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きのうの世界/恩田陸 ★★★★☆


失踪した男は遠く離れた場所で死体となって発見された。
塔と水路の町にある「水無月橋」。
霜の降りるような寒い朝、事件が起こる。
バス停に捨てられていた地図に残された赤い矢印は・・・?
恩田陸待望の新刊。(amazonより)



<それは、なぜかひどく不吉なイメージに思えた>

久しぶりの恩田さんの長編です。
帯に「誰も予想できない結末が待っている!!」とありますが、本っ当~に予想外でした。
恩田作品でこういう真相って珍しいんじゃないかなぁ。多分。

新聞に連載されていたということで、各章はとても短いです。
全ての章に「~の事件」というタイトルが付いてますが、事件というより「謎」ですね。

1年前に失踪したまま、遠く離れた町で死んだ男にまつわる謎。
彼は何の目的でこの町に来たのか?
生前の不可解な言動は一体?

住民の回想や証言で男の人柄や行動が明らかになり、短いけれど意外な展開でグイグイ読ませます。
独特の二人称が苦手で、事件を調査する「あなた」の正体が判明するまでは読みにくかったなぁ。
お気に入りは「溺れかけた猫の事件」「川沿いに建つ洋館の事件」

「仕掛け」には本当に驚いたし、そのシーンが目に浮かぶようで圧倒されました。
再読すると腑に落ちない点が続々と出てきますが、細かいことを考えなければなかなか満足度の高い作品だと思います。
以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
特殊能力や不思議な現象が出てくるので、真相もSF風(塔が凶器とか?)なのかなと思っていたのだけど、町が水に浮いているというまさかの物理トリック(?)にびっくり!
その橋だけが木製だったり、塔の役割が「水抜き」で、その場所に誰も住まないようにするためだったのも巧いなぁ。
でも、なぜ住民に秘密にしないといけないのか、その危険性にはピンとこなかった。
共同体がどーのこーのって。
「水に浮く町」とかって有名になりそうなのに・・・。ポジティブすぎる?

第18、19章は、別に修平の考えた物語ではないよね?
(第17章の終わりで「さぁ、修平。考えるんだ」ってあるからさ。)
それを前提に疑問点をメモしておこう。

・ずっと気になっていたんだけど、吾郎がコンビニで買った封筒と筆ペンの意味は?ナシ?
・結局、吾郎の会社が葬儀を仕切ったのはなぜ?
・例の道に落ちてた地図について、中学生が書いたものだったら、華代以外の指紋が見つからなかったのはなぜ?
・犬が偶然地図を咥えて運んだのなら、予行演習だとされた双子の家のハンカチの意味は?
・駅員が見た新村家の女の子が持っていたピンクの鞠は、どうやって先生の手に渡ったの?
・ステンドグラスの天の川の意味は?
・塔に結んだ赤い糸は?

とにかく、吾郎は町の秘密を知った上で移住したんだよね?
「カマをかけた」ってあるけど、喫茶店の鏡を見て驚愕したのも演技ってこと?
そういった様子にいちいち期待させられたので、色々とガックリなんだけど・・・。
最初は記憶力が抜群という設定だけだった吾郎が、後半に向けてどんどん進化していくのも不自然だったなぁ。
何だか、最初は「殺人」のつもりだったけれど、連載が進むにつれ、「事故死」に変更した結果、辻褄が合わなくなっちゃったみたいな。
栄子の死や吾郎の弟の存在も必要性があったのか微妙。
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 2005年8月~

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