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噂/荻原浩 ★★★☆☆

「ミリエルのローズをつけていると3ヵ月以内に恋がかなう」「女の子をさらって足首を切り落とす、ニューヨークのレイプ魔が渋谷に出没。でもミリエルをつけている子は狙われない」
香水「ミリエル」を売り出すために、渋谷の女子高校生たちの口コミを利用した広告代理店。その戦略は大成功だったが、噂どおりに女子高生の足首を切り落とされる事件が発生。殺人鬼「レインマン」の正体とは?


<ちょっと前までは生きていたんだ。生きてりゃ別嬪だったかもしれない。
     お前にゲロを吐かれる筋合いなんてなかったんだ>


さすがに「ハードボイルド・エッグ」のように、地の文で吹き出すことはありませんでしたが、刑事・小暮はなかなかユニークなキャラでした。
そのおかげで、凄惨な事件なのに、それほど重く感じませんでした。
ミステリとしては、犯人の描写がもっと欲しかったかな。
まあ、著者が書きたかったのは、あのラスト一行だったのでしょうね。
でも、ラストが凄い凄いと評判だったので、途中で解っちゃった・・・。
これ、予備知識がない方が良いです。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
西崎とサキのシーンって、冷蔵庫から「食卓に載せるものを取り出して」という記述からして、
食卓にサキの足を載せてそれと妄想会話していたってこと?いや~。
そして、死体の額に残された文字、私には「12」にしか見えなかったので、
なんで「R」とばかり読まれるのか不思議でした。
ラスト一行は、バッチリ予想通りでした。
でも、サキや麻生の携帯をタンツボにしたりとか、そのあたりはゾ~~っとしました。
<足、どうしよう。まだうちにあるんだよ。>

エンド・クレジットに最適な夏/福田栄一 ★★★☆☆


貧乏学生の晴也のもとに持ち込まれたのは、自分を付け回す不審者を捕まえてほしいという女子大生の頼み。
早速彼女の部屋で不審者が現れるのを待っていると、マンションの前の道からこちらを見上げている男の姿が。
しかし男は不審者ではなく、隣に住む女性の兄だった。
妹と連絡が取れなくて困っている彼の頼みを、晴也は引き受けることになり・・・。


どのトラブルにも全く魅力を感じなかったけれど、なかなか楽しめました。
『監禁』でも感じましたが、登場人物の考えや行動が、とても丁寧に描かれてるのに好感が持てます。
これもまた都合の良い展開なのですが、テンポの良さでサクサクと読めました。

読んでいて思ったのは、これ、別に大学生の設定じゃなくても良いよなぁってコト。
探偵か、便利屋さんの方が違和感無かったかも。
だって主人公、強すぎるんだもん。
あらすじにトラブルシューターってあるから、気弱で周りに振り回される主人公を期待していたし、そちらの方が良かった。
荒れた中学校に通ってただけで、煙草の葉状のモノを嗅いで「大麻です。」って・・・。
オイオイオイオイ。不自然不自然。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
風呂の盗撮カメラが誤作動でマンションのカメラに繋がるという流れが、無茶苦茶強引で面白い。
まぁ、伏線があったから良しとするか。
しかし、えらく甘いヤクの売人がいたもんだ。
ラストの葵が自首すると決めてホッとした。
石持作品なら何人殺そうが、こうはならない。

テロリストのパラソル/藤原伊織 ★★★★☆

アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し20年以上もひっそりと暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。
ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。
知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た事実とは……。
史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作。


<私たちは世代で生きてきたんじゃない。個人で生きてきたんだ>

傑作との評判を聞きながら、ハードボイルドが苦手なので敬遠していた作品。
逢坂作品が驚くくらい良かったので、こちらも手を出すことに。
う~ん、素晴らしかった。

最初、主人公・島村がアル中という設定に抵抗があったのですが、読み進めるにつれ、とても魅力的な人物へと印象が変わっていきます。
頭の回転も良いし、行動力もあるので、他の登場人物が何度も言うほどには、ノーテンキさが伝わらなかったけれど。
文章もとても読みやすく、会話がとても格好良いです。
それほど気障な台詞ではないのに、不思議。

確かにご都合主義な展開ですし、真相解明時まで島村のいくつかの行動の謎が放置されるのが、少し気になりました。
でも、グイグイ読ませる筆力と、読後の余韻が半端ないです。

タイトルが秀逸。
そのイメージに涙が出そうになりました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
真相部分で、いろんな事実が出てくるのは、伏線が少なすぎて唐突に感じました。
まぁ、乱歩賞だしなぁ。
もしやとは思っていたけれど、やっぱり犯人=桑野には驚きました。見せ方が巧い。
終盤で、桑野の島村に対する想いが語られるのだけど、「動機の弱さ」を若干感じながらも、
なぜか納得できました。
<殺むるときもかくなすらむかテロリスト蒼きパラソルくるくる回すよ>

第三の時効/横山秀夫 ★★★★★

『沈黙のアリバイ』
『第三の時効』
『囚人のジレンマ』
『密室の抜け穴』
『ペルソナの微笑』
『モノクロームの反転』


<二度と笑わないでください>

『2004年版このミステリーがすごい!』第4位。

横山作品は『動機』と『ルパンの消息』に続いて3冊目。
文句なしに面白かったです。
これほどクオリティの高い短編集には滅多に出会えないだろうなぁ。

あまりの意外な展開に一瞬呆然となった「第三の時効」
刑事達の情にホロリとくる「囚人のジレンマ」
刑事ドラマとしても、ミステリとしても、かなり読み応えがありました。

ちんぷんかん/畠中恵 ★★★☆☆


江戸有数の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいたが、日本橋を焼き尽くす大火に巻かれ、とうとう三途の川縁を彷徨う羽目に・・・。
若だんなと鳴家の三途の川縁冒険譚に、若き日のおっかさんの恋物語、兄・松之助の縁談に気になるあのキャラも再登場で、本作も面白さ盛りだくさん!
大好評「しゃばけ」シリーズ第6弾!


<人が側からいなくなるのって、なんて寂しいんだろう>

今回は松之助の縁談に始まり、若だんなは色々な別れを経験することになります。
全体的にトーンが暗いです。
表題作の『ちんぷんかん』では、寛朝さん(『百鬼夜行抄』の住職みたい)が出てきて嬉しかった。
一番好きなのは『はるがきた』かな。
しんみりとせつない読後感でした。

今回も鳴家は可愛かった!
でも、表紙裏では・・・そんなの見ちゃダメ(笑)!

監禁/福田栄一 ★★★☆☆


「助けてくれ、カンキンされている 警察にれんらくを」
そう書かれた1枚の紙切れを見付けた美哉。危険な匂いを感じた美哉は1人でそのメッセージの真相を追う。一方、放火の容疑をかけられたまま失踪してしまった恋人の行方を追う義人。もう探すのを諦めようとしていた時に、ある手がかりを得て・・・。錯綜する様々な手がかりと時間軸。この事件の謎は果たして解けるのか!?


初めての作家さんです。
文章はとても読みやすいのですが、人物描写が浅いです。
特に美哉。
チラシの裏に書かれたメッセージを見ただけで、そこまでするかなぁ。
しかも、協力的な人物がやたら多かったり、都合が良いのですよね。
一度怖い目に遭ったばかりなのに、再チャレンジしようとする心理も不自然。
あと、義人の彼女・棗に全く好感が持てなかったので、彼がどこに惹かれたのか、もう少し描き込んで欲しかったです。
失踪しても、あまり義人が可哀想に思えなかった・・・。
美哉や義人とは別に、公園で知り合った老婆にボディガードを頼まれる泰夫のストーリーも加わり、それらはどうつながって行くのか。
冒頭や章の合間に挟まれる独白は誰のものなのか。
謎がとても魅力的だし、時間軸のズレもとても好みで、ページもサクサク進みました。
でも・・・終盤で失速。
それまでの登場人物の行動などはとても丁寧に描かれているのに、真相部分がかなり雑なのです。
「え?こんな状態で解決なの?」と、不思議になりました。
でも、久しぶりにミステリ(っぽい)作品を読んで、少し満足。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
独白の部分は、義人と錯覚させるミスリードだったの?
でも、「実は松元だった」ことで、何か反転したっけ・・・?
松元と幼馴染の親友との関係が、ラストで初めて解るのはアンフェアじゃないかなぁ。
そして、隆正はどうなったのか。彼の偽者は誰だったのか。
後日談でいいから、もう少し描きこんで欲しかったなぁ。

片耳うさぎ/大崎梢 ★★★☆☆

父の事業の失敗により、実家に引っ越すことになった小学生の奈都。しかし、実家の幽霊屋敷のような雰囲気と、従兄の一基以外の親類に快く思われていないことで悩んでいた。ある日、母親が用事で週末まで戻らないことになり、たった1人で4日間を過ごさないといけないことに。悩む奈都の前に現れた、さゆりさん。彼女は古い屋敷に興味があり、泊まらせてほしいと頼んできたのだ。屋敷の探検中、屋根裏で出会った怪しい人物。その後、部屋には「片耳うさぎ」のぬいぐるみが・・・。

<あっちもこっちも謎だらけだけど、私、思うのよ。
これら全部がすべてきれいにつながる瞬間があるんじゃないかって>


著者初のシリーズ外長編作品。

旧家にまつわる言い伝えがやけにブラックなだけで、全体的にはほのぼのとしたミステリ。
でも、伏線の張り方には「おっ」と思わせられました。
積極的なさゆりにどんどん引っ張られていく奈都が可愛い。
奈都の5年前の記憶が明らかになることで、70年以上前の事件の真相が浮かび上がるという流れも良かったです。
最初は展開がゆっくりですが、サクッと読めるし、読後感は良いし、なかなか楽しめました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
さゆりの存在自体がミステリに発展するとは意外で驚きました。
逆に、一基の設定は必要なのかどうか。
見取り図が、そこらの館モノ以上にややこしいです。
確認しながら読んでいても、ピンとこないのですよね~。

ハッピーエンドにさよならを/歌野晶午 ★★★☆☆

<望みどおりの結末になることなんて、
   現実ではめったにないと思いませんか?>


タイトルが示すとおり、アンチ・ハッピーエンド・ストーリーばかりを集めた短編集。
まさに私好みなのですが、さすがに続けて読むと気が滅入りました。
サプライズが少なく、ただ暗いストーリーが多いからでしょうね。

気に入ったのは、以下の3つ。
妻が夫を殺害したとされる事件の真相とは?『サクラチル』
驚いたし、読後はとてもやり切れないです。ずん、ときました。
ホームレスのムラノに降りかかる災難を描いた『尊厳、死』。
どういう着地を見せるのかさっぱりだったけれど、ラスト一行で驚いた。巧い!
そして唯一、既読だった『玉川上死』(『川に死体のある風景』収録)。
これが一番面白かったです。

もっとトリッキーな作品を期待していたので、残念でした。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
『おねえちゃん』では、美保子は理奈の母親の「妹」なのに、てっきり「姉」だと勘違いしてまして、
両親の会話に出てくる「おねえちゃん」は美保子を指すのだろうと思ってました。
理奈の母親のおねえちゃん(=美保子)のドナーが理奈、みたいな。
その方が、理奈と美保子2人っきりのラストが、さらにブラックになるんだけどなぁ。
突然、理奈にも妹がいたって言われてもなぁ。

木洩れ日に泳ぐ魚/恩田陸 ★★★★☆


<木洩れ日が綺麗。ここはまるで海の底みたい。>

とても切ないストーリー。
私は、恩田さんの恋愛観にかなり共感できるのです。
大好きな『ライオンハート』を超えました。

2人の「謎」の応酬にハラハラドキドキ。
先がまったく読めないし、謎はどんどん増えていくし。
恋愛が絡んで、もうスリルたっぷり。修羅場の連続。
後半のあまりの展開に、ぎぇ~っと驚愕したり。
そして、終盤、ある真相が判明した時の彼女の心の変化が絶妙なんですよね。
巧い。巧すぎるよ、恩田さん。

想像だけで解決してしまう謎に少々戸惑いましたが、過去からの解放をイメージさせるラストシーンはとても綺麗でスッとしました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
千浩と千明が恋人同士ではなく、双子のきょうだいだった、というサプライズにやられました。
転落死した男が2人の父親だった、という事実と同時に明かされるのがいい。

きょうだいなのに、愛してしまった。
その事実に苦しむ千明が、実はきょうだいではなくいとこだったと判った途端、千浩への愛が冷めるあたり、驚きと同時に「わかる!!」と感じました。
せっかく障害がなくなったのに・・・。
人の気持ちって複雑なんですよね。

千明が想像する父親の死の真相は、少々蛇足気味かも。
いとことの入れ替わりという真相が衝撃すぎて、すっかり忘れてしまってたよ。

敗北への凱旋/連城三紀彦 ★★★☆☆

終戦後まもないクリスマスイブ、安宿で片腕の男の死体が見つかった。
容疑者の中国人女性・玲蘭は彼の情婦をも殺し、自らも身を投げる。
痴情のもつれと見られた事件の背後には、恐るべき陰謀と愛の悲劇が隠されていた。
男が残した美しい旋律を手がかりに、戦争に翻弄された男女の数奇な運命が今、明かされる!(本書あらすじより)


<私の戦争はまだ終わってはいなかったのです>

綾辻・有栖川復刊セレクション。
1983年の作品です。

ただ上品なだけではなく、大胆でトリッキーな展開が待ち受けていて、そこに強烈な魅力を感じる連城ミステリ。
今回も、美しくてとても哀しい人間ドラマに、胸が打たれました。

いわゆる暗号ミステリなのですが、解くには特殊な知識が必要だし、ストーリーも強引な展開が多いのが気になります。
でも、真相のスケールの大きさにはド肝を抜かれました。
最初こそ驚きましたが、あとでじわじわ。
単なる奇想では済まされない迫力があります。

片腕の男・寺田の部下だった山田が、ある女性に旋律を伝えるシーンに感動しました。
米澤穂信さんの解説が、熱くて良いです。

夜明けの街で/東野圭吾 ★★☆☆☆

渡部の働く会社に、派遣社員の仲西秋葉がやって来た。その後、2人の距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。しかし、秋葉の家庭は複雑な事情を抱えていた。両親は離婚し、母親は自殺。彼女の横浜の実家では、15年前、父の愛人が殺されるという事件まで起こっていた。殺人現場に倒れていた秋葉は真犯人の容疑をかけられながらも、沈黙を貫いてきた。犯罪者かもしれない女性と不倫の恋に堕ちた渡部の心境は揺れ動く。まもなく、事件は時効を迎えようとしていた。

<あたしがそんなに非常識な女だと思う?>

不倫を隠そうとアタフタ奮闘する主人公の心理など、苦々しくもどこか滑稽。
後半に進むにつれ、男の狡さが浮き彫りになっていく様子は、とてもリアルで読み応えがありました。
東野作品の嫌らし~い部分が、全面に出てます。

主人公が「不倫するやつなんて馬鹿だと思っていた」ではなく、「不倫にとっても興味があって、機会があればしたいと思っていた」男性に思えて仕方がないのですよね。
それぐらい、不倫への踏み出しが軽いのです。
そこは、ちょっと理解できませんでした。

ミステリ面がお粗末でがっかり。
本当に普通の不倫小説です。
終わり方が実にあっさりしていて、驚きました。
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 2005年8月~

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