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晩餐は「檻」のなかで/関田涙 ★★★☆☆

トラはターゲット、ヤギは実行者、ヘビは協力者、サルは探偵、クマとカメは司法の番人、イヌは傍観者。
「仇討ちゲーム」の役割を与えられた7人の男女が「檻」に集められる。期限は72時間。
そしてとうとうトラが殺害される。
ヤギ、そしてヘビは一体誰なのか?


<あなたは、驚天の結末を予想できるか!>

「仇討ちゲーム」を描いた『檻のなかの七匹の獣』という章と、外の世界のダメ小説家のストーリーが交互に進むのですが、私はこの著者とは合わないのか、どちらも全く惹かれませんでした。
特に、ダメ小説家のダメっぷりが凄まじくゲンナリ。
決して楽しい読み物ではないです。

2つのストーリーが最終的にどうリンクするのかが見所で、これは帯の通り予想外の真相でした。
よくある手法ですが、驚かされました。
伏線が足りないせいか、再読時の効果がそれほどでもなかったのが残念ですが。
とにかく、真相までの道のりは長かった・・・。

あと、これは内容と関係のない不満ですが、著者は作品の完成後にしっかり見直してほしいです。
あらすじはズレているし、「檻」の見取り図には誤植がありました。
後者はミステリとして致命的な誤植で、最後まで気になって仕方ありませんでした。

朝日のようにさわやかに/恩田陸 ★★★★☆


『図書室の海』以来、5年ぶりの短編集。
ホラー、ミステリ、SF、ショートショート、奇妙な世界が満喫できます。

『水晶の夜、翡翠の朝』
『ご案内』
『あなたと夜と音楽と』 DJ同士の会話ミステリ。設定に惹かれます。
『冷凍みかん』 どうしてこんな発想ができるのか。
『赤い毬』
『深夜の食欲』 これは恐怖。ゾッとします。
『いいわけ』 モデルが誰なのかさっぱりなのですが。
『一千一秒殺人事件』 シュールです。ラストは笑ってしまいました。
『おはなしのつづき』 結末がただただ切ない。でもあったかい。
『邂逅について』
『淋しいお城』 ミステリーランドの予告編。これが本編でもいいと思うくらい、よく出来たお話でした。
『楽園を追われて』 こういう仲間っていいなぁ。懐かしさが漂います。
『卒業』 スプラッタホラー。説明が一切ないのに、なんでこんなに迫力があるんだろう。
『朝日のようにさわやかに』 全く別のエピソードが互いに繋がっていく様が面白いです。

帯に「この一冊で恩田陸の作品世界が一周できる!入門書としても最適。」とありますが、本当に恩田作品の魅力が凝縮されています。
贅沢な一冊でした。

少年検閲官/北山猛邦 ★★★★☆

何人も書物の類を所有してはならない。もしもそれらを隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろともすべてが灰にされる。そんな世界で育った英国人少年・クリスは、「ミステリ」という書物を探しに日本へやってきた。小さな町に辿り着いたクリスは、扉や部屋内に赤い十字架のような印が残されている家々を発見する。そして、町には森に迷い込んだ人々は首なし死体になるという伝説まであった。それは、なんと『探偵』の仕業らしい・・・?


<どうせすべて妄想だ。あまりにも狂気じみている。
    けれど、何処から何処までが非現実だ?>


再読すると全く違う画が浮かび上がるというこのトリックは大好き。
素直に驚いてしまいました。
そりゃ、この世界が舞台でないと無理だわ。美しい!

『アリス~』と同じく、今回も殺人の「動機」はとても変わっています。
最終的に、グロ描写も必然だったと判明するので、後に残らなくて助かるのです。
これが無駄に気持ち悪く感じる誉田作品との違いですね。

ミステリのない世界で犯罪を行う方法、そのヒントとなる「ガジェット」というアイテム。
何だかゲームっぽいですし、詰めの甘さも感じますが、こういう遊び心にはワクワクさせられます。
ただ、肝心の事件に集中できなくて、どういう展開になるのかさっぱりよめない。
何もかもが謎のまま、ラストまで引っ張ってこられるのです。
読ませる力はすごいですが、終盤までのモヤモヤ感が不満かな。
最後まで読んで、やっと作品の魅力に気付いた、という感じです。

もし続編が出るなら、さらに楽しめそう。

フィッシュストーリー/伊坂幸太郎 ★★★★☆

『動物園のエンジン』
毎晩、動物園のシンリンオオカミの檻の前で寝転ぶ男。
朝には近くのマンションの建設予定地でプラカートを持ち反対運動に加わっている。
その行為は何を意味するのか?
『サクリファイス』
副業で探偵をしている泥棒・黒澤は、人捜しのため、山間の村を訪れる。
そこには、古くから続く奇妙な風習があった。
『フィッシュストーリー』
30数年前に解散したロックグループの最後のアルバムに収録されている楽曲には、間奏部分に、一分間に及ぶ無音部分があった。
『ポテチ』
空き巣青年・今村が、彼女と忍び込んだプロ野球選手の部屋に、少女の助けを求める電話がかかってくる。2人は少女に会いに行くことにするのだが・・・。


<礼なら、父に>

『動物園のエンジン』
では、伊坂さん独特のレトリックが少々不発気味?と感じましたが、さりげない仕掛けがあって少し驚きました。
『サクリファイス』
では大好きな黒澤が登場。オチが好きですね。
そして、因果関係の奇跡を描いた『フィッシュストーリー』
バンドボーカルの熱い叫びに少しじーんときました。青いなぁ。
そして『ポテチ』

このユルイ雰囲気がたまらなく好きです。
今村と大西の掛け合いに声を出して笑ってしまった(キリン!)。中村専務もいいわぁ。
ユーモア満載なんだけれど、これってすごく切ない話なんですよね。
今村と母親のキャラクターがグッときます。

登場人物が既刊作品とリンクされているのですが、解説サイトを見てもさっぱり思い出せないのが残念。
心に残る良い話ばかりでした。

最近は、斉藤和義さんとのコラボなど、幅広く活動してますね。
そのインタビュー記事も可笑しかった~。
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 2005年8月~

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