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ノーマジーン/初野晴 ★★★★☆

終末論が囁かれる荒廃した世界で孤独な女性のもとに現れたのは、言葉を話す不思議な赤毛のサルだった―ひとつ屋根の下、奇妙で幸せな一人と一匹の“ふたり暮らし”がはじまる。壊れかけた世界で見える、本当に大切なものとは―不条理で切ない絆を描き出す寓話ミステリー。

<シズカ、おはよ。今日もきれい>

ノーマジーンって、あのノーマ・ジーン?と思いながら読んでいたら、私の大好きな映画が出てきて嬉しくなりました。

赤毛のサル・ノーマジーンはどんな目的でこの世に生み出されたのか。
なぜ、シズカの家にやってきたのか。
なぜ、リンゴに興味を持つのか。
彼のスーツケースには何が入っているのか。

第三者の登場で、これらの謎が解明されます。
真相はまったくの予想外で驚きました。伏線があったのにね。
でも、第三者の心理に説得力が感じられないのが残念。
どう考えても、ただの「余計なお世話」にしか思えないのですよね。
あと、「現実に起こった事件」を真相に絡めたりするのも唐突感が。

真相を知ったあとの、シズカとノーマジーンの心の距離感がとても切なくて。
ラストの余韻は素晴らしかったです。
ミステリだと身構えずに読んで本当によかった。

キャットフード/森川智喜 ★★★★☆


この本は決してネコに読ませないでください。殺人をたくらむ恐れがあります。一攫千金を目論む化けネコ・プルートが考えついたのはコテージに見せかけた“人間カンヅメ”工場。彼女の計画はしかし、思わぬ形で破綻する。工場に呼び寄せた高校生の中に、人間に化けた黒ネコ・ウィリーが混ざっていたのだ!ネコ社会の法律により、ネコを殺すことは許されない。4人の人間から1匹のネコをあぶりだせ―尻尾を出したら殺される。

<人間を食べようというネコの発言とは思えませんねえ>

ストーリーも演出も私好みで、とても面白かったです。
サブタイトルに「名探偵三途川理と注文の多い館の殺人」とありますが、実際に殺人が起こると少し引いてしまうくらいライトな作風。
前半は“人間カンヅメ”なんて物騒なワードが出てもユーモア感覚で読み進めていられるのに、後半になると「え・・・マジで・・・?」みたいな。
ネコが大好きな読者なら、いろいろと不愉快になりそうな展開もあるので注意です。
(三途川登場のきっかけとなる出来事には引いたな~。)
それにしても、この三途川の探偵っぷりにはビックリですよ。もぐもぐがこれまた。
ウィリーと三途川のロジックの応酬もなかなか読み応えがありますが、化け猫の能力にもっと制限があれば、よりスリリングになったかも。
でも、大雑把な部分も許してしまえるくらいの満足感です。
ラストの真相も粋。この作家さん、新刊出ないかなぁ。

真夜中の探偵/有栖川有栖 ★★★☆☆

平世22年―すべての探偵行為が禁止された日本。空閑純は、17歳。両親ともに有名な探偵だが、母の朱鷺子は4年前から行方不明。父の誠は昨年、警察類似行為で逮捕され、収監されている。純は叔父の住む大阪で独り暮らしをはじめる。母の行方の手がかりを探すなか、父母に仕事を仲介していた押井照雅という人物と会える機会が訪れる。1週間後、押井の別宅で水に満たされた木箱に入った溺死体が発見された。被害者は元探偵で“金魚”と呼ばれていた男だった。

<探偵名<調律師>。狂ったこの世の音程を正す者>

ああ~シリーズになったのですね・・・。
前作の結末がとっても印象深かったので、あのままで良かったのになぁ。
父の逮捕後、高校に通わずにバイトをしながら一人で生活する中、なんとか母の情報を手に入れたいと願う純。
前作の友人たちとも離れてしまうので、全体的に暗くて、ページがなかなか進みませんでした。
後半にようやく発生する事件も地味なんですよね。
ミステリよりも世界観を重視したストーリーなので、ついていくのに疲れました。
来年、シリーズ第3弾が刊行されるけれど、もういいかな。

春から夏、やがて冬/歌野晶午 ★★★☆☆




スーパーの保安責任者の男と、万引き犯の女。偶然の出会いは神の思い召しか、悪魔の罠か?これは“絶望”と“救済”のミステリーだ。

<一瞬だけ幸福になりたいのなら、復讐しなさい>

帯の「『葉桜~』を超える衝撃」という惹句で期待してはいけません。
どこに仕掛けが隠されているのか!?とか深読みしながら読むと、とってもガッカリするので注意です。
でも、私は帯を読まなくても、この真相に感情を揺さぶられることはなかったかと。
ますみのキャラクターに難を感じてしまい、一歩も二歩も引いた状態で読んでいたからかなぁ。
真相も想定内といいいますか、逆にそういう真相じゃなかったら変だよ、と思ってしまったり。
余韻もケロリ。私が読みたかったモノとは違いました。

烏丸ルヴォワール/円居挽 ★★★★☆

京都の支配にもかかわるという謎の書『黄母衣内記』の所有者が不審死を遂げ、二人の弟の間で書を巡って争いが勃発。名門、龍樹家の若き論客たちは、依頼人から仕事を受け、私的裁判双龍会に臨む。ところが、瓶賀流は覆面をした正体不明の怪人“ささめきの山月”に誘われ、御堂達也ら龍樹家側の仲間たちと対決することになってしまう…。

<残念な真実よりも魅力的な虚構を>

「烏有」やら「貴族探偵」やら。遊びゴコロが満載です。さすが後輩。
双龍会は前回の方が楽しめましたが、サプライズの衝撃はこちらが上でした。

まず、第一章でコロッと騙されました。それはもう見事に。
でもその後のストーリーが、あまりパッとしないというか・・・。
証拠集めは地味だわ、似たような二人組の似たような行動にモヤモヤするわ、肝心の双龍会がそんなに盛り上がらないわで、興味がどんどん失せていくのですよ。
いやぁ~、まさかあんな真相が待っているなんて!
完全に油断していたので、アノ台詞にめちゃめちゃ動揺しました。慌てて再読。
急に目が覚めるような気分が味わえます。なんともキレイな構成なのです。
前回と同じく余韻もイイ。絶対、次も読みます。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモ。真相に触れているので、OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
お見事、又鴉の計!やられたわ~。

流の連れている少女の正体に早い段階で気づいたから、こんなネタで長々と引っ張るの?って、二人組の行動を要らないエピソード扱いしていた私。
・・・赤恥だわ。
(烏有と流の口調が同じなのがまた紛らわしくて読みにくかったの。言い訳。)
時系列が違うことには全然気づかなかった。
第一章と同じ仕掛けなのに!悔しいなぁ。
正直、烏有扮する山月のキャラが薄すぎて、流の「なんだか憎めないヤツ」評に共感できなかっんだけど、そうか~。過去か~。

要介護探偵の事件簿/中山七里 ★★★☆☆

反骨精神をモットーとする香月玄太郎は、不動産会社を興し一代で成功を収めた社長。下半身が不自由で「要介護」認定を受けている老人だが、頭の回転が早く、口が達者。ある日、彼の分譲した土地の建築中の家の中で完全密室殺人が発生。玄太郎は警察が頼りにならないと感じ、介護者のみち子を巻き込んで犯人捜しに乗り出す。他、リハビリ施設での怪事件、老人ばかりを狙う連続通り魔、銀行強盗犯との攻防、国会議員の毒殺事件など、5つの難事件に挑む連作短編ミステリー。

遥たちの登場で、『さよならドビュッシー』のスピンオフなんだと気づきました。
正直、岬先生よりもおじいちゃんの方が魅力的だったので嬉しかったのですが、それと同時に切ない気分にもなりました。
全体的に、ミステリとしてはもの足りないです。真相が平凡かな。
お気に入りは「要介護探偵の生還」
玄太郎のリハビリシーンに読み応えがあって、ラストはうるっときました。
最終話では、やっぱりしんみり。
でも、いい終わり方だったのでは。

スパイダーZ/霞流一 ★★★☆☆

東京で発生した美容整形クリニック院長惨殺事件。被害者は体中に傷を刻まれ、全裸で吊るされていた―。謎多き犯行に困惑する捜査員たちの中で、ただ一人、若手刑事の唐雲蓮斗だけは事件解決への覇気をたぎらせる。さらに密室殺人や死体アートなど、不可解な猟奇事件の迷宮へと連鎖するなか、本庁の敏腕女性刑事とコンビを組んだ唐雲は、独自で極秘裏に捜査を展開していくが!?

<警察の、警察による、警察のための、刑殺!>

どんな気分で読めばいいのか、困惑してしまうストーリーでした。
「エリア51」で行われるトレーニングの内容や雄叫びなど、笑える部分もあるのですが、全体的にユーモアは控えめなのが残念。
唐雲の「操査」は、画が浮かびにくくて苦労しました。
「真相の三重構造」もよく考えられているとは思うのですが、ミステリ部分がこういう構造だと、唐雲の行く末にしか興味が持てないのですよね。
オチは驚きました。ここまでのゾーンに達していたとは。う~ん。

水底フェスタ/辻村深月 ★★★☆☆


村も母親も捨てて東京でモデルとなった由貴美。突如帰郷してきた彼女に魅了された広海は、村長選挙を巡る不正を暴き“村を売る”ため協力する。だが、由貴美が本当に欲しいものは別にあった―。辻村深月が描く一生に一度の恋。

<フェスの夜の魔法は等しくかかる>

読後感は悪くないのですが、読書中、ずっと嫌な気分でした。

山奥の村が舞台ということで、村の不正がショボく思えて仕方がなく、「そんな大げさな」という感情が最後まで拭えなかったのが残念。
その不正が村独特のモノなら面白いのに。一般的なんだもの。
そして、達哉のキャラ設定は凝りすぎだと思う。
広海と由貴美の恋の結末は好み。
直前にストーリーが失速していなければ、もっと切なくなったのになぁ。

ハードラック/薬丸岳 ★★★☆☆

人生をやり直したかったのだ。ネットカフェ難民相沢仁は、闇の提示板で募った仲間と軽井沢の金持ちの屋敷に押し入った。だが物色中、仁は何者かに頭を殴られて昏倒。ようやく独り逃げた彼は報道で、屋敷が全焼し、三人の他殺体が発見されたと知る。家人には危害を加えないはずが、おれは仲間にはめられた。三人殺しでは死刑は確実。正体も知らぬ仲間を、仁は自力で見つけねばならなくなった…。

<どうやら腐った藁にすがってしまったんですね>

ストーリーが面白いので、ドラマ化してもいいかも。
でも、伏線が分かりやすいので一切ミスリードに翻弄されることがないという、ミステリ的にはもの足りない結果に。
仁の真犯人探しがトントン拍子に進むので、あらすじで想像するほどの緊迫感はないです。
周りがやけに協力的で個人情報をペラペラ喋ってくれるのが不自然だったり。
森下が再登場してから、ますます役立たずの鈴木と仁が行動を共にする意味が分からなくなったり。
犯人の動機も説得力が乏しいような。
もう少しメンバーの間にドラマがほしかったなぁ。

あと、『ユージュアル・サスペクツ』のネタバレはいただけない。

物の怪/鳥飼否宇 ★★★☆☆


鬼払いの秘祭を取材するため、植物写真家の猫田夏海は、生物の知識に精通した“観察者”鳶山久志らとともに、瀬戸内に浮かぶ現代アートの島―悪餌島を訪れた。その夜、ご神体として“鬼の腕”が収められた神社で、神事の準備をしていた女性が宝物の刀で惨殺される!洞窟に潜む羅刹の正体を、生物探偵が解き明かす!

河童、天狗、鬼がテーマのミステリ短編集。

「眼の池」
 ストーリーは好みだけれど真相が平凡かなぁ。
 沼に浮かぶ眼の正体は面白い。
 ホラーとは別の部分で気持ち悪さを感じたり。 
「天の狗」
 既読。
「洞の鬼」
 これも真相が予想どおりでもの足りない。雰囲気はいいのに。
 薀蓄はためになりそう。

どれも、ある程度真相がよめてしまいました。
この中ではやっぱり「天の狗」が一番かな。

はやく名探偵になりたい/東川篤哉 ★★★☆☆

はた迷惑な奴らリターン!! 名探偵の条件。気力・体力・変人あしらい。そしていかがわしい依頼が舞い込む町在住であること! 烏賊川市で探偵事務所をひらく鵜飼のもとには、なんとも不思議な事件が持ち込まれる。探偵見習い・流平とともに、いい加減に華麗な推理と、ずっこけチームワークで難事件を次々解決!!

<このレベルの探偵なら、むしろ楽勝だ!>

烏賊川市シリーズなのに、朱美さんの登場はなくて残念。
ミステリの鮮度は低め。後半から少しずつ面白くなってきたかも。
「七つのビールケースの問題」「雀の森の異常な夜」なんて、発想はとても好みなんだけどなぁ。
ロジックが冴えない印象。もっとユーモアも炸裂しちゃってほしい。
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 2005年8月~

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