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ワイルド・ソウル/垣根涼介 ★★★★☆


<人殺しに退職金を与えようが、詐欺師に年金を払おうが関係ない。ただ胸糞が悪いだけだ>

数々の賞を総ナメにしている本書。
ただ、リベンジがテーマということと、本の厚さに少し躊躇してたのですよね。
そして読後、読まず嫌いだった自分をパンチ。
はい。とっても面白かったです。もう一気読み。

ブラジル移民については、ニュースの特集などで知識はありました。
ただ、これほど酷いものだったとは・・・。

多くの期待と夢を抱きつつ移住の地・アマゾンに降り立った瞬間、絶望に襲われる人々。
国から供給を約束されていたはずの家も畑も見当たらず、あたりは農業をするにも困難な強酸性の土壌で覆われている。
そして、病気や洪水に怯える日々・・・。

あまりの救いの無さにこちらも辛くなってきました。
何よりやり切れないのは、主人公・衛藤が必死に説得して連れてきた妻と実弟が文句1つ言わず、夫として兄として彼を立て、それ故に衛藤自身も弱音を吐くことができずにいる状況。
衛藤の面目ないという想いが胸を衝きます。

この散々な第一章で、そりゃあ、この恨み晴らさずにいられようか!って気になりますよ。ほんと。
衛藤と同じく辛い過去を持つ、ケイ、松尾、山本の4人。
彼らの反撃が始まってからはもう爽快です!
特に、ケイの底抜けの陽気さは、エンターテイメント性に大いに貢献しています。
最初はガサツで無神経で・・・とムカムカしてたのですが、だんだん憎めなくなってきて、最後には大好きになりました!

ケイと貴子のラブストーリー、ケイたちが起こす事件を捜査する岩永警部の警察小説、そして全体的にはハードボイルド。
とても贅沢、そしてどこを取っても面白い!

山本と松尾の結末も、意外なほど「救い」を感じることができました。
そして、エピローグはとっておきのサービス。
冒頭からは想像がつかないくらい、爽やかな読後感でした。
読み応え十分です。
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 2005年8月~

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