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グラウンド・ゼロ/保科昌彦 ★☆☆☆☆


新聞記者・岡谷章文は、ある雨の夜、道端に倒れていた男を見つけた。その男は、「とめろ。奴をとめろ」という謎の言葉を残して意識を失う。行きがかり上、救急車を呼んで病院まで付き添った岡谷だが、男は身元のわかるものを身につけていなかった。しかし警察の捜査の結果、この男は、近隣で起こった少年誘拐事件の容疑者らしいことが判明する。

<放っておけ。関わり合いになるな>

あらすじを読んで、面白そうだと思ったのに・・・。
いつ、急展開するのかワクワクしてたら、そのまま終わってしまいました。
すごい脱力感。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
だって、このサプライズ、金田一少年の時も分かっちゃったんだもん。
てっきり、冒頭のエピソードが何かの仕掛けかと思ったのになぁ。

モダンタイムス/伊坂幸太郎 ★★★☆☆

岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねえんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」
検索から、監視が始まる。


<人の自尊心をもてあそぶなよ>

冒頭から中盤まではどこへ転がるか分からないストーリーに夢中でしたが、そこから中だるみに突入。
読後の感想は、「長い!」でした。
伊坂さんの文体だと緊迫感が伝わらずに安心して読めてしまうのもマイナスかな。

会話やレトリックはやっぱり素敵ですが、珍しく登場人物に魅力は感じませんでした。
一番残念だったのは、(類似点が多いとされる)『ゴールデンスランバー』のような感動的な伏線が見当たらなかったこと。
う~ん、期待しちゃったかな~。

私はやっぱり書き下ろし作品が好きだなぁ。
物足りないです。

あぽやん/新野剛志 ★★★★☆

遠藤慶太は29歳。大航ツーリストの企画課から成田空港支所に「飛ばされて」きた。遠藤は「ぜったいあぽやんにはならないぞ、本社に返り咲くぞ」と心に誓うが・・・。再入国許可のない日系ブラジル人少女をめぐる駆け引き、絶対に出発しようとしない老婦人の秘密、予約が消えて旅立てない新婚夫婦をどうするか?空港で起こる旅券やチケットのトラブルを解決し、旅客を笑顔で送り出す「あぽやん」たちのカウンター越しの活躍を描く。

<あぽやんは、空港にいる>

短編集です。
アンソロジーで『ねずみと探偵』を読んで、気になっていたのですが、これは当たりでした。
後で知りましたが、直木賞候補だったのですね。

「あぽやん」とは、エアポート(略してAPO)で働く旅行会社のスタッフのこと。
昔はエキスパートへの賞賛とする呼び名だったけれど、今ではすっかり低い立場に位置付けられている。
不本意な異動にやる気が出ない遠藤が、数々のトラブルに巻き込まれながら、立派なあぽやんへと成長していくストーリー。

正直、ゾッとするようなトラブルが多いのですが、あぽやんたちの誇りと「お客様が第一」の姿勢にとても好感が持てました。
職場の人間関係も面白くて、いい感じにドラマチック。
読後は晴れ晴れとした気持ちになります。

生還者/保科昌彦 ★★★☆☆


奇跡の生還・・・それこそが、罪の証なのか。
20人以上の犠牲を出した土砂崩れから半年。
4日間も飲まず食わずで生き埋めにされながら、一命を取り留めた「奇跡の生還者」が、ひとり、またひとりと不審な死を遂げていく。
これは呪い? それとも・・・。
暗闇の手が背中をなでる。極上のサイコ・サスペンス!


<何をそんなに怯えてるんだ?>

初めての作家さん。
あらすじが面白そうだったので手に取りましたが、文章が合わないのか、終盤まで退屈でどうしようかと思いました。
面白そうな展開なのに、ことごとく肩透かしをくらっているような印象なんですよね。
サイコ・サスペンスにしては全く怖くないし・・・。
生還者たちが生き埋め状態の中で何らかの秘密を共有するのですが、この真相が一番ガッカリでした。

犯人もその動機にも全く説得力がありませんが、この仕掛けには見事に引っ掛かってしまいました。
何かあるなとは感じていましたが、全く予想外でかなりビックリ。
最後まで読んで良かった。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
プロローグが沢井の視点で、その後の生き埋め状態での文章は全て河辺の視点だったんだねぇ。
ぜんぜん思いつかなかったよ~。
彼女の名前を呼べないから代名詞で呼ぶ、ってのがかなり不自然だったので、「彼女」が別人なのか?時系列が違うのか?とかそっち方向を考えてたんだけどなぁ。
そりゃ周りの人も「彼女が死んだのはアンタのせいじゃない」って言うよね。
逆に、土砂崩れの旅館に彼女も一緒に来てれば、もしかして主人公のように命は助かったかもしれない、と考えると皮肉。

悪人/吉田修一 ★★★☆☆


幸せになりたかった。ただそれだけを願っていた。
保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。
彼と出会ったもう一人の女。
加害者と被害者、それぞれの家族たち。
群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。
なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか?


<私、本気で誰かと出会いたかったと>

分厚いのに一気読みでした。
登場人物は決して少なくないのに、それぞれの心理描写がとても丁寧なんですよね。
共感する部分も多くて読み応えは抜群でした。

人間ドラマは楽しみましたが、「誰が悪人なのか?」というテーマはサラッと流してしまいました。
佳乃がかなり嫌な女に描かれていることがフェアじゃないと感じたのですよね。
このテーマだったら、被害者にも加害者にも同情できるという構成の方が、より深く考えさせられたかも・・・って薬丸作品の影響?
あと、本書の前に強烈な作品を読んだばかりだったので、祐一と光代の純愛劇(?)については全くピンときませんでした。

重い作品の読後はいつも気持ちが沈むのですが、全体的に(最後のオチまで)どこかで読んだことのあるストーリーだったからか、意外と平気でした。

彼女がその名を知らない鳥たち/沼田まほかる ★★★★★

愛情を証明するためには、何を捧げればいいのだろうか?十和子は淋しさから、飲み会で出会ったうだつの上がらない中年男・陣治と関係を持ち、なんとなく一緒に暮らすようになる。ある日、陣治の部屋で、昔の男から贈られたピアスを発見する。何故ここに・・・。
十和子が選んだ驚くべき行動とは!壊れかけた女、人生をあきらめた男。ダメな大人が繰りひろげる100%ピュアな純愛サスペンス。(帯より)


<約束や、約束やでぇ、十和子ぉ>

これは、読み手を選ぶ作品だろうなぁ。

文章や表現力が見事で、臭ってきそうなほど生々しいです。
その中でも、うだつの上がらない中年男・陣治のキャラクターが秀逸。
前作も関西弁のおじさんが嫌な隣人として登場したけれど、陣治にはもっと生理的な嫌悪感を煽られます。
すぐに痰を吐くわ、クチャクチャ音を立てて食べるわ、不潔だわ卑屈だわ、他にもゲンナリする言動がたっぷり。
こんな同居人は嫌だという十和子の気持ちも分かるけれど、十和子の壊れっぷりも尋常ではないのです。
住居も生活費も陣治に頼っているくせに、彼のことが気に入らなくて暴言を吐きまくる。
そんな十和子に一生懸命尽くす陣治。
中盤からは陣治がどんどん気の毒に思えてきました。

十和子と昔の男の間に何があったのか?
真相は大体予想がつきます。
でも、それによって、奇妙に感じていた十和子と陣治の関係がストンと腑に落ちるのですよね。

ラストは壮絶。これこそが「純愛」。
最初は苦々しい気持ちで読んでいた数々のエピソードが胸を衝き、しばらく涙が止まりませんでした。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
ラストで陣治が飛び降りた時、感動と同時に「えっ!!十和子を置いていくの!?」という不自然さも残った。
でも、そうだよね。
一緒にいたら十和子は過去を忘れられなくて苦しんでしまう。
だから陣治はずっと思い出して欲しくなかったんだよね。
陣治の「楽しかったなぁ、十和子」という言葉が救いだと思った。

いっちばん/畠中恵 ★★☆☆☆

若だんなに元気がない?
それはいつものことだけど、身体じゃなくて気持ちが鬱いでるって?
こうなりゃ、誰が一番若だんなを喜ばせられるか、一つ勝負といこうじゃないか・・・。
一歩ずつ大人の階段を登り始めた若だんなと、頼りになりそうでどこかズレてる妖たちが大人気の「しゃばけ」シリーズ第7弾。(新潮社サイトより)


<私は、人質じゃあなかったっけ?>

あああああ~。
シリーズ7作目にして、とうとう飽きてしまった!
マンネリ気味だと思いながらも、あのキャラクター達と世界観は好きだったのだけど・・・。
今回は内容の無さが際立っていました。

これは、もう卒業だなぁ・・・。

誘拐児/翔田寛 ★★☆☆☆

昭和21年、帰らなかった誘拐児。 悲劇はそこから始まった・・・。
終戦翌年の誘拐事件。
身代金受け渡し場所、闇市。
非情と情愛を見つめる魂の物語。(帯より)


第54回江戸川乱歩賞受賞作。
さすがプロの作家さんだけあって、文章が安定していて読み易かったです。
でも、展開はモタモタ。

戦後間もない時代背景はとても興味深かったのですが、ミステリとしては雑というか・・・中途半端というか・・・。
刑事の書き分けもイマイチだし。
この内容なら、もっと短くてもいいような気がしました。
似たようなテーマでは『翳りゆく夏』がとても面白かったからなぁ。残念。

火村英生に捧げる犯罪/有栖川有栖 ★★★☆☆

京都で、30歳のエステティシャンが扼殺された。ほどなくして、大阪府警に「これは火村英生に捧げる犯罪だ」という文面の挑戦状が届く。一方、作家の有栖川有栖のもとには「先生に盗作されたと言っている人物がいる」との怪電話が・・・。気鋭の犯罪社会学者・火村英生と、ワトソン役の作家・有栖川有栖が登場する人気シリーズ。

<とっておきの探偵に きわめつけの謎を>

どれも意外にアッサリした真相なので、最終話で全てつながるという趣向なのかと深読みしてしまいました。
表題作は期待しすぎたかも。
これは長編でもっと話を広げて欲しかったなぁ。

さよなら渓谷/吉田修一 ★★★☆☆


どこまでも不幸になるためだけに、私たちは一緒にいなくちゃいけない・・・。きっかけは隣家で起こった幼児殺人事件だった。その偶然が、どこにでもいそうな若夫婦が抱えるとてつもない秘密を暴き出す。取材に訪れた記者が探り当てた、 15年前の"ある事件"。長い歳月を経て、"被害者"と"加害者"を結びつけた残酷すぎる真実とは・・・。(帯より)

<・・・私が決めることなのよね>

初めての作家さん。
描写がやけに生々しくて苦手でしたが、先が気になって一気読みでした。
少し想像していたストーリーと違ってたかも。
もっとミステリ色が強いのかと思っていたら、大した展開もなく・・・。
後半になると、あれ?そっちの方向に行っちゃうの?と拍子抜けしてしまいました。
でも、ラストは意外にも切なかったです。グッときた。

薬丸岳作品をもっと淡白にしたような印象。
『悪人』の方が評判が良いみたいなので、読んでみよう。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
結局、隣家で起こった幼児殺人事件は必要だったの?
あまり上手く絡んでないような気がするんだけど・・・。
かなこ=水谷夏美だってことは、俊介の過去の犯罪が明らかになった時点ですぐ分かったから、ミステリとしても不満が残るんだよなぁ。
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 2005年8月~

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