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金色機械/恒川光太郎 ★★★★☆

触れるだけで相手の命を奪う恐ろしい手を持って生まれてきた少女、自分を殺そうとする父から逃げ、山賊に拾われた男、幼き日に犯した罪を贖おうとするかのように必死に悪を糺す同心、人々の哀しい運命が、謎の存在・金色様を介して交錯する。人にとって善とは何か、悪とは何か。

<人生、起こること、これみな神事>

約450ページを一気読み。
遥香の回想から始まり、熊悟朗やその他の登場人物の過去など、頻繁に時代が前後するストーリーなのに、読みやすさが半端ないのですよ。
次の章にスッと気持ちが入るのです。
何が善で悪なのか、遥香や熊悟朗の立場ならではの葛藤に考えさせられたり、第三章の真相が恒川作品っぽくて嬉しくなったり。
読後はもっと胸を打たれるような余韻を期待しましたが、エピソードを詰め込みすぎなのか、やや物足りなさが残りました。
金色様がだんだんコミカルになっていくことで、ただでさえイメージしにくいキャラがブレてしまったのも残念かな。可愛いんだけどねぇ。
でも、今回も恒川ワールドを堪能できました。

ダンガンロンパ霧切 1 /北山猛邦 ★★★☆☆

これぞ“本格×ダンガンロンパ”!!謎の依頼を受け集結した五人の探偵たちを待ち受けていたのは「犯罪被害者救済委員会」が企む『黒の挑戦』を通じた連続探偵殺人事件の幕開けだった……!

<生まれつきの探偵なの>

原作ゲームは気になっていたのですが未購入。
まさか北山さんが小説化するとは。
でも、ゲームそのままの内容ではないのですね。そこは残念。
1巻ということで物語世界に重点を置いていて、ミステリ部分はかなりコンパクトに纏まっています。
犯人も予想通りなのですが、発想は好みでした。
結お姉さまがもう少し優秀でも良かったのですが、打たれ強くて、響子をぐいぐい引っ張っていく積極性はお気に入り。
イラストの挟み方も魅力的だし、続きがとても気になる終わり方なのですよね。
これは読まないと。

踊る人形/森川智喜 ★★★☆☆

探偵小説が大好きな小学生・古沢くんと同級生のふみこちゃん。二人は公園で出会った謎の博士・エリカが泥と呪文でつくりだした怪人・ゴーレムに出遭う。孤独を嘆き、自分の仲間を増やせと博士を脅迫するゴーレム。そこに悪名高き名探偵・三途川理が関わってきて――。人形男ことゴーレムに、小学生探偵たちは勝てるのか!?

<さすが名探偵三途川理>

やっぱりこの作家はファンタジーの方がしっくりくるかも。
独特の語り口調で「さて、読者のみなさんはお気づきでしょうか?」とか何度も煽ってくる手法は、結構好みでした。
伏線がさり気なさすぎて解りにくいですが、ロジックは安定感があるし、「鼻」の扱いや「目」の閉じ込め方など着眼点も斬新。
三途川もこれまでとは違った見せ方で面白いです。
終盤、古沢君が三途川を信じきれなくなって頭を抱えてしまう様子に笑いました。
これで、あともう少し物語に魅力があればなぁ・・・。

ドラゴンフライ/河合莞爾 ★★★☆☆

多摩川の河川敷で、臓器を抜き取られ、黒焦げにされた遺体が発見される。鏑木が率いる4人の特別捜査班は再結成し、遺体の下にあったトンボのペンダントヘッドを手がかりに群馬県の飛龍村へ向かう。そこはトンボの里として有数の沢がある村で、被害者はトンボ研究に熱心だった青年・遊介と判明する。だが彼の死後、幼馴染みの盲目の女性・泉美に遊介からの電話が掛かってくる。

<不吉な飛ぶ虫―か>

ユーモアミステリは別として、こういうシリアスな小説で「ま、まさか・・・」とか「そ、そんな・・・」など、動揺台詞(?)を多用するのってあまり好きじゃないなぁと思いながらの読書。
変に丁寧なのか、省略してもいい台詞も多いのでなんだか読み口が鈍かったり。

最初の盲目の少女のエピソードがとても魅力的なのですよね。
やっぱり鏑木班が絡むシーン以外はとても面白いです。
前作よりは4人の会話も上滑り感が薄まったとは思うのですが、後半にワチャワチャし始めるのは相変わらずで。
澤田は必要なのかなぁ。なんだか姫野の役割で十分なような。
20年前の殺人事件の真相は、現場の状況を読んだ瞬間にピンときました。
「何で解らないの?」と鏑木たちにイライラしてしまうくらい、伏線を強調しているので。
あとは、切り裂かれた遺体の真相にガッカリしたのと、前作でも思ったけれど演出が不満。
なんでこんな余計な展開を挟むのかと。おかげで真相に急接近ですよ。
この作家の作品、たとえどんなに意外な真相でも驚けないような気がしてきました。
いいストーリーなのになぁ。

水族館の殺人/青崎有吾 ★★★☆☆

夏休みも中盤に突入し、風ヶ丘高校新聞部の面々は、「風ヶ丘タイムズ」の取材で市内の穴場水族館に繰り出した。館内を館長の案内で取材していると、サメの巨大水槽の前で、驚愕のシーンを目撃。な、なんとサメが飼育員に喰いついている!駆けつけた神奈川県警の仙堂と袴田が関係者に事情聴取していくと、すべての容疑者に強固なアリバイが…。仙堂と袴田は、仕方なく柚乃へと連絡を取った。あのアニメオタクの駄目人間・裏染天馬を呼び出してもらうために。

<僕は根拠を明確にしながら話しているんですよ>

キャラクターが前作よりもかなり親しみやすくなっていてホッとしました。
天馬のオタクっぷりも控えめで、後から考えるとそんなに必要でなかった卓球シーンも違和感なく楽しめました。
ただ、ミステリ面はあまり楽しめなかった・・・というか、現場の状況と容疑者のアリバイが複雑すぎて、早々に推理を諦めることに。
だって、50ページくらいで水族館関係者が一気に14人出てくるのですよ。パニック!
必死に人物紹介と図解を確認しながら読むのですが、彼らの動きがまったく頭に入ってこない。
これ絶対、もっと解りやすいタイムテーブルが必要だと思うのですが!私だけか!

クイーンは未読ですが、一つの謎に対して細かいくらいいろんな可能性を考える天馬の真摯な姿勢は、本当に好感が持てるのですよね。(かといって、ロジックに粗さが全然ないってこともないのですが。)
天馬が真相を解明していくシーンはゾクゾクします。
何点か「おっ」と感じるロジックがあるのですが、前作に比べるとどうにもインパクトが弱いかなぁ。
でも、次も絶対読みます。この勢いはスゴイ。

アリス殺し/小林泰三 ★★★☆☆

複数の人間が夢で共有する〈不思議の国〉で次々起きる異様な殺人と、現実世界で起きる不審死。驚愕の真相にあなたも必ず騙される。鬼才が贈る本格ミステリ。

<世界はがらりと変わった>

小林さんの新作だということで、内容をまったく知らずに手に取ったのですが、読後、最初にあらすじを読まなくて良かったと心底思いました。ああ幸せ。

〈不思議の国〉と現実世界、それぞれで起こる殺人がリンクするというストーリー。
ただ、私は昔から『不思議の国のアリス』の世界観が苦手で。
詳しくない上にキャラクターの説明もないし、死体の描写はグロいしで、もう読み辛いったらなくて。
でも、その苦労が報われた瞬間、「おーっ」と声を上げましたよ。
歯痒い会話だらけのこの世界観だからこそ、スルーしやすい伏線といいますか。
いや、お見事です。
(そういや、表紙イラストにはちゃんと描かれているような。解らないって!)
諦めずに最後まで読んで本当に良かったと思った作品。
あとは、無意味なグロ描写さえなければなぁ。今回はしつこかった~。

ライオンの棲む街/東川篤哉 ★★★☆☆

27歳の川島美伽は東京でのOL生活に夢破れ、地元・平塚市に帰ってきた。それを聞きつけた高校時代の友人・生野エルザから「ウチの仕事を手伝え」との誘いがくる。就職難の昨今、旧友の優しさに感激しながらエルザのもとを尋ねる美伽。しかし、そこには『生野エルザ探偵事務所』という看板が。10年ぶりに再会した旧友は、地元の刑事も恐れる“名探偵"に成長していたのだった!!

まったく期待せずに読んだので、ライトな感覚で楽しめましたが、東川作品にありがちなトリックが目立ち、すぐに真相の予想がついてしまうのが残念。
そして、「ライオン」という渾名は必要?と思うくらい、エルザの猛々しさが中途半端なような。
日常的に、美伽がエルザのことを「ライオン」と呼んでいるならまだしも、ねぇ。
シリーズ化かぁ。もういいかな。

もしもし、還る/白河三兎 ★★★☆☆

異様な暑さに目を覚ますと「僕」は砂漠にいた。そこへ突如降ってきたのは、ごくごくありふれた電話ボックスだった。いったいなぜ?混乱したまま電話ボックスに入り、助けを求めて119番に電話をかける。だが、そこで手にした真実はあまりにも不可解で…。

<ここってその猫の実験に似ているな>

うわぁ。これはいい。
本当によく練られたプロットだと感じました。
主人公に好感が持てないのと、過去と現在が細かく交錯するので読みにくいのと、過去の事件の真相が平凡なのが残念ですが、終盤の伏線の回収がとてもドラマチックなのですよ。
あのエピソードがここで活きてくるのかと、何度も驚かされました。
いろいろ不可解だけれど抽象的すぎない、そのバランスも好み。
ラストも大好き。このラストしかない。

永遠の殺人者/小島正樹 ★★☆☆☆

ある月曜日、西東京市の空き家の浴室で男性の死体が発見された。浴槽に座らされた死体は両手首が切断され、血溜まりに浸かった状態で遺棄されていた。さらに、失われた両手首のうち左手は列車のコンテナの中から、右手は大阪の空き家の壁の中から発見された。状況を調べると左手も右手も土曜日のうちにそれぞれの場所に置かれたとしか思えないのだが、死体の男性は日曜日に元気な姿を目撃されていた。

うーん。前作よりもさらにキャラクターに助けられている印象。
薫さんのキャラはもちろん、主人公の刑事(名前失念)も単純なモノの見方をしない子で好感が持てるし、読み心地はとてもいいのですよね。(位牌推理法も案外大丈夫だった。)
謎もいつも通り不可解でワクワクさせられます。
トリックと真相以外は、とても楽しめる作品なのです。

だって、終盤の犯人の告白がやたらと説明臭く、「そんな伏線あったっけ?」と疑問に思うレベルの新情報が続々出てくるのですよ。そりゃ意外な真相ですよ。
それとも、私が伏線を読み逃したのかしら?
実は、謎よりも犯人の心理の方が不可解だった、という読後感。
タイトルはいいと思うのですがねぇ。

リバーサイド・チルドレン/梓崎優 ★★★☆☆

僕らは、確かに生きている。君という人間を、僕は憶えている。カンボジアの地を彷徨う日本人少年は、現地のストリート・チルドレンに拾われた。「迷惑はな、かけるものなんだよ」過酷な環境下でも、そこには笑いがあり、信頼があった。しかし、あまりにもささやかな安息は、ある朝突然破られる――。突如彼らを襲った、動機不明の連続殺人の真相とは?

<おそらがぽろぽろ、泣いている>

カンボジアのストリート・チルドレンという少し取っ付きにくいテーマなのに、一気読みです。
子どもなのに、過酷な状況にいるのに、逞しさを感じさせる彼らの生命力と仲間たちの絆に驚かされました。
ミステリとしては、殺人の動機が物足りないかな。
とっても私好みの動機なのですがねぇ。なんか弱いような。
泥人形の真相はしっくりきたのですが。
でも、ある一つの情報と同時に、もう一つの事実も明らかになるという手法は好みです。
チラと再読しただけでも、かなり巧いです。
ただ、すべてを読み返すのはしんどいのですよ。それが難。
いろいろと描写力が凄すぎて・・・。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れているので、OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
地の文では「少年」と使い分けているのね。
P108とか、少し違和感はあったのだけれど。
逆に、あれだけ「空が泣いている」とあるのに、何のイメージもしていなかったのが本当に残念。
画が一変する感覚を味わいたかったなぁ。

絶対にサプライズが用意されていると思っていたし、終盤で犯人の予想がついてからがとても長かったので、もしかして途中で視点が入れ替わっていて、犯人はミサキ?とか考えてしまった。
いつの間にか、本当の犯人の「彼」が主人公になってたら驚いただろうなぁ。
って、ありがちか。

菩提樹荘の殺人/有栖川有栖 ★★★☆☆

瀟洒な邸宅の広大な庭。池の畔、大樹の根元に転がる肉体美を誇った男の死体。上塗りされた虚飾が剥がれ落ちてゆく―。若き日の火村、そして若さゆえの犯罪――シューベルトの調べにのり高校生・アリスの悲恋が明かされる表題作、学生時代の火村英生の名推理が光る「探偵、青の時代」、若いお笑い芸人たちの野心の悲劇「雛人形を笑え」など、青春の明と暗を描く。

「アポロンのナイフ」のみ既読ですが、やっぱりこの動機とメッセージ性は印象深いです。

「雛人形を笑え」は、思ったよりもイヤな真相で驚きました。
「探偵、青の時代」はシチュエーションがいい。
疎外感を感じる火村とか、そういう人間っぽさが好きですね。
表題作は少し物足りなかったかな。
驚くようなロジックは見当たらなかったですが、どの作品も「若さ」がモチーフということで、哀愁が漂っていて切なくなりました。
こういうのもいいですね。

ミステリなふたり a la carte/太田忠司 ★★★☆☆

「氷の女王」と渾名される鬼刑事の景子さんの夫は、料理上手で優しい新太郎くん。だが、旦那さまの特技は料理だけでなく……美食と名推理が堪能できる、本格ミステリ連作集。

どれも事件が少し変わっていて面白いです。
想像どおりの真相だなぁと思ってたら意外と捻ってあるので、ロジックが甘くても許せてしまうのです。
オチにキレのある第2章がお気に入り。
何よりも、新太郎くんの作る料理が美味しそうなんですよね。
このシリーズはやっぱり好きだなぁ。
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 2005年8月~

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Author:めみ
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