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ロスト・ケア/葉真中顕 ★★★★☆

社会の中でもがき苦しむ人々の絶望を抉り出す、魂を揺さぶるミステリー小説の傑作に、驚きと感嘆の声。人間の尊厳、真の善と悪を、今をいきるあなたに問う。第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

<こうして、自分の家族の者が敵となる>

介護問題がテーマ。
認知症の実母の世話をする羽田洋子の章は、読んでいて苦しくなるほどでした。
裁判シーンの彼女の胸中、犯人逮捕後に検事に告げた被害者の娘としての言葉がとても印象深いです。
一方、終盤の検事の発言があまりに綺麗事だったので、少し拍子抜け。
ミステリとしてはあまり高く評価されていないイメージですが、私は満足しました。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れています。下の方へどうぞ。


























いやー、すっかり騙された。
謎めいた構成なので最初はミスリードだろうなと疑っていたけれど、露骨すぎる描写に「あれ?やっぱりそのままあの人が犯人なの?」と思っちゃったのよね。
もしかして「隠された動機」の方に意外性があるのかなと。
でも、途中の予期せぬ事件で「何やかんやで斯波くんの人物像がぼんやりしたまま退場」という強烈な物足りなさを感じたので、この真相には少しホッとした。】

人間の顔は食べづらい/白井智之 ★★★☆☆

世界的に流行した新型ウイルスは食物連鎖で多様な生物に感染し、爆発的な数の死者をもたらした。ヒトにのみ有効な抗ウイルス薬を開発した人類は、安全な食料の確保のため、人間のクローンを食用に飼育するようになる。食用クローン人間の飼育施設で働く和志は、自宅で自らのクローンを違法に育てていた。ある日、首なしで出荷されたはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が発生する。和志は事件の容疑者とされるが、それは壮大な悪夢のはじまりに過ぎなかった―。

<だからって人間の肉を食べさせるんですか>

特殊な設定ですが、読んでいくうちに「自分のクローンでないと食べるのに抵抗がある」という感覚に納得してしまいそうになったり、「いくら自分のクローンだと言われても、顔がないまま送られてきたら疑っちゃうよなぁ」と自分に置き換えて考えるほどの余裕が出てきました。
グロ描写もそれほどキツくなくて、和志の暴力シーンやチャー坊との会話が飴村作品っぽいなぁと。
真相は大体想像がつきますが、伏線の意外性と二転三転するロジックはとても興味深くて楽しめました。
想像していたよりもしっかりとしたミステリだった、という読後感。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れています。下の方へどうぞ。








































以下、気になる点。
アリバイ工作に利用する計画なら、もっと普通の人間っぽく教育してからじゃないと無理があるのでは。なぜチャー坊の方がしっかりしているのか。
あと、河内ゐのりのクズ男を探す理由は一体何だったのか、とか。(時計の伏線はスキ。)
火事の中での首切りの理由はいいとして、入れ替わったクローンの方の首輪はどうするのか、とか。
和志を引っ掛ける作戦も、警察しか知らない情報はともかく、和志自身も齟齬に気付くようなレベルのロジックでは危なっかしいのでは?とか。】

ダンデライオン/河合莞爾 ★★★☆☆

タンポポの咲き誇る東京の廃牧場で、赤いサイロの中からミイラ化死体が発見される。死体は鉄パイプで腹部を貫かれて空中に浮遊していた。さらに建物は内側からカンヌキが掛けられ、完全な密室状態。警視庁捜査一課の鏑木率いる特別捜査班の4人が捜査を始め、被害者は16年前から行方不明になっていた女子大生・日向咲だと判明。咲が大学時代に入っていた「タンポポの会」という環境保護サークルの存在が浮上。やがて公安部が捜査に介入してきて、事件は混迷を極めていく。

<でも、本当はどこにもない国―>

これまでと同じく、意外性のある真相なのにやっぱり驚くことができないミステリでした。
そんなに丁寧に伏線張らなくてもいいのになぁ。
警察の捜査がお粗末すぎるのも気になったり。
でも、やっと特別捜査班4人のキャラに慣れた(正木さんが面白くなった?)からか、シリーズの中で一番読みやすかったです。

ヒトコト(真相に触れています)

以下、自分用のメモ。真相に触れています。下の方へどうぞ。























第一の被害者の正体はタトゥーですぐに気づいてしまった。このヒントはやりすぎなのでは。
でも、(装飾品をせびっていることだし)てっきり被害者が何らかの悪意をもって成りすましたんだと思っていたのね。
まさか善の人間を殺害したとは完全に予想外で、そのシーンは「うわサイテー」を繰り返しつぶやきながら読んだとさ。
そして、事情はどうあれ、「咲と夢の遊び」は母親の症状をますます悪化させる原因となったのでは、と考えると切ない。】

全員少年探偵団/藤谷治 ★★★☆☆

灰色の紳士カクイ。呪われた美しい首飾り。われらの少年探偵団。藤谷治が描く江戸川乱歩生誕120年記念オマージュ第二弾登場!

<読者諸君には、もうおわかりでしょう>

初めての作家さんだし、乱歩ワールドの雰囲気を楽しめたらいいかなーくらいの気持ちで手に取りましたが、いやいや、なかなかの満足感でした!
二十面相ってこんな(情けない)キャラだったかしら?など記憶が飛んでる部分もありましたが、事件の真相は凝っていますし、何より「現代っぽい」ところが面白かったです。
おどろおどろしい雰囲気はそのままで、少年探偵団がパソコンやスマホを駆使するというギャップに笑いました。
懐かしさでいっぱいの表紙イラストですが、挿絵のタッチが怖くてページを捲るたびにギョッとなりましたよ。

ダンガンロンパ霧切3/北山猛邦 ★★★☆☆

ノーマンズ・ホテル事件から生還した霧切響子と五月雨結を待ち受けていたのは新たなる“黒の挑戦”、難攻不落の「密室十二宮」! 絶体絶命の霧切の前に現れた最後のトリプルゼロクラス探偵・御鏡霊は敵か、味方か!?

<でも結お姉さまは誰よりも高く跳べるわ>

今回は「黒の挑戦」のパートが短い上に、トリックもすぐにピンときてしまって物足りませんでした。
その分、本筋はかなり進展して、何より御鏡霊の正体は意外で格好良かったです。
これから「密室十二宮」のストーリーが展開されていくのかしら。
ゲームの経験者ならもっと楽しめるだろう点がストレスにならなければいいなぁ。

キャプテンサンダーボルト/阿部和重・伊坂幸太郎 ★★★☆☆

人生に大逆転はあるのか?小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫っていく。東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは――。

<常識というか、良識を疑いますよ>

本当に合作?と疑ってしまうくらい伊坂さんっぽさが溢れる作品。
国家権力や陰謀、ターミネーター級の破壊力を持つ刺客が登場するエンタメなのに、ストーリー展開がどこか枠に収まっているような印象で、真相も早い段階で解ってしまいました。
相葉の井ノ原への「負い目エピソード」も意外性ゼロだし、彼らの事情がシリアスなものだったので、アッサリとした後日談が肩透かしでした。
映像化すると面白いかもしれませんが、文章ではいまいち迫力が伝わらず、「派手なようで地味」という読後感。
『ゴールデンスランバー』の余韻とは雲泥の差でした。

家族シアター/辻村深月 ★★★☆☆

同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。こんな風には絶対になりたくない――だけど、気にせずにはいられなかった。 (「妹」という祝福)息子が小学校六年生になった年、父親中心の保護者会「親父会」に入った、大学准教授の私。熱心な担任教師に恵まれて、順調に思われた日々の裏には、とんでもない秘密が隠されていて……? (タイムカプセルの八年)

どんなに仲の良くないきょうだいでも他人に悪く言われると不愉快になったり、「孫と誕生会」のエピソードには胸が痛くなったり。
家族がテーマということで、それぞれ少しずつ共感できる短編集でした。
・・・でも、そろそろミステリが読みたいなぁ。
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 2005年8月~

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