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バイバイ、ブラックバード/伊坂幸太郎 ★★★☆☆


太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。
1話が50人だけのために書かれた「ゆうびん小説」が、いまあなたのもとに。(帯より)


<美味しいパンになってね>

最近の伊坂作品と比べると楽しめました。
多額の借金のために<あのバス>に乗せられることが決まった男が、同時進行で付き合っていた5人の女性に別れを告げにいくストーリー。

借金や<あのバス>に関する詳細は省かれていて、男が別れを告げに行くついでに彼女の悩みなどを解決(?)していくという流れなのですが・・・。
何だか、ストーリーが「軽妙」というより「テキトー」に感じてしまい、それほどノレなかったかも。
心に残ったのは、第5話のみ。

繭美もねぇ。
最初は興味深く読んでいたのですが、ラーメン屋はともかく、ブランドショップでの振る舞いに、私の中での「憎めないキャラ」を突き抜けてしまいました。
それならそれで一貫してくれればいいのに、最終話は危惧した通りの展開でガッカリですよ。

最終話のラストシーンはとても格好よかった。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
人のカードでクリスマスプレゼントを購入しちゃう星野さんにドン引きしちゃった私としては、彼のどこに五股もかけられるほどの魅力があるのか、最後まで理解できなかった。
そして「115」=「カズヒコ」も、私には微妙すぎた。

「R指定のなまはげ」と「知能実験中のゴリラ」には笑った。
繭美も死神っぽいなぁと思っていたので、終盤で否定されてドキッとした。

最終話で繭美が急に軟化した点はガッカリだったけれど、もしも繭美の語った「それぞれの女性に助けてもらう」展開になっていたら、本を投げてしまったかも。
さすがに、伊坂さんはそんな茶番は避けてくれた。ホッとした。

ここに死体を捨てないでください!/東川篤哉 ★★★☆☆

「死んじゃった…あたしが殺したの」有坂香織は、妹の部屋で見知らぬ女性の死体に遭遇する。妹のかわりに、事件を隠蔽しようとする香織だが、死体があってはどうにもならない。どこかに捨てなきゃ。誰にも知られないようにこっそりと。考えあぐねて、窓から外を眺めた香織は、うってつけの人物をみつけたのであった…。烏賊川市周辺で、ふたたび起こる珍奇な事件!探偵は事件を解決できるのか?それとも、邪魔をするのか? (帯より)

<おまえは利き酒名人か!>

今回は解りやすいトリックだったので少し残念。
でも、やっぱり笑いどころが満載でした。
間の取り方やツッコミが絶妙なんですよね~。

もう少し妹を何とかできなかったのかな~などの不満も残りますが、ほんのりと切ないラストは良かったです。
あのままうやむやになるかと予想していたので、好感度大でした。
鉄男、漢だなぁ。

トリック・シアター/遠藤武文 ★☆☆☆☆

2010年3月21日未明に、奈良と東京で、女性と男性が殺害された。被疑者は被害女性の夫であり、被害男性の大学時代のサークルの先輩だった。同一人物による500km離れた場所での同時殺人。警察庁「裏店」のキャリア警視正・我孫子弘が捜査の指揮をとると、被疑者の大学時代の映画サークルの仲間4人がこれまで、3月21日に事故・もしくは自殺で死亡していたことが明らかになる。(帯より)

デビュー作より、明らかに文章が読みにくいです。
ドコドコに行ってナニナニに乗って、という描写がいちいち邪魔でした。

あらすじに興味が沸いて手に取ったのに、最初の数ページでそれらが淡々と説明されてしまう味気なさったらもう。
そして、前作といい、なんでこんな大したことのないトリックなのに、題名に「トリック」付けちゃうんだろう。
題名で損してるだけだとも思えませんが。

謎は好みですが、驚くくらい拍子抜けの真相です。
すべてにおいて、説得力が弱いと感じました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
前作であんなプリズンが書かれていたので、トリックに期待はしていなかったけれど・・・それでもガッカリ。
どちらも、そんな単純なトリックが使える施設自体に問題があるだけなんだよねぇ。

あと、戸田は別に要らない。
富樫の映画の詳しい内容も要らない。
(ここから面白くなるのでは?と期待してしまった。)

ラストの血飛沫は、有栖川さんの短編で見たことがあったので新鮮味ゼロ。
それどころか、その前のページの時点でうっすら透けていて、捲る前に笑ってしまった。
せっかくの演出だったのに。残念。

さよならのためだけに/我孫子武丸 ★★☆☆☆

ハネムーンから戻るなり、水元と月は“さよなら”を決めた。二人はまったくそりが合わなかったから。けれど…少子晩婚化に悩む先進諸国はグローバル国策会社、結婚仲介業のPM社を創りだしていた。その独創的相性判定で男女は結ばれ、結婚を維持しなければならない。しかもこの二人、判定は特Aで夫ときたらPM社員。強大な敵が繰りだす妨害に対し、ついに“別れるための共闘”が始まった。(本書あらすじより)

<ただ離婚しようとしただけなのに>

う~ん、これは別に読まなくても良かったかも。
ミステリじゃないからという理由ではないのですよ。
それどころか、私は我孫子さんのラブストーリー(人形シリーズの朝永さん&おむつちゃん)が好きだったので、少し期待してたのですよ。
でも、これはイマイチだったなぁ。

夫がPM社員だから離婚が難しいとか、別れを決めた夫婦のそれぞれの友達とのほのかな恋心など、途中までは面白く読めました。
ただ、オチがね。結局あのドタバタは何だったの?みたいな。
最後は、周囲を巻き込んで大騒ぎしといてはた迷惑なカップルだなぁ、という印象しか残りませんでした。
あと、こちらのシステムがOKなのに、あちらのシステムに拒否反応を起こすのはなぜ?など、SFの設定にモヤモヤしてしまいました。残念。

闇の喇叭/有栖川有栖 ★★★☆☆

平世21年の日本。第二次世界大戦後、ソ連の支配下におかれた北海道は日本から独立。北のスパイが日本で暗躍しているのは周知の事実。敵は外だけとはかぎらない。地方の独立を叫ぶ組織や、徴兵忌避をする者もいる。政府は国内外に監視の目を光らせ、警察は犯罪検挙率100%を目標に掲げる。探偵行為は禁じられ、探偵狩りも激しさを増した。すべてを禁じられ、存在意義を否定された探偵に何ができるのか。何をすべきなのか。

<空が静かというのは、平和ということだから>

<もう一つの日本>が舞台。北海道がエライことになってます。

設定が細部まで整っていて読み応えがあったので、もう少し動機やトリックと絡めてほしかったかな。
この設定ならではの真相、という点では弱いと感じました。

純の父親の最後のセリフがとても印象的でした。
私はかなり終盤まで「私立探偵行為が禁止の世界」という設定にあまり馴染めていなかったので少し後悔。
まさか、こんな結末だなんて。しばらく呆然としてしまいました。

プロムナード/道尾秀介 ★★★☆☆

作家になるまでの道程から、昔好きだった女の子との話まで…。一篇一篇に驚きが詰まった、新感覚のエッセイ54篇に加え、17歳のときに初めて描いた絵本『緑色のうさぎの話』。19歳のときに初めて文字で綴った戯曲『誰かが出て行く』も特別に収録。 (帯より)

<ミステリーとしてはナニナニの問題点があるが、
              物語としては面白い>


道尾さんの初エッセイ。
『月の恋人』のエピソードとかぶるネタがあるので、そちらを先に読んでおいてよかった~とホッとしました。
印象に残ったのは「先生」と呼び合うバーの話。
こんなバー、行ってみたい!

絵本「緑色のうさぎの話」は、味のある絵と急転するストーリーに呆然、戯曲「誰かが出て行く」は、以前インタビューでサラッと内容を紹介したときの方がゾッとしました。
そして「ジャンルと色眼鏡とリドル・ストーリー」では読者に対する「お願い」が書かれています。
私もよく「ミステリとしては・・・」という感想を書くので、この主張にはドキッとしました。
もちろん言いたいことも解ります。
でも、その哀しい気持ちをエッセイに綴っちゃうほどたくさんの読者が「色眼鏡をかけて」読んでいるとしたら、やっぱり方向性が微妙なんじゃないかなぁとか思ったりして。
一度、別名義で書いてみればいいのに。
いまさら「道尾秀介」の作品を先入観ナシで読むのはなかなか難しいぞ。

それにしても、「向日葵~」が出版されたとき、読者の批判の声に「読者の感想なんて二の次、自分の書きたいものを書く!(←だいたいこんな感じ)」のような強気のスタンスだった道尾さんが、「お願い」をするようになるとは・・・。
ちょっとショック。

10/27追記・テレビで筒井康隆さんがイイコト仰ってたのでメモしておこう。
「(現代文学において)作者がテーマを決めてはいけない。読者には誤読の自由がある。作家が自分の作品に対していろいろ言ったとしても、それはたくさんある批評の中の一つにすぎない」

あの日にかえりたい/乾ルカ ★★★☆☆


戦慄と感動の表題作ほか、いじめられっ子の家出少年と動物園の飼育員のひと夏の交流「真夜中の動物園」、地震に遭った少年が翌日体験した夢のような一日「翔る少年」、高校時代の仲間と15年ぶりの思わぬ再会を描く「へび玉」。落ち目のプロスキーヤーが人生最期の瞬間に見た幻「did not finish」、ハクモクレンの花の下で出会った老女の謎「夜、あるく」。(amazonより)

<でも、痛いなら夢じゃないのよね?>

奇妙な物語ばかりの短編集。
それほど情感溢れる文章でもなく、あっさりした読後感の作品が多いですが、「翔る少年」にはやられました。
切なくて切なくて、途中で涙がぽたぽた落ちました。

本格ミステリ10/本格ミステリ作家クラブ・編 ★★☆☆☆

『サソリの紅い心臓』法月綸太郎
『札幌ジンギスカンの謎』山田正紀
『佳也子の屋根に雪ふりつむ』大山誠一郎
『我が家の序列』黒田研二
『<せうえうか>の秘密』乾くるみ
『凍れるルーシー』梓崎優
『星風よ、淀みに吹け』小川一水
『イタリア国旗の食卓』谷原秋桜子


大山さん乾さん梓崎さんの3作品が既読。
それ以外では、くろけんさんの『我が家の序列』が唯一の収穫でした。
真相はすぐに解ったけれど、タイトルを受けとめるラストにじ~ん。
最近のくろけんさんの短編、調子いいなぁ。

光待つ場所へ/辻村深月 ★★★☆☆

「しあわせのこみち」
T大学文学部二年生、清水あやめ。「感性」を武器に絵を描いてきたという自負がある。しかし、授業で男子学生・田辺が作った美しい映像作品を見て、生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わい……。
「チハラトーコの物語」(「『嘘』という美学」を改題)
美人でスタイル抜群、ガチに博識でオタク。チハラトーコは、言葉に嘘を交ぜて自らを飾る「嘘のプロ」。恩師、モデル仲間、強気な脚本家との出会いが彼女にもたらすものとは?
「樹氷の街」
中学校最後の合唱コンクール。指揮を振る天木だったが、本番一ヶ月前になっても伴奏のピアノは途中で止まり、歌声もバラバラ。同級生の松永郁也が天才的なピアノの腕を持つことを知った彼は……。(amazon内容説明より)

<光はきちんと届いただろうか>

とっても評判が良いし、『凍りのくじら』が好きな人は大満足だと思います。
正直、私にはあまり印象に残らない短編集でした。
どこまでも上から目線の登場人物についていけず、最後までやや空虚なキモチで読み進めてしまいました。
ほんと、辻村作品ってこういうキャラクター、多いわ~。
描写が巧いから余計にウンザリしてしまうのですよね。
その苦手意識が薄らぐほどの感動的なサプライズも、今回はナシ。
スピンオフなのにほとんど登場人物を忘れているのもダメなのかしら。

月の恋人/道尾秀介 ★★☆☆☆

冷徹にビジネスを成功させる青年社長・葉月蓮介が、夜の上海で巡り合った女。ありえない二人の物語は、美貌の中国人モデルや、部下の社員らを巻き込み予測不能の展開に…。旬のエンターテインメント作家がフジテレビ月9ドラマのために書下ろした、話題沸騰の恋愛劇。(amazon内容より)

<―そう、お前は幸せになる。絶対にな>

う~ん。これは残念。
ドラマ用に書き上げた作品なので仕方がないとはいえ、チープな展開の連続に苦笑しまくりでした。

シュウメイが絶世の美女というのはいいとして、その他のキャラの容姿についてまったく触れられないので、少しイメージしにくかったです。(ドラマを観ていないからかも?)
特に弥生なんてそこそこ綺麗でなきゃモテる訳がない、と言い切れるほど他に魅力を感じることができませんでした。
一方、「おんちゃん」の店主はお気に入り。
巨大明太子おにぎりが食べたい。

あとがきの<何でも自由に書いていいと言われていたら、きっとまったく別のものが出来上がっていたはずです>という一文から、テレビ局側の制約にあまり納得していないのかなと感じました。
(制約しといて、原作とドラマの内容が大幅に異なっているのもどうなのか。)
次はぜひ、自由に書いてね。
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 2005年8月~

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