スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

神話の島/久綱さざれ ★★★☆☆

高校生の布津美涼は幼い頃、新興宗教に入信した両親と引き離された。その両親の死後、涼は、自分に妹がいたことを知らされる。
早速涼は両親の終焉の地であり、妹が暮らす御乃呂島へ向かうが、そこで彼を待っていたのは疫病の恐怖と連続怪死事件だった!記紀神話が濃密な影を落とす島で進行する、焦燥と戦慄の6日間。涼と奇談収集の趣味を持つ大学院生・笹礼懐が辿り着いた結末とは・・・。


序盤から、孤島の信仰や伝承、閉鎖的な環境が、先への不安感を煽っています。
描写が丁寧で読みやすく、すんなりと物語に入っていけました。
ミステリ面には期待してなかったのですが、それっぽい謎が次から次へ出てくるので、つい気になってしまうのですよね。
とにかく伏線が少ないので、どの真相も驚くよりも戸惑います。
笹礼がとても都合の良い存在で違和感があるし、涼の妹の行動がとても気になっていたので、その真相にはもっと驚きたかったかな。

バカミスじゃない!?/辻眞先・他 ★★★☆☆

『長篇 異界活人事件』 辻眞先
  ユーモアたっぷりで読みやすかったけれど、驚きがありませんでした。
『半熟卵にしてくれと探偵は言った』 山口雅也
  ハードボイルド風。下品だわぁ。
『三人の剥製』 北原尚彦
  ホームズのパスティーシュもの。えらく大真面目。  
『警部補・山倉浩一 あれだけの事件簿』 かくたかひろ
  まぁ普通。なぜこれを?
『悪事の清算』 戸梶圭太
  全く未読の作家。写真漫画の手法を使っているのですが、クスリともできませんでした。
『乙女的困惑』 船越百恵
  構成は良いと思いましたが、笑いのセンスが全く合いません。
『失敗作』 鳥飼否宇
  やっとこの本を手に取って良かったと思いました。
『大行進』 鯨統一郎
  何でしょうね。哲学的?  
『BAKABAKAします』 霞流一
  いつもよりギャグが少ないせいか、悪趣味さを強調してしまったような。でも、バカミスセンスは抜群。
***
史上空前のバカミス・アンソロジー。
バカミスを心から愛する評論家・小山正さんが発案されたとのこと。
その小山さんが、序文を書いたり、作家の紹介をしているのですが、これがなかなかユニークでした。
さすが若竹七海さんの旦那様。
著名な作家から存じ上げない作家まで、多彩な顔ぶれですが、満足したのは鳥飼作品と霞作品のみでした。
特に鳥飼作品は他サイトでも評判の通り、正真正銘のバカミス!
くっだらなくて最高!
しかも、小山さんから依頼を受ける前に、このアイディアがあったらしく、内容が内容なだけに発表の場がなかったとのこと。
読んで納得です。

その他の作品は、別に読まなくても良かったな。
序文にあるように、『バカミスは意識して書こうとしても書けるものではない』のでしょうね。
結果的にバカミスになった、という作品の方が好きです。

四神金赤館銀青館不可能殺人/倉阪鬼一郎 ★★★☆☆


花輪家が所有する銀青館に招待されたミステリー作家屋形。
嵐の夜、館主の部屋で起きた密室殺人、さらに連鎖する不可能殺人。
対岸の四神家の金赤館では、女の「殺して!」という絶叫を合図に凄惨な連続殺人の幕が切って落とされる。
両家の忌まわしい因縁が呼ぶ新たなる悲劇!
鬼才が送る、驚天動地のトリック!


<袋小路と笑わば笑え。これも新本格だ!>

長編はこれが初めての倉阪作品。
ホラーのイメージが強い作家さんなので敬遠していたのですが、この作品は本格寄りのバカミスという噂を聞き、手に取ることにしました。
著者近影が爽やかです。

あまり売れ行きの良くないバカミス作家・屋形が、己の現状を嘆いたり、自虐的になったりする様子が何となくリアルで笑えます。
そして、屋形の携帯電話の待ち受け画面は、すべて「ふーちゃん」。
ニヤリとしてしまいました。

所々で意味ありげなシーンが挟まれるので、トリックをあれこれ想像してしまいましたが、事件そのものは実にストレートです。
ヒネリを期待していたので、そこは少し拍子抜けしました。
でも、作中にも記述があるように、これは伏線を楽しむ作品なのですね。
てっきりギャグのつもりで読んでいた文章が、後に伏線になってたことに気付かされたり、あからさますぎてスルーしてしまうという、新しい感覚を何度も味わいました。
細かいわ~!
そして、ラストのバカミス的真相には、大満足!
このオチは好きですね。
ただ一点、登場人物表は必要だったのかどうか・・・?

異界/鳥飼否宇 ★★★★☆

明治36年春。
那智勝浦で奇怪な少年の姿が目撃される。
目撃者の証言によると。少年は鳥や兎を襲い、人語を解せず獣のように吼えながら山の中へ逃げていったという。
そのさなか、とある病院で乳児が攫われるという事件が発生。博物学者・南方熊楠は弟子と共に事件解決へと乗り出すのだが・・・。


<世界は名前からはじまるのだ。>

とっても面白かった~!
鳥飼さんの作品はやっぱり丁寧。
伏線がどれもさりげなさすぎて、全く気付きません。
斬新なトリックはないですし、真相もそれほど驚くものではないのですが、あれやこれやの小道具がたっぷりでニヤニヤしてしまいました。
満足、満足。

帯を見て、鳥飼さんが横溝正史ミステリ賞作家だったことを思い出しました。
それがなかったら、このドロッドロとした真相に引いていたかもしれません。
南方先生の弟子・太一の呼び方が、どんどん変わっていくのが愉快。
この2人の会話は笑わずにいられません。

読後は、最初から読み直すのもいいですね。
一番驚いたのはラスト一行。
まさか、あのお方が登場するなんて!
いや~楽しい読書でした。

俺が俺に殺されて/蒼井上鷹 ★★☆☆☆

俺は絞殺された。よりによって世界で一番嫌いな男、バイト先のバーのマスター・別所にだ。だが、なぜか俺の魂は昇天せず、よりによって別所の体に飛び込んでしまった。俺は自分を殺した罪で捕まってしまう!?しかし、その頃、俺を追い込むもう1つの殺人が起きていて、その容疑者が別所だという。果たして、俺は俺を救えるのか?

<床に座り込んだまま、俺と俺は抱き合って泣いた>

設定はとても好きです。
「乗り移り」のテーマはありがちですが、その相手が自分を殺した犯人というのは珍しいのでは。

俺の恋人は別所を毛嫌いしているため、別所に乗り移った俺はロクに話も聞いてもらえない。
そして、別所が容疑者となっているもう1つの殺人。
その時間帯、別所は俺を殺害しているので、犯人なわけがない。
しかし、それを立証しても、俺を殺した罪で捕まってしまう。
この主人公のどうにもならない状況は、なかなか面白かったです。

でも、全体的にストーリーのテンポが悪くて、ダレ気味でした。
驚くような展開がないのです。
真相も途中で予想がついてしまったし。残念。
短編は好みなんだけれどなぁ・・・。

天帝のはしたなき果実/古野まほろ ★☆☆☆☆


90年代初頭の日本帝国。
名門勁草館高校で、子爵令嬢・修野まりに託された数列の暗号を解いた奥平が斬首死体となって発見される。
報復と解明を誓う古野まほろら吹奏楽部の面子の前で更なる犠牲者が!
青春ミステリ。(Amazonあとがきより)


ものすごく評判が悪かったので、逆に興味が沸いた一冊。
いや~大変だった。800ページ。
読んでも読んでも終わらない。

吹奏楽部の学生達が、周辺で起きる殺人事件を推理するというストーリー。
てっきり難解な文体なんだと思ってたのですが、ルビが英語やドイツ語、フランス語、ロシア語なだけで、文章自体はとっても軽いです。
細肉茶飯(ハヤシライス)や飲み物(ゲトレンク)など、高校生が無意味に飾り散らかした会話をするので、若者言葉と相まってとてもアンバランスなんですよね。
そして、「はふう」とか「くはあ」とか、訳の解らない擬音が多いです。
極めつけは「うげらぼあ!」
・・・。

最初に気合いを入れすぎたせいか、やっと事件が起こり、読者への挑戦っぽい流れになるまで、集中力がもちませんでした。
でも、それが正解だったかも。
真剣に読んでいたら、オチで脱力は間違いなかったでしょう。
雰囲気はとても好みなのですが・・・惜しいなぁ。

参考文献が膨大な量なのですが、その内容にも驚きました。
どれも初心者向けの文献なのです。
薀蓄が多い割に浅いなぁと感じた理由が解りました。
何も『紅茶カタログ』まで読んで、紅茶の薀蓄を書こうとしなくても。
でも思ったより面白いと感じたのですよ。
青春小説としては、それほど苦ではありませんでした。

スラッシャー 廃園の殺人/三津田信三 ☆☆☆☆☆


ホラー作家が怪奇的理想をこめて造り上げた廃墟庭園。
<魔庭>にこもっていた作家は姿を消し、肝試しに忍び込んだ大学生達は遺体で発見された。
その廃園を格好の舞台に選んだビデオ映画スタッフに、忍び寄る黒い影・・・。
惨劇の恐怖をこえて至る、衝撃的な結末。
これぞ怪奇にして、完全なるミステリー作品!


苦手なスプラッタホラーだし、「首無~」の後に読むとがっかりすると知っていたので、そこまでの不満はないのですが・・・。
真相が結構早い時点で解ってしまったのですよね。
あまりにもそのままで、びっくりしました。

でも、これはこれで良いのでしょう。
著者も「たとえ犯人の正体がバレバレでも良いのです。」と言い切ってますし。
あくまで、ホラー映画に対するオマージュってことで、詳しい人なら楽しめたのかもしれません。
さすがにグロ描写は飛ばしましたが、会話文が多くてサクサクと読めます。
やっぱり刀城シリーズだけを追いかけることに決めました。
最新記事
検索フォーム
記事一覧

 2005年8月~

カテゴリ
プロフィール

めみ

Author:めみ
FC2ブログへようこそ!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。