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人柱はミイラと出会う/石持浅海 ★★★★☆

留学生リリー・メイスは、日本で不思議な風習を目にした。建築物を造る際、安全を祈念して人間を生きたまま閉じ込めるというのだ。彼ら「人柱」は、工事が終わるまで中でじっと過ごし、終われば出てきてまた別の場所にこもる。ところが、工事が終わって中に入ってみると、そこにはミイラが横たわっていた。「人柱はミイラと出会う」「黒衣は議場から消える」「お歯黒は独身に似合わない」「厄年は怪我に注意」「鷹は大空に舞う」「ミョウガは心に効くクスリ」「参勤交代は知事の務め」(帯より)

<僕の仕事ですか。ええ、人柱です。>

うっわ~!これは楽しい!
舞台は日本なのですが、これがちょっと変わったパラレルワールド。
基礎工事が終わるまで地下に潜る人柱や、議員の側で政治活動の補助を行う黒衣。
既婚女性が習慣とするお歯黒、厄年の間は必ず休まなくてはいけない厄年休暇。
警察に協力する鷹匠、嫌な事を忘れるためのミョウガ、そして参勤交代。

こんな風習が普通に行われている世界なので、アメリカ人のリリーと同様、読者も一話ごとに驚かされます。
でも、決してふざけている訳ではなく、それが本来持つ意味を大切にしている点に好感が持てるのです。
リリーの友人・慶子の「そうか、リリーは日本に来て間もないから知らないのね。」との言葉がとてもおかしい。
このキャラクターの設定も上手いのですよね~。
確かに変わった設定だけれど、そこから導き出される真相は明確で、ミステリとしても読み応えがあります。
途中から失速しましたが。

こういう明るい作品だと、今まで気味が悪く感じていた石持的解決策もすんなり受け止められます。
そして最終話のオチが素晴らしい!なるほどね!
ぜひ、『時効警察』のノリで映像化して欲しいです。

ジェネラル・ルージュの凱旋/海堂尊 ★★★★☆


不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元に、匿名の内部告発文書が届く。
それは、救命救急センター部長の速水晃一が、特定業者と癒着しているという内容だった。
田口は事実の調査に乗り出すが・・・。


<あいよ、受ける>

もう何といっても、速水部長が素敵すぎる。
このキャラ1つで、グイグイ引っ張られてしまいます。
少し苦痛だった『ナイチンゲールの沈黙』を読んでいて良かったです。
こんなにもリンクしているとは思いませんでした。

エシックス・コミティは本当にレベルの低い「茶番」なのですが、沼田側がやっつけられる様子は爽快!
リスクマネジメント委員会では、黒崎教授の台詞に感動しました。
終盤の都合の良い盛り上がりも許せてしまうほど、全体的にとても面白かった!
ミステリっぽさがなくなったのも良かったと思います。

<取材のヘリは飛ぶのにどうしてドクター・ヘリは桜宮の空を飛ばないんだ>

医療現場の問題は、まだまだあるのでしょうね。
これからも作品で取り上げてもらいたいです。

本格ミステリ07/本格ミステリ作家クラブ偏 ★★★☆☆

『熊王ジャック』柳広司
初読みの作家さんだけれど、とても読み易かったです。
真相はとても簡単に見抜けますが、心地良い読後感でした。  
『裁判員法廷二〇〇九』芦辺拓
真相に少しびっくり。全体的には普通でした。
『願かけて』泡坂妻夫
これは・・・ミステリなのかどうか。
『未来へ踏み出す足』石持浅海
『顔のない敵』収録。
『想夫恋』北村薫
ベッキーさんシリーズ。う~ん、少し苦手な雰囲気。
『盤上の敵』のような衝撃的なミステリは、もう書いてくれないのかな。
『福家警部補の災難』大倉崇裕
犯人を追い詰める最後の証拠が、意外性があって面白かったです。
シリーズ化は成功ですね。
『忠臣蔵の密室』田中啓文
全く笑えなかった。残念。
『紳士ならざる者の心理学』柄刀一
この作家さんの作品は一度ちゃんと読まなくては。
そんな興味が沸くくらい、しっかりしたミステリです。
『心あたりのある者は』米澤穂信
あ~失敗した。未読の古典部シリーズだった。
スイーツと比べると、あまり魅力的な推理合戦ではなかったなぁ。

6時間後に君は死ぬ/高野和明 ★★★☆☆


「6時間後に君は死ぬ。」
街で出会った見知らぬ青年にこう告げられた美緒。
江戸川圭史と名乗るその青年は、自分には予知能力があり、他人の未来の映像が浮かんでくると語る。
美緒は自分の「運命」を変えることができるのか?


<明日は、きっといい日だよ。>

タイトルから、タイムリミット系小説かと想像していたら、どれも心が温かくなる良いお話でした。
「6時間後に君は死ぬ」ラストが良い。
「時の魔法使い」
「恋をしてはいけない日」途中でオチに気付いたけれど面白かったです。
「ドールハウスのダンサー」最後のステージに感動。
「3時間後に僕は死ぬ」「6時間後~」のラストが気に入ってたのに、これがその続編で少しがっかり。

結構考えさせられるテーマなのに、全体的に薄味なんですよね。
『夢のカルテ』と同様、ストレートすぎる結末も気になるし。
小説より、映像化して欲しいかも。
次は超サスペンスフルな作品が読みたいです。

サイン会はいかが?/大崎梢 ★★★☆☆

面白かったです。
著者はこういう日常の謎系ミステリの方が合っていますね。
一作目と同じく、書店の裏情報がたっぷり。
書籍の帯が邪魔で取ってしまったり(応募券が付いてないかちゃんとチェックしたり)、書店員が客に渡すのが申し訳なく思うような販促物もある、とのくだりでは笑ってしまいました。

「取り寄せトラップ」謎は魅力的でしたが、どう考えても多絵ちゃんの推理は無理があります。
「君と語る永遠」思わぬ感動ストーリーでした。少年の奇妙な行動の意味が解った時、じわ~っときました。
「バイト金森くんの告白」この多絵ちゃんの推理が一番納得できました。
「サイン会はいかが?」一番ミステリっぽいですが、それ以上に人の感情が見事に描かれていました。現実的で怖い事件なのに、ラストは前向きになれるという不思議な作品。
「ヤギさんの忘れもの」決して良い客ばかりではないのでしょうが、こういう常連客との触れ合いは温かくてほのぼのします。

解決後の杏子さんの言葉に好感が持てます。
どの物語も、いい終わり方をするのですよね。

酸素は鏡に映らない/上遠野浩平 ☆☆☆☆☆

ちょっと寂しい姉弟と、ヒーローくずれの男が巡り会い“ゴーシュ”の秘宝を探し求めて不思議な冒険をする。
これは鏡に映った姿のように、あるけれどもなくて、ないけれどもある、どうでもいいけど大切ななにかについての物語です。
あなたは、鏡をどういう風に見ていますか? (出版社による内容紹介より)


とてもメッセージ性の強い作品。
でも、この物語世界には全く引き込まれなかった。
キャラもストーリーも、何一つ魅力的に思えず、最後までパラパラとページを捲るのみでした。
こんな掴みどころのない小説は久しぶりかも。

それもそのはず、他のシリーズが未読だと楽しめないといいますか、特に終盤の展開がさっぱり理解できません。
「あ、これは著者のファンしか対象にしてないんだな」と気付いた瞬間、脱力。
この著者の作品が初めての私は大いに不満でした。
ミステリーランドなんだし、せめて綾辻さんのような配慮が欲しかったです。

鹿男あをによし/万城目学 ★★☆☆☆

神経衰弱と断じられ、大学の研究室を追われた28歳の「おれ」は、失意のままに教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。
慣れない土地柄、生意気な女子高生、得体の知れない同僚、さらに鹿・・・・・・。
そう、鹿がとんでもないことをしてくれたおかげで「おれ」の奈良ライフは、気も狂わんばかりに波瀾に満ちた日々になってしまった!(紀伊國屋書店あらすじにて)


<さあ、神無月だ。出番だよ、先生>

う~ん・・・期待しすぎてしまった??
前作が大満足だったため、どうしても比較してしまうのですが・・・。
読み始めてすぐに、「・・・何か違う?」という違和感がありました。
『鴨川ホルモー』ではページを捲るたび、フフッと吹き出してしまう面白さがあったのに、今回がそれが非常に少ない。

スケールが大きくなった反面、非現実っぽさが大人しくなってしまったのか?
いや、充分非現実なのでしょうが・・・もう少し弾けて欲しかったというか・・・。
中盤に盛り上がりがありますが、そこに至るまでが非常に退屈でした。
短いストーリーを無理やり長くしたような印象を受けます。

あと、伏線が少ないというか、終盤になって、やっといろんな設定が説明されるというのがなぁ。
これだと何でもアリになってしまうでしょう。
最初に、ある程度ルールが決められていないと、ラストも納得できません。

でも、巷では『ホルモー』よりも評価が高いみたい。
他のブログでも、「超オススメ!」と推しているようですし、読者を選ぶってことでもないのかな。
京都→奈良ときて、次は大阪が舞台だそうなので、きっと読むだろうなぁ。
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 2005年8月~

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