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鬼畜の家/深木章子 ★★★☆☆

「おとうさんはおかあさんが殺しました。おねえさんもおかあさんが殺しました。おにいさんはおかあさんと死にました。わたしはおかあさんに殺されるところでした…」保険金目当てで家族に手をかけてゆく母親。その母親も自動車もろとも夜の海に沈み、末娘だけが生き残ることになった。母親による巧妙な殺人計画、娘への殺人教唆、資産の収奪…信じがたい「鬼畜の家」の実体が、娘の口から明らかにされてゆく。

あまり期待していなかったので、嬉しい驚き。
こういう真相はいつも見抜けないよなぁ、私。
(ネタばらしは大したことないので、もう少し簡潔でいいかも。)
タイトルから想像するほどハードな内容でもなく、後に残るほどの不快さは感じませんでした。

赤い糸の呻き/西澤保彦 ★★★☆☆

結婚式場へ向かうエレベータ内で、指名手配犯を監視していたふたりの刑事。突然の停電後に、なんと乗客のひとりが殺害されていた。もっとも怪しいのは、手や服を血で汚した指名手配の男だが…。表題作「赤い糸の呻き」をはじめ、犯人当てミステリ「お弁当ぐるぐる」、都筑道夫の“物部太郎シリーズ”のパスティーシュ「墓標の庭」など、全五編を収録。

<それを言っちゃ、なんでもありなような気が>

「お弁当ぐるぐる」
既読。6年前にも思ったけれど、これシリーズ化してもいいのになぁ。
「墓標の庭」
物部太郎のひらく心理現象専門の探偵事務所に訪れた女性。
彼女の庭に女の幽霊が出るので調査してほしいと言うのだが・・・。

パスティーシュだからか真面目な展開で、これはこれで西澤作品っぽくないなぁと思っていたら、依頼人の趣味でやっぱり・・・。
でも、一番説得力のあるロジックでした。
「カモはネギと鍋のなか」
高校生のぼくは、憧れの美幸先輩からの手紙によって、待ち合わせの公園へ行ってみることに。
次に、その近くのマンションの一室に呼び出されたぼくは、そこで美幸先輩の死体を発見する。

ストーリーはとっつきやすいのですが、やっぱり強引。
「対の住処」
殺害された男性が不倫の目的で通っていた分譲マンションで聞き込みをしていた刑事は、過去に起きた別の事件との類似点を発見する。

とても好みの真相。これは面白かった。
「赤い糸の呻き」
指名手配犯と彼を追う男女の刑事が乗り込んだ結婚式場のエレベーター内で、殺人事件が発生。
犯人は指名手配犯だと思われたが、その後、独自で捜査をしていた男性刑事が死亡する。

これも、突飛なロジック(というより、指名手配犯の思考回路が「?」)ですが、そこから伏線を巧く回収、収まりのよいラストへ。
何となく納得させられた印象。

今回もロジックの飛躍は目を瞠るものがありましたが、読みやすいのですよね~。

密室殺人ゲーム・マニアックス/歌野晶午 ★★★☆☆

“頭狂人”“044APD”“aXe”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なハンドルネームを持つ5人がネット上で日夜行う推理バトル。出題者は自ら殺人を犯しそのトリックを解いてみろ、とチャット上で挑発を繰り返す!ゲームに勝つため、凄惨な手段で人を殺しまくる奴らの命運はいつ尽きる!?

<インターネットは自己主張の場>

う~ん。期待しすぎてしまったかなぁ。
今回は、どのトリックにも満足感はナシ。
各事件の真相に対するザンギャ君のツッコミに、共感する部分が多かったです。
ラストの真相もパンチ不足。残念。

五色沼黄緑館藍紫館多重殺人/倉阪鬼一郎 ★★☆☆☆

某県・五色沼のほど近くに唐草模様で彩られた黄緑館・藍紫館という名の面妖な洋館が並んで佇んでいる。深い霧と降りしきる雪の中、館のお披露目パーティーが開催された。が、招待客はわずか4人。奇妙なムードの中第一の殺人が!!被害者は「怪物が…」と死の直前に呟く。連鎖し起こる不可能殺人!衝撃の真相が待つ。

<よくこんな無駄なことを>

久しぶりの倉阪作品。
クセのあるミステリだと覚悟していたつもりなのですが、洋館も事件も描写が曖昧という状況は読んでいて本当に疲れました。
前半で明かされる真相もインパクトがなく、「なんだかな~」な印象。
でも、まぁそこからが本領発揮ということで。
P150の真相で「うっ」と言葉に詰まり、ラスト一ページでは悲鳴を上げそうになりました。
お見事です。本当にお疲れ様でした。

善人マニア/水生大海 ★★☆☆☆

真面目で努力家の珊瑚。他人をアテにしてばかりの翠。中学時代に同級生だった二人は、修学旅行で、一人の男性を死なせていた。卒業以来二度と会わないはずが、結婚を目前にした珊瑚の前になぜか翠があらわれる。身勝手な翠の振る舞い。突如連絡をよこす昔の不倫相手。そして、新たな惨劇と共に明らかになる15歳のときの事件の真相。振り切れた善意が向かう結末とは―。

<わたしは善いことだけをして生きていける>

翠のキャラには本気で腹が立つし、珊瑚のはっきりしない態度や征市の頼りなさにもイライラするので、ある意味、読み応えはあります。
でも、展開がなんだか薄っぺらく、気持ちがまったく盛り上がらないのですよね。
ミステリ「風味」だったことが一番残念かな。

キョウダイ/嶋戸悠祐 ★★★☆☆

幸せな日々を送っていた「私」は、妻が持ち出した小学校時代のアルバムによって人生を狂わせはじめる。それは過去を封印していた人間にとって存在してはならぬものだった。その日から恐ろしい幻影に襲われ精神的に追い詰められていった「私」は過去と対峙することに―。当時「私」には双子の兄弟がおり、北海道M市のボロアパート群、通称餓死町で悲惨な生活を送っていた・・・。

<キョウダイ・・・ゆるして・・・>

最初の動物園のシーンがとてもぎこちなくて「これはハズレかも・・・」と不安でしたが、舞台が餓死町へと移った途端、義父の横暴ぶりと兄弟の悲惨な状況にぐいぐい惹きこまれました。
この餓死町で実行される脅迫のネタが、なかなか普通じゃ思いつかない内容でゾッとします。

終盤、意外な事実が次々と明らかにされるたびに「なるほど~」と納得するけれど、大きな衝撃に繋がらないのがもったいない。
最初から不穏さが漂っているので、後味がそれほど悪くないところも残念。
ラストの視点はお気に入りです。
ホラーな部分は少しありますが、気になりません。
プロットはとっても好みなので、次もぜひ読みたいです。

藁にもすがる獣たち/曽根圭介 ★★★★☆


大金の入った忘れ物のバッグを、ネコババしようとする初老の男。暴力団に2000万円もの借金をして、返済に窮する悪徳刑事。FXで失敗した借金を返すために、デリヘルで働く主婦。金の誘惑におぼれ、犯罪に手を染めていく、獣たちの運命は―。

<おぼれないように抗うのよ>

ノワール小説はとっても苦手。でも、これは面白かったです。
登場人物それぞれのドラマに惹きこまれて一気読みでした。
彼らの追い込まれていく状況には気が重くなりますが、後味はそんなに悪くないのです。
デリヘルで働く主婦・美奈のストーリー展開には、一番ドキドキしました。
DV旦那に対し、最初は死を願うだけだったのに、その後、保険金を気にし始めて真哉を詰るようになるまでの心の動きがリアルでいいなぁ。
だいたいの真相は予想していましたが、ストーリーに入り込んでいたので新鮮に感じました。
ラストはあっさりしすぎていて、もの足りないかな。肥後さんも何だか薄いし。
(寛治の娘も痛い目に遭えばいいのに・・・とか思ったり。)

タイトル(と表紙)が少し野暮ったい印象。
改題前の『あわよくば』の方が好みだなぁ。
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 2005年8月~

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