ、犯人当てなどさまざま。
歌野本格の粋を心して噛み締めよ!


<殺したい人間がいるから殺したのではなく、
         使いたいトリックがあるから殺してみた>


ミステリ好きにはたまらない設定だし、なかなか評判も良い作品。
確かに惹かれる内容なのですが、だんだん読むのが面倒になりました。
私はチャット形式の文章が苦手なんですよね。
サクサク読めたのは、Q5の「求道者の密室」の作中作くらい。
真相は拍子抜けでしたが。

ミステリ面で「おっ」と目を引いたのは、Q3の「生首に聞いてみる?」
(このタイトルもどうかと・・・。)
バカミスっぽいけれど、なかなか好きなタイプの謎解きでした。

トリック以外にも、いくつか歌野さんらしいサプライズが仕掛けられていて、意外性もあり楽しめました。
でも、ラストがいただけない。
なんかここだけ方向性が違っているように感じました。不服。
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 2005年8月~

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