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ガーディアン/石持浅海 ★★★☆☆

幼時に父を亡くしてから、勅使河原冴はずっと不思議な力に護られてきた。彼女が「ガーディアン」と名づけたその力は、彼女の危険を回避するためだけに発動する。突発的な事故ならバリアーとして。悪意をもった攻撃には、より激しく。では、彼女に殺意をもった相手は?ガーディアンに、殺されるのだろうか。特別な能力は、様々な思惑と、予想もしない事件を呼び寄せる。石持浅海流奇想ミステリー、開幕。(本書あらすじより)

<ほら、指切りしよう・・・>

2つの中篇のミステリ・・・というより、サスペンスですね。

誰もがガーディアンの存在をあっさり認めるのが不自然だし、動機には全く説得力がないのですが、まだ1話目は人間ドラマとして普通に楽しめたかな。
2話目のストーリーは強烈に変です。完全に血迷ってます。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
ガーディアン・父からガーディアン・祖父になるまでの間に、一体何があったのか?
孫の目の前であんな凄まじい殺し方を繰り返すのってどうよ、じいじ。
円の両親も「ガーディアンが憑いてることで、傲慢になったり他人を見下したりするような人間にだけはしたくない」と思って円を育てた、とあるけど、絶対失敗だよなぁ。
明らかに人間として大切な何かが欠けてるぞ、円。

あと、いくら何でも、最近知り合ったばかりの社会人女性のあだ名で「まゆまゆ」はナイ。
男も女も雰囲気を選ばず「まゆまゆまゆまゆ」・・・イラッ。

おそろし/宮部みゆき ★★★☆☆

ある事件を境に心を閉ざした17歳のおちかは、神田三島町の叔父夫婦に預けられた。
おちかを案じた叔父は、人々から「変わり百物語」を聞くよう言い付ける。
不思議な話は心を溶かし、やがて事件も明らかになっていく。(amazonより)


<どんなにか謝りたかったの>

話を聞くだけではなく、時には自らが語り手となりながら、おちかが忌まわしい記憶と向き合う姿はとても健気で応援したくなりました。
でも、帯の「百物語」はちょっと大げさなような気が。
てっきり、客がわんさか訪れるのかと思ってた。

第一話はともかく、第二話から「黒白の間」での打ち明け話が一層怖くなります。
大筋はよくある怪談話(おちかのは別)なのですが、やっぱり宮部さんは巧いのですよね。
人物描写が見事なだけに、全く救いのないオチにゾッとします。

そう。第四話までは間違いなく面白かったのですが・・・。
最終話では、思わず「何じゃそりゃ」と声に出してしまいました。
こんな無理やり纏められても不自然だってば。
すっごく微妙な読後感。何だか悔しい。

ひかりの剣/海堂尊 ★★★☆☆


バブル景気真っ盛りの1988年。
東城大医学部剣道部の猛虎、速水晃一。
帝華大医学部剣道部の伏龍、清川吾郎。
剣の才能を持つふたりの男が、全存在をかけて戦う。
そしてその戦いの陰には、帝華大から東城大佐伯外科に招聘された阿修羅、高階顧問の姿があった。
医療ミステリーの旗手が放つ、初の青春小説。(帯より)


<森羅万象をぶった斬れ>

帯を見てびっくり。
最近はどんどんミステリから離れてましたが、今回は完全に「青春小説」ですよ。

『ジェネラル・ルージュ』の速水と、『ジーン・ワルツ』の清川(←ド忘れしてた)が主人公です。
チャラチャラ清川のインパクトが強くて、速水の個性が消されてたのが残念。

『ブラックぺアン』とリンクしています。
速水の大学時代なので、島津と田口センセにも会えます。あと世良くんも。
チラとしか登場しないけど、やっぱり田口センセ好き。癒し系。
また『バチスタ』を再読したくなったなぁ。
若かりし高階病院長も剣道部顧問として登場。
陰で腹黒タヌキと囁かれています。私もだんだん苦手になってきたかも。

医療関係は少しだけで、後はほとんど剣道のシーンです。
最初は興味深く読んでいたけれど、終盤には飽き気味に。
途中で漫画っぽい展開になっちゃうし・・・。
(厳しい修行から帰ってきた清川の登場シーンには吹いた。)
結局、速水と清川のどちらに肩入れして読めばいいのか分らなくなったのもあります。

オーソドックスな青春小説ですがなかなか楽しめました。
西瓜とメロンの対決が印象的です。

きのうの世界/恩田陸 ★★★★☆


失踪した男は遠く離れた場所で死体となって発見された。
塔と水路の町にある「水無月橋」。
霜の降りるような寒い朝、事件が起こる。
バス停に捨てられていた地図に残された赤い矢印は・・・?
恩田陸待望の新刊。(amazonより)



<それは、なぜかひどく不吉なイメージに思えた>

久しぶりの恩田さんの長編です。
帯に「誰も予想できない結末が待っている!!」とありますが、本っ当~に予想外でした。
恩田作品でこういう真相って珍しいんじゃないかなぁ。多分。

新聞に連載されていたということで、各章はとても短いです。
全ての章に「~の事件」というタイトルが付いてますが、事件というより「謎」ですね。

1年前に失踪したまま、遠く離れた町で死んだ男にまつわる謎。
彼は何の目的でこの町に来たのか?
生前の不可解な言動は一体?

住民の回想や証言で男の人柄や行動が明らかになり、短いけれど意外な展開でグイグイ読ませます。
独特の二人称が苦手で、事件を調査する「あなた」の正体が判明するまでは読みにくかったなぁ。
お気に入りは「溺れかけた猫の事件」「川沿いに建つ洋館の事件」

「仕掛け」には本当に驚いたし、そのシーンが目に浮かぶようで圧倒されました。
再読すると腑に落ちない点が続々と出てきますが、細かいことを考えなければなかなか満足度の高い作品だと思います。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
特殊能力や不思議な現象が出てくるので、真相もSF風(塔が凶器とか?)なのかなと思っていたのだけど、町が水に浮いているというまさかの物理トリック(?)にびっくり!
その橋だけが木製だったり、塔の役割が「水抜き」で、その場所に誰も住まないようにするためだったのも巧いなぁ。
でも、なぜ住民に秘密にしないといけないのか、その危険性にはピンとこなかった。
共同体がどーのこーのって。
「水に浮く町」とかって有名になりそうなのに・・・。ポジティブすぎる?

第18、19章は、別に修平の考えた物語ではないよね?
(第17章の終わりで「さぁ、修平。考えるんだ」ってあるからさ。)
それを前提に疑問点をメモしておこう。

・ずっと気になっていたんだけど、吾郎がコンビニで買った封筒と筆ペンの意味は?ナシ?
・結局、吾郎の会社が葬儀を仕切ったのはなぜ?
・例の道に落ちてた地図について、中学生が書いたものだったら、華代以外の指紋が見つからなかったのはなぜ?
・犬が偶然地図を咥えて運んだのなら、予行演習だとされた双子の家のハンカチの意味は?
・駅員が見た新村家の女の子が持っていたピンクの鞠は、どうやって先生の手に渡ったの?
・ステンドグラスの天の川の意味は?
・塔に結んだ赤い糸は?

とにかく、吾郎は町の秘密を知った上で移住したんだよね?
「カマをかけた」ってあるけど、喫茶店の鏡を見て驚愕したのも演技ってこと?
そういった様子にいちいち期待させられたので、色々とガックリなんだけど・・・。
最初は記憶力が抜群という設定だけだった吾郎が、後半に向けてどんどん進化していくのも不自然だったなぁ。
何だか、最初は「殺人」のつもりだったけれど、連載が進むにつれ、「事故死」に変更した結果、辻褄が合わなくなっちゃったみたいな。
栄子の死や吾郎の弟の存在も必要性があったのか微妙。

モザイク事件帳/小林泰三 ★★★☆☆

犯人当て、安楽椅子探偵、日常の謎、バカミス・・・ミステリでお馴染みの7つの「お題」を解くのは、マッドサイエンティストに記憶障害の探偵、超天才殺人者!
一筋縄ではいかない狂った事件、犯人、探偵を巧緻な論理で寄せ木細工(モザイク)のように組み上げた、叙述トリックの名手としても知られる鬼才の真骨頂。
精密な論理が、そこはかとない黒い笑いを構築する待望のミステリ連作集。(本書あらすじより)


<わしは岡崎徳三郎だ。徳さんと呼んでくれ>

倒叙モノや安楽椅子探偵、SFなど、色々と奇妙なミステリが味わえる短編集。
「大きな森の小さな密室」のみ既読だったのですが、『密室・殺人』よりも先だったので、徳さんがあの徳さんだったとは驚きました。
他にも、まさかあの人が・・・というキャラが探偵役になってたりして面白いです。
谷丸警部や西中島巡査の登場も嬉しいなぁ。

「更新世の殺人」のバカミスっぷりは好み。シュール。
「正直者の逆説」の「わたし」と先生との会話が愉快だけれど、結局何の意味もないやりとりだと判明して脱力・・・。
印象に残ったのは「遺体の代弁者」「路上に放置されたパン屑の研究」かな。

未読の作品の登場人物に関してはやっぱりモヤモヤが残りますね。
とりあえず『家に棲むもの』は読んでみよう。

夢は枯れ野をかけめぐる/西澤保彦 ★★★★☆


勤務先を早期退職し、ひとり静かに暮らす中年男・羽村祐太。だが、彼のもとになぜか、数々の不思議な事件の相談が持ち込まれ・・・。ミステリ界の雄! 西澤保彦ワールド全開!! (amazonより)

<あなたにも見据えて欲しいのよ、この現実を>

「高齢者の介護問題」を中心とした6つの短編集です。
ミステリではない・・・かな。

主人公・羽村は穏やかなキャラだし、のほほんとした雰囲気なので日常の謎系かと軽く読み始めたら、非常に重いテーマに打ちのめされてしまいました。
作中で浮き彫りにされる状況は決して目新しいものではありません。
でも、自分も決して他人事ではないという意識があるので、どっぷり感情移入してしまい、改めて考えさせられました。
主婦や娘の心理描写が抜群に巧いのですよね。

最終章ではあんまりな展開に涙がこぼれそうに。
もの悲しくもささやかな救いが感じられたラストでした。

絡新婦の理/京極夏彦 ★★★★☆


理に巣喰うは最強の敵・・・。京極堂、桜の森に佇つ。
当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな・・・2つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。
房総の富豪、織作家創設の女学校に拠る美貌の堕天使と、血塗られた鑿をふるう目潰し魔。連続殺人は八方に張り巡らせた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。中心に陣取るのは誰か?シリーズ第5弾。


<貴方はそうして世界を勝ち取るの?>

これは良い!
今回も800ページの分厚さだけれど、女学生のパートがとても読みやすく、リーダビリティの高さは『魍魎の匣』レベル。
お寺や宗教も絡んでこないため、薀蓄も少なめなのですよね。
そして、しつこいほど意表を突く展開は驚きの連続でした。

「狂気」がベースとなっているので少し疲れますが、なぜか女性にモテる木場修や、榎さんの大立ち回りなど、見所も満載。
作中でツッコまれている通り、見事な「ご都合主義」の真相なんだけれど、そんなことはどうでも良いのです。
めちゃめちゃ面白かったのです。

ラスト一行にため息。美しい!

ヒトコト(真相に触れています)

以下、真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
冒頭から京極堂の憑き物落としが始まるので、相手の女性が真佐子か茜か・・・と予想してたのですよね。
終盤で、あれ?五百子刀自かい!と驚いた後、やっぱり茜だったと。
こんなに緻密な計画を立てれるなんて、どれだけ頭が良いのか。

耕作が葵を殺害したのにはびっくりしたなぁ。
(でも、ダンスはちょっと・・・。)
白粉アレルギーも、まさかそんな真相だとは・・・。

再読すると、中盤まで各章の終わりに挟まれていた会話の男女が誰なのか判明して、スッキリした。
関口の出番がないなぁと思ってたら、冒頭は彼の視点だったのね。
美味しいトコロを持っていくなぁ。
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 2005年8月~

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