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それでも、警官は微笑う/日明恩 ★★★☆☆

銃の不法所持者のコンビニ人質事件を機に、所轄の刑事・武本と潮崎は麻薬取締官の宮田と出会う。
武本は昨年、この銃を使った殺人事件の捜査本部から外されたことにより、独自で銃の出所を調べていた。
一方、宮田は元恋人の父親が覚醒剤を使用した上、拳銃自殺したことが信じられず、自ら麻薬取締官となって真相を調べていた。
交差する2つの捜査が導く真相とは?


本当にこれがメフィスト賞受賞作?と疑うくらい真っ当な警察小説でした。
いきなり冒頭に「え!?」と戸惑うシーンが。
いえいえ、そんなストーリーではありませんでした。ホッ。

どこをとっても、武本&潮崎の魅力が満載です。
どんな不正も許さない、筋の通った男・武本。
最初こそ潮崎と組まされるのが迷惑に感じていたけれど、自然と信頼し合えるコンビになっていく様子が微笑ましいです。
本当なら内心でブチブチ文句を言ってもいいだろうに、それも一切無い。
そこが読んでいてとても気持ちが良かったです。

潮崎の緊張感ゼロの無邪気な発言にはこちらもニンマリ。
薀蓄をしゃべり出すと止まらず、相手もそのペースに巻き込まれてしまうのです。
最後までこの突き抜けたキャラでいくと思いきや、苦悩する姿など人間臭さも垣間見えたり。
実は悲しいほど自分の立場を理解していることが分かります。

彼らの会話はとても楽しいのですが、ストーリーには若干不満が。
あらゆる場面での説明調の文章が気になり、読むリズムが度々乱れました。
中盤で犯人が登場するし、ラストまで何のヒネリもない展開だというのも残念な気がします。
その反面、巧いと感じたのは終盤で明らかにされる「彼女」の真意。
これは抜群のリアリティでした。

ラスト、3人が別々の方向に歩いて行くシーンはとても画になり格好イイです。
潮崎の決意はモロに「踊る大捜査線」路線ですが、一体どうなるのでしょう。
次は『そして、警官は奔る』へ。
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 2005年8月~

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