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蒲公英草紙/恩田陸 ★★★★★


<たんぽぽの綿毛が風に運ばれていく未来。
それがどんなものかは見当もつきませんでした。>


もう・・・素晴らしかったです。
『光の帝国』でボロボロに泣いてしまったため、この続編を読むのに相当な覚悟が必要でした。
しかし、読んで良かった・・・!

20世紀初頭、静かな農村地帯が舞台。
医者の娘である峰子は、名家槙村家の病弱な末娘・聡子の話し相手を頼まれる。
そして、峰子は対面した瞬間から、美しく聡明な聡子に惹かれていく。
そんなある日、謎の一家4人が槙村家を訪ねてくる。
彼らは「常野」だった。

峰子の穏やかな語り口がとても心地良いです。
静かで美しい風景がふんわりと思い浮かぶようでした。
しかし、読み始めから既にうっすらと涙が・・・。
終盤の展開に対する予感があったのかもしれません。

椎名と永慶の絵に対する聡子の評や、聡子と常野の姉弟との出会い、秘密の場所での峰子と廣隆の語らいの場面。
恩田作品ではその表現の見事さにしばしば鳥肌が立つのですが、今回は終始その状態が続きました。
自分が峰子と同化したかのように、彼女の驚きやとまどいを感じることができるのです。

クライマックスでの、聡子の行動と槙村家当主の温かい笑みに、常野一族とそれを支える人々の宿命の重さを感じて涙が止まりませんでした。
「戦う」ためではなく、「救う」ための力。
聡子の「ありがとう」の意味がわかった瞬間、さらに号泣。

安直な展開を選ばず、敢えて現実を突きつける結末にも胸を衝かれました。
椎名が予言した「地獄」の中で、峰子の最後まで穏やかな、しかし強い訴えが心に響きます。
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 2005年8月~

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