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スタープレイヤー/恒川光太郎 ★★★☆☆

突然目の前に現れた男にくじを引かされ一等を当て、フルムメアが支配する異界へ飛ばされた夕月。「十の願い」を叶える力を手に、未曾有の冒険の幕が今まさに開く。ファンタジーの地図を塗り替える比類なき創世記!

うーん。今のところ、長編ファンタジーを楽しめる作家は恩田陸だけかなぁ。
恒川作品はやっぱり短編や連作が好みだと確信しました。
「犯罪者」との対面のあたりまではワクワクしましたが、そこからは何の意外性もない展開でほんと味気なかったです。
最初は、スターボートの操作が簡単にイメージできることや「十の願い」の緩すぎる条件が逆に新しいと感じたのですが、さすがに何でもありだと終盤にはシラけてしまって。
夕月が30歳を超えた大人であることや、彼女の過去が結構生生しいこともあり、伝えたいメッセージ(夕月の人生観の変化?)がとっても平凡に思えるのも残念。もっと若者向けでは。

さよなら神様/麻耶雄嵩 ★★★★☆

隣の小学校の先生が殺された。容疑者のひとりが担任の美旗先生と知った俺、桑町淳は、クラスメイトの鈴木太郎に真犯人は誰かと尋ねてみた。鈴木の情報は絶対に正しい。鈴木は神様なのだから―(「少年探偵団と神様」)。衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させた神様探偵が帰ってきた。他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに。

<全知全能というのを知っているかい?>

今回も小学生たちを相手に、手加減なしの真っ黒な展開を見せてくれました。
毎回、冒頭で鈴木が犯人を名指しするってのも斬新ですが、その犯人の選択も絶妙なんですよね。
どの話も完璧なロジックで犯人を確定するというのではなく、足りないロジックを「鈴木=神様」という事実により、推測で補うという流れになっているのが面白いです。
前半2話の街灯やTV の電源オフの謎はともかく、3話以降の「推測」はとんでもなく悪魔的で背筋がざわつきます。
なかでも「バレンタイン昔語り」は秀逸で、真相に愕然となり、伏線に痺れました。
ラストの真相は予想できるだけにどういう結末になるのか興味があったけれど、まさかこんなハイな感じで終わるとは・・・!
さすが麻耶さん、一筋縄ではいきません。
めでたしめでたし!?

股旅探偵 上州呪い村/幡大介 ★★★☆☆

渡世人三次郎が宿で看取った男が、村の災厄と名主屋敷の三姉妹の死を予言して果てる。ねじれたシダしか生えぬ土地、滝壺に吊された女の死体、底なしの井戸、棺から消えた死体がモウリョウとなり村人を襲う・・・上州の山奥、火嘗村に足を踏み入れた三次郎は「あっしには関わりのねえ」事件に次々巻き込まれてゆく。

<壁本ならぬ壁村だ>

あーやっぱり面白いわー。
読者やマニアの反応を気にしたり、続編やシリーズ化の企みもちょいちょい示唆したり、今回もメタ展開で笑わせていただきました。
でも、前作は全体的にユーモアが散りばめられていたのに、今回の笑い所はメタ部分のみで少し寂しかったかなぁ。その分、メタも多めですが。
名作ミステリや時代劇へのオマージュに徹底しているためか、作中で突っ込まれている通りページ数も多くなり、真相が弱くなっちゃってます。
でも、このトリックは嫌いじゃないので楽しめました。次も期待。

もう教祖しかない!/天祢涼 ★★★☆☆


老朽化した銀来団地で急速に広がりを見せる新宗教“ゆかり”。大手流通企業スザクのセレモニー事業部で働く早乙女六三志は、顧客との生前葬儀契約を守るべく、教団潰しを命じられた。ところが、同世代の教祖・藤原禅祐は訴える。「今や若者は、社会や成功者にとって搾取の対象でしかない」「そんな我々が逆転するには、もう教祖しかないのです!」そして両者は、“ゆかり”の存亡を賭けてある勝負に挑むことに―。


前半の六三志と禅祐のやり取りが見事で、ワクワクしてしまいました。
伏線を張るのも回収するのもすごいスピードなんですよ。
でも、そこから宗教の仕組みや住民と新宗教の対立など、目新しい展開や緊張感がないため、正直退屈でした。
さすがは天祢作品で終盤はどんでん返しがありますが、こちらはそこまで巧い伏線は見当たらなかったのが残念。
ミスリードの必要性も疑問だったり。もっとスマートな方法が・・・。
後日談が短すぎる気もしますが、ラストの禅祐の台詞だけで充分なのかも。
読後感はとても良かったです。
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 2005年8月~

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