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シャドウ/道尾秀介 ★★★★☆

母の死後、父・洋一郎と2人で暮らすことになった凰介。
数日後、幼馴染の亜紀の母親が、夫の職場の屋上から飛び降り自殺を遂げる。
そして亜紀は交通事故に遭い、洋一郎までもが・・・。
父とのささやかな幸せを願う小学5年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは?


<Who's the shadow?>

東京創元社の期待の表れか、装丁のセンスが素晴らしい!
しかし、これもまた賛否両論パックリ分かれそうな問題作です。

同じ時刻の出来事がそれぞれ別の人物の視点で語られるという構成は、とても面白いです。
これだと、どうしても読者を騙しにくくなるはずなのに、そこはさすが道尾さん。
絶妙なセンスで伏線が張り巡らされているのです。
今回は登場人物が怪しいキャラばかりなので、ミスリードがとにかく多いです。
一度読んで理解していたはずの描写が、再読すると全く違う意味を持っていたことに気づき、何度も「ああ!そういうことか!」と唸りました。

壊れかけたキャラや歪んだ親子関係など、暗くて重い雰囲気は『向日葵~』と似ています。
しかし、不条理が緩和剤になっていた『向日葵~』の方が、まだ気楽に読めました。
こちらは何と言うか・・・生々しいのです。
特に、思春期というテーマが苦手な私は、思わず引いてしまう真相が多くて参りました。

ラストも爽やかな中に不安が残るという何ともいえない読後感。
終盤のやや強引なストーリー展開についていけなかったのと、やはり『向日葵~』には及ばないと感じたので、評価は星1つ減点。
少し期待しすぎたかな?

東京創元社『Webミステリーズ!』のあとがきがとても良いです。

<描いてある感情すべてにすんなりと同感できるような小説に、僕は意味があるとは思えない。>

まさに、その考えが伝わってくる作品でした。
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 2005年8月~

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