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彼女がその名を知らない鳥たち/沼田まほかる ★★★★★

愛情を証明するためには、何を捧げればいいのだろうか?十和子は淋しさから、飲み会で出会ったうだつの上がらない中年男・陣治と関係を持ち、なんとなく一緒に暮らすようになる。ある日、陣治の部屋で、昔の男から贈られたピアスを発見する。何故ここに・・・。
十和子が選んだ驚くべき行動とは!壊れかけた女、人生をあきらめた男。ダメな大人が繰りひろげる100%ピュアな純愛サスペンス。(帯より)


<約束や、約束やでぇ、十和子ぉ>

これは、読み手を選ぶ作品だろうなぁ。

文章や表現力が見事で、臭ってきそうなほど生々しいです。
その中でも、うだつの上がらない中年男・陣治のキャラクターが秀逸。
前作も関西弁のおじさんが嫌な隣人として登場したけれど、陣治にはもっと生理的な嫌悪感を煽られます。
すぐに痰を吐くわ、クチャクチャ音を立てて食べるわ、不潔だわ卑屈だわ、他にもゲンナリする言動がたっぷり。
こんな同居人は嫌だという十和子の気持ちも分かるけれど、十和子の壊れっぷりも尋常ではないのです。
住居も生活費も陣治に頼っているくせに、彼のことが気に入らなくて暴言を吐きまくる。
そんな十和子に一生懸命尽くす陣治。
中盤からは陣治がどんどん気の毒に思えてきました。

十和子と昔の男の間に何があったのか?
真相は大体予想がつきます。
でも、それによって、奇妙に感じていた十和子と陣治の関係がストンと腑に落ちるのですよね。

ラストは壮絶。これこそが「純愛」。
最初は苦々しい気持ちで読んでいた数々のエピソードが胸を衝き、しばらく涙が止まりませんでした。
以下、戯言ですが真相に触れています。OKな方は【】を反転(ドラッグ)させてご覧下さい。
ラストで陣治が飛び降りた時、感動と同時に「えっ!!十和子を置いていくの!?」という不自然さも残った。
でも、そうだよね。
一緒にいたら十和子は過去を忘れられなくて苦しんでしまう。
だから陣治はずっと思い出して欲しくなかったんだよね。
陣治の「楽しかったなぁ、十和子」という言葉が救いだと思った。
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 2005年8月~

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