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サクラ咲く/辻村深月 ★★★☆☆

若美谷中学1年5組の塚原マチは、自分の意見を主張できない、頼み事を断れない、そんな性格を直したいと思っている。ある日、図書室で本をめくっていると、一枚の紙が滑り落ちた。そこには、丁寧な文字で『サクラチル』と書かれていた。その後も何度か同じようなメッセージを見つけたマチは、勇気を振り絞って、返事を書いた。困っているはずの誰かのために―(「サクラ咲く」他2編収録)。

<本当に、あの子はなんて自分とは違うのだろう>

まず、表紙イラストに戸惑いましたよ。進研ゼミで連載されたとのことで納得。

「約束の場所、約束の時間」「サクラ咲く」はお得意の筆致でいつも通りに胸中を落ち着かなくさせるのですが、中学生向けということで、甘めの展開にもの足りなさを感じたり。
最終話の「世界で一番美しい宝石」(これは小説宝石に掲載)がお気に入りです。
「学校は誰のものなのか」というテーマがいい。
解決策が鮮やか。読後感も爽やか。
リンクもしっかり張られていて、連作としての結末も綺麗に決まっていました。

ナミヤ雑貨店の奇蹟/東野圭吾 ★★★☆☆

夢をとるか、愛をとるか。現実をとるか、理想をとるか。人情をとるか、道理をとるか。家族をとるか、将来をとるか。野望をとるか、幸せをとるか。あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は…。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。

<人の心の声は、決して無視しちゃいかん>

『イルマーレ』や『生協の白石さん』を思い出すなど、設定に新しさは感じませんが、最近迷走状態だったミステリ(サスペンス?)な作品よりはよっぽど楽しめました。
最終章では伏線が綺麗に回収されていて好印象。
リンクが多すぎて都合の良すぎる展開も(一応)理由がつけられているし、映像化するなら問題ナシでしょう。
アドバイスにもっとエッジが効いていればなぁとは思いますが、私はお年寄りには弱いのでOKです。
いい話でした。

高原のフーダニット/有栖川有栖 ★★★☆☆

「オノコロ島ラプソディ」容疑者には鉄壁のアリバイ。国産み神話の淡路島で、火村を待ち受ける奇天烈な事件。「ミステリ夢十夜」有栖川有栖は近ごろ怪夢を見る。火村と彼を次々と不可思議が襲う夢だ。今夜もきっと…。「高原のフーダニット」弟を手にかけました…美しい高原を朱に染めた双子殺人事件は、一本の電話から始まった。

<俺は三毛猫ホームズか・・・>

地元近辺が舞台なので、親近感たっぷりの読書。
でも、トラベルが中心でミステリとしては印象に残りませんでした。

「オノコロ島ラプソディ」
このトリックを使うには、打保さんのキャラ付けが薄かったような。
でも、決して嫌いじゃないです。
「ミステリ夢十夜」
「こんな夢を見た。」で始まる形式は好みですが、あまり完成度が・・・。
第四話のオチはいいですね。
「高原のフーダニット」
分量の割にはとてもシンプルな真相でした。拍子抜け?

死命/薬丸岳 ★★★☆☆

榊信一は大学時代に恋人を絞め殺しかけ、自分の中に眠る、すべての女に向けられた殺人願望に気づく。ある日、自分が病に冒され余命僅かと知り、欲望に忠実に生きることを決意する。それは連続殺人の始まりだった。榊の元恋人だけが榊の過去の秘密を知るなか、事件を追う刑事、蒼井凌にも病が襲いかかり、死へのカウントダウンが鳴り響く。そして事件は予想もしない方向へ。

<新しい世界っていったい何・・・!>

終盤こそ失速しましたが、それでも読み応えは十分でした。
榊の殺人の衝動に駆られるという心理に共感できるはずがないので、せめて、医者の宣告から「新しい世界」へと踏み出すまで、もう少し葛藤が欲しかったなぁ。
元恋人との再会が「新しい世界」へ踏み出した後だったとしたら、まだ納得できたかも。
真相が予想しやすいので、あえてミステリ仕立てにしなくても良かったような。

連続殺人鬼 カエル男/中山七里 ★★★☆☆

口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しない中、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに。無秩序に猟奇殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。

<かえるはぜんぶぼくのおもちゃだ>

フェルト生地の温もりを感じさせるカバーイラストを一切無視したストーリー。
犯行メモになぞらえて起こる猟奇殺人の描写がとっても丁寧で、とってもグロイのです。
それでも、次々と起こる殺人と警察の捜査の間に挟まれる「ナツオ」のエピソードなど、謎が魅力的で中盤までグイグイと引っ張られていきました。
印象に残ったのは、主人公の過去のトラウマと、有働さゆりと当間のピアノ療法のシーンかな。

そこからの『魔女は甦る』のようなパニック展開はほぼ飛ばし読みでした。
盛り上がるはずの場面で一気にリアリティがなくなってしまったのが残念。
悔しいけれど、犯人は当てられませんでした(アノ作品と読む順番が逆になったから?)。
犯人にもう少し細かいフォローが欲しかったかなぁ。でも斬新でした。

幻想即興曲 響季姉妹探偵 ショパン篇/西澤保彦 ★★★☆☆

ピアノ教師の野田美奈子が、夫の刺殺容疑で逮捕された。しかし、小学生の古結麻里は、事件当時に別の場所でピアノを弾く美奈子を目撃していたのだ。成長した麻里は事件をモデルとした小説を書き上げるが…。事件から40年後にその原稿を受け取った編集者の姉・響季智香子は、新進ピアニストの妹・永依子とともに真相を推理する。あのとき「幻想即興曲」を弾いていたのは誰だったのか。真犯人は?

西澤作品だし、表紙イラストもこんなだし、まさか姉妹で・・・?とか心配しながらの読書ですよ。
まぁ、あのテイストは軽めでしたね。別に要らないけど。
ストーリーはほぼ麻里の作中作の形式で進むので、この姉妹すら必要ないような。
いつもの通りロジックが乱暴ですが、真相はなかなか意外性があって楽しめました。

幽女の如き怨むもの/三津田信三 ★★★☆☆

戦前、戦中、戦後にわたる三軒の遊郭で起きた三人の花魁が絡む不可解な連続身投げ事件。
誰もいないはずの階段から聞こえる足音、窓から逆さまに部屋をのぞき込むなにか……。
大人気の刀城言耶シリーズ最新書き下ろし長編!


<にたっ・・・と嗤ったのです>

第一部はとにかく読み応えがありました。
遊郭が舞台ということで、初代緋桜がこれからどういう目に遭うのかが予想できるだけに、とてもやりきれない気持ちにさせられるのです。
彼女の心の動きが本当に丁寧に描写されていて好印象。深みを持たせるなぁ。
なかなか事件が起こらないのにまったくイライラしないのですよ。もう夢中でした。

でも、第二部からは形式が変わったからか、もひとつ乗り切れませんでした。
第一部では、もう事件なんて起こらなくてもいいや~という気分でしたが、実際、真相が予想通りで二転三転もナシとくると、やっぱりもの足りなく感じますね。
巻末にある参考文献をかなり解りやすくまとめてくれているので、遊郭事情には詳しくなれたかも。

ココロ・ファインダ/相沢沙呼 ★★★★☆

自分の容姿に自信がもてないミラ、クラスの人気者カオリ、「わたし」というしがらみに悩む秋穂、そして誰とも交わろうとしないシズ。同じ高校の写真部に所属する4人は、性格も、好きなカメラも違うけれど、それぞれのコンプレックスと戦っていた。カメラを構えると忘れられる悩み。しかし、ファインダーを覗く先に不可解な謎が広がっていて…。

<わたしは、絶対にわたしを撮らない>

おお。これはイイ。
コンプレックスに悩む女子高生という設定は辻村作品で読み尽くした感があったのですが、こちらもなかなか完成度が高かったです。

カオリがシズの撮った写真に怒った理由。シズは「何をフレームから外した」のか。
ミラのSDカードに保存されていた「壁」の写真。撮ったのは誰?
カオリが告白された相手を殴った理由は?
シズが撮影後、写真屋でプリントしたはずの写真が、インクジェットでプリントしたものと差し替えられていたのはなぜ?

お気に入りは、一番反転が効いていた「ツインレンズ・パララックス」
どの作品も少しハッとさせられる展開があってよかったです。
相沢さん、こういうのも書けるんだなぁ。
あまりにも繊細な描写に男性作家だということを忘れていました。
そして、女の子視点の方が(邪念がないぶん)すんなりと読めました。

マツリカ・マジョルカ/相沢沙呼 ★★★☆☆

柴山祐希。学校に居場所を見つけられず、友だちもなく、冴えない学園生活をやり過ごす高校1年生。そんな彼の毎日が、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで一変した。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされる憤りと、クールな色香に昂る男子的モヤモヤ感との狭間で揺れながら、学園の謎を解明するために奔走する祐希。そうして彼の中で何かが変わり始めたとき、自らの秘密も明らかになる出来事が起こり?

<マツリカさんの太腿が恋しい>

「原始人ランナウェイ」は既読。

マジックシリーズのポチくんよりも(ある意味)鼻息の荒い高校生・柴山が主人公。
この著者は女の子の魅力をフトモモでしか表現できないのか。
カバーイラストにだいぶ助けられていますよ。

マツリカの存在が不思議すぎるため、ファンタジーを効かせた真相なのかと予想していたのですが、どれも思ったより現実的でダークなものでした。
私としては、最初にマツリカが興味を持つ怪談も真相に絡めて欲しかったかな。第一話だけじゃなくて。

前シリーズとキャラがかぶっている上、魅力が落ちているのが残念。
マツリカの正体が明らかになるにつれ、面白くなることを期待します。

千年ジュリエット/初野晴 ★★★☆☆

こんどの舞台は文化祭。アメリカ民謡クラブ、演劇部、そして吹奏楽部…おかしなキャラクターたちがひき起こす難問題とは?青春ミステリ“ハルチカ”シリーズ第4弾。

<想いはずっと生きていく>

今回は、ひとまず普門館は置いといて文化祭が舞台。
どれも安定した謎解きなのですが、少し印象が薄いかなぁ。

ほとんどの登場人物が個性的なので、逆に区別が付かなくなってしまったかも。
これまでのキャラの記憶がぼんやりしちゃっているからでもありますが。
生徒会長の存在感はさすがですが、お気に入りだった名越がだんだん霞んでしまって寂しいなぁ。
「エデンの谷」では、草壁先生の古い知り合いが登場。これでやっと秘密が暴かれるのかとドキドキだったのですが。謎解きはシンプル。
「失踪ヘビーロッカー」は読後、タイトルにニヤリ。
「決闘戯曲」のオチには「ああ!そんな手が!」と笑えました。
表題作は儚さたっぷり初野ワールドでしたが、少し展開が読めてしまったかな。
次は、普門館に向けて前進して欲しい。
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 2005年8月~

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