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ばらばら死体の夜/桜庭一樹 ★★☆☆☆


四十過ぎの翻訳家・吉野解は、かつて自分が下宿していた古本屋の二階で謎の美女、白井沙漠と出会う。
粗末な部屋で何度も体を重ねるが、沙漠が解に借金を申し込んだことから歯車が狂い始め・・・。


<わたしらしい場所は、
        いつまでもわたしを待っている>


気だるい空気が充満する中、「どっちもどっち」の男女が織り成すストーリー。
2人に芯が通ってないので、こちらも思い入れることができず。
結果、後に何も残りませんでした。

想像していたより平凡なキャラのせいか、里子の章は印象が薄いです。
どちらかといえば、由乃の気持ちがもっと知りたかったなぁ。
結局、佐藤のおじさんが一番善人なんですよね。
本を包む古い新聞の意味するところが、もの哀しくてスキ。

ジェノサイド/高野和明 ★★★★☆

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。創薬化学を専攻する大学院生・研人は、そのメールを手掛かりに私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、極秘の仕事を引き受けた。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴに潜入するが…。

<それも一種の、進化した人類だと言えるんじゃないか?>

理系も歴史も苦手なので、最初は物語に入り込むのに時間がかかりました。
全体の構図が見えてきてからは一気読み。
いくつものテーマが入り組んでいて、残酷な描写もたくさんあるのですが、史実と真摯に向き合いながらも、エンタメの威力を落とさない技術がお見事でした。
ストーリー展開が本当にドラマチックなんですよね。巧いわぁ。

古賀とイエーガーのストーリーは、唐突な場面転換に気持ちが付いていけないこともあったので、各章に分けて欲しかったです(2人がリンクするシーンにはゾクッとしましたが)。
あと、暗殺チームの4人の人物をもっと知りたかったかも。
ああ~でもいい緊張感でした。

夜の欧羅巴/井上雅彦 ★★★☆☆

宮島レイ、12歳。吸血鬼画家の母親・ミラルカとふたりで仲良く幸せに暮らしていた。ところが、ミラルカは彼の前から忽然と姿を消してしまい、3人の刑事が彼女の消息を尋ねにやってくる。なんと、国際的な陰謀に捲きこまれたかも知れない!レイに残されたのは、たった一冊の幻の画集。鍵を握るのは、不思議な少女。異国への旅に踏み切るレイを、追ってくるのは国際警察?それとも闇の異形たち?

<夜が、どんどん濃くなっていく>

多くの作家さんが手加減しながら書いている印象のミステリーランドですが、これは久しぶりに読み応えのある作品でした。
商店街とヨーロッパがつながっているという発想といい、細やかな伏線といい、子供のころに読んだら完全にツボな要素が満載で嬉しくなりました。
全体的にみると、放りっぱなしの謎や腑に落ちない点もあるのですが、細かいことがどうでもよくなるほどの迫力があるのです。
レイが次から次へと怪奇現象に巻き込まれていく様子は本当にワクワクさせられました。

ユリゴコロ/沼田まほかる ★★★★☆


亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!

<罪の意識なんて、はじめからないのですから>

「ユリゴコロ」の意味は途中で説明されますが、それにしても語呂がイイです。
手記を読んで「こういう真相だろうな~」と予想していたら、すぐに現在のストーリーでその可能性が推理されていたりして、単調にならないそのバランスが絶妙でした。
手記の殺伐さとは逆に、ドッグカフェの経営やいい味出してる従業員などホッとする要素もあります。
また、手記の内容を真剣に受け止めている兄と違って、まともに取り合おうとしない弟の言い分が自然なのもいいです。

ラストシーンは印象的ですが、余韻は何だか物足りないです。
手記が素晴らしかった反面、終盤のストーリーがいかにもご都合主義な展開でそれまでの吸引力が薄れてしまったのですよね。
サプライズも予想がついてしまいました。
もっとシンプルに締め括った方が感動したかもしれません。

屍の命題/門前典之 ★★★☆☆


究極の「嵐の山荘」――。ほんとうに誰もいなくなった!
とある湖畔の別荘に集められた6人は、やがて全員が死体となって発見された。なぜか死亡時刻も死因もバラバラだった。「犯人」は何を意図していたのか。究極の「雪の山荘」ミステリついに刊行。


<死だ。死の演出だよ>

前作でも感じたけれど、この作家さんとは相性が良くないのか、とてもストレスがたまる文章となかなか進まない展開に断念しそうになりました。
伏線の傍点にすらイライラしてしまう状態だったのですよ。
でも、我慢して良かった~!
事件の全体図も興味深いものでしたが、何といっても第一の事件の真相がとっても好みでした。
兜虫の真相だけもう少し・・・何とかしてもらえれば満足だったのですが。
(いや、普通ならアリなんですが、一つ目の真相が好みすぎて・・・。)
最初は掴み所がなくてモヤモヤした「プロローグ」も、読み返すといろいろと納得できるのです。いやぁ、我慢が報われたわ~。

箱庭図書館/乙一 ★★★☆☆


少年が小説家になった理由。コンビニ強盗との奇妙な共同作業。ふたりぼっちの文芸部員の青くてイタいやりとり。謎の鍵にあう鍵穴をさがす冒険。ふと迷いこんだ子どもたちだけの夜の王国。雪の上の靴跡からはじまる不思議な出会い。集英社WEB文芸「RENZ ABURO」の人気企画「オツイチ小説再生工場」から生まれた6つの物語。

<キャッチコピーは【物語を紡ぐ町】>

集英社の「読者のボツ原稿を乙一がリメイクする企画」で出来上がった作品集。
久しぶりの新作のため、乙一の作風を忘れかけてる私としては他人のアイディアにも不満はありません。
登場人物たちの特徴的な会話が好きなんですよね。
青春に怯える高校生が一歩踏み出すまでを描いた「青春絶縁体」やミステリ仕立ての「ワンダーランド」も楽しめましたが、中でも「透明人間の足跡?」を見つけた男女の「ホワイト・ステップ」はストーリーも展開も異常にクオリティが高いです。
ドラマ化したら映えるだろうなぁ。なかなかの余韻なのです。
(足跡ってことで、台湾映画の『ラブゴーゴー』を思い出したり。)
正直、潮音さんはいてもいなくても構わないのですが、オチは気に入りました。

龍の寺の晒し首/小島正樹 ★★★☆☆

群馬県北部の寒村、首ノ原。村の名家神月家の長女、彩が結婚式の前日に首を切られて殺害され、首は近くの寺に置かれていた。その後、彩の幼なじみ達が次々と殺害される連続殺人事件へ発展していく。僻地の交番勤務を望みながら度重なる不運(?)にみまわれ、県警捜査一課の刑事となった浜中康平と彩の祖母、一乃から事件の解決を依頼された脱力系名探偵・海老原浩一の二人が捜査を進めて行くが…。

どのトリックも巧妙なのですが、解明が淡々としていて味気ないのですよね。
もっとドラマチックに見せてもいいんじゃないかな。
それでも第一の首消失のトリックには驚きましたよ。すごいインパクト!

浜中の不運なエピソードには笑ったし、一乃ばあとの関係も微笑ましいのですが、探偵と絡むと一気に面白くなくなるのが残念。
2人の「軽妙な掛け合い」に気恥ずかしくなるのですよね。
いつまで経っても海老原は馴染まないなぁ。

眠り姫とバンパイア/我孫子武丸 ★★☆☆☆

母親と暮らす小学5年生・相原優希。居眠り癖もあり学校になじめない優希を心配した母がお姉さん代わりにつけていた家庭教師・美沙先生が外国へ留学することに。その代わりの新しい家庭教師・歩実に、優希は大切な秘密を打ち明ける。それは、父親が3年ぶりに会いに来てくれた、というものだった。父親と同居していない理由を知らなかった歩実は、前任の美沙に事情を聞いてみるのだが…。家族に秘められた謎とは?

<眠り姫さん、夜だよ。起きなさい>

う~ん。しっくりこない結末でした。
終盤が説明臭くて、ごまかされてしまったような印象。
子供向けという訳でもないし。なんだか中途半端。
深読みしたせいで、拍子抜けしちゃったのもあるかな。
「鏡に映らない」など、設定が「バンパイア」である理由には納得しました。

おやすみラフマニノフ/中山七里 ★★★☆☆

秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。しかし完全密室で保管されていた、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれる。脅迫状も届き、晶は心身ともに追い詰められていく。さらに彼らの身に不可解な事件が次々と起こり…。メンバーたちは、果たして無事に演奏会を迎えることができるのか。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」がコンサート・ホールに響くとき、驚愕の真実が明かされる。

前作のような仕掛けはなく、事件も小粒。
途中で、犯人も動機もうっすら予想できてしまいました。
(密室トリックは論外。)
演奏も前作の方が感動的だったような。
終盤には「おっ」と思わせられる真相があるけれど、それだけ。

あと、地の文で「お母さん」を連発するのには唖然。作文?

麒麟の翼/東野圭吾 ★★★☆☆


ここから夢に羽ばたいていく、はずだった。大切な人を守りたい、それだけだった。誰も信じなくても、自分だけは信じよう――。
寒い夜、日本橋の欄干にもたれかかる男に声をかけた巡査が見たのは、胸に刺さったナイフだった。大都会の真ん中で発生した事件の真相に、加賀恭一郎が挑む。


いい話でしたが、最高傑作なのかどうか。
(私の中でのシリーズ最高傑作は『眠りの森』。)
『新参者』のようなテイストなのに、それほど感動できず。
父親が見えなさすぎて、真相と巧く噛み合わないまま読了。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
父親の立ち回りの下手さだけが目に付いてしまった。
(エピソードが少ないので、不器用さに感動することもできない。)
刺された原因にしても、自分の息子と向き合う前に、友人に連絡するという思考が理解できないんだよなぁ。
息子が「なるべく顔を合わせないようにした」くらいで諦めた?
この事件は回避できただろうし、言ってしまえば、父親が死んだから美談になったんだと思う。

線の波紋/長岡弘樹 ★★★☆☆


一つの事件が起こした波紋は「別の新しい事件を引き起こし、その新しい事件がまた波を立てる。波は当事者のみならず、周りの人々までをも飲み込み、翻弄していく」── 。
誰かが誰かを傷つける──そんな事件の裏側には、ときに誰かが誰かを守ろうとする物語が潜んでいる。
事件の陰にある「救い」を描いた連作長編。



<その裏側には、ときに反対の物語が潜んでいる>

第一話「談合」の結末に物足りなさを感じたので、連作と気づいてホッとしました。
「追悼」は、ミスディレクションが露骨で真相が読めてしまったのが残念。
「波紋」もやっぱりなぁという感想ですが、「再現」は読み応えがありました。
ところどころの違和感(いたずら電話の真相やまーくんの魅力など)で突き放される感覚になるので感動しにくくなっちゃったかも。

「エピローグ」の「守り方」が一番心に残りました。

インディアン・サマー騒動記/沢村浩輔 ★★★☆☆

軽い気持ちで登った山で道に迷い、その夜無人駅に泊まる羽目に陥った大学生・佐倉とその友人・高瀬は、廃屋と思い込んでいた駅前の建物“三上理髪店”に深夜明かりが灯っているのを目撃する。好奇心に駆られた高瀬は佐倉が止めるのも聞かず、理髪店のドアを開けてしまう。そこには…第四回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」ほか、子供たちを引率して廃工場を探索することになった佐倉が巻き込まれる、真夏の奇妙な陰謀劇「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」など全七編。

アンソロジーで「空飛ぶ絨毯」を読み、気になっていた作家さん。
真相はともかく、謎と展開がとっても好みなんですよね。
伏線も丁寧で、好感が持てます。

でもでもでも、「『眠り姫』を売る男」で世界観が「???」。
(猫が集まる理由は面白いですが。)
エピローグにも苦笑。
別に無理やり連作にしなくてもいいのに・・・。
ものすっごく変な読後感です。

扼殺のロンド/小島正樹 ★★★☆☆


その事故車は工場の壁にぶつかってたわみ、ドアが開かなくなっていた。中には男女。女は腹を裂かれ、男は無傷のまま、死んでいた。直前にすれ違ったドライバーはふたりとも生きていたと証言、さらに男の驚くべき死因が判明して捜査は混迷を深めた。しかし事件は終わらない。第二、第三の事件が追い打ちをかける―新世代トリックメーカーが放つ渾身の一撃。

事故車の密室の謎に興味を惹かれて読み進めました。
力技のトリックですが、事故の原因と男の死因には妙に納得。
海老原の軽いノリも、今回はそんなに違和感はありませんでした。
謎の作り方が雑だったり他の二つの密室の必要性と犯人の動機が弱いところなど、他にもいろいろと気になる点はありますが、メイントリックが印象に残ったので○。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
すれ違ったドライバーの「生きていた」という証言が弱い。
絶対、何らかの原因で死体が動いたんだろうなぁと思ったし。
あと、空中に浮かぶ生首とか、絶対要らない。
探偵がロジックを詰めるためだけの謎、というのは不満だなぁ。
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 2005年8月~

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Author:めみ
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