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生霊の如き重るもの/三津田信三 ★★★☆☆


刀城言耶は、大学の先輩・谷生龍之介から、幼い頃疎開していた本宅での出来事を聞かされる。訥々と語られたのは、『生霊』=『ドッペルゲンガー』の謎だった。怪異譚に目がない言耶は、その当時龍之介が見たものが何だったのか、解明を始めるのだが…(「生霊の如き重るもの」)。表題作ほか4編を収録した、刀城言耶シリーズ短編集最新作。


「死霊の如き歩くもの」
恩師から民族学研究所の教授・本宮を紹介された言耶は、民俗採訪などをする研究者が集まる本宮家の別邸<四つ家>を訪れる。そこで言耶は、雪の上を下駄が独りでに歩く様子を目撃。その直後、死体を発見する。

図解が出てくるのが遅すぎなのでは。
でも、足跡の真相はスキ。
「天魔の如き跳ぶもの」
先輩の阿武隈川烏に唆され、奇妙な屋敷神を祀っている箕作家を訪れた言耶。裏庭の竹薮には天魔が住み、人が行方不明になるという。

既読。この真相は予想しやすいかな。
犯人の動機にモヤモヤ。
「屍蝋の如き滴るもの」
本宮家で暮らす少年・高志が、庭の池の小島に埋葬されたはずの本宮の父親の屍蝋化した姿を目撃後、小島で死体が発見される。

こういう消極的なトリック、大好き。
「生霊の如き重るもの」
ロジックがしっかりしていて、真相の二転三転も決まってます。面白い。
「顔無の如き攫うもの」
学生4人の「怪談会」に参加した言耶は、その中の1人の幼少の頃の奇妙な体験を解明することになる。

「言耶の背後に控えている人物」に笑いました。
ラストのホラーテイストはこの作品が一番しっくりきたなぁ。
(他のラストは少しB級っぽいので。)

短編なのでボリュームは寂しいですが、「おっ!」と思わせるポイントがあって楽しめました。
あと、だらだらと説明するよりも、語り手を変えた方が読みやすいですね。
「生霊~」で、龍之介が語り手となったとき、ホッとしました。

嘘/北國浩二 ★★★☆☆

これから少年に嘘をつく―。かつて幼い息子を水難事故でなくした絵本作家の千紗子は、長いあいだ絶縁状態にあった父・孝蔵が認知症になったため、田舎に戻ってしぶしぶ介護をはじめることになった。ところが、久しぶりに再会した旧友と町で飲んだ帰り道、旧友がひとりの少年を車ではねてしまう。幸い大きなケガはなかったものの、少年は記憶を失ってしまっていた。ただ彼の身体に虐待の跡を見つけた千紗子は、少年を自分の子供として育てることを決意する。

<ぼくはずーっとお母さんの子だよ>

帯の「二度読み必至!!」って一体?
最後の一ページまでドキドキしながら読んだのに、衝撃も何もない、普通の感動ストーリーでした。

いや、本当にいい話なんですよ。帯でミステリを期待した分、ガクッときてしまっただけで。
認知症の父親、父親と確執のある娘、記憶を失った少年の歪な関係が、どんどん本当の家族へと近づいていく様子には心底癒されました。
一方、飲酒運転とか、消防団員が気の毒だなぁとか、読み辛いと感じる部分もあり。
う~ん。『夏の魔法』レベルの衝撃を求めて追い続けていましたが、もう、北國作品はいいかなぁ。

空想探偵と密室メイカー/天祢涼 ★★★☆☆

密室に女優の死体―自他殺不明、凶器不明、動機不明。ミステリをこよなく愛し、並外れた“空想”力を持つ大学生・雨崎瑠雫と、彼女に片思いの宇都木勇真は謎を解くべく、行動を開始した。左遷された訳ありの刑事、女優の夫、各々の思惑が交錯する中、さらなる事件が…史上最兇の密室に隠された真相とは?

<わたしが空想する探偵を理解しなさい>

キャラクターにクセがないので、美夜シリーズより読みやすかったです。
瑠雫の特殊な癖も可愛らしく、序章の勇真とポアロの出会いのシーンには、グッと惹きつけられたのですが・・・。

全体的に、事件の規模が小さめ。密室のクオリティも低め。
第2の事件の密室なんて、スピード解決ですよ。
これでよく犯人を追及できるなぁ(そして白状してくれるなぁ)と思うくらい、ロジックの詰めも甘いのです。
犯人に関しては『キョウカンカク』の感想と同じで、もっと意外性を。
そして、一番期待していた「狂人の理屈」もこれまたパンチ不足。
う~ん、どんどんインパクトが弱くなっているような。
相変わらず、伏線の張り方はとても好みなのですが。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れています。下の方へどうぞ。





















まさかこんなに空想癖が本筋に絡んでないとは思わなかったので、(刑事視点の「信さん」とは別に)瑠雫と勇真の前に現れる雨崎パパはきっと空想上の人物だろうと一瞬思った。
てっきり、親子の独特な会話が伏線かと。
雨崎パパじゃなくても、誰かが空想上の人物なハズ!と、そればっかり気になっていた。
序章の事故のシーンは、車のナンバーの方に集中してしまったよ。
こういう真相にするなら、ついでに父親の犯行の理由もハッキリさせてほしかったなぁ。
「強烈な体験の共有」という伏線には少し感動したけれど。】

翼のある依頼人/柄刀一 ★★★☆☆



仲間はみんな、シャーロッキアンで、美女で、頭脳明晰。慶子さんが特別なのは、名字だけじゃないんです。松坂慶子は、睡眠発作の持病を持つ、若奥さん。結婚によって、あの美人女優と同姓同名になりました。困難な病と、幼い息子(その名も大輔!)を抱える彼女が、年齢も国籍もさまざまな、頼れる仲間たちとともに挑む難事件とは。


<見えざる者は、どうやってトリガーを引いたのか・・・>

「女性恐怖症になった男」
敬吾は叔母の所有するマンションで火災に巻き込まれる。
出火元の部屋は密室状態で、住人の女性が殺害されていた。

うん、まぁ犯人はそうなるよね、という真相。
あ、密室トリックはとっても好みです。
「翼のある依頼人」
慶子の部屋に飛び込んできたインコはいろんな言葉を覚えていた。
ここ最近、発生している鳥の大量死との関係は?

一番お気に入り。
インコが運ぶ魅力的な謎と説得力のあるロジック、そして犯人側からの視点で締めるところがいいなぁ。
「見えない射手の、立つところ」
慶子たちは銃の修理や改良を生業とする弓弦家に招かれる。
そのコレクションルームの中で銃の発砲事件が起こるが、目撃者は銃が空中に浮いたまま勝手に発砲したと証言する。

過去の感想を読み返して、物理トリックがイメージしにくい作家さんだったことを思い出しました。
最後の真相はいくらなんでもやりすぎな気が。
動機も不満。3年前の事件、すっかり深読みしてしまいましたよ。
「黄色い夢の部屋」
ここ数日、ボクのママは眠り続けている。
その上、パパも倒れてしまい、密室状態の部屋の中で誰かに首を絞められたらしい。

いきなりどんだけ不幸に見舞われているのか、雰囲気の変わりように驚いた。

ノンシリーズだと思っていたら違うのですね。
いろいろと設定を持て余しているように感じたのはそのせいかな。
久しぶりの柄刀作品ですが、やっぱり文章の相性が悪いです。
ライトミステリなのに、なかなかページが進みませんでした。

檻の中の少女/一田和樹 ★★☆☆☆

サイバーセキュリティ・コンサルタントの君島のもとへ老夫婦が依頼にやってきた。自殺したとされる息子の死の真実を知りたいのだという。息子は自殺支援サイト・ミトラスに多額の金を振り込んでいたらしい。 ミトラスは自殺志願者とその幇助者をネットを介在して結び付け、志願者が希望通り自殺出来た際に手数料が振り込まれるというシステムだという。 やがて君島が「真相」を解き明かしたとき、これまで隠されてきたほんとうの真実【エピローグ】が見え始める──

う~ん。評判はいいのですがねぇ。
軽妙なハードボイルド調の文章が好みじゃないので、島田さんが推すほどユーモアを感じることもできず、淡々と読み終えてしまいました。
こういうテーマなら、主人公はもっと「デキる男」でいてほしいのに、丁寧な伏線のおかげで展開が手に取るように分かるため、(能力とは別のところで)君島がまったく優秀に感じられないのも残念。
ラストも「衝撃の事実」というより「取ってつけたような意外性」という見方しかできず。
ただ、次はこういうテイストの小説を読んでみたいという気分にはなりました。

鍵のかかった部屋/貴志祐介 ★★★☆☆

防犯コンサルタント(本職は泥棒?)・榎本と弁護士・純子のコンビが、4つの超絶密室トリックに挑む。表題作ほか「佇む男」「歪んだ箱」「密室劇場」を収録。防犯探偵・榎本シリーズ、待望の最新刊登場!

<おそらくこれで、密室は破れました>

「佇む男」
葬儀社の社長が山荘で遺体で発見される。
現場は密室で葬儀に見立てた飾り付けがされていた。

特に目新しさはなし。

「鍵のかかった部屋」
出所後、愛一郎が5年ぶりに訪れた亡き姉の家で、甥の大樹が一酸化炭素中毒死する。
現場はドアと窓に目張りがされ、バーベキューコンロが置いてあった。

トリックは斬新。派手さはなく、堅実な印象。

「歪んだ箱」
同僚の女性教師との結婚を控え、新居を購入した杉崎。
その新居が悪質な欠陥住宅ということが発覚、開き直る工務店社長を殺害する。

一風変わった密室の状態やトリックは面白いけれど、この殺害方法なら密室の必要性がないような。
そのままにしておけば他殺だと疑われなかったのでは。

「密室劇場」
劇団「土性骨」改め「ES&B」の公演に訪れた榎本と純子は、またしても殺人事件に巻き込まれる。

今回は真面目一本で終わるのかと思ったら、やっぱり最後にこの劇団・・・。
でも、トリックは地味に好きだったりします。

犯人の動機や心情が省かれているので結末はアッサリしていますが、それだけトリックに重点を置いているということで、あまり気になりません。
『狐火の家』の方が真相にインパクトがあって好みかな。
榎本と純子の仲が発展しないのが少し残念だったり。
どんどん天然キャラになっていく純子に笑いました。

モーダルな事象/奥泉光 ★★★☆☆


桑潟幸一助教授の元に、とある童話作家の遺稿がもちこまれた。発表するや意想外の反響を得るのだが、遺稿は盗まれ、編集者は首なし死体で発見された。謎を追う女性ジャズシンガーに大戦の闇が迫る!

<生まれながらの駄目人間なのだ。
           丸出駄目男なのだ>


550ページのボリュームに読む前からややウンザリ・・・。
でも、続編を読んでいたおかげで、最初から大笑いの連続でした。
まさか、猫介が2冊またいで登場するなんて!
夢か現実か・・・という描写が多くて混乱したけれど、真相はとってもシンプル。
これだけページが必要だったのかどうか疑問に感じちゃうくらいシンプル。
クワコーの妄想はもちろん、元夫婦刑事のキャラがとっても楽しかったので、まぁいいか。
続編はミステリが物足りなかったけれど、このシリーズは殺人事件よりも日常の謎の方がいいかも。

密室晩餐会/二階堂黎人・編 ★☆☆☆☆



「鍵屋に現れた鍵の密室」メフィスト賞の天祢涼、「戦国時代を舞台にした」鮎川賞の安萬純一をはじめとする精鋭気鋭が「密室」不可能犯罪に挑む! また隠れた逸品、加賀美雅之の「ジェフ・マールの追想」を書籍初収録!


「少年と少女の密室」大山誠一郎
二階堂さんの「はじめに」を読んでしまったため(!)、仕掛けにはすぐにピンときてしまった。
この仕掛けのみで成立させようとするなら、時代背景とは別にもう少し考えてほしかったなぁ。
あまりの杜撰さにムカムカしてしまった。
ただ、密室蒐集家シリーズの犯人告発シーンにはいつも驚かされる。急にくるんだもん。
「楢山鍵店、最後の鍵」天祢涼
美夜シリーズは嬉しいけれど、これ、共感覚、要る?
トリック、真相、共にどこかで読んだような印象。
「密室からの逃亡者」小島正樹
これも使い古しのトリック。
それよりも、死体の状況に気持ちが持っていかれてしまった感が。
お得意のどんでん返しも荒い。
小島さんの短編は期待してたのになぁ。
「峡谷の檻」安萬純一
またこの仕掛け・・・。
密室トリックも意外とアッサリ。
「寒い朝だった―失踪した少女の謎」 麻生荘太郎
初読みの作家だけれど、ストーリーも文章も、とにかく気持ちが悪い。
トリックは論外。
「ジェフ・マールの追想」加賀美雅之
この作品のみ、以前に発表された作品だそう。
全てにおいて予想通りの展開。
確かに10年ほど前なら驚いた・・・のかな。

読後、思ったのは「何にも新しくない」ってこと。
特に頭を使わなくても、だいたい予想がつくトリックばかり。
密室トリックを私が推理できるって、よほどのことなのですが。
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 2005年8月~

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