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夜の底は柔らかな幻/恩田陸 ★★★★☆

特殊能力を持つ“在色者”たちが、“途鎖国”の山深くに集まる“闇月”。殺戮の風が、次第に暴れ始める―。殺人者たちの宴が、幕を開ける。

<ここは黄泉の国>

さすがさすがの恩田ワールド。
今回も様々なファンタジーを堪能しましたが、なにより「目からゴボウ」というのが異様に印象に残りました。

これまでの作品と同様、「謎」のばらまき方が絶妙で、世界観や用語などまったく解らないままストーリーが進んでも、ガッチリ心を掴んで話さないのですよ。
上巻は一気読みの面白さでした。
ただ、在色者の能力がハッキリしないため、「あ、傷は治せないのね」とモヤモヤしたり、もう少し、頭脳戦っぽいほうがワクワクしたのになぁ、など不満もアリ。
あと、舞台のスケールが大きすぎて、登場人物個々の目的がちっぽけに感じてしまったのが残念。
特に、実邦が山を目指す理由がねぇ。
公私混同は別として、ライフル抱えていくんだから、もっとヒドイ目に遭ったのかと。
上巻の出来事からして、葛城に復讐する理由の方がよっぽど強いと感じたのですが。
神山の起こした事件といい、その辺りの事情がサラッと描かれているので、最後まで共感できないままでした。

下巻は残りのページ数を確認して、絶対に伏線を回収する気がないよね恩田さん、と予想した通りの結末でした。
でもまぁいつもの読後感なので、そこに不満はありません。
十分楽しませてもらいました。
なんだかんだで、あの2人の結末には少しホッとしてしまった・・・ごめんよタミさん。
葛城もあんなに実邦に執着してるのに、16年もよく放っておけたなぁ。

謎解きはディナーのあとで3/東川篤哉 ★★☆☆☆

宝生邸に眠る秘宝が怪盗に狙われる?体中から装飾品を奪われた女性の変死体発見?続々と発生する難事件に、麗子ピンチ…しかしながら「お嬢様は無駄にディナーをお召し上がりになっていらっしゃいます」影山の毒舌と推理は絶好調!そして、ラストシーンでは麗子と影山、風祭の3人の関係にも大きな変化が訪れて―!?

<お嬢様、それはわたくしの推理でございます>

うーん。今回はどれも印象に残りませんでした。
ミステリはともかく、ユーモアがすっかり乏しくなっているのが残念。
執事と令嬢のお約束のやり取りすら面白くなかったです。てか飽きた。
怪盗の章では「実はかかりつけの私立探偵は影山だった」という展開を想像していたり。
ラストはビックリ。カレ、好きだったのになぁ。
でも、このシリーズはもう終わってもいいと思っていたのでホッとしました。
え。最終巻ですよね?まだ続くの?

笑うハーレキン/道尾秀介 ★★★☆☆

経営していた会社も家族も失い、川辺の空き地に住みついた家具職人・東口。仲間と肩を寄せ合い、日銭を嫁ぐ生活。そこへ飛び込んでくる、謎の女・奈々恵。川底の哀しい人影。そして、奇妙な修理依頼と、迫りくる危険―!たくらみとエールに満ちた、エンターテインメント長篇。

<化粧の下は、じつはいつもシリアスなんです>

最近の道尾作品の中では珍しく丁寧に読めた気がします。
深読みしなくてもほとんど予想通りの展開でしたが、唯一、東口の隠していた真実には驚きました。これは切ない。
それまでの印象が変わってしまうタイプの真相なので、もう少しフォローが必要だったかも。
それにしても、後半から突然エンターテインメント路線なんですよね。
この違和感の凄さったら。持ってくる事件を間違えたとしか思えない。

犯罪ホロスコープ2/法月綸太郎 ★★★☆☆

十年前に解散した女性三人組アイドル・トライスター。彼女たちが所属していた事務所の元社長・折野が他殺死体で見つかった。犯人と目されたのは、元ファンクラブ会長の安田。安田は自身のブログに折野殺害をほのめかす声明文をアップした直後、服毒自殺していた。しかし捜査を進めるうち、安田の共犯者がトライスターのメンバー内にいたことがわかる。モッチ、メグ、アズミン、三人の女神のうち、いったい誰が犯人なのか―(表題作)。

「三人の女神の問題」は既読。
前作はとっても楽しめたのになぁ。
今回は読むのに時間がかかったかも。
真相もロジックも意外性があって面白いのですが、本当にその真相しかない?と少しモヤモヤが残ったり。

リカーシブル/米澤穂信 ★★★★☆

この町はどこかおかしい。父が失踪し、母の故郷に引越してきた姉ハルカと弟サトル。弟は急に予知能力を発揮し始め、姉は「タマナヒメ」なる伝説上の女がこの町に実在することを知る―。血の繋がらない姉と弟が、ほろ苦い家族の過去を乗り越えて田舎町のミステリーに迫る。

<生きるってたいへん>

読書中、ざわざわとした感覚がずっと続くのです。
不安を煽られながらも先が気になり、ぐんぐんと引き込まれました。
町や住人の秘密や「タマナヒメ」の真相も、伏線がしっかり張られていて、予想以上にミステリでした。クールな結末も好みです。
終盤で心がスッと冷えるような展開になりますが、『ボトルネック』ほど非情ではありません。
(やや初野作品のキャラっぽい)サトルの占いや寝言に救われました。

論理爆弾/有栖川有栖 ★★★☆☆

南北に分断され、探偵行為が禁じられた日本。空閑純は探偵を目指していた。彼女の両親は名探偵として活躍していたが、母は事件を追い行方不明となり、父は殺人事件の推理をした罪で逮捕され、裁判を待つ身となっている。失踪した母の足跡をたどり、純は九州の山奥にある深影村を訪れた。だが、テロにより村に通じる唯一のトンネルが破壊され、連続殺人事件が発生!暗躍する特殊部隊、蠢く陰謀、蔓延るコンピュータウイルス―論理爆弾!少女は探偵の業をその身に刻み、真実と対峙する。

<あそこには探偵を食べる怪物がいるんです>

苦手なソラシリーズですが、前作よりはよっぽど印象がよかったです。
連続殺人事件の犯人が判明するシーンにはドキッとしました。
真相もこれまた皮肉というか何というか。
探偵の無力感がリアルだったので「たまにはこんなのもいいかな」という感想。
お母さんの情報は、これといった進展がナシ。
ミステリと関係のない部分も、もう少し面白ければいいのですがねぇ。長いわ~。

セシューズ・ハイ/天祢涼 ★★★★☆

世襲によって国会議員になった漆原翔太郎。初登院早々に飛び出した問題発言や問題行動で、支持率急落、早くも次の総選挙は赤信号!?危機的状況に頭を痛める秘書・雲井進のもとに舞い込んだのは、マンションの建設反対運動。支持率アップのため翔太郎をけしかける雲井だったが、唖然とする行動に出られてしまい…?

<バカなのか?天才なのか?>

議員探偵ってサブタイトルを読んだ時点では面白くなさそうな予感がしたのですが、これが結構楽しめました。
ミステリとしては小粒。でも、伏線の貼り方がとっても好みなんですよね。
連作につきもののワンパターンを避けようとしてるのも好感度が高くて、最初は自信満々だった雲井が、徐々に「自分が先に推理を披露すれば、翔太郎が(自分をバカにするために)正しい真相を明らかにしてくれるかも」という思考に陥っていくのが面白いです。
特に「選挙」の何とか裏を読もうとする様子には笑いました。
(結局は、バッチリ証拠が残りそうなトリックでしたが。)

そして最終話ではやっぱりサプライズが。
一瞬、ハッとしましたが、前作の最終話での破壊力と比べると弱いかなぁ。
動機や背景に興味がなさすぎたのかも。
でも、今回は全体的に楽しめたので満足です。

コモリと子守り/歌野晶午 ★★★★☆

引きこもりの友人の窮地を救うため、17歳の舞田ひとみは幼児誘拐事件の謎を追うのだが……。
ひとつの事件の解決は、あらたな事件の始まりだった!
勉強に育児に忙しいひとみが、前代未聞の難事件に挑む!!


<舞田ひとみは現在子供を育てている>

なんと、舞田ひとみシリーズでした。
歌野さんの文章は妙な「間」があるので、すべてが伏線臭く感じてしまうのですが、今回はそんな深読みを吹っ飛ばすくらいドキドキする展開でした。
誘拐事件の真相も意外で、ひとみの推理には驚きの連続!
うわー、まったく思いつかなかったわー。

ミステリとしては満足なのですが、「かなり長めのエピローグ」が、本当にただ長いだけと感じてしまったのが残念。
シリーズをすべて読んでいても、由宇の兄が起こした事件がまったく思い出せなくて、この真相に関係があるのかしら、と気が散ってしまったのですよね。
題名に「舞田ひとみ」を入れないなら、なおさら、兄の設定はない方がよかったのでは。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分のためのメモ。真相に触れているので、OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
まさか、2つの誘拐事件がここまで密接につながっていたなんて、まったく想像がつかなかった。
P251の伏線でポニョの居場所は予想できたけど、夫の焦燥っぷりが真に迫ってたので、妻が怪しい(共犯者アリ)とばかり。
重大な事情があるのに車に放置してパチンコしたり、そのくせ裏工作が緻密すぎるという不自然さは置いといて。
髪の毛を切ったり神社のお参りなどの行動に、もう少し強い理由があって欲しかったなぁ。
でも、モッチーを貸せ!といった行動は、こういうムチャな夫婦にはピッタリな伏線で、お見事。
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 2005年8月~

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