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いつもの朝に/今邑彩 ★★★★☆

画家の日向沙羅は、3年前夫を線路事故で亡くしてから2人の息子と暮らしていた。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の兄・桐人と、何をやらせても落ちこぼれの弟・優太。ある日、優太は幼い頃から愛用していたぬいぐるみの中から手紙を発見する。それは、父から優太宛てに書かれたものだった。<僕は優秀だった父の本当の子供ではない?>優太は謎を解くため、手紙に書かれていた曾祖母とされる老女に会いにいくのだが・・・。

<下から手を差し伸べて人を救うなんて絶対にできないんだ>

今邑さんのミステリは全て読んでいますが、ホラーの傾向が強くなってからはかなり久しぶりです。
最近、全く新刊が出ないなぁと思っていたら、本書の執筆中に大病を患われていたそうです。

テーマはかなり重く深いです。
2人の兄弟のお互いを思いやる気持ちと揺れる感情が、とてもリアルに描かれています。
母親の葛藤と後悔、そして「神様の存在」について語るシーンは胸が熱くなりました。
相変わらず、リーダビリティは抜群。
次々出てくる謎も魅力的で、グイグイ読ませてくれます。

しかし、若干不満が残りました。
とてもとても良い話なのですが、真相がすぐによめてしまう。
今邑さんのあの素晴らしくトリッキーなミステリを知ってしまっているせいか、拍子抜けの感が否めません。
ミステリではない作品に対して、ミステリとして物足りないなんて感想をもつ自体が間違っているのですが、所々「あれ?ここはヒネらないの?」と生意気なことを考えてしまうのですよね。
特に終盤なんて、本来は感動が押し寄せる展開のはずなのに、もったいないという気持ちが強くてあまり集中できませんでした。
うう、残念。

今邑作品といえば二転三転のどんでん返し、という先入観が邪魔をしました。
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 2005年8月~

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