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賢者の贈り物/石持浅海 ★★★☆☆

古今東西の古典・名作が、現代に蘇る・・・。
フイルム・カメラから、デジタル・カメラに切り替えた私に、妻がプレゼントしてくれたのは「カメラのフイルム」だった!?私がフイルム・カメラを使用していないことは、妻も知っているはずなのになぜ? (表題作・賢者の贈り物)
本格推理の新旗手が、軽妙、洒脱に古典・名作に新たな息吹を吹き込んだ意欲作10篇を収録する。


<僕は頭を抱えた。面倒くさい>

名作をモチーフにした10篇。

シチュエーションが面白いと思っていたら、えらく気恥ずかしい結論に辿り着いてしまった『可食性手紙』
真相はもはや何だっていい『玉手箱』
一番気に入った結末だけれど、藤原さんの推理が酷すぎる『泡となって消える前に』

些細な謎と真相は、このくらいの短さで語られるのがちょうど良いです。
どれもザックリとしたロジック(妄想?)ですが、『Rのつく月~』よりも違和感がなく読むことができました。
色んなキャラクターの磯風さんを楽しむのもいいかも。

ホームズのいない町/蒼井上鷹 ★★★☆☆

そんじょそこらにホームズのように名推理ができる人はいません。登場人物が不完全な推測をし合い、勝手に誤解をして、いつもおかしな展開に。妻とのロマンスのために庭を掘ってほしくない男と、庭のお金を掘り返したい男の思惑が交錯する「第二の空き地の冒険」など短編七編と、関連する掌編が六編入った、傑作ミステリー集。

<こんなねじれた連鎖があるだろうか>

「六本のナポレオン?」「第二の空き地の冒険」は、シリーズ化して欲しいくらい、キャラクターがとても愉快でした。
どの短編もあまりパッとしない結末なのですが、許せる雰囲気なんですよね。
でも、メインとなる謎の真相は、盛大に期待外れでした・・・。

連作形式は大好きですが、本当にただ繋がっているだけというリンクが多くて物足りなかったかも。
あってもなくてもストーリーに影響のないリンクなんて、あまり興味ないなぁ。

ミステリとしては『九杯目には早すぎる』の方が上で、リンクを考えると『二枚舌は極楽へ行く』の方が好み。
でも、物語としては、この作品が一番楽しめました。

壁抜け男の謎/有栖川有栖 ★★★☆☆

縦横無尽に張り巡らされた罠、目眩くアリス・ワールドのカオス!
犯人当て小説から近未来小説、敬愛する作家へのオマージュ、本格パズラー、そして官能的な物語まで、全16作品を収録。


<小説が書けない苦しみって、
      窒息する感じなんです>


前半のミステリ作品は楽しめたけれど、後半の雰囲気はあまり好みではなかったなぁ。
作家へのオマージュも最初は面白がっていたけれど、だんだんしつこく感じてしまいました。

「ガラスの檻の殺人」のみ既読。
あとは、テーマが面白いなぁ~くらいしか、特に印象に残っていません。
「恋人」はもう生理的にダメ。
「彼方にて」のような抽象的な話も苦手でした。

山魔の如き嗤うもの/三津田信三 ★★★★☆

忌み山で人目を避けるように暮らしていた一家が忽然と消えた。「しろじぞうさま、のーぼる」
一人目の犠牲者が出た。
「くろじぞうさま、さーぐる」
二人目の犠牲者・・・。
村に残る「六地蔵様」の見立て殺人なのか、ならばどうして・・・。「あかじぞうさま、こーもる」
そして・・・。(帯より)


<嗤われたら、どうなるの?>

前作とまではいきませんが、こちらもとても面白かったです。
いつものことですが、山や家の位置関係や犯人の行動が想像し難くて困りました。
どうして見取り図が無いのか・・・。本当に不思議。

ホラー部分はこれまでで一番恐怖でした。
そして、各章の締めもドラマチックで好みです。
文章も前作より更に読みやすく、ストーリー展開も速いのに、吸引力はさほど感じませんでした。
謎が多すぎてすっかり混乱してしまったのですよね。
それだけ伏線が多いということで、後の回収の丁寧さには驚かされるのですが・・・。
前作に比べて、推理する楽しみが無かったのが残念。

終盤の、あの大量の謎が解けていく爽快さは堪りません。
真相が明らかになった瞬間、鳥肌が立ちました。
うわ~、なるほどなぁ~!!納得納得!と、しばらく興奮状態が続くことに。
でも、このシリーズのどんでん返しは巧いとは思いますが、衝撃度は少ないのですよね。
特に今回は騙されませんでした。

あと、誤植の酷さに閉口。
「主な登場人物」では力枚が力平になってるし(気持ちは分かるけど)、「童歌」の説明なんてもう無茶苦茶(第1刷にて)。
こういうの困るわぁ。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
立春の色白が強調されていたので、本当は女の子(陽子)なんじゃ・・・と思ってたけど、まさか、立一家族=立治家族だったなんて!
いずれ身元は判明するのに、顔を焼いたり服を剥ぎ取った理由もなるほど~と納得。

でも、犯人についてのどんでん返しに、あまり爽快感はなかったなぁ。
将夫犯人説での「力枚の殺害理由」は、さすがに無いだろうと思ったし。
郷木高志が一人二役を演じているのが想像できたので、きっと靖美が重要な役割をしてるんだろうなぁと想像できたし。
靖美の「漬物嫌い」という伏線が、最後まで活かされるとは意外だったけれど。

すっかり騙されたのは、太平一座=立一家族説。
嫁入りの祝いに参加したことで、もしやあの家に住んでいたのは太平一座なのではと予想。
その後、太平一座の構成が明らかになったことで、確信したんだけどなぁ。

奇談蒐集家/太田忠司 ★★★☆☆

【求む奇談!】新聞の片隅に載った募集広告を目にして、「strawberry hill」を訪れた老若男女が披露する不思議な体験談・・・。鏡の世界に住まう美しい姫君、パリの街角で出会った若き魔術師、邪眼の少年と猫とともに、夜の町を巡る冒険・・・。謎と不思議に満ちた奇談に、蒐集家は無邪気に喜ぶが、傍で耳を傾ける美貌の助手が口を開くや、奇談は一転、種も仕掛けもある事件へと姿を変えてしまう。

<そう、摩訶不思議な物語だよ>

太田作品は『僕の殺人』『ミステリなふたり』『黄金蝶ひとり』を既読。

最終話が唯一、ゾッとしました。
この構成は良い!
そこに至るまでの奇談と真相があまりパッとしなくて、印象に残らなかったのが残念。
とっても好みの設定なんだけどなぁ。

腕貫探偵、残業中/西澤保彦 ★★★★☆


立て篭もり?偽装殺人?詐欺?轢き逃げ?など奇怪に思える事件も人間関係を解きほぐしていくと、意外にも・・・。日常の暗部に恐ろしい罠が待ち受けてるのが人生だって!?あっけらかんと他人の秘密に迫る、嫌味なまでに冷静沈着な腕貫男は、神出鬼没で杓子定規な市民サーヴィス課苦情係。西澤ワールド炸裂の傑作ミステリー。

<個人的なお悩みもお気軽にどうぞ>

今回はタイトルの「残業中」の通り、市役所の業務終了後、腕貫探偵がプライベートで推理しまくるという設定です。
プライベートなので、腕貫はしていないだろうから、もはや「腕貫探偵」ではないと思うんだけど・・・。
推理時にシャキーンと腕貫を装着するとかだと納得できるんだけど・・・まぁいいか。
各話に登場するユリエと真緒のコンビが楽しい。
ユリエと腕貫探偵の共通の趣味が「美味しいモノを食べること」なので、美味しそうな料理がこれでもかと登場。
そこも見所となっています。

洋食屋で起こった立て篭もり事件の真相とは?「体験の後」
写真に写った車の状況は、ある殺人事件の証言と食い違っていた・・・。「雪のなかの、ひとりとふたり」
偶然発見した、憧れの少女との約20年前のツーショット写真。でもその記憶が全くないのはなぜ?「夢の通い路」
元教師の女性の死後、自ら通帳から5千万円を引き出していたことが発覚。その理由とは?「青い空が落ちる」
家が隣り同士の中学生の男女は、毎晩、窓を開けて会話をしていた。その後、殺人事件が起きて・・・。「流血ロミオ」
恋人の殺害計画が意外な展開へ。「人生、いろいろ。」

「青い空が落ちる」が一番好みかな。
女性の心情が伝わってくるので真相にも説得力があり、物語としても綺麗だった。
「体験の後」「流血ロミオ」は、事件も謎もとても面白かったのに、真相部分が粗くて残念。
「人生、いろいろ。」のオチはとても楽しかった。後味良し。

相変わらず、腕貫探偵の推理はほぼ妄想で強引なモノが多いけれど、何となくスッキリするから不思議。
このシリーズ、好きだなぁ。

ヒトコト(真相に触れています)

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「体験の後」犯人グループにオーナーの前の奥さんと息子がいるのは不自然では?
バックグラウンドが貧弱すぎて、みんなが志乃さんのために一肌脱ぐことの説得力が感じられなかったなぁ。
「雪のなかの、ひとりとふたり」A子さん、監禁から脱出できたなら、自宅より先に警察に行くでしょう。本能的に。
「流血ロミオ」車好きの中学生という伏線には気付かなかったなぁ。
でも、叔父さんの行動は理解不能。

君の望む死に方/石持浅海 ★★★☆☆

臓ガンで余命6ヶ月。死を告知されたソル電機の創業社長日向は社員の梶間に自分を殺させる最期を選ぶ。彼には自分を殺す動機がある。殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で。幹部候補を対象にした保養所での“お見合い研修”に梶間以下、4人の若手社員を招集。日向の思惑通り舞台と仕掛けは調った。あとは梶間が動いてくれるのを待つだけだった。だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が「計画」に微妙な齟齬をきたしはじめた。

<これは、ある意味親心だ>

『扉は閉ざされたまま』の続編で、今回も名探偵役は碓氷優佳。
どちらかというと、『扉の~』の方が好きかもしれません。
前作では緊張感たっぷりの心理戦が楽しめたけれど、今回は退屈でした。
設定はとても面白いのに、動機は単純だし、社長と梶間の想いはしっかり通じ合っているし、2人とも冷静だし・・・。
中盤、社長の計画が狂い始めてからは面白くなったけれど、優佳への嫌悪感は増す一方。
梶間と女子社員をくっつけようとする様子にイラッとしたり。
もっと気の利いた方法があるだろうに・・・露骨なんですよね。

気持ち悪い雰囲気は漂っていたけれど、そこまでのパンチ力はないかな~と油断してたら、終盤で社長のとんでもない思惑を知ることに。
ひゃ~これは強烈だ~。

うーん・・・。きっと、ロジックだけに注目すれば楽しめるのでしょうね。
お見合い研修といい、部屋の配置といい、変な会社だな~とか。
梶間の復讐心にあまり説得力ないな~とか。
相変わらず、優佳の推理力、すごーい。←棒読み。
ええと、優佳は宇宙人ではないんだよね?とか、考えちゃいけないんだろうなぁ。

ラストは好みでした。スッキリしないけれど。

ヒトコト(真相に触れています)

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梶間が社長に突きつけようとしていた紙片が気になっていたので、中身がチケットだと知り、な~んだ~と肩透し。
椅子動かしたのも花瓶に花を活けたのも優佳だということは(読者には)丸バレな訳だし、唯一サプライズが期待できる謎だったのになぁ。
でも、優佳の姉の子供の存在が、凶器を見つける伏線になっていたのは自然で巧いと思った。
読んでいるうちにプロローグを忘れてしまい、てっきり、優佳が犯罪を防いでハッピーエンドになるんだと思い込んでいたので、このラストはとっても満足。
結局、優佳が何をしたかったのかは不明なのですが。
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 2005年8月~

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