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ガソリン生活/伊坂幸太郎 ★★★☆☆

実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している。本作語り手デミオの持ち主・望月家は、母兄姉弟の四人家族。兄・良夫がある女性を愛車デミオに乗せた日から物語は始まる。強面の芸能記者。不倫の噂。凸凹コンビの望月兄弟が巻き込まれたのは元女優とパパラッチの追走事故―。

<やあ緑デミ>

事件としては物騒なのに解決法を含め全体的に薄味で、伏線も今回はあまりパッとしない。
でもまぁとにかくかわいいストーリーでした。
特にエピローグが最高。
この作品、好きだなぁ。

猫間地獄のわらべ歌/幡大介 ★★★★☆

江戸の下屋敷におわす藩主の愛妾和泉ノ方。閉ざされた書物蔵で御広敷番が絶命した。不祥事をおそれ和泉ノ方は“密室破り”を我らに命じる。一方、利権を握る銀山奉行の横暴に手を焼く国許では、ぶきみなわらべ歌どおりに殺しが続くと囁かれ!?大胆不敵なミステリ時代小説。文庫書下ろし。

<ああ、そういう趣向の小説なのか>

あー、面白かった!
やっと「このミス」が役に立ったわ。

ミステリとしてはあっさりとした真相だし、メタ展開を楽しむには分量が少ないし、やや物足りなく感じながらも、魅力的なキャラクターや薀蓄が興味深くてどんどんページが進むのです。
皆が皆、わらべ歌を歌いたくてウズウズする様子が微笑ましいなぁ。
そして、ラストには本当にびっくり。まったくの予想外。
個人的には、別にこの真相でなくても問題はないのですが。

リライト/法条遥 ★★★★☆

1992年の夏、中学2年生の美雪は、未来からやってきた保彦と出会う。旧校舎崩壊事故に巻きこまれた彼を救うため、10年後へ跳んで携帯電話を持ち帰った。そして2002年の夏、思いがけず作家となった美雪は、その経験を題材にした一冊の小説を上梓した。しかしタイムリープ当日になっても10年前の自分は現れない。不審に思い調べていくなかで、同級生の連続死など記憶にない事実が起きていることに気づく。過去と現在の矛盾が生み出した、残酷な夏の結末とは―。

<この時から、私と彼の一夏の物語は始まった>

展開が面白すぎます。
ところどころで違和感を感じさせるエピソードがあって、それらが真相の衝撃を半減させてしまっているのが少し残念かな。
その訳の解らなさが魅力だったりもするのですが。
パラドックスで頭が混乱しますが、それでも面白い。
うん、面白かった。

デッドマン/河合莞爾 ★★★☆☆

身体の一部が持ち去られた6つの死体が都内で次々と発見される連続猟奇殺人事件が発生。鏑木鉄生率いる個性派揃いの特別捜査班4人が捜査に当たる中、一通の奇妙なメールが届く。差出人は「デッドマン」。彼は6つの死体のパーツを繋ぎ合わされて蘇った死人で、自分たちを殺した犯人を暴くために協力したいというのだが…。

<死体のくせに大した奴です>

キャラクターがどうも馴染めないというか、せめて正木さんがもっと面白ければなぁ。捜査班4人のやりとりが辛かったので、デッドマンのパートは本当に読みやすかったです。
演出もあまりドラマチックではなく、いい真相なのに驚きが乏しいのが残念。
「デッドマン」が生まれた理由は好みでした。

さあ、地獄へ堕ちよう/菅原和也 ★★★☆☆

SMバーでM嬢として働くミチは、偶然再会した幼なじみ・タミーから《地獄へ堕ちよう》というWebサイトの存在を教えられる。そのサイトに登録し、指定された相手を殺害すると報酬が与えられるというのだが……。

<そんなことしたら、痛いじゃない>

なるべく想像力をオフにしての読書。
少しでも気を抜くと、気分が悪くなる描写が満載なのですよ。
事件の残虐性とミチやタミーのキャラのミスマッチさが現代っぽくてよかったのに、途中からミチの行動がいきなり不自然というか。
もう少し躊躇しようよ、とか。踏み出す一歩が大きすぎるよ、とか。
ミステリとしては、「もしかして・・・」という予想がピタリと正解。
2作目のテーマがめちゃめちゃ気になるわぁ。

クリーピー/前川裕 ★★★☆☆

杉並区の住宅街に、微妙に孤立してみえる一戸建てが三軒。大学教授の高倉家は夫婦二人ぐらし。隣は四人家族の西野家。向かいは老親子が住む田中家。ごく薄いつきあいの隣人同士の関係はしかし、田中家の失火炎上を契機とするかのように、大きく歪みはじめる…。第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

<それはある意味では、秩序だった>

大学教授の作品なので身構えていましたが、理屈っぽさも程よく、読みやすかったです。
中盤まではドキドキの展開で楽しめるのですが、そこからが失速。
主人公たちが理不尽な目に遭うのに周りの誰も信じてくれない、という精神的に追い詰められるような状況がずっと続くと思っていたので、ホッとするのと同時に、少し緊張感が薄れてしまったかも。
「悪の天才」の目的など、いろいろと中途半端なのも残念。

望郷/湊かなえ ★★★☆☆

島に生まれ育った人々の、島を愛し島を憎む複雑な心模様が生み出すさまざまな事件。

<我が故郷よ、永久にあれ!>

どれも主人公の心理描写は見事ですが、読後は島の閉塞感しか印象に残らないといいますか。
長編ならともかく、短編でこんなにも湿っぽい話が続くと気が滅入るといいますか。
既読の「海の星」がよかったので、この短篇集も読んでみたけれど、しばらく湊かなえはいいかな。

福家警部補の報告/大倉崇裕 ★★★☆☆

実力派漫画家と辣腕営業部長、もと同人が迎えた不幸な結末(「禁断の筋書」)、少女が目撃証言を拒むのはヤクザの一徹に絆されたからか(「少女の沈黙」)、老夫婦が爆弾で吹き飛ばした三人は銀行を襲う直前だった(「女神の微笑」)。『福家警部補の挨拶』『福家警部補の再訪』に続く、倒叙形式の本格ミステリ第三集。

<あなた、私のことを疑ってるでしょう>

三作目にして、急に福家警部補のキャラが魅力的に感じてきました。
驚きのロジックはないけれど、ストーリーはシリーズの中で一番よかったです。
特に「少女の沈黙」は読み応えアリ。菅原の動機にもう一捻りあればなぁ。
福家警部補が関係者たちに幸福を運ぶ(?)エピソードも温かくて好みです。

強欲な羊/美輪和音 ★★★★☆

とある屋敷で暮らす美しい姉妹のもとにやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた数々の陰湿で邪悪な事件。揺れ動く男の心理と狡猾な女を巧みに描く「背徳の羊」、愛する王子と暮らす穏やかな日々が崩壊する過程を、女たちの語りで紡ぐ「ストックホルムの羊」ほか全五編で贈るイヤミス連作集。

<だったら、おまえも、強欲な羊じゃないか!>

新人だとばかり思っていたので、文章の巧さにびっくりですよ。
湊かなえの小説からイヤっぷりを薄めてミステリを強くした印象で、私はこちらの方が好みでした。

どれも、大体の真相は予想できるのですが、少しヒネリがあるのが嬉しいです。
ミスリーディングの部分が放置気味だったりするのも、まぁ許せるかな。
最終章で、一気に安っぽい読後感になってしまったのが残念。
各章、とてもいい雰囲気で終わっていたので、わざわざホラー仕立てにしなくても。

スノーホワイト/森川智喜 ★★★☆☆

“魔法”と“探偵”が出逢うとき、完全犯罪の幕が上がる。「なんでも教えてくれる不思議な鏡」を使ってちいさな探偵事務所を営む女子中学生・襟音ママエ。自分の頭ではまったく推理をせず鏡の力に頼りっきりのママエだったが、とある事件がきっかけで、ずる賢い天才探偵・三途川理に命を狙われることになってしまい―!?

<でもいいの、鏡に聞くからいいの>

う~ん。期待しすぎたかなぁ。
前作と違ってストーリーが断片的だからか、あまり引き込まれなかったのが残念。
ママエの鏡の使い方がヘタすぎてイライラしてしまったり。
三途川のロジックは緻密だし、いくつか伏線の回収で「おっ」と思うポイントがあるし、ラストの作戦も意外性があります。
でも、なんだか全体的に印象が薄いのですよねぇ。
前作の方がドラマチックで好みでした。やっぱり小人よりもネコかな。

私はフーイー/恒川光太郎 ★★★☆☆

ヨマブリと胡弓の響き、願いを叶えてくれる魔物、ニョラの棲む洞窟、林の奥の小さなパーラー、深夜に走るお化け電車、祭りの夜の不吉な予言、転生を繰り返す少女フーイーが見た島の歴史と運命とは―。

<都市じゃないから、島伝説だね>

表紙イラストが怖すぎますが、内容はいつもの恒川作品。
島の伝承など非日常的な心地よさを味わう中、生々しい事件によってサッと現実に引き戻される。このブラックさがとても好みなんですよね。
オチやサプライズなんて不要だと思うくらい、物語の力が強いです。
「夜のパーラー」なんて、珍しく綺麗にまとまったので驚きましたよ。

禁断の魔術/東野圭吾 ★★★☆☆

湯川が殺人を?
「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ」。
ガリレオシリーズ初の完全書き下ろし。


<使い方を間違えれば、禁断の魔術となる>

せっかくの書き下ろしなのに長編じゃないなんて。
評判がいいので期待しすぎたのか、どれも印象に残らず。
最終話は帯で展開が読めてしまうのが残念。
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 2005年8月~

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