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ザ・ベストミステリーズ2007/日本推理作家協会編 ★★★☆☆

2006年に発表された短篇ミステリーの中から、小説誌15誌とミステリーのプロが選んだ傑作15作を収録。
2006年推理小説界の概況、ミステリー各賞の歴代受賞リストも掲載。(Amazonより)


<警察の捜査に関わるのは、もうやめたんだよ>

こちらも既読の作品が多かったので、初読みのものだけ感想を。

「罪つくり」横山秀夫
さすがの一言。
犯人の特定は強引に思えたけれど、刑事の境遇と事件の背景が絶妙に絡み合って、涙。
「ホームシックシアター」春口裕子
初めての作家さん。
ベタな展開だけれど、動機は意外だった。怖っ。
「脂肪遊戯」桜庭一樹
「暴君」と登場人物が同じなので、やっぱり連作ということか。
でも、少年の視点だからか、こちらの方が面白かった。「七竈」っぽい。
「ラストマティーニ」北森鴻
北森さんは「メビウスレター」以来、読んでないなぁ。
このシリーズ面白そう。
「エクステ効果」菅浩江
初めての作家さん。
うげーっな真相だけど、伏線もバッチリで斬新かも。
「落下る」東野圭吾
タイトルから分かるとおり、ガリレオシリーズ。
あ~あ~、やっぱり登場しちゃうか、内海薫。
草薙とのコンビが良かったから残念だ~。
でも、「容疑者X~」後、警察への協力を拒否し続けている湯川を引っ張り出すには必要な存在なのかも。
ということで、もう福山雅治と柴咲コウのイメージが離れない。
2人の出会いが描かれてあるだけで、ミステリとしては超小粒。
「オムライス」薬丸岳
相変わらず、暗い雰囲気。
真相に至るまでの、主人公の心の動きが掴めなかった。
「スペインの靴」三上洸
初めての作家さん。
ヒロインが踊るシーンは主人公の興奮が伝わってきたけれど、幻想的な雰囲気が足りないのか、「狂気」が単に気持ち悪く感じてしまったのが残念。

不思議の足跡/伊坂幸太郎・他 ★★★☆☆

小説短編集は売れないと言われる。複数作家によるアンソロジーとなると、さらに敬遠されがちになるのが実情だ。かく言う筆者も、どうせ読むならドシンと重たい長編を、と思ってしまう。が、ご存知だろうか?世に傑作と謳われる映画の多くは、短編小説を原作としている事実を。発想と構成という点において、作り手が投入するエネルギーは長編も短編も変わらないのだということを。本書に収録された玉編の中に、十年後の伝説が潜んでいる可能性は十分にある。決めるのは時間、確かめるのはあなただ。

<それじゃあ、おも、面白くない>

伊坂作品も石持作品も恩田作品も既読だったのが残念。

「暴君」桜庭一樹
『砂糖菓子~』と同じ世界が舞台だということで、桜庭さんの「あたし」系の作品が合わない私にはやっぱり理解不能だった。
感受性が違うんだろうなぁ。
「隠されていたもの」柴田よしき
最近『世にも奇妙な物語』で映像化されてたような。
ゴミを集める行為の解釈が面白く、静かな狂気が漂うラストも良かった。
「東京しあわせクラブ」朱川湊人
最初は悪趣味な集いにゾッとしたけれど、レシートのエピソードが面白く、オチも気が利いていて楽しめた。
「八百万」畠中恵
同じ江戸が舞台で、人間以外のキャラが活躍するのに、しゃばけシリーズではないという著者の意図が解らない。
しゃばけシリーズも、ストーリーは平凡なものが多いので、他のシリーズまで読みたいとは思わない。
「オペランドの肖像」平山夢明
恐る恐る読んだけれど、グロ美しさが光る逸品で、徹底的に救いのないラスト一文まで、すっかり好みだった。
でも、これはまだまだ軽い方なんだろうなぁと思い、短編集には手が出せない。
「箱詰めの文字」道尾秀介 
読み始めと読後の印象が全然違うのは見事だったけれど、どこか物足りなかった。
「流れ星のつくり方」のようなサプライズを期待してしまったからかな。
「チヨ子」宮部みゆき
ユーモア一杯の優しい雰囲気で、一番読みやすかった。
やっぱり、宮部さんはこういうのが良いなぁ。
「Do you love me?」米澤穂信
これは新シリーズなのかな?
今まで苦手なキャラが多かったけれど、この主人公は気に入った!

死写室/霞流一 ★★★☆☆

どの事件にも、映画の匂いがする・・・。
映画館、試写室、ロケ先、セットの撮影現場etc.で発生する、奇怪な事件の数々。
不可能犯罪としか思えない状況を、酩探偵・紅門福助が、アクロバティックな論理で次々と解決に導いていく。
読めば映画製作の裏事情がすべて分かる、かもしれない?!
軽妙なユーモアで描く連作ミステリー。(新潮社より)


<私立探偵が映画を観ちゃいけない?>

私立探偵・紅門福助シリーズです。

全て映画にまつわる短編集。
霞さんは作家として独立するまで、20年間映画会社に勤務していたそうで、映画の裏側やスタッフの悲哀がコミカルに描かれています。
薀蓄が控えめなのが好印象かな。

今回も霞さんらしい発想に笑い、驚かされました。
お気に入りは、被害者はどうやって倉庫に入ったのか?という謎に迫る「モンタージュ」。
鮮やかなトリックにため息が出ました。
そして、紅門の推理により犯人がアッサリ罪を認めて終了というパターンが多い中、「霧の巨塔」は良い話で好みでした。

霞トリック、ぜひ映像化してほしいなぁ。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
表題作の「死写室」では、トリック云々よりも、白いハンカチに映画を写して踏みつけるという行為にインパクトがあったなぁ。
でも、ドアに隠れるってどうなの。

深泥丘奇談/綾辻行人 ★★★☆☆

体調に不安を覚えて検査入院した語り手の奇怪な目撃談「顔」、散策の途中で遭遇したローカル線の妖しい記憶をめぐる「丘の向こう」・・・。京都を舞台に、せめぎあう日常と超常、くりかえす怪異と忘却を描く怪談絵巻。

<ひょっとして幽霊とか、
        信じるほうなんですかぁ>


怖くもなければ、気持ち悪くもない、不思議な怪談(?)でした。
あとがきで、語り手の「私」の設定は自分自身に似ているとありましたが、では「奥さん」もやっぱり・・・?
「悪霊憑き」は既読。
単品だと違和感なかったのですが、シリーズとして読むとこれだけ妙にミステリしているので、浮いてます。
唯一、「開けるな」のオチには驚きました。逆転の発想だ。
連作形式ということで、ラストはサプライズを期待した分、盛大に肩すかし。
最初はなかなか世界観を掴めず、たいしたオチのない作品にモヤモヤしていましたが、全て読み終わった後、不思議に囚われた気分になりました。
この物語世界、気になるかも。

三幕の殺意/中町信 ★★★☆☆

昭和40年、東京オリンピックが開催された翌年の12月初旬のこと。尾瀬沼の湖畔にある朝日小屋の離れで、そこに住む男・日田原聖太が何者かの手で殺された。朝日小屋にはその晩、被害者に恨みを持つ男女が何人か泊まっていた。誰もが犯行は可能、と思われて、しかし犯人絞り込みの決め手はない。容疑者の一人に数えられると同時に神奈川県警のベテラン刑事、津村武彦によるアリバイ崩しが始まる。

<殺人事件とは、不愉快なものです>

『模倣~』や『天啓~』に比べると、全体的に地味な印象ですが、今回も端正な文章に好感が持てます。
残念ながら、アリバイトリック云々はあまりピンときませんでした。
見取り図まではいらなかったような。
中編を気が進まないまま長編化したということで、少し冗長に感じたかな。
ラスト3行ではニヤリ。なるほどなぁ。

午前零時/鈴木光司・他 ★★★☆☆

今夜、運命は変わる、変えられる。
鈴木光司、坂東眞砂子、朱川湊人、恩田陸、貫井徳郎、高野和明、岩井志麻子、近藤史恵、馳星周、浅暮三文、桜庭一樹、仁木英之、石田衣良。
豪華執筆陣が、イタズラな世界の24時×13夜を描いた掌編小説集。(帯より)


<時計の針は、午前零時ちょうどを指していた>

桜庭さん目当てだったのですが、結構知っている作家の作品も収録されていました。
でも、読後の満足度は低かったです。
ホラーやSF、恋愛モノなど、ジャンルはバラバラなのですが、どれも「面白い!」と感じる決め手が見つからないのですよね・・・。

高野和明さんの『ゼロ』は、オチまで全て予想通りで物足りない。
近藤史恵さんの『箱の部屋』は、テンポが良く読後感が良かった。
馳星周さんの『午前零時のサラ』は、意外にも切ない動物モノで、後で電子書籍の画像を確認して、涙ぐんでしまった。
桜庭一樹さんの『1、2、3、悠久!』は、大胆な設定でオチも決まっているけれど印象に残らない。
石田衣良さんの『真夜中の一秒後』では、以前訪れたことがある道教寺院「黄大仙廟」が出てきて、ひたすら懐かしかった。

既読だったけれど、やっぱり恩田さんの『卒業』が一番パンチが効いてたなぁ。

犯罪ホロスコープ 1/法月綸太郎 ★★★☆☆

売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。そのマンションには、虻原もかつて所属していた劇団の主宰者が住んでいた。最近、二人には感情のもつれがあったらしい。虻原は、寄稿した雑誌の最終回のコラムに不可解な俳句を二首、残していた。さらに「六人の女王にたずねるがいい」という謎のメッセージが。俳句に隠された謎とは?(六人の女王の問題)星座にまつわる六つの謎を解き明かす、まさに端正な本格推理!

<そんな語呂合わせはナンセンスだ>

短編では勿体ないと思うほど、全ての事件が魅力的でした。
(無理やり星座に関連付けてる印象もありますが・・・。)
6編中、「ゼウスの息子たち」と「ヒュドラ第十の首」を既読。
やっぱり、その2つが読み応えがありました。

それぞれのテーマとなるギリシャ神話の記述も興味深く、「著者のことば」にあるように、「気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさい何も残さない」作品として読むと、結構楽しめます。
続編が待ち遠しいです。

猫と針/恩田陸 ★★★☆☆


友人の葬式の帰り、久々に学生時代の仲間が集まった。噂によれば、仲間たちはみな、何らかの個人的事情を抱えているらしい。一見なごやかな宴だが、それぞれが諸事情で少しずつ席を外す間、残った人間は様々に憶測を巡らし、不在の人物について語り合う。やがて漂う不穏な空気・・・。噂はどこまで本当なのか?
そして、この集まりの本当の意図とは?(帯より)


<人は、その場にいない人の話をする>

『猫と針』は、2007年に「演劇集団キャラメルボックス」のために書き下ろした、初の戯曲とのこと。
本書は、その台本を基に単行本化したものなので、ほぼ登場人物の会話だけで物語が進みます。

少人数の密室劇という恩田作品でよく見られるテーマで、『中庭の出来事』と『木洩れ日に泳ぐ魚』を足したような雰囲気。
テンポが良く、読んでいる間は面白いのだけれど、少々インパクトに欠けるかな。
とても短いし、小説としては物足りないというのが正直な感想です。
でも、5人の登場人物がそれぞれ抱えている事情や状況が次々と明らかになる様子はスリリングで、芝居では見応えがありそう。

恩田作品は、そのままでも舞台化できそうなイメージがあったのですが、あとがきに、小説と戯曲は全く違い、とても苦労したと書いてあって、意外でした。
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 2005年8月~

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