スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

名前探しの放課後/辻村深月 ★★★☆☆

「今から、俺たちの学年の生徒が一人、死ぬ。・・・自殺、するんだ」「誰が、自殺なんて」「それが・・・きちんと覚えてないんだ。自殺の詳細」
不可思議なタイムスリップで3ヵ月先から戻された依田いつかは、これから起こる“誰か”の自殺を止めるため、同級生の坂崎あすならと“放課後の名前探し”をはじめる・・・。


<その気持ちを覚えていられるか?>

上下巻ということで、下巻を励みに(ブツブツ言いながら)読み進めました。
毎度おなじみ「周りが興ざめするような発言も許される雰囲気がある」登場人物など、周りのキャラに若干の押し付けがましさを感じましたが、中心となるいつかとあすなはこれまでと違い、グッと好感の持てるキャラです。
特にあすなはイイ!普通に読める!

3ヵ月後に自殺する予定の人物を捜し、自殺を思い留まらせる。
仲間と協力し合う中で、いつかやあすなの心の傷も癒されていく。
もうベッタベタの青春ストーリーなのですが、下巻にはじ~んときました。
河野というキャラが、良い味を出してます。

これまでの作品では、さりげないけれど良い感じに頭に残るエピソードが伏線になっていたのですが、今回は「さぁさぁこれが伏線ですよ~」という張り方をしていることが多く、終盤までイライラしてしまいました。
再読すると、不自然な点もスッキリ腑に落ちるのですがね~。
青春小説としては満足ですが、いつものうわーっとくる感動のサプライズがなかったのも物足りなかったかな。

真相は予想がつきますが、その他のサプライズは楽しめました。
リンクは『凍りのくじら』と『ぼくのメジャースプーン』から。
『ぼくの~』を読んでいないと、意味不明なシーンがあるってのは不親切かも。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、本書と他の辻村作品の真相にも触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
自殺者があすなだということは、下巻で気付きました。
絶対に、どんでん返しがあると思ったし、周りの動きが不自然すぎたし。
でも、友春と河野も仲間だったとは・・・驚いた!

以下、伏線。
いじめているはずの友春が、河野を下の名前で呼ぶこと。
河野の「僕、泳げるのに」。見事な泳ぎをあすなに見られた。従兄弟の存在。
友春の自主練。バイクのそばでストップウォッチを持つ秀人。
クリスマスパーティでの、いつかに話す河野のグチ。
本当は、河野はあすなの席には座っていないこと。
極めつけの『どこでもドア』。

仕方ないけれど、ダミーとなる河野のいじめのインパクトが大きすぎて、「あすなを病院まで送り届ける」という真相が、正直、ショボく感じてしまいました。
いや、祖父との関係とかしっかり描かれていたし、伏線もバッチリだし、病院のシーンでは感動したけれど。
あまり疾走感はなかったなぁ。
そして、河野は役者を目指すべきだと思う。
あ~っと何度も叫ぶシーンなんて、普通できんよ。

それにしても、秀人が『メジャースプーン』の「ぼく」だったとはね~。
やっぱり、昔の方が可愛気があったなぁ。
「○○しなければ(条件)XXが起こる(結果)」という能力だから、いつかは、あすなを死なせたくないから、3ヵ月前に戻って自殺を止めたってことかな。
必要なら、タイムスリップもさせることができるの?
あすかのおじいさんの意思という結論に、ホ~っと納得したのだけれど。
とにかく、秋先生が苦手なので、登場が一瞬だけで良かった。
椿も・・・苗字かよ!これはズルイわ。
スプーンのキーホルダーも、気付かないってば。
椿と郁也は『凍りのくじら』つながりかな。
郁也たちは必要ないような気がしたんだけどな。
特に、理帆子はカメラ持ってチョコチョコ登場するよなぁ。

途中で、何の脈絡もなくチヨダ・コーキの小説が登場するのは、リンクをそこだと思わせといて、秀人の存在を隠したのかな?と深読みしたりして。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない/桜庭一樹 ★★★☆☆

山田なぎさ・・・片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。
海野藻屑・・・自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。
二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。全ては生きるために、生き残っていくために・・・。これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー。


<だから平気。きっと全部、悪い嘘>

冒頭には、ショッキングな内容の新聞記事。
物語の結末が示されています。

砂糖菓子なんてタイトルなのに、ストーリーに甘さはこれっぽっちもない。
これから少女に起こる悲劇を提示した上で、そこに至るまでの出来事が淡々と描かれているという、まさに青春暗黒ミステリー。

生きるための「実弾」にしか興味のないなぎさと、砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる藻屑。
後に数々の事情を知るにつれ効いてくる設定なのだけれど、最初は海野藻屑(腐野花を上回る名前)の奇天烈っぷりに全くついていけなかったのですよね。
全体的に一歩引いた気持ちのまま、読み終えてしまいました。
(乙一だったら冒頭の記事は入れなかっただろうなぁ~容赦ないし、とか考えてしまった。)

終盤の展開は、少し説得力が足りず、唐突な印象がありましたが、ラストでなぎさが語る想いはズシンときます。
そして、やっぱり表現力が凄い。
「砂糖菓子のテロリスト」も、この作品の中だからこそでしょうね。
表紙イラストがどうだろう?と思っていたけれど、読んで良かった。

あとがきが面白いです。
桜庭さんって、もっとスレた感じの人だと思ってたので意外でした。
オフィシャルサイトの日記も、可愛らしくて笑えます。
トップランナー、忘れずにチェックしないと。情熱大陸も。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
藻屑が、虐待でついた傷を「汚染」と言い表したのは衝撃だった。
藻屑を嘘つき呼ばわりしていたなぎさが、藻屑の死体を捜しに山に登るときに「あれらが全部本当だったらいい・・・」と願う姿が切なかった。
個人的に、お兄さんの存在は邪魔でした。

ダイイング・アイ/東野圭吾 ★★★☆☆

記憶を一部喪失した雨村慎介は、自分が死亡事故を起こした過去を知らされる。
なぜ、そんな重要なことを忘れてしまったのだろう。
事故の状況を調べる慎介だが、以前の自分が何を考えて行動していたのか、思い出せない。
しかも、関係者が徐々に怪しい動きを見せ始める・・・。


<視線には力があるの>

帯に「今度の東野圭吾は悪いぞ。」とあるのですが、これは「気持ちが悪い」ということかな。
意味のないドロドロ描写にうんざりしました。

慎介が失った事故の記憶とは?
彼に近づく謎の女性の正体は?
謎は魅力的ですが、不要な伏線やエピソードが多く、読後感もすっきりしません。

それでも、やっぱり一気に読めるのですよね。
こうなったら真相はどうでもいいや~と、投げやりな気分にさせないところがスゴイ。
無難に読める東野作品でした。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
私の予想では、岸中が慎介を襲っておいて、木内に接触してないのは、その婚約者がターゲットだからだと。
復讐の手段として、ミドリを美菜絵と同じ容姿に変えているのだと思っていたのですよね。
わざわざホラーっぽくしなくても、美菜絵の眼光が原因で、ミドリの精神が不安定になったという真相でも良かったような・・・。
「あなたの子供が欲しいの~」という台詞は、最後まで謎。

道具屋殺人事件/愛川晶 ★★★☆☆

高座の最中に血染めのナイフがあらわれる、後輩は殺人の疑いをかけられる、妻の知り合いは詐欺容疑・・・。
次から次へと起こる騒動に、二つ目、寿笑亭福の助が巻き込まれながらも大活躍!
落語を演じて謎を解く、一挙両得の本格落語ミステリー!(本書あらすじより)


<もう、とんぼを返らすこともねえな>

以前、『化身』と『鏡の奥の他人』を読んで、何となく合わなかった作家さん。
内容は忘れましたが、どこか野暮ったい印象があるのですよね。

「道具屋殺人事件」「らくだのサゲ」「勘定板の亀吉」の3編を収録。
落語ミステリは、必ずホロリとさせられるので、結構好きなジャンルです。
今回も、ミステリよりも人情話を目的に読み始めたのですが・・・。

予想以上に面白かったです!
師匠のヒントで事件の謎を解くパターンは、田中啓文さんの作品と似ているかな?と思いましたが、この作品はそこをもう一捻り。
なんと、ヒントを貰った弟子・福の助の高座が、真相解決の場となるのです。
斬新な解釈で落語を展開し、真相をピタリと指し示す。これは鮮やか!
(事件の内容は、あまり大したことがないのですが・・・。)

事件発覚シーンの衝撃から見ても、表題作が一番面白かったです。
ぜひ映像化して欲しいなぁ。
福の助を含め、登場人物にあまり魅力が感じられないのが不満かも。

夕陽はかえる/霞流一 ★★★★☆

プロの暗殺組織<影ジェンシー>で実務を手掛ける<影ジェント>の一人、<カエル>が不可能状況で殺された。明らかに同業者の手口。
同僚の瀬見塚は、<カエル>の遺族の依頼で真相を追う。だが、<カエル>の後釜を狙う<影ジェント>たちが瀬見塚に刃を向け、彼らの怪奇を尽くした決闘の応酬は<東京戦争>と呼ばれるほどに発展していく。殺し屋による殺し屋殺しと推理の行方は? 背徳のSin本格誕生!



<だから、殺し屋だらけの殺人事件はイヤだって言うんだよ>

装丁のイラストが素敵です。

殺し屋にも、普通の企業と同じく、影業(営業)、刑裏(経理)、掃務(総務)という役割がある設定が、個人的にツボでした。
「討ち合わせ」シーンはそれぞれ個性的で楽しいのですが、少し多すぎるかな。
天気予報を叫びながら攻撃、パン作りに使う麺棒で攻撃、ダンスしながら攻撃・・・とにかくハチャメチャなのです。
映像化すると「キル・ビル」みたいなイメージかな。
おかげで、不可能殺人や密室殺人が、小粒な印象を受けました。

でも、真相には驚いた。
多すぎて鬱陶しいと感じていた「討ち合わせ」シーンにも、しっかり伏線が張られていました。
ショッキングなトリックも、このノリだから許されるのでしょうね。満足です。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
ルカが最初から奇天烈なキャラだったので、まさか途中で精神のバランスを崩した母親の蓉子と入れ替わっていたとは思わなかった。
こういうサプライズは好き。

鼻/曽根圭介 ★★★★☆

人間たちは、テングとブタに二分されている。
鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。
外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。
一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、二人の少女の行方不明事件を捜査している。
そのさなか、因縁の男と再会することになるが・・・・・・。
日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「鼻」他二編を収録。


<こんな価値のない人を助けても、意味ないですよ>

『世にも奇妙な物語』が大好きな私には、たまらない設定です。
(それでも、平山夢明さんの作品はどうしても読めませんが。)

「暴落」では、「人間の価値」を「株」に例えていて、現在、株取引に使われる用語がそのまま出てくるのがユニーク。
話が進むにつれ、その着眼点に驚かされますが、オチが予想通りだったのが残念かな。
「受難」の不条理っぷりと、何とも言えない終わり方も好み。
そして「鼻」
深読みするとつまらないだろうと思って、心を無にして読んでいたら、なんと一番重要な真相をスルーしてました。
解説を読んで、「ああ!」と驚くマヌケぶり。
う~ん、でも、上手くできてます。感心。

経歴でまたビックリ。
発想といい、「ひょこたん」といい、著者は20代前半くらいだと思っていたので意外でした。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
「暴落」・・・まさか「イン・タム」がそんな略語だったとは・・・。
外国の広告会社でそういう商法があることは知っていましたが、取り入れるのがスゴイ。
主人公が最後まで見せる執着ぶりが哀れ。
そして「受難」の、ひょこたんの電波っぷり、好きです。
「鼻」は、表紙イラストがポイントなんですよね。
一方がゴシック体で2つの物語が進む構成だとか、折原作品のジャンルだとは気付きましたが、日比野が通り魔に何をされたのか、そして自分の娘に何をしたのか、ここにピンとこないなんて・・・うう、バカバカ~。

少女七竈と七人の可愛そうな大人/桜庭一樹 ★★★★☆

川村七竃は美しいかんばせを持って生まれた呪われた美少女。鉄道を愛し、孤高に生きる。いんらんな母はすぐに新しい恋におちて旅に出る。祖父と二人の日々。周囲から常に注目される彼女が心を許すのは親友の雪風だけ。二人でつくる鉄道模型の世界。完成された世界。母のかつての男の訪問、噂をききつけたスカウトの誘い、可愛そうな大人たちの騒ぎはだんだんと七竈を巻き込んで・・・。男たちなど滅びてしまえ。吹け、滅びの風。

<これはけして。遺伝では。ないよ>

『私の男』の強烈な余韻が残ったままなので、少し不安でしたが、こちらも非常に楽しめました。

母親が突然「辻斬りのように」男遊びをした結果、生まれた美少女・七竈。
まるで天上人のようなかんばせと、その出生の秘密に、息の詰まりそうな生活を強いられている。

物語はどこまでも盛り上がることはなく、地味に進むのですが、話の運び方が見事で、ページを捲る手が止まりません。
平凡な日々の中、少しずつ追い詰められていく七竈と雪風。
雪風に恋する後輩・緒方との、奇妙な三角関係。
七竈の母親が「辻斬り」を思い立った理由。
登場人物の心情を読み手に伝えるのに、どうすれば一番効果的か、そのセンスが抜群なんだと感じました。

独特の台詞回し、文章のリズム、全てがとても心地良いです。
せかいの外へ歩き出した七竈。
ラストも、ため息が出るほど美しかった。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
「君がそんなに美しく生まれてしまったのは、母親がいんらんだったからだ」という雪風。
そして、それに頷く七竈。
超自然的な理由にしたいという2人の想いに気付いたとき、本当に切なかった。

人形の部屋/門井慶喜 ★★★☆☆

「じつはフランス製じゃないんだ、フランス人形は」ある春の日、八駒家に持ち込まれたプラスチックの箱の中身は、「冬の室内」といった趣の舞台装置と、その右のほうに置かれた椅子に行儀よく腰かけている少女の人形。子供らしい快活を示すように、ひょいと天を向けた少女の左足のつま先は・・・こなごなになっていた。破損の責任を押しつけられそうな敬典の姿を見て、娘のつばめは憤慨するが、敬典は不思議と落ち着いていて……。

6つの日常の謎系ミステリ。
中学生の娘・つばめと、専業主夫・敬典との会話が、微笑ましいです。
でも、あまり興味のないテーマだったからかもしれませんが、薀蓄が長く感じました。
なるべく読み飛ばしているため、どの作品も、あまり印象に残っていないのですよね。
せっかく中学生の娘が登場するのだから、彼女を相手に簡潔に説明するという流れだったら、もっと読みやすいのになぁ。

面白かったのは「銀座のビスマルク」。
優しい真相でした。

私の男/桜庭一樹 ★★★★☆


優雅だが、どこかうらぶれた男
一見、おとなしそうな若い女
アパートの押入れから漂う、罪の異臭
家族の愛とはなにか
越えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?
この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る・・・(帯より)


<だって、いまだって、一緒に逃げ続けているのだ>

・・・読後、しばらく言葉が出なかった。
最後まで、圧倒されっぱなしでした。

腐野(くさりの)花は24歳、花の男・淳悟は40歳。
花は9歳のときに震災で家族を亡くし、親戚にあたる淳悟に引き取られた。

第一章の花の結婚式から、物語は少しずつ過去を遡ります。
なぜ、花と淳悟は東京へと逃げてきたのか?
押入れには何が入っているのか?
2人の関係はどこから始まっているのか?
何が2人をそうさせたのか?

驚くような真相は用意されていませんが、何度も感情を揺さぶられて、苦しくなりました。
どうしても、眉をひそめてしまうテーマですが、最終章で、きっと2人はそういう生き方しか出来なかっただろうという説得力が感じられました。
家族になりたかっただけなんだろうな・・・。
第一章で結末を知ってしまっているだけに、ラストがやりきれない。

読み手を選ぶ作品であることは、間違いないでしょう。
でも、直木賞にはこれを選んで欲しい。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
第2章で尾崎が受付嬢に声をかけるシーン。
てっきり、派手な女性の方が、花だと思ってた。
無個性をこんな風に描けることに驚いた。

ホルモー六景/万城目学 ★★★★☆

鴨川で、御所で、あるいは河原町で、不可視の「オニ」を使役し、各大学の覇権をかけて争う、それが「ホルモー」だ!!この奇妙な部活動に巻き込まれた少年少女が、戦い、困惑し、ときに逆ギレしそして頑張り、はたまた恋をする。無類に楽しい青春ファンタジー!!(webkadokawaより)

<伸ばすのかよ、ホルモー>

いや~、楽しかった!
今回は恋がテーマ(って、前回もだよなぁ?)の短編集です。

「鴨川(小)ホルモー」
京都産業大学玄武組の最強チーム・二人静。
そのコンビの片方の恋が、ホルモー対決を呼び起こす。
「ローマの休日」
同じバイト先である男子高校生の視点で語られる楠木ふみとは。
「もっちゃん」
ある人物と、ホルモーとの関係とは?
「同志社大学黄龍陣」
同志社に入学した巴は、憧れの教授に頼まれ向かった部屋で、古い木箱を見つける。
中には黄色い浴衣が入っていて・・・。
「丸の内サミット」
偶然、合コンで出会った男女。
実は、互いの大学とホルモーで戦った過去があった。
「長持の恋」
珠実はバイト先の古い長持の中で、古びた木の板を見つける。
板には、拙い字で名前が書いてあり、珠実も無意識に自分の名前を落書きしてしまう。


『鴨川ホルモー』の補足といいますか、「あの裏側ではこんな事があったんだ!」という発見もあり大満足。
「鴨川(小)ホルモー」と「同志社大学~」のリンクにも笑ったし、「丸の内サミット」は、意外な展開にニヤリ。
「長持の恋」は、ありきたりな展開なのにホロリ。

『鹿男あをによし』では、私の好みから外れてしまったけれど、やっぱりホルモーは好きだなぁ。

ナナフシの恋/黒田研二 ★★☆☆☆

「新しい教室で待ってます」
呼び出しメールの発信者は自殺を図り、意識不明の重体で入院中のクラスメイト・麻帆だった。
不審に思いながらも教室に集まる男女6人。
消えた携帯電話、移動した教卓、教室に転がる消火器など自殺未遂現場に残された数々の謎。
自分たちを集めたのは・・・?
事件の真相に同級生たちが迫る!(本書あらすじより)


久しぶりの、くろけん作品。
好みの設定なので、ワクワクして読み始めたのですが・・・。
いつものステレオタイプのキャラは嫌いではないけれど、さすがに粗雑なのでは・・・。
重要な人物の性格や心の動きが、最後までちぐはぐに感じました。
ストーリーに新鮮味はないし、真相も脱力気味だし、青春小説としてもミステリとしても、モヤモヤした読後感でした。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
せめて、大輝は丁寧に描いてくれないと。
突然、好青年になっちゃって、すっごい違和感。
冬馬もただのナンパ野郎にしか思えないんだけど。
ハッピーエンドにされても、納得できない。

温かな手/石持浅海 ★★☆☆☆


大学の研究室に勤める畑寛子の同居人・ギンちゃんは名探偵。
サラリーマンの北西匠の同居人・ムーちゃんも名探偵。
人間離れした二人は、彼らが遭遇した殺人事件や騒動を、鮮やかに解き明かす!
一風変わった名探偵とそのパートナーが活躍する、著者渾身の連作集。(本書あらすじより)


<その意味を考えれば、犯人はわかります>

評判が良いみたいですが、私は苦手でした~。

毎回、「優秀な頭脳を持った人間」の登場に違和感がありましたが、なんと今回は「優秀な頭脳を持った宇宙人」が登場。
作中に「宇宙人だから死体を見ても平気」とか「感情に疎い」とあるけれど、これまでの名探偵役の思考回路が、すでに人間的じゃないので、何も特別に感じませんでした。

真相に納得できたのは「白衣の意匠」だけかな。
「大地を歩む」なんて、もう脱力。

ギンちゃんやムーちゃんの特殊能力は、「綺麗な魂を持つ人間の生命力を吸い取る」こと。
それによって相手の寿命が縮むことはなく、カロリーを消費させたり、興奮状態を沈静化させる効果があるのです。
事件の推理には全く役に立たないので、読み進めるうちに、「宇宙人」という設定は必要だったのか?と疑問に思いましたが、ラストはなかなかグッときました。
それまでが伏線だと思えば、良いかな。

しかし・・・。
寛子の場合、食費は相手持ちでたらふく食べて、かつ太らないというメリットだらけ。
一方、北西の場合、ムーちゃんは学生なので養わなくてはならないし、いくら可愛くても恋愛感情は持てないし不公平だな~と、その点ばかりが気になりました。

舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵/歌野晶午 ★★★★☆

舞田歳三は浜倉中央署の刑事だ。仕事帰りに兄・理一の家によって、小学五年生になる姪のひとみの相手をし、ビールを飲むのを楽しみにしている。難事件の捜査の合間を縫ってひとみをかわいがる歳三だが、彼女のふとした言動が事件解決のヒントになったりもして・・・。多彩な作風で知られる歌野晶午が、ちょっと生意気でかわいらしい少女と、本格ミステリらしい難事件を巧みに描く!(裏表紙より)

<ピンポーン!さすがですね、舞田刑事>

タイトルもこんなだし、「ゆるミス」だと思って軽く読んでいましたが、良い意味で予想を裏切られました。
これは面白い!

てっきり、チビッコ探偵が活躍するのかと思っていたら、毎回、ひとみの何気ない発言がヒントになるというパターンで、不自然さは感じられません。
とにかく、ひとみが可愛らしい。
『女王様と私』っぽかったら嫌だなぁ~と不安でしたが、こんな小学生も描けるんだ!

若竹七海さんの『死んでも治らない』のような連作になっているのも、とっても好みです。
どの真相も読めそうで読みきれない意外性があって、一筋縄ではいきません。
最終話のサプライズには本当にやられた~!

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
愛ちゃんは歳三の彼女ではないのだろうなぁ~とは予想してましたが、まさか、ひとみの母親だったとは・・・!
「トカゲは見ていた知っていた」で、ひとみ本人に「母親は死んだ」と言わせたりとか、見せ方が上手いです。
話が進むにつれ、意識に刷り込まれてしまいました。
でも、「いいおじさん、わるいおじさん」のラスト、大喜多夫人が写真を燃やしているシーンを見て、夫の面影を忘れるためだと解釈するのはさすがに無理があるような。
夫人も、夫に変な趣味があると知った上で、脅迫状と結びつけないのはオカシイ。
警察に持っていったことで、真相が発覚したわけだし。

いのちのパレード/恩田陸 ★★☆☆☆


ホラー、SF、ミステリ、ファンタジー・・・あらゆるジャンルに越境し、読者を幻惑する恩田マジックがひときわ冴える15篇。
恩田版<異色作家短篇集>ここに誕生!


<あれはあの時、あの場所での善だったのです>

う~ん・・・これは苦手かな~。
恩田さんの感性についていけませんでした。
ほとんどの作品に対して、「発想がスゴイ!」という驚きよりも、オチが無いことへの脱力感が上回りました。
何とか楽しめたのは、「観光旅行」「エンドマークまでご一緒に」「SUGOROKU」。
残念ながら、心に響くものはありませんでした。
最新記事
検索フォーム
記事一覧

 2005年8月~

カテゴリ
プロフィール

めみ

Author:めみ
FC2ブログへようこそ!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。