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夢見る黄金地球儀/海堂尊 ★★★☆☆

首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ一億円。
その名も「ふるさと創生基金」。
だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった・・・はずだった。
が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させる厄介の種へと変貌する。


<黄金地球儀、頂戴しよう>

あまり評判が良くなかったので、全く期待せずに読みました。
う~ん、作者が海堂さんじゃなかったら、もっと楽しめたかも。
ユーモアはそのままですが、緊張感たっぷりの手術シーンが好きな私は物足りなかったなぁ。

町工場で働く主人公・平介が、学生時代の悪友・ガラスのジョーと再会、胡散臭い噂のある自治体から黄金地球儀を盗もうぜ、と持ちかけられる。

このガラスのジョーが、なんとも中途半端。
トラブルメーカーっぷりが、全く発揮できてません。
それに比べると平介の方が、怪しい組織と関係があったり、バーの店員と接点があったり、よほど派手だったりする。
ジョーの秘密にも大して惹かれないし、最後まで影が薄かったです。

地球儀の強奪シーンも、ハラハラ感ゼロ。
都合の良い展開だし、真相はよめるし。
登場人物が全員ゆるーいキャラなので、軽く読むことができますが、盛り上がりがひとつもないってのもなぁ。
豪介親父とアイちゃんは、結構好きです。

今回は医療現場が舞台ではないですが、シリーズ関係者がやっぱり登場。
でも、彼女、苦手なんですよね~。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
ジョー、せっかく白鳥と出会ってるんだったら、もっと突拍子もない言動をしてよぅ。
地味だよぅ。

絆のはなし/伊坂幸太郎*斉藤和義 ★★★☆☆


いまから5年前。会社勤めをしながら小説を書いていた伊坂幸太郎は、斉藤和義の「幸福な朝食 退屈な夕食」という曲を聴いたことがきっかけで、会社を辞めて小説に専念する決心をした。本書は、奇跡のような出会いを男二人が語りつくした「絆のはなし」であり、その出会いが生んだ新たなファンのための「楽しみ方辞典」である。(本書P17ページより抜粋)

<世界って静かなんだなぁと思いました>

2007年3月、伊坂さんが斉藤さんのために小説を書き、斉藤さんがその小説を基に曲を作るというコラボが実現。
この作品は、その後のプライベート対談をまとめたものです。

斉藤さんの曲は、最近よくCMで流れていますが、ちゃんと知ってるのは『歌うたいのバラッド』『歩いて帰ろう』ぐらいしかありません。
きっと、「サビだけ聞けば知ってる曲」は一杯あるのでしょうが・・・。

そういうことなので、この一冊まるまる伊坂さん情報を目的として読むことにしました。
奥さんとの馴れ初めや、子供の話、年表まであって、大満足!
伊坂作品に登場する女性(祥子さんなど)は、絶対奥さんがモデルだろうなぁ。
ラブラブでした。

基になった短編も読めるかな~と期待したのですが、収録されてませんでした。甘かった・・・。

秋の牢獄/恒川光太郎 ★★★★☆

十一月七日、水曜日。女子大生の藍は、秋のその一日を何度も繰り返している。毎日同じ講義、毎日同じ会話をする友人。朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。彼女は何のために十一月七日を繰り返しているのか。この繰り返しの日々に終わりは訪れるのだろうか・・・。

<今日は変だ。私以外の何かが間違っている>

「秋の牢獄」
同じ一日を繰り返すという、おなじみのテーマ。
決して、その日に起こる事故や事件を止めるためなどではなく、目的や理由のないまま、不条理にそのループへと取り込まれてしまった主人公。
しばらくすると、同じ境遇の仲間も見つかり、「今日が嵐や大雨でなくて良かった」「二日酔いで目覚めた日じゃなくて良かった」など会話しながら、共に十一月七日を過ごすのですが・・・。
オチらしいオチはありませんが、ラスト一行にハッとさせられました。
「神家没落」
ふと迷い込んだ家から出られなくなってしまった主人公。
外に出るには、誰かを身代わりにしなければいけない。
「マヨヒガ」をモチーフにしたということですが、私は『世にも奇妙な物語』の中でも一番好きな「13番目の客」を思い出しました。
中盤からの展開は、全く想像がつきませんでした。
この中で、一番好きな作品。
「幻は夜に成長する」
とても哀しいストーリー。
不思議な能力を持った少女の波乱の人生が、淡々と描かれています。
少女がビルの屋上で恋人に見せる幻覚は圧巻。
ラストはひたすら凄まじく、虚無感が漂います。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
「秋の牢獄」
隆一の言った「自分たちは本体が脱ぎ捨てていった影」という例えが印象的。
「神家没落」
まさか、あんなに人の良さそうだった男性が、人殺しだったとは・・・驚愕。
恒川作品には、こういう凶暴なキャラが登場することを、ここで思い出した。
現実で暮らすことになった主人公の、その後がもう少し知りたかったかも・・・。
「幻は夜に成長する」
現実っぽい幻が一番恐ろしい、というのは納得。
いつ事故にあってもおかしくないわ。
幻が消え、急激にクーピーが薄汚れていく様子が怖かった・・・。

氷の華/天野節子 ★★★☆☆

結婚12年の隆之と恭子は、誰もが羨む夫婦生活を送っていた。ある日、恭子のもとにかかってきた、夫の愛人と名乗る女からの電話。そこで告げられた事実が、彼女を殺人へと駆り立てる。計画通り犯行に及んだ恭子だったが、ある疑念を抱きはじめる。
私が殺したのは、本当に夫の愛人なのか・・・。そして、もうひとり。この事件を不審に思うベテラン刑事・戸田。
二人の壮絶な闘いが始まる・・・。(帯より)


<妻は本当に知らないのです>

まるで、夏樹静子さんの作品を読んでいるような気分になりました。
読み応え抜群です。
恭子はとてもプライドが高く、育ちは良いのに心が豊かではないという、「嫌な女」なのですが、ページが進むごとに魅力的に思えてきました。
終盤は、完全に応援してましたから。
電話中に横目で刑事の行動を気にするシーンなど、さりげないけれど目に浮かぶような描写が多くて、まるで脚本を読んでいるようでした。
奇抜なトリックは使われていないし、決してスマートな展開ではないのですが、先が気になって仕方がない。
ミステリとしても心理サスペンスとしても楽しめる作品でした。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れています。下の方へどうぞ。


















隆之の相手が好美ではなく、康子だということは中盤で気づきました。
でも、康子の「太いベルトの腕時計」の伏線は分からなかった。
和歌子の文字と比べたのが、好美の名刺の裏の文字ではなく、康子のFAXの文字だというのはピンときたのですが・・・。
以下、細かい点。
第7章の「裁判」で、康子の目撃証言が次々と出てくるのが不自然かな。
佐伯玉緒のデスクに隠されてた真弓のUSBも、偽装心中後に発見されるし・・・。
恭子と康子の両方の靴に、百合の花粉がくっ付いてるし・・・。
あと、恭子の心理描写は細かいのですが、隆之と康子の心情も詳しく知りたかったかな。
も1つ、プロローグの真相には非常に期待していたので、少し肩透かしでした。以上。
ラストは意外でした。
恭子は、最終的には逃げ延びるだろうと思っていたのです。
第7章の裁判シーンで終わっていても、後味が悪いとは思わなかっただろうなぁ。
登場人物が酷い人間ばかりだからかも。

いっぺんさん/朱川湊人 ★★★☆☆

いっぺんしか願いを叶えない神様を探しに友人と山に向った少年は神様を見つけることができるのか、そして、その後友人に起きた悲しい出来事に対してとった少年の行動とは・・・。感動の作品「いっぺんさん」はじめ、鳥のおみくじの手伝いをする少年と鳥使いの老人、ヤマガラのチュンスケとの交流を描く「小さなふしぎ」、田舎に帰った作家が海岸で出会った女の因縁話「磯幽霊」など、ノスタルジーと恐怖が融和した朱川ワールド8編。

<チョット昔ノ、オハナシデス>

表題作「いっぺんさん」、展開が読めますが、感動しました。
子供の頃の思い出を語るというスタイルは、心地良い懐かしさを味わえて良いですね。
読後、裏表紙を見て、またじ~んときました。

後の7編は、ホラーだったり、救いがなかったり、結構重めのストーリーが多いです。
どれも好みのパターンなのですが、新鮮味が感じられませんでした。
もう、このジャンルでは驚けなくなっているのかも。

朱川作品はこれが2冊目ですが、『都市伝説セピア』の方がインパクトがありました。

十二の嘘と十二の真実/あさのあつこ ★★★☆☆


怖いけれど哀しい、おぞましいけれど面白い。
中世の王国の物語と現代の恐怖譚のつづれ織り。
王妃に仕える侍女ツルと、小さな街に住む現代の老女の謎とは。(BOOKデータベースより)


<人間を滅ぼすほど面白いことはないものね>

初・あさの作品です。
『バッテリー』など、作品名はよく聞くけれど、手にとったのはこれが初めて。
「この小説には毒があります」の帯に惹かれました。

城で働き、王妃に助言をする謎の侍女ツルと、現代で不思議な出来事を語る老女。
2つのストーリーが交互に進んでいきます。

う~ん。
確かにグロい表現はあるけれど、「毒」というにはパンチ不足。
ぼんやりとした気持ちの悪さだけが残りました。
ゾッとするような恐怖を期待したんだけどなぁ。

城での出来事も、老女の語る怪談っぽい話も、どこかで読んだことのあるような内容で新鮮味が感じられないのです。
サプライズも思ったほどではなく、淡々と読み終わりました。
後に収録されている『崖の上』も救いのないストーリーですが、なんとも地味。
印象に残らないのですよね・・・。

モップガール/加藤実秋 ★★★☆☆

「お掃除のことなら(有)クリーニングサービス宝船にお任せ下さい!」桃子には、時々左耳が聞こえにくくなるという症状がある。求人広告の誘いに乗って、アルバイトの面接に行くが、その会社、入ってみると社員は変人揃い、しかも事件・事故現場専門の清掃会社だった。しかも、左耳の調子が悪い時、事件現場に掃除に向かうと、そこにある強い残留思念を読み取ってしまい、桃子の体の感覚に影響が出てしまうことが判明。元に戻すには、事件の謎を解かなくては!

<血がドバーだろうが、脳みそブシュ~だろうが望むところです>

POPな装丁がイメージに合ってます。

犬が大好きな社長に、演劇にハマっている重男、ギャルファッションの未樹にクールで美形な翔。
そして桃子は時代劇ファン。
クセのある登場人物のおかげで、サクサクと笑いながら読めます。
でも相変わらず、ミステリとしてはグダグダ。
ホストシリーズよりも盛り上がらなかったかも。
何を食べても、味が『赤いきつね』だったりとか、謎は面白いんだけどなぁ。

ラストがとても意外で好み。
続編出たら読むなこりゃ。

青年のための読書クラブ/桜庭一樹 ★★★★☆


東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。
校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。
そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。
今もっとも注目の奇才が放つ、史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の100年間。(amazonより)


<しかし、ぼくは何者にもなりたくはないのだ>

初・桜庭作品です。
上品だけれど、強弱のついた毒舌風の文体がとっても好み。
数行読んだ瞬間に、作品世界に入っていくことができました。

名門お嬢様学校にて、一癖も二癖もある女生徒たちが騒動を繰り広げる。
そして、異形の少女たちが異形の部屋に集い、暗黒の読書クラブ誌をまとめていく。
とにかく、第一章がもうツボど真ん中!
友達のいない烏丸紅子が、読書クラブの部長・妹尾アザミの指示で「不良少年」へと変身し、女生徒たちの憧れの的になっていく様子にうっとり。
彼女たちの言動がケレン味たっぷりで、きゅ~んときます。
結末がまた潔くて、強烈な印象を受けました。

ミステリの要素が無くても満足できたので、次は『赤朽葉家の伝説』を読んでみよう。

心臓と左手/石持浅海 ★★★☆☆

警視庁の大迫警視が、あのハイジャック事件で知り合った座間味くんと酒を酌み交わすとき、終わったはずの事件はがらりと姿を変える。
これが、本格ミステリの快楽だ!
切れ味抜群の七編を収録。


悪評高き『月の扉』は、なぜか今でも大好きな作品。
でも、座間味くんが嫌いだったことを忘れてた・・・。
再登場かぁ・・・。

今回も安楽椅子探偵ということで、『Rの月~』と同様、全く気持ちがついていかないロジックが繰り広げられます。
どうにも説得力に欠けてて、「本当に合ってるの?」と疑ってしまうのですよね。

鮮やかだと思ったのは表題作のみ。
新興宗教とミステリって相性良いのかも。
すぐ騙されてしまう。
でも、こんな話題でよく食事ができるなぁ。

最終話「再会」では、『月の扉』のハイジャック事件の関係者が集合するのですが、細かい設定を全て忘れてました。
とにかく、主人公の従姉の訴えに「ハァ?」。
もう、因縁をつけているようにしか思えない。
この話だけ、趣が変わっていたので、何かサプライズが仕掛けられているのかと思いきや、ただ後味が悪くなっただけでした。
がっかり。
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 2005年8月~

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