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真夏の方程式/東野圭吾 ★★★☆☆


夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。

<だから愚かな俺を許してほしい──>

冒頭からとても自然に物語に入っていくことができるのはさすが。
一つの事件に隠された謎を解き明かしていくという過程もシンプルで理解しやすく、湯川と子供の組み合わせという珍しさも手伝って、どんどんページが進みました。
でも、何でこんな真相なのか。
同じ「献身」がテーマの『容疑者Xの献身』では献身する人物の決意はもちろんのこと、相手の葛藤する様子にも強く胸を打たれたので、今回の結末にはまったく納得がいきません。
比べようもないくらい、アッサリした読後感でした。
まぁ、美しい海や湯川と恭平の自由研究のシーンなど、ドラマ化にはいいんじゃないでしょうか。

放課後探偵団/相沢沙呼・他 ★★★★☆

『理由あって冬に出る』の似鳥鶏、『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞した相沢沙呼、『叫びと祈り』が絶賛された第5回ミステリーズ!新人賞受賞の梓崎優、同賞佳作入選の「聴き屋」シリーズの市井豊、そして2011年の本格的デビューを前に本書で初めて作品を発表する鵜林伸也。ミステリ界の新たな潮流を予感させる新世代の気鋭五人が描く、学園探偵たちの活躍譚。

<また謎解きのご相談?>

「お届け先には不思議を添えて」似鳥鶏
トリックはしっかりしていて、ユーモアも好み。
未読のシリーズものだけれど、なかなか楽しめました。
「ボールがない」鵜林伸也
謎は地味だけれど、犯人の自覚がない、という真相は好き。
「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」相沢沙呼
ストーリーも真相も伏線もめっちゃイイです。文句ナシ。
「横槍ワイン」市井豊
まさかの伏線に笑ってしまった。
「聴き屋」さんの物静かなキャラもお気に入り。
「スプリング・ハズ・カム」梓崎優
一番魅力的な謎だったけれど、早い時点でオチに気付いてしまったため、あまり楽しめず。ラストは切なかったなぁ。

お気に入りは相沢作品。
キャラクターに馴染んだのか格段に読みやすくなりました。
相沢さんと梓崎さん以外は初めて読む作家でしたが、どれも予想以上に面白くてビックリ。
とりあえず、これからのミステリ・フロンティアは要チェックです。

ザ・ベストミステリーズ2011/日本推理作家協会編 ★★★★☆



世界に誇る日本のミステリー、最強の12編圧倒的ラインナップ。日本推理作家協会賞短編部門受賞作「人間の尊厳と八○○メートル」深水黎一郎・著を含む、すべての第64回推協賞短編部門候補作品を掲載!

<あなたは、どこでも生きられない>

「人間の尊厳と八〇〇メートル」深水黎一郎 
この作家の長編は一冊しか読んだことがないけれど、アンソロジーの短編はいつもツボに入る。キレがいい。
「原始人ランナウェイ」相沢沙呼 
これはシリーズもの?真相はすぐに想像がつくけれど、設定にモヤモヤする部分が多すぎる。
「殷帝之宝剣」秋梨惟喬 
短編でもスッと入り込めるし、真相もドラマチック。
「アポロンのナイフ」有栖川有栖 
火村さんの言葉に考えさせられた。着眼点がさすが。
「義憤」曽根圭介 
真相は予想通り。もう少しヒネリを期待したけれど。
「芹葉大学の夢と殺人」辻村深月 
ダメダメな男女の物語に、どんどん絶望的な気分にさせられる。読み応えは抜群。
「本部から来た男」塔山郁 
どんでん返しは好みだけれど、なんか安っぽいなぁ。
「天の狗」鳥飼否宇 
ラストの真相がいかにも鳥飼さんっぽい。
「死ぬのは誰か」早見江堂 
Aの正体を巡る推理合戦に脱力。
「棺桶」平山瑞穂 
特殊な舞台なのに平凡な真相。
「橘の寺」道尾秀介
既読だけど、タイトルを見ただけでピンとこないくらい印象が薄い。
「満願」米澤穂信 
なるほど。腑に落ちる真相。

初読みの作家は秋梨さんと早見さんと平山さん。
印象に残ったのは、有栖川作品と米澤作品。
全体的にクオリティが高いと感じました。

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活/奥泉光 ★★★☆☆


レータンこと敷島学園麗華女子短期大学からたらちね国際大学へと赴任してきたクワコーこと桑潟幸一准教授。
文芸部の顧問となったクワコーが巻き込まれる事件を、個性的すぎる部員たちが解決する。


<桑幸は人が自嘲するのを見ると、
       たいがい気持ちが明るくなる>


10年ほど前に『プラトン学園』を読んで「?」となって以来、久しぶりの奥泉作品。

狙っているのかもしれませんが、私には表紙のイメージが邪魔で仕方がなかったです。
さらにクワコーの自虐ネタが濃すぎるのと太字がいちいち気になって、最初はなかなかページが進みませんでした。
確かに文章は面白くて好みなのですが、勢いで笑わせるタイプのユーモアではないので、読み込むのに少し疲れるかも。
最終話までくるとさすがに馴染めたのか、一番笑いました。モンジがいいキャラ。

ミステリはおまけ程度かな。
それにしても、これが続編だなんて知らなかった。
どうしよう、『モーダルな事象』も読むべきか迷っています。

刑事のまなざし/薬丸岳 ★★★☆☆

『オムライス』…内縁の夫が焼け死んだ台所の流しの「オムライスの皿」、『黒い履歴』…クレーンゲームのぬいぐるみ「ももちゃん」、『ハートレス』…ホームレスに夏目が振舞った手料理「ひっつみ」、『傷痕』…自傷行為を重ねる女子高生が遭っていた「痴漢被害」、『プライド』…ボクシングジムでの「スパーリング」真剣勝負、『休日』…尾行した中学生がコンビニ前でかけた「公衆電話」、『刑事のまなざし』…夏目の愛娘を十年前に襲った「通り魔事件」、過去と闘う男だから見抜ける真実がある。

<刑務所に行くことが罪を償うことではありません>

刑事・夏目が関わる事件を通して、彼が法務技官から警察官へ転職をした理由が明らかになっていく。

「オムライス」「黒い履歴」「ハートレス」は既読。
「傷痕」・・・犯人が不憫だとしか思えない。
「プライド」・・・真相は想像できたけど、「カイくん」のネーミングも含め、被害者が変。
「休日」・・・いい話だけれど印象が薄い。
「刑事のまなざし」・・・犯人の思考回路が理解できない。これは短編では無理じゃないかな。

どれも、結末にもの足りなさを感じます。
この中だと、やっぱり「オムライス」の真相が一番インパクトが強いかなぁ。

花の鎖/湊かなえ ★★★★☆



元英語講師の梨花、結婚後、子供ができずに悩む美雪、絵画講師の紗月。3人の女性の人生に影を落とす謎の男「K」。感動のミステリ。

<繋がっているとは、
   そういうことなのだと思いたい>


『告白』より後はあまり印象の残らない作品が多かったですが、今回は満足。
何の疑いも持たず読み進めて、第五章に入ってやっと真相がわかりました。
(そのあとの梨花へのネタばらしはくどく感じたかも。)
最後まで夏美の性格が変わらないというところがポイントが高いなぁ。
湊作品の特徴はないかもしれないけれど、これまでよりずっと読み心地がよかったです。

灰王家の怪人/門前典之 ★★★☆☆


「己が出生の秘密を知りたくば、山口県鳴女村の灰王家を訪ねよ」という手紙をもらい鳴女村を訪ねた慶四郎は、すでに廃業した温泉旅館灰王館でもてなされる。そこで聞く十三年前に灰王家の座敷牢で起きたばらばら殺人事件。館の周囲をうろつく怪しい人影。それらの謎を調べていた友人は同じ座敷牢で殺され、焼失した蔵からは死体が消えていた。時を越え二つの事件が複雑に絡み合う。

誰にでも解るような真相が、なかなかインパクトのあるメインの真相を濁してしまって、いまいち盛り上がりに欠けてしまったという読後感。
なんだか心配になるくらい、伏線が張りまくり状態です。

これまでと違って、文章は少し読みやすくなったかも。
でもやっぱり、この著者の作品の登場人物の悲鳴は特徴的。
「うっわ~」とか「うゃー」とか。・・・違和感。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
ほんと伏線がいろいろと分かり易い。
雪入の正体や、その殺害の真相とか。
慶四郎がそういう状態なんだったら、独白の主も自ずと想像がつくわけで。
でも、それじゃ折原作品だな~とか思ってた。

そして風呂場のシーン、杉下の「ひー、鈴木さん。」の台詞で、さてさて慶四郎の本名はヒデキかヒロシかと予想。
秀臣の名前が出た瞬間「ハイ、秀臣!決定!」。
さすがに最初の死体は誰かまでは解らなかったけれどねぇ。
伏線で唯一驚いたのは、秀臣の状態が5歳の綾香に説明した通りだったことかな。

ある少女にまつわる殺人の告白/佐藤青南 ★★★☆☆


長崎県南児童相談所の元所長らが語る、ある少女をめぐる忌まわしい事件。10年前にいったい何が起きたのか。元所長、医師、教師、祖母……様々な証言が当時の状況を明らかにしていく。大ベストセラーとなった『告白』形式の語りに、大きな謎が加えられたミステリー。

<助けに来てくれたとやろう?>

丁寧な作品だなぁ、というのが一番の印象。
内容も手法も真相も新しさはないけれど、とても丁寧。
ミステリだと思って読まない方がいいですね。

真相は早い段階で解ったけれど、あの最後のメールの内容から必死さが伝わってきてグッときました。
あと、きっとこの人は「彼」だろうなぁと予想していた人物が、終盤にしれっとインタビューに応じていたり。
そういう見せ方は好き。
でも、せめて第三章にはもう少し亜紀を濃く描いて欲しかったです。
最後まで掴み所がなかったような。

第二章のスナックのママのインタビューが印象に残ったので、結末は違うものでもよかったけれど、それならそれで不満だったかなぁ。という読後感。

Story Seller/新潮社ストーリーセラー編集部・編 ★★★☆☆

これぞ「物語」のドリームチーム。日本のエンターテインメント界を代表する7人が、読み切り小説で競演!短編並の長さで読み応えは長編並という作品がズラリと並びました。まさに永久保存版アンソロジー。どこから読んでも極上の読書体験が待つことをお約束します。お気に入りの作家から読むも良し、新しい出会いを探すも良し。著作リストも完備して新規開拓の入門書としても最適。

<俺は一生君のファンだ>

伊坂幸太郎「首折り男の周辺」老人を助ける方法がイマイチ釈然としない。
近藤史恵「プロトンの中の孤独」やっぱり近藤さんは巧いなぁ。
有川浩「ストーリー・セラー」病名といい、妻を追い詰める要因といい、なんだか焦点がブレてしまったような。もっとストレートに感動したかった。
米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」既読だけれど、この中ではダントツ。
佐藤友哉「333のテッペン」前回より読みやすかったかも。
道尾秀介「光の箱」内容が好みではないなぁ~と思ってたら、Bonus trackでやられた。カメラの真相も目からウロコ。伏線の歌がイイ。
本多孝好「ここじゃない場所」こういう女子は好き。笑った。
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 2005年8月~

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